「いやぁ…………何時ぶりの休息か……」
第二の生を受けて九鬼英雄と言う濃いキャラに絡まれて毎日特訓してたりした。
しかし小学校を卒業した後に中学生になり1人になる時間が生まれた。素振りの1つでもするべきかと考えたがたまには休みたい。
冬馬達が居るのが当たり前だったことからか……うん……寂しいとかいう思いはないが久しぶりの休息だ。文字通り1人になっている感じであり心が休まる……こんな事をしているぐらいならばよっちゃんならば勉強しろとか言ってきたりしてな。
「……………む?」
「Zzzzz……」
河川敷の河原でボーっとしながら寝転んでいるとなにやら柔らかい感触を感じた。
何事かと思えばイビキが聞こえており何事かと思えばとても綺麗な美女が俺を抱きしめていた。
一体どこからツッコミを入れればいいのか?……分からないが……心地良い……コレが女性のおっぱいというやつか……よっちゃんは深雪が兄妹とは時には一緒に風呂に入るものなのです!と色々とぶっ飛んだ事を言われててなんだかんだでうらやまけしからん関係性になってたりしたな。
「……………ふぁ〜……………あ〜おはよ〜」
「とっくの昔に昼を過ぎているからおはようはおかしいのでは?」
「ん〜そうかな〜……」
「ハッハッハ、まぁ、仕事をしたら何時でもお疲れ様ですとおはようございますが当たり前になるか……俺は藤原藤太、お姉さんは?」
「板垣辰子だよ、辰子でいいよ」
「そうか……なら聞くが何故に俺を抱きしめているのだ?」
「う〜ん、抱きしめ心地が良さそうかなってさ……」
「いやいや、ただの筋肉ダルマだぞ……抱きしめ心地が良いのはそちらの方だ」
「えへへ〜そう?」
「うむ!こんないい女に抱きしめられれば男として嬉しいことはないぞ!辰子は美女なのだから」
色々と美味しい思いをしていると実感しているぞ!
よっちゃんは普段からこんなに美味しい思いをしていると思えばなんかムカつくな……しかしまぁ、なんというかマイペースだな。
ユキとは方向性が違うからなんとも言えないがマイペースな感じだ……そして見た目からは思えない程の剛力だな。抜け出そうとしても中々に出来ない。
「だからこそもっと自分を大切にした方がいいぞ……変な男に捕まっては洒落にならない」
「大丈夫だよ、私こうみえて強いから」
「む、そうなのか……」
「でもそろそろ家に帰らないと……あ〜つくしとかを探さないと、忘れてた」
川神市民だけあってかやはり可憐な見た目とは裏腹にアマゾネスの如き武力を有しているのだな。
辰子はホールドしていた俺を解放してくれて家に帰らなきゃならないと言うのだがなにやら変な事を言っている。
「つくしが好物なのか?」
「ううん、夕ご飯の材料を取らなきゃって」
「む…………つくしは市販されてなく天然物も探せばあるだろうが時期が完全に過ぎているぞ?」
「じゃあ、何処かに食べることが出来る野草とか探さないとな〜……」
「…………………………いや、家に食材が無いのか?」
「うん、冷蔵庫も空っぽだし給料まだだし……天ちゃんに取ってくるって約束したし……う〜ん」
「成る程……それならば最高に良いものをくれてやろうではないか」
「何処か美味しい野草が生えてるとこあるの?」
「違う違う……俺の隣に何があるのか見えるだろう?」
「米俵だね……あ〜お米か……お米をくれるの?」
「フッフッフ、なにそれは見てのお楽しみだ…………辰子、家に帰るのならば俺を招待してくれないか?俺ならば悩みを解決することが出来る」
「うん、いいよ」
やはり米俵は普段から持ち歩いていて正解だったな。
辰子が素寒貧でなにやら飯に困っている、飯に困っているのならば俺以上に優秀な存在は居ないだろう。
米俵を担ぎ辰子と一緒に…………親不孝通りを歩いていく。川神市民の良くない連中とかが多く集まる感じの場所が帰り道とはどうなってるんだと思っていると案の定ヤンキー連中が睨んでくる……が、直ぐに顔を青くする。
「た、辰子さんだ」
「竜兵さんの」
「え、なに?辰子、ヤバいの?」
「ん〜とねぇ、この人達、弟の竜ちゃんの……パシリ?」
「パシリって、そりゃないですよ!!と言うか誰ですかそいつは!?」
「トータくんだよ……取り敢えず通してね」
「あ、はい……」
親不孝通りのヤンキーをボコっているであろう人の姉で親不孝通りのヤンキーがビビるって相当だな。
やはり武士娘なる存在は可憐な見た目とは裏腹にアマゾネスとはよく言ったものだなと思いながらも俵を抱えて板垣家に案内してもらう。
「ただいま〜」
「タツ姉、おかえり……って、誰だそいつ?」
「トータくん……ご飯を奢ってくれるって……」
板垣家に帰れば1人の女の子が居た。
おかえりと辰子を迎え入れてはくれるのだが、直ぐに俺の存在に気付き聞いてくるので辰子が紹介してくれる。
「こらこら、奢るとはまだ言ってないぞ?」
「ん〜……お米くれるんじゃないの?」
「タツ姉、腹減った……それ米俵だろ?中に米入ってんだろ?寄越せ!」
「馬鹿者が!商売道具をはいそうですかで譲れるか!コレは由緒正しい米俵なんだぞ!」
「そんな米俵あるわけないだろうが!」
「ところがどっこいあるんだ、由緒正しい米俵が」
「2人とも、喧嘩したらダメだよ……トータくん、ご飯奢ってくれないの?」
「ご飯は奢らんぞ……飯は自分で作ってこそだ……米を入れる容器ぐらいあるだろう?」
「んだよ、結局米はくれるのか……ほらよ」
「では、美味しいお米がドーンドーン!!」
辰子がご飯を奢ってもらえると思っていたのだが俺は奢るなどとは一言も言っていない。
妹さんに米を入れる容器ぐらいあるだろうといえば米櫃を出してくれるのでお米を入れればおお!
「……米、かぁ……」
「なんだ?日本人ならば白米こそ正義だろう?もしやパン派か?」
「ちげえよ、おかずがないと飯は進まないだろ?」
「ハッハッハ、なんだそんな問題か!」
「塩むすびだけで我慢しろはやだかんな!肉だ肉、最近野菜ばっかだし肉食いたい!」
「ほれ」
「え?」
妹さんが肉を食いたいと言うから俵から肉を取り出した。
牛肉なら喜ぶだろう、サーロイン的なところだったら大丈夫だろうと出せば固まった。
「わ〜……こんなに大きかったら今夜は豪華なステーキ丼が出来るね、天ちゃん」
「いやいや、タツ姉そこじゃないって!え、なに?どうやって肉を出したんだ!?」
「しいて言うならば鍋からだな……どうしたんだ?肉が食いたいんじゃないのか?豚肉か鶏肉が食いたかったのか?」
「いや、どうせなら高い牛肉でいいけど……いいのか?要求しといてなんだけどもいいのか!?」
「なんだい、騒がしいね」
米と肉を貰ってもいいのかと困惑をしている妹さん。
ぶっちゃけそれを渡すために辰子についてきたのだから返された方が困るのだと思っていると如何にも女王様な見た目の大人な女性が現れた。
「あ〜アミ姉、おかえり〜」
「あ、どうもどうも」
「なんだいあんた?」
「通りすがりのおとぎ話の住人です…………なにやらご飯に困っている感じなので助けの手を差し伸べにやってきた」
辰子のお姉さん、妹さんのお姉さんでもあるわけか。
これはどうもと頭を下げた後になんだコイツはと怪しげな視線を送ってくるのだが名前を名乗ったとしても大して意味は無い。
「ッチ……」
「人を見て舌打ちとか悲しい」
「最近景気悪いから機嫌悪いみたい。アミ姉、夕飯はなんとかなったよ〜夕飯はステーキ丼だよ」
「ステーキ丼?なんでそうなったんだい?」
「コイツがなんかくれた」
妹さんはそう言うと俺が出したサーロインの牛肉を見せる。
それを見てどっから持ってきたんだと呆れられるのだが俺がくれたと言っているので頭に?を浮かべている。
「なにが目的だい?」
「う〜ん……しいて言うのならばお腹を空かせてる人は見過ごせないだな」
「何処のアンパンヒーロー?……まぁ、くれるって言うならありがたくもらうよ」
いや、なんでこんな事をするとか言われてもお腹を空かせているご飯に困ってる人は見過ごせないという至ってシンプルな理由だ。
良くないぞ、こんな色々と成長期な人達がつくしを必死に探して夕飯にしようって言うのはさ。
「ねぇねぇ、トータくん……メロンとかも出せる?」
「辰子……大抵の食材ならばどうにでもなるぞ!ほら」
「また米俵から……どうなってんだよ?」
「わ〜い、メロンだ」
メロンが欲しいのならば自前のメロン(意味深)があるではないかと小ボケの1つでもかましたいところだが姉妹が居るからボコられたくない。また米俵から食材を取り出せばどうなっているんだと妹さんは疑問を思っているのだが辰子は大して気にしない。
メロンが好物なので明日の分のメロンもやろうではないかともう一個メロンを追加で出せば冷蔵庫の中に1つ入れて最初のメロンを切った。
「天ちゃん、ご飯を炊かないといけないからコレで少し待っててね」
「…………………スゲえ美味いな……………」
「神様からの贈り物だからな、不味い物を贈るわけがないだろうに」
米を研いでいる辰子は妹さんにメロンを食べて空腹を紛らわせてと言う。
妹さんはコレはホントに食べても問題は無いのかと疑いを持ちながらもメロンを食べた。米俵から出したメロンは最上級の隔離ベッド栽培されたメロンと同等以上の味を秘めている。しかし米俵から出したものがなんでこんなに美味しいんだよと疑問を抱いている。
神様からの贈り物なんだから最上級の物に決まっているだろう。
「ついでだからトータくんも食べてってね」
「おぉ、美女の手料理とはありがたい……うむ、美味いぞ」
「えへへ〜ありがとう」
「美味い……いや、米が美味しいのは分かるんだけどなんで肉も美味いんだよ?」
「生玉子はないのかい?」
「勿論あるとも」
「だからなんであんだよ!?」
辰子がついでだからと俺の分も作ってくれる。
弟が居るらしいのだがなにやら遊んでて何処かに行っている……帰ってこないのはよくあることらしい。それで良いのかと思うがそれこそがKAWAKAMIなのだと最近になって分かってきた。
ステーキ丼を食べるのだが美女が作ったのも相まって普通に美味い。お姉さんが生玉子がないのかを聞いてくるので生玉子を出せば生玉子を割ってゴックンと飲んだ。ロッキーか?
「まぁ、そのなんだ…………空腹を満たす事だけならばどうにかなるぞ」
「……なんのことだい?」
「いや、俺も深くは聞かないし察することも出来ないが色々と大変で明日に食う飯も大変なのだろう?根本的な部分の解決や導く的な事は上手く出来ないが空かせている腹を満たす事ならば出来る」
夕飯につくしを探そうって狩猟民族かとツッコミたい事をしていた辰子。
妹さんもお姉さんもその事に関して疑問は抱いていないし、なによりも夕飯時だと言うのに親らしい姿が見えない。
なにか色々と重そうなものを抱えている、しかし残念ながら俺はその重そうな問題を解決することが出来ない。殴り合いで解決することが出来ない事だからな。
「……飯を食わせてくれるなら構わないよ」
「そうか……ポテトチップス的なのは出すことが出来ないが大抵の食材ならば力を貸そう……そうじゃないと先祖に顔向けが出来ないから」
お姉さんはなんかあるけどもそれに気づかれたり同情されるのは不愉快、しかし飯を食わせてくれるならばとすんなりと受け入れた。
ポテトチップス的なのは出すことが出来ないが大抵の食材ならば出すことが出来る、ポテトチップス的なのを出すことが出来たらどれだけ良かったのか、我が家の主な食費はお菓子代だったりする……決して不健康な生活はしていない。
「鮭と鶏肉と生玉子と、大根、じゃがいも、人参、玉ねぎ、キュウリ、レタス、プチトマト、リンゴにバナナ、コレだけあれば一週間ぐらいは保つだろう」
「うん、コレだけあったらお腹いっぱい食べれるよ」
「もし食材に困ったのならばまた言ってくれ……喜んで力を貸そうじゃないか」
「ありがとう、トータくん…………う〜ん………あ、そうだ!」
俵から一週間分の食材を渡せばお礼を言ってくる辰子。
コレこそがこの俵の正しい使い方だと思っていると辰子は何かを考えた後に閃いたと笑みを浮かべて俺にキスをした。
「えへへ、ありがとね……」
「…………ふむ…………アレだな……先祖同様、
絶世の美女からのキス、悪くはない。
天帝vs童子切を連載化したいんだが
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短編集にだけしとけ