無人島の猫百合姫 ~ハードコア孤島サバイバルが百合ハーレムになるまで~   作:Kkmn

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11. 猫耳少女、女の子と抱き合う

「えるぅー、皮にゃめしの枠もう一個できたよー」

 

「アリガトウ!....モウスコシ、ツクレル」

 

 

 

私があの大きなヘビを殺してから2日ほどが経った。

 

死体は結局半分も捌ききれなかったが、ウジやハエが湧き始めたので諦めることにした。

 

それでもかなりの量の肉の燻製が手に入り、食糧事情はとても楽になった。

 

 

 

「フゥッ....フゥッ.....」

 

 

 

今は腹の部分の皮をなめし、革を作ろうとしていた。

 

最初は私がおぼろげな記憶でやっていたのだが、何故かエルゥは豊富な知識を持っていた。

 

知識にも驚いたが....まぁ一番驚いたことは....。

 

 

 

「はぁ....ニャイフ...文明の利器....素晴らしい....」

 

 

 

うっとりと、まるで神を崇める教徒のような恍惚とした表情で、皮から肉を剥がすナイフに見惚れる。

 

そう、実はエルゥは懐にナイフを持っていたのだ。

 

それも過度に装飾が施されたような上等なモノを。

 

 

 

 

 

『エ....エルゥ.....そそそそ、それは.....』

 

『?』

 

 

 

肉を捌くのを手伝ってもらってる時....

 

なんでもないように懐から取り出されたそれに、震え上がらずにはいられなかった。

 

そして私のその様子とナイフを交互に見ながら放たれた一言が――――

 

 

 

『ナイフ、シラナイ?』

 

 

 

 

 

その後、手渡されたナイフを見惚れ、頬ずりまでしてしまった....。

 

ホシイ?アゲル。と言われたが護身用に持っていてほしいので断った。

 

ただでさえあんな化物がでるのだし....。

 

 

 

「ヨシ、デキタ!!」

 

 

 

明るい声をあげ、笑顔で汗を拭うエルゥ。

 

解体している時での私ほどではないが、結構血まみれで中々ショッキングな....。

 

 

 

「アン、オネガイ」

 

「♪♪♪」

 

 

 

この数日でとても大きくなったアンの中に肉や血が付着した手を突っ込む。

 

突っ込めば血肉の汚れがさっぱりと消え、アンはおやつにありつけwinwinだ。

 

 

 

それを横目に私は、すでに肉剥がしを終えて洗った皮にとある液体を塗り込んでいた。

 

 

 

「ヘビの脳みそかぁ....さすがに食べれるか聞いたことにゃいにゃぁ....」

 

 

 

そう、これはあの巨大ヘビの脳と僅かの海水を煮込んだ液体だった。

 

既に頭は燃やしてしまっていた為、突き刺した時に散らばったものを集めたのだ....。

 

私は皮なめしのことなんか全然知らなかったが、まさか脳を使うなんて。

 

 

 

この子、貴族かなんかだと思ってたけど...違うのかな?

 

 

 

 

 

 

 

「....エルゥ、ちょっと休憩しよ。お湯も沸いたし」

 

「ウン、アリガトウ!」

 

 

 

皮も全てとりあえずの作業を終え、焚き火の近くに二人共腰掛けた。

 

 

 

火にかけていた亀の甲羅からお湯をヤシの実の器に汲み、手渡す。

 

中には彼女が採ってきたマツ?みたいな葉が入れられており、これが美味しいお茶にしてくれる。

 

そしてこの水も、湧き水ではなくバナナの幹に開けた穴から抽出したものだ。

 

亀の甲羅はヘビの胃の中から出て来たモノ、鍋代わりとして最適だった。

 

 

 

「....オイシイ....」

 

「うん....ほっとするにゃ....」

 

 

 

この二日間、ずっと働き詰めだった。

 

それがやっと一区切りがつき、こうやって落ち着けている。

 

 

 

 

 

「ねぇ.....エルゥは、どこから来たの?」

 

「.....。ルカテー、シッテル?」

 

「ルカテー......街のにゃまえ?」

 

「ウウン、チイサイ、クニ」

 

 

 

「最初に会った時に話してた言葉って、にゃんだったの?」

 

「ワタシノ、クニノ、コトバ。イマ、ハナシテルノハ、ニシノクニノ、コトバ。

 

スコシダケ、ハナセル」

 

 

 

「へぇ~。エルゥは貴族とかの....偉い人?にゃの?すごく綺麗だし」

 

「......。オトウサマガ、チョット....オカネ、イッパイアル」

 

「あぁにゃるほど!商売とかしてる人にゃんだ!!」

 

 

 

つまりいいトコのお嬢様だったのか。だったら色々納得できるなぁ。

 

 

 

 

 

「...だったら、早く帰らにゃいとn...」

 

「アナタノ!」

 

 

 

急に語気が強くなり、言葉をかぶせてくる。

 

 

 

「...ノウンノコト、オシエテホシイ」

 

「私の、こと?」

 

 

 

こくりと力強く頷く顔は、どこか鬼気せまるような、真剣な表情だった。

 

 

 

自分のことかぁ...どうしようかな...。

 

 

 

「その...数日前にこの島で急に目が覚めて....前の記憶がにゃいんだよね」

 

「...オボエテ、ナイ?」

 

「うん...だから、自分がにゃんにゃのか、アンがにゃににゃのか、

 

この海の向こうににゃにがあるのか...」

 

 

 

異世界からやってきた事は、あまり簡単には言わない方がいい気がする。

 

言ってもきっと意味はないだろうし、何も知らないのは本当のことだ。

 

 

 

「にゃにも、わからにゃいんだ」

 

「.........。」

 

 

 

遠い水平線のむこう、私の探し求めている人が居るであろう世界。

 

 

 

いつか、この島から抜け出して、そこに行けるのだろうか.....。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこか遠いような、物悲しいような、そんな感情が彼女の目から感じ取れました。

 

記憶がない、そう彼女は言いました。

 

この島で目覚めた、とも。

 

 

 

.....私達人間から逃れる為に、海へ出て、そして難破しこの島にたどり着いた....。

 

 

 

想像でしかありませんが、もし、もしそうであったなら...

 

いや、そうでなくとも....私は....。

 

 

 

「ノウン」

 

「?...にゃに?」

 

 

 

大きく息を吸い込み、彼女の大きなエメラルド色の瞳を見つめます。

 

 

 

「ワタシハ.....」

 

 

 

わたしは―――――。

 

わたしは、あなたの仲間を、たくさん殺した......

 

 

 

「....?」

 

「ワタシ...ワタシ....ハ.......」

 

 

 

声が、震えてしまう。怖い。恐ろしい。

 

真実を告げると、どうなってしまうのでしょう。

 

怒り狂い、襲いかかってくるのか、それとも....。

 

 

 

「ワタシ、ハ.......アナタノ......」

 

「.....エルゥ?」

 

 

 

ぽろぽろと、涙が溢れてしまい止めることができませんでした。

 

その時、初めて自分の心が分かったのです。

 

 

 

彼女に.....ノウンに、嫌われたくない。

 

 

 

たった数日、一緒に過ごしただけだと言うのに、わたしはノウンのことを心から信頼していました。

 

 

 

拒絶したにも関わらず、命を助けてくれたこと。

 

虫の魔物を食べるほど困窮してるのに、食べ物をくれたこと。

 

言葉はすこし通じにくいけど、笑顔で話してくれること。

 

わたしの勝手な自己満足の謝罪を、受け入れ慰めてくれたこと。

 

 

 

そして....命をかけて、私を魔物から守ってくれたこと。

 

 

 

だから、だからこそ、本当のことを、わたしのことを――――。

 

 

 

「エルゥ」

 

 

 

いつの間にか、ノウンの顔がすぐそこまで近づいてました。

 

 

 

「だいじょうぶ」

 

「.....ッ....」

 

 

 

彼女はそう呟き、温かい両腕で私の震える身体を抱きしめてくれました。

 

 

 

あぁ、また、彼女の優しさに甘えてしまう。

 

それではダメなのに...わたしは.....。

 

 

 

「言わにゃくていいよ」

 

 

 

嗚咽の止まらない震える背中を、あやすように、安心させるように叩いてくれる。

 

まるで、温かい毛布のような両手。

 

 

 

「ひとりで...にゃにもこの世界のことがわからにゃくて、怖くて....

 

だから、あにゃたを見つけた時...嬉しくて。」

 

 

 

顔を見ないようにしてくれた心遣いが、嬉しかったです。

 

きっと、わたしの顔はひどい有様だったでしょうから。

 

 

 

「きっと、お互いいろいろ事情はあるんだろうけど....

 

でも...あにゃたに会えて、本当に良かった。」

 

 

 

彼女の声が、僅かに震えているのが聞こえました。

 

 

 

あぁ...また、伝えられなかった。

 

でも、後悔はありませんでした。

 

彼女の心の中を聞けて、胸の底から安堵していました。

 

 

 

そして同時に、この少女のそばにいようと、固く決意しました。

 

 

 

 

 

 

 

いつか彼女に、本当のことを伝えられる時まで......。

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