前略おふくろ様、自分こと■■■■は転生をしました。
なにを言っているんだ?と言う意見もあるだろうが七夕の短冊に二次元の世界に転生したいと悪ノリで書いたらホントに願いが叶った。
七夕の短冊って織物とか学業とかの願いしか叶えてくれないと聖★お兄さんで見た覚えがあるのだが、まぁ、気にしてたらキリが無い。
大事なのは転生させてくれたこと、コレはなんだかんだで良いことだと思う。思うんだ。
転生特典はまぁ、色々と貰った。例えば無限に米が出る米俵とか。神秘的な黄金のマスクとか。
そしてどんな世界に転生したかと聞かれれば……真剣で私に恋しなさい、Fateや恋姫と同じでエロゲーだけどシナリオ重視だったりするR18指定から少し下げられても問題無い感じになっているゲームの世界である。エロゲーなので内容を知らないのだが、明らかに異質な世界だ……具体的に言えば神奈川県川崎市が無い。神奈川県川神市と言う市がある。そこには川神院なる武術の寺があるのだがなんかこう、手から波ァ!が出来る人とか居る。それが当たり前の様に居る世界観……史上最強の弟子ケンイチも真っ青……いや、アレぐらいのマスタークラスならばこの世界に居てもおかしくはないか。
「1,2,1,2」
異世界に転生したいと悪ノリで短冊に書いたが俺Tueeeeしたいかと聞かれれば微妙である。
俺Tueeeeと言うのは要するに厄介なトラブルが起きていたという事実、非日常を読者の視点で楽しむぐらいがなんだかんだでちょうどいい感じなんだろう。悪ノリで書いてしまった事に関しては割と後悔しているがしてしまったのならばそれは受け入れるしかない。
俺Tueeeeはしたくはないんだが……この世界は武術が物凄く発展している。素手で岩を破壊することが余裕で出来るぐらいには強い人間がかなりいるわけで、一応は鍛えている……米俵を抱えて川神市を歩いている。
手から波ァ!が当たり前で武術を極めている化け物共が居るせいで鍛えておかないとなんか怖い……でもまぁ、鍛えても戦うつもりは無い。痛いのは嫌だし……そもそもで俺は分かり合う為の戦いは出来ない、武術は己を高める為の道具で分かり合う為に必要だと言う高潔な考えがあるが俺は武術は戦う為に、命を奪う為にある。互いに合意をしているならまだしも一方的な戦ならばそれはもう意味は無い……俺にとって武術なんかは己を高めて分かり合う為のものでなく、相手を如何にして効率良く殺す道具に近い。
「ふ〜……現代版にしたら一気に重くなったな」
米俵を抱えてゆっくりと歩くのに疲れたので一旦河川敷で休憩をする。
この世界に転生して1つの命としてなにか目標を持って生きているわけではない、信念的なのが無い……それは人としては致命的だろう。宮沢賢治の様な立派な人間じゃない、なんとも言えない歯痒さを感じるのだがまぁ、仕方がない事である。英雄に必要なのは血筋とか才能とかよりも信念や流儀なんだから。そう考えればアイツは割と自由だったりしているな。
「よっこいしょっと」
60kgはある米俵を抱えて河川敷を歩く。
このご時世に農家でもないのに米俵を持って歩くって色々とおかしいだろうと思われるが川神と言う街は何でもありなので誰もツッコミを入れない。
「危ない!」
「お……危ないな」
「すみません、ボールが変なところに……おや、君は藤太くん?」
「ありゃ、俺のことを知ってくれてるのか?葵」
「いやですね、クラスメイトの顔と名前ぐらいハッキリと覚えるものですよ」
俵を抱えて河川敷をゆっくりと歩いていると野球のボールが飛んできた。
危ないと叫んでいるので何事かと思っていたが野球のボールだったので普通に掴み取った。
ボールが変なところに飛んできたことを小学校の同じクラスで人気者でこの街で一番の病院の院長、要するに医者の息子というボンボンな葵冬馬が謝りにやって来た。同じクラスだが特に関わり合いや接点を持っていない、それなのにも関わらず葵は俺のことを知ってくれていた。クラスメイトの顔と名前ぐらいハッキリと覚えるものと一見とても良いことを言っているように見えるがクラスメイトの内面云々を知っていた方が良いとか情報を制するものが云々を言っているように聞こえる……実際問題そうだからな。
「お〜い、若、大丈夫だったか?」
「準、大丈夫みたいでしたよ」
「おお、そうか……って、お前は確か……えっと…………………………いや……うん、そっかお前だったのか」
「藤原藤太だ」
「準、クラスメイトの顔ぐらいは覚えておかないと……人の顔と名前と特徴を覚えるのは大事な事ですよ」
葵のお父さんの部下、副院長の息子である井上準が大丈夫かどうかを聞きに来た。
俺を見て見覚えはあるが名前は覚えてない的な反応をしているので葵が呆れており俺は自己紹介をしておく。
「そうだった、うちのクラスメイトだった……大丈夫か?」
「ん、ああ……大丈夫だ。ボールはこの通り」
「いや、そっちじゃなくてお前」
「ボールが豪速球クラスで飛んでくるのはKAWAKAMIじゃよくあることだろ?」
「KAWAKAMIをなんだと思ってやがる……いや、それで大体片付くけども……取り敢えずお前もボールも無事でよかったよ」
「野球でもやってんのか?」
「おう、試合してるぞ」
井上が俺とボールが無事でよかったと言ってくれるのだが野球のボールが飛んできたので野球をしているのかと聞けば試合をしていた。
カキーンと気持ちのいい音が鳴り響いた、いい感じの音が聞こえたしコイツはホームランなんだろうと思っていると葵と井上はまずいと慌てる
「どうした、応援してるチームが打たれたのか?」
「逆だ逆、怒られちまう」
「ん?お前等所属してるのか?」
「いえ、僕達ではなく……九鬼くんが……」
「…………そうか…………」
我がクラスには医者の息子以上に財閥の跡取りとかいう、しかも九鬼と言う物凄い財閥の跡取りがいる。
自分の事を王だと思っており更には人のことを庶民だなんだと言っている、最初は人を侮辱していると思われたがKAWAKAMIと言う土地がああ、こいつはこういうキャラなんだなと認識させてしまう。
「お前達、我が弟のホームランを見逃すとは……むっ、誰だ?」
「アレは……九鬼のお姉さんか?」
「ええ、分かりますか?」
「いや、額の傷で」
九鬼英雄は額に☓印の傷がある。なんかそういう風習的な感じでつけている。
ホームランを見逃したことについて怒っている女子中学生が居るのだが額に☓印の傷がついてたので九鬼の姉なんだと即座に理解した。
それを言えばそれもそうかと葵も納得してくれるのだが……まぁ、そのお姉さんがなんか不機嫌そうにしている。
「形勢逆転の一発を見逃しおって」
「すみません、ボールが当たりかけてたのです」
「なにっ!?」
「いや、俺がキャッチしたんで問題無いですよ」
九鬼のお姉さんは弟のホームランを見逃したことを怒っている。
葵が俺にボールが当たりかけていたのを伝えれば驚くのだが気にせずに俺はキャッチした事を教える。
野球で見知らぬ人に怪我をさせたは洒落にならないが俺が無事だと分かれば問題無しと弟こと九鬼英雄を見ればベースを一周してきてそのままこっちに向かってきた。
「ハーッハッハ……今回の相手は思った以上にやるようでな、我がホームランで1つ形勢逆転してやろうとしたのだが力みすぎてな、変なところに飛んでいった……将来世界一のピッチャーになる我のファールボール、ある意味プレミアム物だ!」
「ファールボールは要らないから………………」
「む、どうした?」
「いや、もっとすごい名門中の名門チームでエースやってそうなのに普通の野球チームに居るのが意外だなって」
九鬼はおぼっちゃまとか言うレベルじゃないぐらいのおぼっちゃまだ。
それなのに普通の町の野球チームに入っている。プロ傘下とかプロを何人も輩出したとか甲子園常連校の選手が通ってた名門リトルとかのイメージがあったのに普通の野球チームに居る。謎だ。
「何処に居ても我は1番になる男だ、名門に通うだけが全てでは無いぞ庶民よ」
「……そうか……」
「む、アウトになってしまったか。庶民よ!我の圧倒的なピッチングを見るがいい!!」
……一応は同じクラスのクラスメイトなんだがな。
まぁ、家帰っても特にやることはないから見ていくかと持っていた俵を地面に置いた。
九鬼……英雄がピッチングをするのだが120kmぐらいは出ている。成人男性ぐらいに体格が恵まれてるとかそんなのでなく普通の体格だ。それでも120kmぐらいは出ているので小学生としては破格、規格外の強さを持っている……コレで大人並みの体格だったら130kmとか出せてたんだろうな。
「フハハハ!我がホームランが決定打となったか」
「……そうか……」
「む……リアクションが薄いぞ?」
「英雄が強いから途中から向こうが心折れかけてたから……」
英雄のホームランが決定打になり120kmのピッチングの前ではボールに掠ることも出来なかった。
圧倒的なまでの力の差を感じ取った、本気で上を目指したりしている人は何時かはぶち当たる壁とは言えそれを小学生の頃に痛感するのはなんだかなと思っている。けどそれが現実だったりする。
「フハハハ……王と庶民では力の差がありすぎるか……しかし王とは時には孤高の存在だ」
「そうか…………」
「藤太、こんな感じだけど悪い奴じゃないから」
「それは分かってるよ……」
「準よ、試合後のクールダウンに付き合ってもらうぞ」
「おう」
「クールダウン?」
「軽いキャッチボールですよ」
試合が終わり監督がよくやったと言った後に解散した。
ピッチャーの九鬼はクールダウンをすると言っているので何のことかと葵に聞けば軽いキャッチボールをするという。
井上が野球のグローブを取り出したら九鬼と一緒にキャッチボールをするのだが
「ありゃっ」
「むっ……」
井上が九鬼のボールをキャッチすることが出来なかった。
九鬼的には軽い感覚で投げているつもりだがそれでも100kmは越える速度だった。
なにやってんだよと井上が落としたボールを拾って九鬼にポイッと投げるのだが九鬼は軽々とキャッチし……無言になった。
「準よ、そこの庶民と代わるがいい」
「ん……あ〜」
「別にキャッチボールぐらい構わんぞ」
いきなりの交代を言われたので俺にやってもいいのかという視線を送ってくる。
別にキャッチボールぐらいならば構わないと井上からグローブを借りたら……九鬼が試合の時と同じ速度で投げてきた。
「試合が終わった後のリラックスの為のキャッチボールだろう?本気で投げてどうすんだよ」
「庶民……名を名乗れ!」
「藤太だよ……一応はお前のクラスメイトだからな……」
「藤太か!我の本気のボールを受け止めるがいい!」
「え、どういうこと?」
「ふっ、我が弟のボールを受け止めきれるキャッチャーが同学年に居ないのだ!我が弟の全力投球は時速130kmを越える!!」
「…………」
野球に詳しくないから分からないが130kmはスゴイのはなんとなくで分かる。
九鬼のお姉さんが英雄に全力で投球させろと言うのでキャッチャーの構えらしいものを取ってみては九鬼は全力で投球してくるのでそれを軽くキャッチする。
「コレは驚きましたね……6年生の人でもキャッチは出来ても手を痛めるからやめてくれというのに……」
「……貴様、鍛えているな?」
「ええ、まぁ……この通り米俵担いでますよ」
英雄のボールを軽々と受け止めることが出来ている事に葵が驚いた。
英雄が規格外、超高校級になれる素質を秘めているなと思っていると九鬼のお姉さんが鍛えているかどうかを聞いてきた。
米俵を持っているので嘘をついても直ぐにバレるのだと正直に答えれば九鬼のお姉さんは目にも止まらぬ速さで拳を振るってきた。
コレはアレだ、実力者がどれくらいやれるのか試してみせよう!的な感じのアレであり……あえて避けなかった
「!?」
「あ、姉上!?」
「っちょ、揚羽さん!?なにしてんすか!?おい、藤太大丈夫か!?」
「いってぇ!?っちょ、なんなの!?下手な鉄パイプで殴るより痛いんだけど!?」
分かっていたことだが痛い……下手な鉄パイプで殴られるより痛い。
九鬼のお姉さんはどうしてとありえないものを見るような目で見ているのだが英雄や井上はいきなりなにをしていると驚いており、俺が物凄く痛いアピールをする。実際問題物凄く痛いからな。
「なっ、姉上の一撃を受けて直ぐに立ち上がっただと!?」
「あのさ、そういう問題じゃないから!コイツ、出来るな?で試し斬りみたいな事しないでくれよ!」
「す、すまない……」
バトル漫画でよくある感じの事をしてきたのであえて攻撃を回避することはしなかった。
俺ならば攻撃を回避することが出来ると思い込んでいたのだろうが俺はあえて回避せずに攻撃を受けた。
九鬼のお姉さんも完全に予想外だったので普通に頭を下げてくる。
「じゃ、俺は帰るから」
流石に自身の姉が不意打ち紛いな事をやってきたら誘ってこないだろう。
そう思い俵を背負って家に帰った翌日、学校でのこと
「ハーッハッハ!藤太よ、キャッチャーのグローブだ!受け取るがいい!」
英雄が野球セット一式を渡してきた……どういう神経してんだよ。
天帝vs童子切を連載化したいんだが
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短編集にだけしとけ