「優勝は逢魔中学!!」
「…………」
俺の名前は黄瀬諒太、転生者ッス。
ただの転生者じゃないっスよ、地獄で転生者になる為に修行をした実力派エリートを名乗るに相応しい転生者ッス。
「勝った勝ったぞ!3年連続でうちが優勝した!!」
「いや〜どうもどうも……」
見た目は黒子のバスケの黄瀬、中身もそれっぽい、出来ることもそれ。
実は転生は1度目じゃない、2度目の転生で1つ前にラブライブの世界に転生してたんスけどね……まさか地獄の転生者運営サイドがキセキの世代になる転生者を揃えてるとは思いもしなかった。先輩転生者である赤司っち、青峰っち、1個上の先輩である虹村さん、大先輩である黛さん、そして新米の俺、紫原っち、緑間っちの7人が居て原作そっちのけ、皆が皆、ラブライブよりもアイマス派だからって原作ガン無視で日本をバスケ王国化計画を企てて、日本をバスケ王国に、世界一を決めるワールドカップやオリンピックで金メダルを、特に東京オリンピックで金メダルを取った時は世間からヒーローの扱いをされて楽しかったッス。
「3年間無敗を貫き最初から最後までスタメンのキャプテンの黄瀬選手!今のお気持ちを」
「あ〜……ハッキリと言っていいスか?」
「はい、是非とも」
「もう、飽きた」
「……え!?」
記念撮影を行えばバスケ雑誌の記者が俺を取材してくれる。
今の気持ちを現して欲しいと言うのならば、飽きたとしか言いようがない。だって、そうだよ。
「3年連続でトリプルスコアは無いっすわ」
全国大会の決勝戦、今年も去年も一昨年もトリプルスコアで終わった。
対戦相手の中学は世代交代が起きてもバスケが強い中学校として有名な学校だった。だけど、俺には敵わなかった。俺を5ファールで退場を狙ってたけども逆に相手の技を真似て相手のプライドとか努力してきた時間を全て無駄にしてやった。
前の世界では赤司っち達が居てくれた。赤司っちがラブライブなんて物凄くどうでもいい、日本をバスケ王国に変えるのだと高校バスケの世界を地獄に変えた。高校バスケの世界で天下を取った。全国大会の決勝戦でバスケの強豪校にキセキの世代の面々が全力を出して150点以上を取っただけでなく0点で終わらせると言う地獄を作り上げた。それだけじゃない天皇杯で優勝を果たした。
「こう、張り合いってものがないんすよ……俺をファールで退場させて勝とうって魂胆、悪いとは言わないけども純粋な実力で勝つことが出来ないのかって…………3年間地道にコツコツとやってきて頂きに登ったけど、つまんなかった。高校に上がっても1年生の頃に倒した経験がある奴と戦うだけで物凄くつまんない。俺を高めてくれる仲間は居ないし、俺は全力を出すことが出来なかった」
「それは、つまり手加減をしていたと?」
「本気でやってたッスよ……ただ、コイツには負けたくない。絶対に勝ちたいって思えるような相手が何処にも居なかった……チームの皆には悪いッスけど、俺は2年の全中から、キャプテンを指名されてからずっと退屈だった。新星が来るのか、それとも意地を見せてくれるのか……そう期待を寄せていた俺が馬鹿みたいだって言えるぐらいには退屈で退屈で仕方がなかった」
スポーツをする上で大事なのは勝つことと楽しむこと。真剣勝負の上で楽しむことが出来る奴ほどスポーツに向いている人は居ない。
俺は真剣勝負をした上で勝利を求めているけれども、右を見ても左を見ても退屈で退屈で仕方がなかった。念には念を入れてと必死になって積み上げて努力してこの世界でも使うことが出来るようになった最強の奥義を結局1回も使わずじまいだった。
「俺はもうバスケはやめます……次に部長にする子も決めてるし、スター選手が居なくてもちゃんとやれば勝つことが出来るのだと証明する事が出来たんで俺は今日限りで本気の全力のバスケは辞めるっす」
「え、っちょ」
「スポーツは真剣勝負を楽しんでナンボ、バチバチやり合ってなんぼ、こんなに張り合いのない退屈は存在してない……これ、ちゃんと記事にしてくださいね。明日からバスケの強豪校がスカウトに来る可能性高いんですから、全国誌でビシッと断っておきたいッス」
圧倒的なまでの天才と言われている俺を失うのはバスケ界の痛手かもしれないけど、ここまで退屈だとは思いもしなかった。
嘘にならない練習をコツコツと積み上げたし、情報収集して相手の対策とか技とかを真似たりした。けど、張り合いのなかった。俺だけ特別メニューで特訓すれば生意気な奴とか思われるしマジでつまらなかった。
バスケの取材記者はなにを言っているのか分かってない顔をしていた。
けど、これはずっと前から決めていた事。日本人は中学生から体格がハッキリとしてくる。そんな中で1年生の頃から俺は試合に出場していて体格が出来上がっている3年生をコテンパンにしてやった。そこから死ぬ気の研鑽を積んだりして基礎能力を上げてるみたいだけど、底が知れてる。
3年連続でMVPとベスト5に入った。
けど、退屈だった…………赤司っちが日本をバスケ王国に変える計画を企てて高校バスケの世界を地獄に切り替えてた頃がホントに懐かしい。
あの頃は蹂躙する、無双するだけだったけど楽しかった。奇跡の世代と呼ばれる面々と死ぬ気になって切磋琢磨と鍛え上げていた。天才を鍛え上げるには天才しか存在してないって言うのが嫌になるぐらい分かったッス。
雑誌記者にはハッキリともうバスケは遊びでしかしないと言った。言った以上は遊びでしかしない。
閉会式を終えてメダルとMVPの表彰状を受ける。学校に帰れば次のキャプテンを選出して直ぐに退部届を出した。
当然と言うべきか、この事はバスケ界隈で話題になった。中学バスケの至宝がバスケが退屈だから辞めると言い出したのだから、誰だって驚く。
1人のバスケ好きとしてバスケを愛する者としてバスケを続けてほしいという意見は出た。高校の部活じゃない、プロ傘下のユースチームがやってきて学校は適当でいいからウチのチームに参加してくれないか?そう言ってきたからものは試しにとそのチームのスター選手と勝負をしたけど結果は圧勝…………再現をする事は出来ても模倣する事は出来ない本物の天才達とバチバチにやりあったせいもあってか燃え尽き症候群に近い感じになってる。けど、後悔はしない。これ以上バスケを続けていれば作業ゲーになってしまってなにも思わなくなってしまうから。
バスケはもう飽きたとも言えるぐらいにはなっていた。
勝ったり負けたりを繰り返すプロの世界でバチバチにやりあうのがホントに楽しいのに、つまらない。
けど、後悔はしてない。自分が好きなものが嫌いなものに変わるのだけはあってはならない事だから……好きなものを趣味にしても仕事にするなって言葉が身に沁みる。
「いや〜…………どうしようか」
見事に引退して、バスケの世界から足を洗った。けど、スポーツをしたり体を動かしたりする事が嫌いってわけじゃない。
だからまぁ、今後の事を考える……野球は無いっすね。坊主頭にしなくちゃいけない規則ありとか普通に嫌だし、基本的にはピッチャーしか活躍しないし周りを頼れない。俺だったら全打席ホームランの選手も出来るけど、それだけやっても勝つことが出来ないスポーツに今のところ興味は抱かない。サッカー、バレー、テニス…………いや、違うな。
「アイシールド21、か……」
俺がラブライブの次に転生した世界はアイシールド21の世界だ。
世代が1つだけ違うッスけど原作はちゃんと知ってるッス。けど、アメフトに対して興味を抱いてるのかと聞かれれば答えづらい。スポーツである以上は熱いものがある世界であることには変わりはなさそうなんですけどね。
行きたい学校も無い。今すぐに熱中することが出来るスポーツも無い。だったらと主人公が所属している泥門高校に通う……幸いにも大して勉強しなくても入学することが出来る高校というか某Hさんが全員合格する事が出来る様になってるッス。
「俺、黄瀬諒太よろしくっす!」
そんなこんなで泥門高校に入学したっす。
主人公である小早川瀬那くんとは違うクラスになったけども、そんなのは気にしないでおく。後ろの席の生徒に軽く挨拶をする
「
「よろしくっす…………小結くんは部活動とかするんすか?それとも部活動に集中しちゃう系?」
「
やっぱそうっすよね、この青春時代を一気に謳歌したい。同じクラスで後ろの席になった小結くんと楽しくしたいと軽く挨拶を交わす。
バスケはもうやらない。遊び程度でならするけども、本格的にはもうやらないと決意をしてる。
「黄瀬諒太ッス!中学ではバスケをやってたけど、高校では他の部活動をやろうかなって考えてます」
そんなこんなで自己紹介がはじまる。と言っても軽い自己紹介だけなので深くは言及しない。
小結くんも普通に挨拶をするけれどもパワフル語なので一部の生徒には通じないと思ってたら担任が体育教師だったので、なにを言っているのか理解してくれた。
「さて、部活巡りでもいきますか」
泥門はなにかスゴい部活がある学校じゃないけども、もしかしたら俺が知らないだけでスゴい部活動があるかもしれない。
野球部、サッカー部、バレー部、水泳部と色々と見て回るけれどもイマイチピンと来ない。体験入部が出来るとか言っているとこもある。
「ちょっと借りるッスよ」
一応は野球部にも行ってみる。
硬式の野球ボールを握る。野球の花形であるピッチャーを体験させ、それを二年生が打つという至ってシンプルなルール。
周りはイケメンがやってきたとワーキャー言うけどもそんなのは関係無い、俺の記憶と体が覚えている投球フォームでボールを投げた。
「ぬぅおぁ!?」
「ちょっとちょっと、こんな素人の投球ぐらいキャッチしてくださいよ」
「い、いや、今のって」
う〜ん、ダメっすね。
本格的に野球をやってないからフォームを模倣する事は出来ても自分の中で効率の良い形に変える事が出来てない。
時速的に140km以上は出てるっぽいけど、肝心のキャッチャーがキャッチする事が出来ていない……普通の楽しむ硬式の野球部なんだから無茶を言ったらダメか。野球部に入部してくれって言う部員が居たけども、俺の興味は野球部に向いてない。普通に練習も何もせずにストレートを投げて時速140kmぐらいを叩き出す事が出来てるんだから、興味が沸かないッスよ。
「え〜っと、この辺…………アレか?」
「ああん、うちになんか用か?」
色々と見て回り、最後に辿り着いたのは学校の端っこにある物置小屋とも言える様な場所。
なんか極々当たり前の様に銃を持った人が出てきてるけども、ツッコミ待ち……いや、外国でアイシールド21が放送出来ない1番の理由が目の前にあるっすよね。
「この学校、アメフト部があるって聞いたんすよ。アメフトってどんなものなのか見て面白そうだったらやってみようかなって」
「ほぉ~……テメエ、タッパはあるな」
「189cmで四捨五入したら身長190cmッス!」
日本人の平均身長よりも遥かに高い背丈。この体格もあってか一部の試合ではCをやらされていた事もあったっす。
サムズアップで俺の身長を答えればケケケと笑う悪魔な男、アメフトのボールを取り出したと思えば投げてきたのでキャッチする。
「いきなりッスね……もしかして、入部テストかなにかすか?」
「テメエ、なんて名だ?」
「黄瀬諒太ッス…………ヒル魔妖一さんっスね!」
「ケケケケケ………………面白えのが来たじゃねえか」
「…………ヒル魔さん」
「なんだ糞イエロー?」
「アメフトは面白いッスか?…………俺、退屈なスポーツはやりたくないんスよ。自分が負けたのは自分が弱かったから、そう思えるような負け方ならばまだ大丈夫ッスけど、周りが酷くて負けるとかしょうもない理由で負けるのだけは嫌なんす」
やると決めたからには真剣にやる。
ただ問題は面白いか面白くないのか、面白い楽しい自分が気持ちいいと思えないのにスポーツをやるなんて出来ないッス。ヒル魔さんにその辺の事を聞いてみれば笑みを浮かびあげる。
「アメフトは面白えぜ……1%でも勝ち目があれば勝つことが出来るスポーツだからな!」
1%でも可能性があるのならば潰す。
嘗て俺達を率いたリーダーである赤司っちはそう言って可能性と呼べるものは残さず摘み取ると言っていた。
1%でも負けるのならばそれはありえる事だと考えを持っており、時には未来を想像すらもする。まぁ、想像力は天王寺の旦那の方がスゴいんすけども。ヒル魔さんはアメフトは面白いと主張するので俺はその言葉を信じる。
「ルールは詳しく知らないッスけども基本的にはなんでも出来るんでよろしくお願いします!」
「おう……じゃあ、早速道具一式買ってこい」
「了解ッス!」
ヒル魔さんは俺の入部を認めてくれる。
俺の体格だと道具一式は中々に揃わないとか個別で発注しておかなきゃならないとかで、指定された店に行ってこいとヒル魔さんからメモを受け取り、道具一式を買いに行った。アメフトのスパイクとグローブは個人持ち、自分にピッタリのいい感じのシューズはないのかとその日は終わりを告げた。
天帝vs童子切を連載化したいんだが
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連載見てみたい
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短編集にだけしとけ