アルピ交通事務局のネタ倉庫   作:アルピ交通事務局

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摩訶不思議妖精冒険譚 2 

「う、う〜ん……っは!」

 

 目覚めると知らない天井だった……エヴァかよ。何処かの一室っぽいところで、ゆっくりと上半身のみを起こして周りと自分を確認する。

 包帯が体の至るところに巻かれておりオレが落ちてきたのを誰かが拾って手当てをしてくれた……そんなとこだろうか。

 

「あ、目が覚めたんだね!」

 

 水がはった桶を手にしている小さな少女が入ってきた。

 オレが目を覚ましたのを見て我が事の様に喜ぶと急いで外に出てオレが目覚めた事を報告する。

 

「ウォロロロ、なんだか大事になっちまったな」

 

 外から酒の匂いと人の気配が沢山する。

 どうやらオレは酒場に落ちたみたいだ……クソ……。

 

「情けねえな」

 

 転生者になるべく鍛えた際に戦闘の才能はそんなに無いってハッキリと言われていた。

 けど、バトル物の世界に転生したいって願望はあるし自分が強くなるのが凄く楽しかった……現実はこんなもんだ……ああ、情けねえ。

 

「どうやら目覚めた様じゃの……なにを泣いておるんじゃ?」

 

「オレ、負けちまったんだ……毎日必死になって努力してきたってのに」

 

 さっきの女の子並に小さなジイさんがやってきた。

 悔し泣きをしているオレを見て、一瞬だけ驚くがオレが泣いている理由を察したのか直ぐに真面目な顔をする。

 

「なにに負けたかは知らんが、その敗北を糧に努力する事を怠らなければさらなる高みに行くことは出来る」

 

「オレ、あのドラゴンみたいに強くなれっかな」

 

 同じ龍だから彼処まで強くなれないことも無いかもしれないけど、自信がない。

 

「ドラゴンじゃと!?」

 

 ドラゴンの事を口にするとジイさんは驚く。

 

「そんな珍しいものなのか、あのアクノロギアって奴は」

 

「アクノロギア……お主、とんでもない奴と遭遇した……よく、生きているな」

 

「?」

 

 色々と意味が分からない。そう思っているとジイさんは語ってくれる。

 ドラゴンは絶滅したと言われている種族でこの世に存在しない。アクノロギアは大昔に一人で国を滅ぼしたと記録が残っているとんでもねえドラゴン。居るかどうかも定かではない出逢えば災害に遭ったと思うしかないとんでもないドラゴンだと言われている。

 

「あいつ、そんなに強かったのか」

 

 自分の事が1番強いとか威張ってたけど、マジだった。

 この世界で最強の存在に挑んでボコボコにされた。そう考えると少しだけ気持ちがスッキリしたけど、やっぱり悔しさが勝っちまう。世界最強の存在を圧倒してこその転生者だってのに……畜生。

 

「オレも修行してアクノロギアぐらいに強くならねえと」

 

「その意気込みはいいが相手はドラゴン、ちっとは現実を見んとまた大怪我をあうぞ」

 

「でぇじょうぶだ。オレもドラゴンになれるから」

 

「なにぃ!?」

 

 ドラゴンはこの世界では絶滅してっかもしれねえけど、オレも一応はドラゴン……いや、龍だ。

 顔だけを青龍に変化させるとジイさんは物凄く驚いた顔をする……ドラゴンな人間なんてやっぱ見たことはねえよな。流石にこれは気持ちが悪いので顔を元に戻す。

 

「今、ドラゴンっつったか!」

 

「ナツ、勝手に入ったらダメだよ!」

 

 ドラゴンの話をしていると桜色の髪の少年が大声を出し、叫びながら入ってきた。さっきの女の子は大慌てをしてる。

 ドラゴンの話にかなり食いついてきている。

 

「なぁ、今ドラゴンつっただろ!」

 

「これ、ナツ、やめんか」

 

「そうだよ。その人、怪我してるんだよ!」

 

 グラングランとオレを揺らしてドラゴンについて聞いてくる桜色の髪の少年もといナツ。

 ジイさんと女の子はオレの傷に障るから止めるように言うのだが聞く耳を持たない。

 

「黒いドラゴンに、アクノロギアと名乗っている奴なら出会った」

 

「アクノロギア……イグニールじゃねえのか。そいつは何処にいたんだ!」

 

「悪いけど、そいつは分かんねえ……オレはこの国の人間じゃねえから土地勘も分かんねえしなにより空を飛んでた」

 

 アクノロギアとどの辺りで戦ったか分からないし、オレがどの辺りの島で修行してたのも分からねえ。

 唯一分かることといえばあのアクノロギアは人間を敵視しているところがあって凶暴な化物だって事だ。

 

「クソッ……」

 

「お前、ドラゴンを探してるのか?」

 

「ああ、そうだよ……赤い竜を、イグニールを探してるんだ。何処に居るかしらねえか?」

 

「悪い……黒いドラゴン以外でドラゴンを見た覚えは無いんだ」

 

 赤い竜なんて転生してこの方、1度も見た覚えはねえ。

 ナツにその事を教えるとクソっと物に当たる……余程、そのイグニールに会いたいんだな。

 

「ウォロロロ、済まないな。いい情報を持っていなくて」

 

「いや、いい……」

 

 イグニールに関する情報を持っていないと分かれば去っていくナツ。

 情報を持っていないのは仕方ないが、なんか申し訳無い気持ちになっちまう。

 

「ジイさん、悪いんだけどオレ、治療費なんて持ってねえ」

 

「いきなり金の話か……ドラゴンと戦ったってことは何処かのギルドの所属じゃないのか?」

 

「いや、何処にも所属してねえよ」

 

 てか、ギルドあるんだな。この世界がどういう感じの世界観なのかは知ってるけど、細かな事は知らなかったから今知った。

 

「そういや、ここってどの辺りになんだ?」

 

 遥か上空に飛んでた事もあって自分が今どの辺りにいるのか分からない。

 

「マグノリアじゃよ」

 

「マグノリア……」

 

「そしてここは魔導士ギルド、妖精の尻尾のギルドじゃよ」

 

「そうだったのか」

 

 魔導士ギルドって事は他にも商業とか色々とあるんだな。

 ともかく、ここが何処かと分かっただけで充分だ……また修行の日々を送らないと。次はアクノロギアに負けないぐらいにしておかないと、アイツはマジでオレを殺しに来てっからな。

 

「どうやったら強くなれっかな」

 

 かめはめ波を会得し、螺旋丸も覚えた。

 相手にエネルギーをぶつける系の技は出来て、炎を吐いたり雷を落としたりはウオウオの実のお陰で出来る。こうなると後は螺旋丸の性質変化でも覚えるぐらいしかやることはない……なにをすればいいのか分からないのって意外とキチィな。

 

「お前さん、アクノロギアにリベンジするつもりか?」

 

「ああ。あの野郎、オレを殺す気満々だからな……殺されないように鍛えねえと」

 

「ふむ……」

 

 ウオウオの実で青龍になれる様になってもオレはまだまだ未熟だ。

 螺旋丸で大穴を開けたりすることが出来たとしても世界にはあんな強い奴が居るんだから……逆に考えればオレもあんだけ強くなれるって事だ。

 

「ガキに道を示していくのもジジイの務め。コバヤシ、もしお前が力を今以上に求めると言うのならば、それは1人で得ることは出来ん力の道を示してやる」

 

「……誰かを守るとか思いやる力とか、そういうのだったらいいぞ。オレが欲しいのはアクノロギアをぶっ倒せるぐらいの圧倒的なパワーが欲しいんだ」

 

 なんだったらムキムキのマッチョでもいいぐらいだ。

 誰かを守りたいと思う力とかそういう感じの力は生憎な事、今のオレはそういう感じの力は求めていない。そういう感じの力が、思いが普段の何倍も力を出すことが出来るのは知っている。

 

「まぁ、聞け。コバヤシ、お前さんは今まで1人で強くなろうとしている……だが、1人では駄目だ。仲間の力が紡ぐ力という者がある……」

 

 オレの求めてる力はそういう感じじゃないんだけど、ジイさんは話を進める。

 部屋を出てついてこいと言うので後をついていくと酒場に出て、ジイさんが出てきたとギルドの面々は驚く。

 

「皆、聞けい!今日からこのコバヤシは妖精の尻尾の一員となる!」

 

「はぁ!?」

 

 いきなりの宣言に周りは声を上げる。周りだけじゃない、オレ自身も声を上げる。

 ニヤリと笑うジイさん……この野郎、狙って言いやがってるな。この状態で入らないなんて言うに言えない。

 

「はぁ……オッス、オラ、コバヤシ、よろしく頼むな」

 

 孫悟空みたいなプー太郎な生活を送るつもりは早々にない。

 これ以上1人で修行をしていても成果が出なさそうだし、魔導士ギルドってだけでロマンが溢れている。それに妖精の尻尾(フェアリーテイル)と言っていたからここが原作ことFAIRY TAILと深く関わっている、主人公のギルドかなんかだろう

 

「コバヤシ、オレと勝負しろ!お前、アクノロギアとか言うドラゴンと戦ったんだろ!」

 

「アイツ、滅茶苦茶強かったぞ」

 

「これ、やめんかナツ。コバヤシは怪我をしておるんじゃから無茶は」

 

「多少の無茶をしないとアクノロギアを倒すなんて事は出来ない……ナツ、勝負だ」

 

 ジイさんは怪我をしているからと止めに入るけど、ここでの治療で怪我は殆ど治っている。

 今は自分と同じぐらいの年頃の人間相手にどれぐらいやれるかを知りたい。勝負を引き受けると喜々とした表情で外に出ていく。

 

「ナツと新入りが勝負か、どっちが勝つと思う?」

 

 何故か半裸なナツぐらいの男は鎧を身に纏ったナツよりちょっと歳上の女に勝負について尋ねる。

 

「ナツはああ見えても既にギルド内で有数の実力を持つコバヤシとやらが何処までやれるかが見物だ」

 

「見物ね……おい、新入り!エルザの期待を裏切るぐらいの圧勝をしやがれよ!」

 

 鎧を身に纏った女の子と同い年ぐらいのちょっとパンク系なファッションの女の子はオレに勝てという。

 なんかいきなりハードルが上がってるけど……期待に答えれるぐらいの成果は見せてやんねえとな。

 

「それでは歓迎会もといナツvsコバヤシの試合をはじめる。気絶するかまいったと降参をしたら負けの1本勝負……開始じゃ!」

 

「火竜の鉄拳!」

 

 ジイさんが開始の合図をあげると火を拳に纏い殴りかかってくるナツ。

 どんな魔法を使ってくるかと思えば炎の魔法か……こいつ、主人公かなにかじゃ……いや、今はそんな事はどうだっていいか。

 

「っ……ウォロロ、その程度か?」

 

「おい、嘘だろ!?」

 

「ナツの滅竜魔法を真っ向から受けきっただと!」

 

 ナツの拳を真正面から受けた。

 地味に痛かったものの、痛みがするだけで特にこれといったダメージらしいダメージは受けない。その事に半裸の男と甲冑の女子は驚きを見せる……滅竜魔法、竜殺し(ドラゴンスレイヤー)だから受けきれる攻撃なのに痛みを感じたってわけだ。

 

「火竜の煌炎!」

 

 両手を合わせて殴りにかかるナツ。これもまた痛みを感じるが大きく血を流すといった事は一切ない。

 これはあれか。竜特攻属性が付与されている炎の魔法的なのか……ふむ。

 

「まだまだぁ!火竜の炎肘!」

 

「……」

 

 肘から炎をジェット噴射し、殴りかかるナツ。

 オレはと言うとあいも変わらずナツの攻撃を受ける。

 

「なるほどな」

 

 ナツの滅竜魔法とやらがどんなのか分かった。

 ドラゴンに対して特攻が入っている魔法で、青龍であるオレにとっては弱点かもしれない。現に大した威力は無いってのに、ナツの炎が若干の痛みを感じる……だが、その程度だ。

 

「火竜の」

 

「もういい」

 

 怒涛の攻めでオレに攻撃をしてくるナツだが、特段早いわけではない。

 オレは右手に魔力を掻き集めて乱回転させ球体状に留めるとナツに向けて魔力の塊をぶつける。

 

「がぁっ!?」

 

「まったく、威勢はいいがそれに実力がついてってねえぞ」

 

 ナツのオレに勝ちたいという気持ちは文字通り痛いほど伝わってきた。だがしかし、まるでオレを倒すには届いていない。

 ウオウオの実の力である程度は身体能力や機能が上がっているのは分かっていたがここまでパワーアップしてたとは……オレって案外強いんだな。

 

「そこまで!勝者、コバヤシ!」

 

 ナツが白目を向いてぶっ倒れたので手を上げるジイさん。

 ギルド内でもそれなりの実力を持っているのかナツを倒した事を驚いて誰もなにも言ってこない。

 

「む……やりすぎたか」

 

 ナツの攻撃からして、これぐらいの攻撃は耐えるものだと思ってたがダメだったか。

 倒れているナツの元に向かいお姫様抱っこで抱き抱える。

 

「す、スゲえ!ナツを一撃で倒しやがったぞ!」

 

「おし、次はあたしと勝負だ!」

 

「いや、私と勝負をしてくれ!」

 

「おい、真似するんじゃねえぞ!」

 

「お前が真似をするな!」

 

 啀み合う甲冑女子とパンク系の女子……ふむ……。

 

「お前等2人、纏めて掛かってきな」

 

「「あぁ!」」

 

 クイクイと挑発をするとキレる2人。

 さっきまで啀み合い喧嘩をしようとする感じだったがオレの挑発が聞いたのかボキボキと腕を鳴らして睨んでくる……ああ、怖い怖い。

 

「ミラ、やるぞ」

 

「エルザ、足引っ張るんじゃねえぞ」

 

 喧嘩をするほど仲がいいとはよく言ったものだ。甲冑女子は魔法で別の鎧に換装し、パンク系な女子は悪魔っぽい姿に変貌をする。

 

「螺旋連丸!」

 

 右手と左手で螺旋丸を作り出し、右の螺旋丸で甲冑女子を左手の螺旋丸で悪魔っぽい女子を吹き飛ばす。

 我ながら決まったな……そう思ったがナツと同じく2人も白目を向いて気絶をしていた。

 

「お、おい、大丈夫か?」

 

「コバヤシ、お前さんは少し手加減を覚えんといかんぞ」

 

 ジイさんはぶっ倒れている3人を見て少しだけ呆れる。

 全力を出して戦ったわけじゃないのにこの言われ方には納得は出来ないが、あのドラゴンが異常なまでに強いだけでオレが決して弱いわけじゃないのが分かった。

天帝vs童子切を連載化したいんだが

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