アルピ交通事務局のネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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真剣で恋しなさいとか言われても 6

 

「トータ、マシュマロ作ったんだ!食べよう!」

 

「…………うん……………」

 

小雪が榊原と言う葵の病院に勤めている老夫婦に引き取られてから少し経過した。

前の親が親だっただけに大人や家族を名乗る存在を信頼出来ない等を言い出すのではないかと思っていたが順調だ。

しかし……しかしだ……

 

「……困ったな……」

 

「なにがですか?」

 

「いやなに……小雪が俺を酷く恨んでいるのかと思ったが逆に心を開いてきているのがな……」

 

「ユキは藤太の奴を恨んでるよ……でも、それ以上に藤太の事が好きなんだ」

 

「……むぅ……それはいかんな」

 

「何故ですか?ユキは可愛らしい美少女ではありませんか、そんな娘に好意を……そうですか……」

 

「そうか……お前はそうだったのか」

 

「2人共、なにかを勘違いしていないか?俺は女が好きでそっちのけは無い」

 

小雪と言う美少女に好意を向けられているのに対して色々思うことがある。

それなのに葵と井上がホモ疑惑をつけてくる、俺は女が好きでそっちのけは一切無いんだ。

哀れむような目で見てきたのだがそっちのけは無いと言えば少しだけ葵が残念そうにしつつも井上が聞いてくる。

 

「世間的に見てもユキは美少女だろ?ブス専で無い限りはイケるんじゃないのか?」

 

「そうじゃない……小雪は俺のことをヒーローかなにかだと勘違いをしている。だから変なフィルターが入っている……人間性で言えば井上や葵の方が上だ」

 

「確かにそうかもしれません……ですが、藤太くん。君が最初の壁を打ち破ったのですよ、君が居なければユキを助けることが出来なかった。コレだけはなにも変わらない事実です」

 

「だからだ……英雄の様に王を自称するわけでもない、葵の様に知識に優れているわけでもない、井上の様な人格者でもない」

 

「おいおい、九鬼のところで一番強い執事ボコっといて自分は自信はありませんか?それは色々なところに喧嘩を売ってるのと同じだぞ」

 

「いや、そうではなく吊り橋効果的な意味でフラグが建つのがあまり好ましくない」

 

「じゃあ、若みたいにイケメン力を高めるか?」

 

「いやいや……恥ずかしい話だが俺はそっち系では葵達に遥かに劣っている」

 

ただ純粋に吊り橋効果で小雪に好意を向けられている、それが困っているのだ。

小雪の様な美少女に好意を向けられるのは男として嬉しいことだがしかし、俺が偶然にも助けただけで俺をヒーローの様に見ている。

人間性な意味合いでは井上の方が良い奴だったりするわけで、結局のところ事件解決云々をしたのも葵と井上だ。ならば2人に……いや、2人対しても心は物凄く開いているか。

 

「劣っているか……そういや藤太ってあんまり自分の事とか家族の事とか語ってるとこ見たことないな」

 

「そういえばそうですね……両親は何をしている人なんですか?」

 

「母親はフリーランスの漫画家で父親は転売屋をしている」

 

「いや、癖が強い!」

 

あまり自分語りをしないので聞いてくる井上と葵。

母親はフリーランスの漫画化をしており父親は転売屋をしている。あんまり言いたくない事だが井上が聞けばツッコミを入れた。

 

「転売屋と言うことはバイヤーですか?」

 

「いや、ホテルや飛行機等で忘れられた荷物を買い取って中身を売っていると言うことは……1万円で買ったものが100万円で売れたなどがあるせいで収入が安定していない。母も母で癖が強くてな……いや、癖が強いと言うか頑固者だな……腕は良いがフリーランスの漫画家をやってるのもそれが原因だ」

 

「どういうことですか?」

 

「いや、昔は大手の出版社の週刊雑誌で漫画を描いてたが……担当編集と揉めてな、描きたいものを描いてこその漫画家で誰かに媚びる漫画を描きたいわけじゃないと喧嘩になった末に契約を打ち切ったんだ……その後は親父がネットで漫画を上げていて出版社という名の金の亡者共がうちで描いてくれだなんだ言ってきては色々と揉めるを何度も繰り返していてな……」

 

いや、母親としては立派だぞ。俺という存在を育ててくれたのだから文句は無いんだ。

だが物書きとしてのプライドがある。面白くないからとかではなくそういう展開は良くないとか暗いとかそういう感じの理由で作品の内容を書き換えなければならないのが気に食わない。最終的にはネットの力を借りて読者を集めて単行本を作って生計を立てている。

 

「大変なのですね……」

 

「なに、飯を食うのに困ることにはなっていないから問題は無い」

 

ただ葵と井上の様に医者の息子!とか言うデカい二世の威光は振りかざす事が出来ない。

物書きとしての生計を立てることが出来る、一応は5000万円を何時でも自由に動かせるぐらいには金は蓄えてある。

親父の方も転売屋稼業で一応は成功しているし母の描いた漫画をネットに上げる等をしているから立派と言えば立派なんだ。

 

「っと、すまんが今日は友人とこの後に遊ぶ用事がある……」

 

「…………トータ、ボク達以外に友達が居たの?」

 

親云々を話をして本日の授業を終えた。

小雪が増えたが何時も通りの帰り道、今日は遊ぼうという誘いが何時もならばあるのだが生憎な事に今日は友人と会わなければならない。その事に関して言えば小雪が意外そうにいや、軽く毒づいてくる……

 

「年に数回会う程度の間柄だが、色々とな……ボッチだと思っていたのは心外だな」

 

「だってトータ、ボク達居ないと基本的には1人でしょ?」

 

「ハハハ……怒るぞ?……まぁ、とにかく数カ月ぶりに友人に会うのでな」

 

「ボク、トータの友達に会ってみたいな!」

 

「僕もです」

 

「俺も俺も」

 

「むぅ……まぁ、問題は無いと思うが……あまりベラベラと言わないでくれよ」

 

小雪達が友達に会いたいと言ってくるので会うことを決める。

家に帰ってランドセルを降ろして着替えた後に何時も通り米俵を担いで集合場所に向かえば2人の友達が居た。

実はこの2人、俺と同じ転生者である……俺と同じくなんか転生させられていた身らしいのだ。同じ境遇故に色々と仲良くなっている。

 

「久しぶりだな、トーくん……そこの3人は?」

 

「ああ、学校内の友人だ」

 

「藤太、お前学校内に友達が居たのか!?」

 

「似たような反応をするなよ、よっちゃん」

 

そこの3人はと小雪達の存在に気付いたタケちゃん。学校内の友達だと言えば俺に友達が居たことをよっちゃんが驚いている。

なんだ?アレか?俺には友達が居ないとか思っているのか?傷つくぞ、流石に傷つくぞ。

 

「この2人が……藤太くんの友達ですか?」

 

「気軽にタケちゃんと呼んでくれ」

 

「…………よっちゃんだ…………」

 

こんな交流があったのかと意外そうにしている葵。

2人は気軽に呼んでくれと言っているのだがタケちゃんを小雪が見つめる。いや、睨んでいる。

なにを睨んでいるのか……ジェラシー?……

 

「…………トーくんとは友達なだけだぞ?如何わしい関係ではない」

 

「……そいつ、男だからな」

 

「あ、なんだ……よかった……」

 

ジェラシーの視線を向けられているのはタケちゃんを女の子だと思っているからだろう。

タケちゃんは男の娘、先祖同様に男の娘でありまた厄介な事になっているなとよっちゃんが忠告を入れればホッとしている。

しかし、葵はニヤリと笑みを浮かべている……やはりコイツはそっちのけがあるのだな。

 

「はぁ……大変な事に厄介なのに絡んでるな……」

 

「む……よっちゃん、それは胸の内に留めておくと言うのを忘れたのか?」

 

「タケちゃん、忘れてないよ……けどいざ目にすれば色々と考えさせられる」

 

タケちゃんと俺はこの世界、マジ恋の世界の所謂原作については知らない。

しかしよっちゃんは色々と知っている……よっちゃんは葵達を見て厄介な事になっているなと困っている。

原作知識を知っててもそれはそれ、コレはコレで割り切らなければならない。タケちゃんも俺も原作知識は不要だと言っている……しかしまぁ、なにかあるみたいでよっちゃんが困っている

 

「SかAになるとクソややこしい…………」

 

「どうしたの?」

 

「よっちゃんはな……苦労人と言うべきか……まぁ、些細な事だ。トーくん、今日は新必殺技を引っ提げてきたぞ」

 

なんか色々と暗くなっているよっちゃんを見た小雪が心配しているが、タケちゃんが気にするなと言いけん玉を取り出した。

新必殺技だと見たこともないけん玉の技術を見せつければスゴい!となってはそのまま遊ぶことになった。遊べるのは若い頃だけだからな、遊んでおかなければ損だ。

 

「見つけたぞ、小僧」

 

「なんだ、何時ぞやのおっさんか……俺達は見ての通り遊んでいるんだ」

 

「っげ…………あんた九鬼財閥で一番強い人……藤太、お前なにしたんだよ?」

 

「なんかいきなり攻撃したから攻撃を防いで生気を吸い取った」

 

遊んでいれば何時ぞやのおっさんことヒュームが現れた。

見つけたぞという事は俺を探していたみたいだ。俺は遊ぶのに忙しいのだがよっちゃんが驚いている。

世界でも上から数えて直ぐな実力者らしいから仕方がないと言えば仕方がないのだが……なにしに来たかを聞いてみれば手袋を投げて来たので回避する。

 

「貴様、それでも男か?決闘の証の手袋を回避するとは」

 

「嫌だよ、あんたみたいなのと挑むのは……」

 

「お前にその気は無くとも俺にはその気がある……貴様が赤子かそうでないのか見極めさせて」

 

「おっさん!後ろ!後ろ!」

 

「よっちゃん、言うな!」

 

こっちに対して敵意を剥き出しにしているヒュームのおっさん。

タケちゃんが落ちていた木の枝を手にしては振り上げて気を集中させ一気に振り下ろした。

気配を遮断しながら気を一転に集めていたのにも関わらずよっちゃんがタケちゃんの事を言えばタケちゃんは怒りながらも木の枝を振り下ろしヒュームのおっさんにぶつようとするのだがヒュームのおっさんはギリギリのところで回避したが……パキリと音が鳴った。

 

「よっちゃん、この邪魔な男を潰そうとしたんだ……何故邪魔をする?数カ月ぶりに遊ぶ私達の邪魔をしているのだぞ?」

 

「タケちゃん……その人は物凄く強いけども殺すのだけはまずいって」

 

「安心しろ殺しはしない。ただ死んだ方がマシだと思えるようにだな」

 

「だからタケちゃん危ないって!!」

 

よっちゃんは相変わらず心配者だな。タケちゃんならば生かさず殺さずを上手い具合に出来るというのに。

 

「っく……骨が折れているではなく切れているな……」

 

「おっさん大丈夫か!?タケちゃんが本気でやりにきたから」

 

「ふん、ナメるなよ小僧……この程度の怪我は若い頃は幾らでもあった……久方ぶりの怪我か……今日のところは引いてやる」

 

「ハッハッハ……またこのパターンか」

 

ヒュームのおっさんが腕を怪我したので撤退していった。

タケちゃんは粉々になった木の枝を川に流した後によっちゃんに怒られる……タケちゃんは自分は悪くはないとムスッとしている。

 

「アレですね……藤太くんの友人だけあってか凄まじいと言うべきか……」

 

「いや、一緒にしないでくれよ……この2人が化け物であってオレは普通だからな……」

 

「よっちゃん……なんだかお前とは友達になれる気がするよ……苦労人的な意味合いでさ」

 

「ハゲ……」

 

「ハゲじゃねえよ!」

 

あ、やっぱり井上はハゲになるんだ。よっちゃんは相変わらずの苦労人だけども……まぁ、些細な事だろう。

数カ月ぶりに出会うことが出来た友人と一緒に遊ぶことが出来たのでそれでよし。そして後日、井上がハゲになっていたので爆笑した。

天帝vs童子切を連載化したいんだが

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