「いや〜やっぱ外国は怖いところだよ」
タケちゃんとよっちゃんにテロに巻き込まれたと釣り堀で話をする。
日本が如何に安全か、日本で食う飯が何故外国人に人気なのかを理解させられた。
「なんというかドンマイだな、トーくん」
「テロに遭遇した事をドンマイで済ませちゃいけない気がするぞ……お前等、強くなってくのは良いことだけども人としての倫理観は狂うなよ。ノブレス・オブリージュな精神を持ってないんだろ?」
「そんな高潔な精神を誰が持つか……しかし、なにか言いたそうだなよっちゃん」
「……いや、本来ならば九鬼英雄は肘を痛めて野球を断念したんだがなとな」
「ハッハッハ、なら良いことをする事が出来たな」
よっちゃんが原作通りならばと英雄は肘を痛めて野球を止めたらしい。
しかし、俺のおかげで上手い具合にどうにかすることが出来た。それは実に良いことだ。
「SかAか……Sになるとな……深雪がな……絶対にキレるよ……」
「深雪ちゃんが何かやらかしたのか?」
「…………暴走族の爆騒音を聞いてオレがうるさいなぁと言ったら単騎で壊滅させてリーダーになってくれと言われたけども塾があるから嫌だと断った」
「相変わらずだな、深雪ちゃんは」
よっちゃんの妹の深雪ちゃんは色々と神童である。
1を聞けば10を学び8を記憶し2を切り捨てる天才であり文武両道、多芸を極める。
かくいうよっちゃんは……才能が0というわけではないが上には上が居る的な感じである。この世界では極々普通に認知されている気を操って結界を作ったりも出来るが、よっちゃん曰く死ぬ気で頑張って壁越え出来ないから最後に物を言う才能が無いらしく中途半端に才能があるのが地味に痛い、無いなら楽しむだけでどうにかなったのだが中途半端にあるせいで逆に辛いらしい。
「あのお転婆娘を止めれるからお前次のトップなとこの前、言われた……異議を唱える連中誰も居ないのにビビったよ」
「それだけよっちゃんの人柄が良いと言う事だ……私もトーくんもよっちゃんがリーダーになると言ったりすれば文句は言わないさ」
「俺達3人が揃えば日本征服が出来る、なんてな」
「タケちゃんありがとう。藤太、それはマジな案件だから……ホントにマジな案件だからさ……なんでオレが武人兵器の頭領なのか」
よっちゃんはよっちゃんなりに悩みがあるみたいだが、よっちゃんならば自力で越えられる。よっちゃんは強いからな。
釣り堀で釣りをしていたのだが思ったように釣れなかったがこんな時もあるかと受け入れて久しぶりの雑談を出来て楽しかったなとなった。
「ほぁたーっ!!」
「英雄、今のは痛かったぞ……痛かったぞぉおおお!」
「なにやってんだ?」
「護身術の会得だそうです」
そんなこんなで日常の1ページに戻るのだが、英雄がなにやら井上とバトルしている。
戦闘民族の血が騒ぎ出したのかと思ったのだが葵曰く護身術の会得である。護身術なのにバリバリバトルしてる、護身術なのにだ。
「英雄よ、何故に護身術を?」
「うむ!我はあの時に己の不甲斐なさを痛感してしまってな……男たるもの自分の身は自分で守れなければならぬとな」
「そうか……井上が無駄に強いのは驚きだな」
「俺だってやる時はやる男なんだよ」
「準は出来るハゲなのだー!」
「そうそう、俺は出来るハゲだよ」
小雪が井上はやれば出来る子だと言えば頷く。
自画自賛、いやしかしなんだかんだで出来るハゲなのは変わりはない……葵が目立ちまくっているが井上もなんだかんだでイケメソなんだよな。
「時に冬馬よ、相談がある!」
「なんでしょうか?」
「姉上の誕生日に何を贈れば良いのか悩んでいてな」
「おや、揚羽さんの誕生日ですか」
「うむ!1月1日と言う実にめでたい誕生日だ!」
正月と誕生日セットとかなんか嫌だな。
一汗かいて休憩に入った英雄は思い出したかのように九鬼のお姉さんの誕生日が近付いているからなにを贈ればいいのかを聞いてくる。
女性のことなら大体は葵ならば解決することが出来るが……葵は考える。
「コレは難題ですね」
「うむ、だからこそ我が友に聞いている!」
「どーして?トーマなら女性が喜びそうな物を知ってそうなのに」
「若ならその辺は大丈夫そうだが……」
「いえいえ、意外と苦戦なのですよ。揚羽さんの誕生日なのですよ、贈り物は慎重にしなければ……金で買える物は大体はどうにかなりそうなのが現実です」
「金で買える物ならば簡単に揃えれるからそれ以外を出来れば好ましい!」
金持ち自慢やめてくんねえかな。
とは言え言っていることは分かる。九鬼の財力ならば大抵のものは揃えることが出来る。
葵の光る知性で女性が好むものを当てて、渡すことが簡単に出来るのだがそれの大半は金で買えるものだ。だからこそそれ以外のなにかが欲しいと、渡そうと思っている。
「金以外となりますと…………強い人との戦いはどうでしょうか?」
「むっ……自慢ではないが姉上は格闘技の天才だ、最近では年齢制限の無い格闘大会に出ては優勝を手にしている。高名な武術家と戦うことが出来れば喜ぶであろうが、大抵は師であるヒュームより弱い……少し貧相ではないか?」
「大丈夫だよ、トータが居るもん!」
「おぉ、そうか!藤太が居たか!」
おい、矛先を俺に向けるんじゃない。
葵が九鬼のお姉さんの喜ぶ誕生日プレゼントとして強者との戦いを提案する。
英雄はそれは良い事だが姉とやりあえる者は早々に居ないし大抵はヒュームのおっさんより弱いからショボくないかとなるが小雪が俺が居ると言ってきた。
「藤太よ、姉上と一手交えてくれぬか?」
「嫌だぞ」
「報酬は弾むぞ?」
「そういう問題ではない……俺はそういう事はあまり好みではないのだ……九鬼のお姉さんと対決してみろ、九鬼の何処かからポロッと漏れて四天王だかなんだかよく分からんものにされてしまうではないか」
「四天王の座は武術を嗜む者にとって名誉だと思いますが?」
「トータが四天王だったらボク嬉しいよ?」
「俺はそういうのには興味は無い」
「ならば代案を提案してもらおうではないか!我としても気になるところなのだぞ、藤太の真の実力が!」
ホントはお前は強いのだろう!と言ってくる英雄達。
そういうのにはあまり興味が無い、痛いのが嫌とかそういうのでなく俺にとっての武術はそういうものだからだ。
しかしそれ以上の名案が浮かばないのでそれ以上の案を浮かび上げる事が出来るのならばそれを受け入れろという……むぅ…………!
「失礼だが九鬼のお姉さんと会っている時、毎回学生服のイメージがあるのだが」
「姉上も学生なのだから当然であろう?」
「ならば、服を与えるのがいい」
「藤太よ……金で買える物は大体はどうにかなる、服ならば幾らでも用意する事が出来る。それではつまらぬぞ!」
「分かっている。少し待て」
九鬼のお姉さんに服をあげようとなるが金で買えるならばどうにか出来る。
つまらないものならば意味はないと英雄は軽く威圧してくるので家に帰って布を持ってきた。
「この絹の布で着物を作ってはどうだ?」
「おや、何処のブランドですか?」
「かなり、いや、めっちゃいい絹の布だな」
「だろ?コレはそこそこ由緒ある絹の布だ、コレを着物に仕立て上げれば九鬼のお姉さんも喜ぶぞ」
持ってきた布の感触を確かめる葵と井上。一応はボンボンなので絹の布が極上であることをあっさりと見抜いた。
英雄も物は試しにと触ってみるのだが直ぐに極上の絹の布だと分かったので表情を変えるb
「……カシミアよりも上質だな……」
「多少は由緒ある絹の布だからな」
「よいのか?我の目や感覚が間違いなければ最高級品よりも最上級なのだが」
「どうせ使い道は無いし無限にあるも同然だから持っていけ……とは言え布の状態なので着物に仕立て上げなければならんが……生憎な事に呉服屋には詳しくなくてな」
「ああ、でしたら私が探しておきましょう」
流石だな、流石は冬馬だな。服を仕立て上げてくれる服屋を探してくれると言ってるので流石だと言っておく。
「む〜ボクも欲しいな〜」
「布自体は沢山ある、誕生日に仕立ててくれと親に頼めばいいさ」
「わーい!」
持ってきた極上の絹の布は英雄達の目に勝った逸品だった。
葵は商店街の呉服屋に着物を仕立て上げてくれるように頼み絹の布を着物に仕立て上げた。
小雪は来年の誕生日に着物にしてもらい夏祭りに着物を着ていくんだと嬉しそうにしている。
「フハハハハハハ!九鬼揚羽降臨である!」
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします」
「うむ!英雄共々よろしく頼むぞ……藤太よ、この度は感謝するぞ!」
そんなこんなで年が明けた。三が日が過ぎてそろそろお正月終わりだな感覚が出てきた頃に九鬼のお姉さんがやって来た。
何時もならば学生服のイメージがあるのだが着物を着ており俺に感謝をしてくる。
「この着物、思った以上に快適だ!素材になっている生地がいいのだろう!」
「それはどうも」
「英雄に聞いたのだが藤太よ、まだまだ布が余っているそうだな?」
「まぁ、余っていますが……誕生日だから渡したのだが?」
誕生日でもなんでもないのに渡すのは流石に考えるぞ。
「それは分かっている!母上の誕生日にも是非ともこの絹の布で出来た着物をプレゼントしたいと思ってな!」
「因みに何時ぐらい?」
「うむ、昨日だ」
「…………気が早いのでは?」
「我がコレだと決めたのだ……我も我なりに色々と考えていたのだがこの着物が思ったよりも極上でな!母上も羨ましそうにしていたからな……それと出来ればなのだが……多めに布を貰えぬか?」
「…………………九鬼に渡せばロクな事にならない気がするのだが」
「安心するがいい、純粋に贈りたい物が居るだけなのだ」
うわ、ロクなことにならないことに関しては否定しなかったよこの人。
「………………嘘じゃないよな?」
「つまらん嘘はつかぬ」
「分かった」
極上の絹の布が多めに欲しいと言ってくる。
無限にあるが九鬼に渡せばロクな事にならなそうなので渡したくはないがここは九鬼のお姉さんを信じよう。
家に帰って多めに極上の絹の布を渡せば九鬼のお姉さんは嬉しそうにしていた。
「ところで藤太よ……ヒュームの腕を折った者が居るそうだな」
「揚羽さん」
「いや、友との語り合いを邪魔をしたのはヒュームだ。手を出したのもヒュームだ。折ったことに関しては咎めたり責めたりすることはしない。しかし、あのヒュームの腕をパキリと折った者が居ると聞いては気になるのが武芸を嗜むものとしての性だ……なにやら他にも1人居るらしいではないか?」
「タケちゃんはともかくよっちゃんは今の揚羽さんなら倒せるからなんとも言えないな……」
「……そうなのか?」
「よっちゃんは苦労人だから……まぁ、苦労を自らで背負っているとも言うべきか……」
よっちゃんは根が善人だからな……妹の深雪がやらかしたことに関して怒ったりはしたが深雪を憎むことも怒ることもしない良い奴だ。
そのせいで貧乏くじを引いているからなんとも言えないが……アレは確実になにかやらかすだろう。
「あのヒュームを倒した猛者……英雄から聞いたのだが本来ならば
「腕自慢をするタイプではない……しかしそればかりを言っても納得する事が出来ないだろう」
「ほぉ……では……っ!?」
九鬼のお姉さんが構えようとすれば九鬼のお姉さんは何もないところに向かって拳を振るった。
俺は一歩も動かず九鬼のお姉さんの前に立っている……九鬼のお姉さんは何もないところに何度も何度も拳を振るった。
俺は一歩も動いていない……それが幻だと分かるのには少し時間がかかるのだがなんとか気付いたが冷や汗をかいている。
「コレはいったい」
「タケちゃん曰く闘刃と呼ばれる技術の一種だそうだ……気配で追うことが出来る人ならば逆にハメる事が出来るらしい」
「成る程……………ヒュームを倒し英雄を守り抜いただけの事はある…………何れは拳を合わせてみたいものだ」
「流鏑馬的なのならば勝負してもいいぞ」
「ハッハッハ!それはそれで面白そうだな!では、後で九鬼の者を使いに寄越す!布を頼んだぞ……ああ、そうだ。我からお年玉をやろう」
九鬼のお姉さんはそう言うと金平糖を渡してきた。
何故に金平糖かと思ったが普通に美味かった。
天帝vs童子切を連載化したいんだが
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短編集にだけしとけ