無人島の猫百合姫 ~ハードコア孤島サバイバルが百合ハーレムになるまで~   作:Kkmn

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17. 猫耳少女、泣きじゃくる

「う、ぅぅ・・・エ、エルゥ・・・?その、えっと・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

むにゅり。ふにゅ・・・。

 

 

 

うぅどうしたんだろう。

 

起きてからずっとエルゥが離してくれない...ずっと腕にぎゅっとしがみついて、その...彼女の服越しにおっぱいの柔らかい感覚がげふんげふん。

 

ちょっとでも腕を動かすたびにふにゅ、むにゅって、わわわ…///

 

 

 

あぁ、せっかく良さげで丈夫な若枝を見つけたから、火で炙って硬くして槍にしようとしてたのに。

 

これじゃあ全く集中できないよぉ・・・ふぁ・・・呼吸するたびに、女の子の爽やかなニオイがぁ・・・。

 

 

 

「ど、どうしたの、怖い夢でもみちゃった?」

 

「ゥ・・・ッ・・・・・・!!」

 

 

 

背後を振り返りのぞき込むも、すぐにぷいっと顔をそらされちゃう。

 

うぅ、自分、もしかしてなにか悪いことしちゃったかなぁ・・・。

 

 

 

それかあれだろうか。もしかすると先行きが見えない現状に少し不安がたまっちゃったのかな…。

 

 

 

それだったら何とかしてあげたい。サバイバルにはストレスは禁物だから…うーん。

 

 

 

何か気を紛らすこと...何か楽しいこと…アンと遊んでもらう?うーん。

 

 

 

 

 

「にゃにか…あっそうだ!!ちょっとこっちきて、見てほしいものがあるんだ!!」

 

 

 

「アッ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐいっと手を強引に引っ張って焚火から離れた所。砂浜から少し離れた岩場。

 

つまりこの無人島の端までエルゥと一緒にやってくると、お目当てのモノを披露してみせた。

 

 

 

「じゃーん!!これ、すごいでしょっ!目印!!この木の骨組みに乗せた炎から出る煙が高くまで登るんだよ!!」

 

「………!!!?」

 

 

 

そこに置いてあったのは制作に2時間くらいかけた簡素な木の枠組みと、それに乗せた小さな焚火。

 

ここから高く上った煙を、通りかかった船か何かが見つけてくれれば、きっとここまで見に来てくれるハズ!

 

 

 

 

 

「これできっと誰かに見つけて貰えるよ!!エルゥだってお家に帰れるって!!きっとエルゥを探しに来た人が、これを見つけて――――――。」

 

 

 

 

 

そうだ、この目印があれば、きっとエルゥを探しに来た人とかが自分たちを見つけてくれる。

 

小さいけれど、これは自分たち二人にとっての大切な希望…。

 

 

 

 

 

「……イヤッ!!!」

 

 

 

 

 

どんっ!!がらがらっ……。

 

 

 

 

 

「……にゃ?」

 

 

 

 

 

ぱっと手を離し飛び出すエルゥと、何かが崩れ去る音。

 

そしてそれらが何を意味するかを理解するのに、自分はしばしの時間を要した。

 

 

 

 

 

「あみゃあああああ!?!!!!??2時間の苦労がああああああああ!!!?!?」

 

 

 

 

 

希望終了のお知らせ。

 

なんということをしてくれたのでしょう。

 

あれだけ私が二時間もかけて丹精こめて作った焚火の目印が見るも無残な木くずになり果ててしまいました。

 

 

 

こ、これには流石の自分も、少しへこたれそうで、ガクッっとなって……。

 

 

 

 

 

「え、えるぅ...ど、どうしたの?どうして…?」

 

 

 

 

 

こ、こえが震えちゃう…。女の子になって緩くなった涙腺が、少し決壊しそうになってる…。

 

 

 

 

 

「アッ、ワ、ワタシ...」

 

 

 

 

 

ハッ、とした様子で、おろおろと崩した焚火台と自分の両手を見つめるエルゥ。

 

なんで?どうして?何か気に入らなかった?

 

もしかして自分がやってることって、エルゥにとってお節介か、余計なお世話だったりするの?

 

 

 

 

 

「...これ、さ。エルゥとじぶんが助かるためって思って作ったの。」

 

 

 

 

 

粉々になってしまった残骸…また、作り直せばいいけど…けど…。でも…ちょっと、悲しい。

 

 

 

 

 

「ねぇ、エルゥは、帰りたくにゃいの?もしかして...ずっとこの無人島にいたいの?」

 

 

 

 

 

そんなことあるわけないのはわかってる。

 

でも、どうしても暗くなってしまった気持ちのせいで、そんな言い方が口から漏れてしまう。

 

 

 

 

 

「あにゃただって辛くて、きっとにゃにか事情があるのはわかってる。わかってるよ、でも…。」

 

 

 

エルゥは何も言わずに、ただ泣きそうで、辛そうな顔を浮かべて、自分を見つめてて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....ごめん、ちょっとだけ、あにゃたのこと、わかんにゃいや....。」

 

 

 

ぱちり、と目を瞬くと、僅かに溢れてしまった感情が一筋の涙となって瞳から零れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――ッッッ!!!!!!」

 

 

 

それとほとんど同時だっただろうか。

 

自分と同じく、涙を溢れさせた彼女は、声にならない叫びをあげて背を向けて駆けだしていってしまった。

 

 

 

「………ぐすっ…。」

 

 

 

待って。追わなくちゃいけない。一人にさせるのは危険かもしれない。

 

そんなことはわかっているけど、泣いている女の子の身体に引っ張られた心は、悲しみに染まってしまって。

 

 

 

こんなことで泣くな。しっかりしろって理性ではわかってるけど。

 

まるで自分は、そのまま本当の女の子のようにぺたんと座り込んでぐずぐずと泣きじゃくり始めてしまう。

 

 

 

「ひっぐ、ぐすっ……」

 

 

 

違う、自分は男なんだから、エルゥを、彼女を守ってあげないといけないのに。

 

なのにどうして、ちょっと、彼女に自分の作ったものを壊されたくらいで、反応の期待を裏切られたくらいで。

 

 

 

「うわぁぁぁん……えるぅ……」

 

 

 

胸がえぐられるように痛い、目からとめどなく溢れる大粒の涙がしたたり、スクール水着に覆われた胸の谷間へと吸い込まれていく。

 

 

 

あぁ、もう、どうすれば―――――。

 

 

 

 

 

 

 

『#!!!#!!!』

 

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

急に水着と同化して寝ていたアンが飛び起き、自分の頭の上に飛び乗ってきたのだ。

 

 

 

 

 

『###!??!!###???##?#!!!』

 

 

 

ぺしっ!!ぺしっ!!

 

 

 

ちょっ!!アン!?触覚でぺしぺししないで!!いた…くない!全然痛くないけど!!にゃんなの!!?

 

え…?

 

 

 

『エルゥいじめるな』『ばかばか』...?

 

 

 

どういう、こと?ばかばかって…自分のこと?

 

 

 

きょとん、と首を傾げ頭上のアンを見上げると、口もないのにまるで溜息を吐くような仕草を見せた。

 

そして愛想をつかしたように飛び降りて、遥か遠くに見えるエルゥの背中を追って行って…!!?

 

 

 

 

 

「って…ちょっと待って!!どこいくの!!??まちにゃさーい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのスライムは口もないのに溜息をはいていた。

 

『自分のあるじ』が、『もう一人のあるじ』を泣かせてしまったというのに、謝ることすらせず泣きじゃくっていたからだ。

 

 

 

『猫のあるじ』は良い、強いし、一人でも生きていける。

 

でも『ニンゲンのあるじ』は弱く、一人ではとても生きていけないことをスライムは本能で理解していた。

 

 

 

だから自分が守ってあげないと、そばにいてあげないと。そんな使命感が彼…彼女?を突き動かしていのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「ヒグッ…エグッ…」

 

 

 

―――――いた。

 

 

 

ぴょん、ぴょんと半液状の身体を跳ねさせ、焚火の前でうずくまり泣きじゃくるその『あるじ』に、寄り添うように身体を密着させる。

 

 

 

なぜ泣いてるのか、どうして悲しんでるのかの感情の機微までは理解できないが、「傍にいてあげないと」ということは理解できていた。

 

 

 

『なかないで』『だいじょうぶだよ。』

 

 

 

自身の一部を取り込んだ『猫のあるじ』へのように、彼女へは感情を伝えることは出来ない。

 

それでも、必死に彼?なりに少女を慰めようと、必死のアプローチを繰り返した。

 

 

 

「アッ……アン…?」

 

『♪♪…♪♪…』

 

 

 

座り込む少女のひざ元に遠慮なく飛び乗ったスライムを、彼女は腫れた目で優しく微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「ワタシ…ドウスレバ、イインダロウ。モシ、ショウダンノ、ヒトガクレバ、ノウンハ………」

 

 

 

ぽつり、ぽつりと呟く嘆きの言葉に返してくれる者は誰もいない。

 

 

 

 

 

「…イッソ、アノママ、タスケラレズニ、シンデタラ………。」

 

 

 

その時ふと、少女の耳が、じゃり、と、砂を踏む音を捉えた。

 

 

 

 

 

――――ノウン?いけない。ちゃんと、あやまらないと…。

 

 

 

 

 

涙で酷い有様になった顔を拭い、音のした方に顔を向けると―――――。

 

 

 

 

 

「へぇ。肉があったと思ったら。次はこんな上物のメスまでいやがるじゃねぇか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薄暗くなった砂浜を、とぼとぼとうなだれながら歩いていた。

 

 

 

「はぁ…自分が…悪いよね。…ちゃんと、謝らにゃいと。でも…にゃんて言えば…。」

 

 

 

憂鬱だ。とにかく気分が重い。

 

いったいどんな顔して、エルゥに会えばいいんだろう…?

 

 

 

『....!!!』

 

 

 

…うん?なんか聞こえる?なんだろう?

 

 

 

でも凄まじい聴力を誇る猫耳に意識を集中しても、どこからの声かわからない。

 

うん?これ、頭のなかに響いてない?あ、これもしかしてアンの声なのかな?

 

 

 

 

 

 

 

だったらもう少し集中して聞いてみれば…えーと、なになn…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『エルゥがおそわれる』『はやくきて』

 

 

 

 

 

 

 

――――――ッッッ!?!?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脳裏に浮かぶ、自分の常識からかけ離れた異様な蛇のあの化け物。

 

 

 

そこからの行動は自分でも信じられないほどに早かった。

 

 

 

普段は揺れる大きな胸や尻を意識して、抑えてしまう走るスピードを全開にして死にもの狂いで必死に駆ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして驚くべき速さでエルゥのニオイのした方へ…自分たちの焚火の場所に帰ってきたが。そこに会った光景は。

 

 

 

 

 

「………あぁ?」

 

 

 

 

 

気を失い、ぐったりとした様子で眠る金髪の美少女。

 

 

 

そしてその肢体を抱え、浅黒い肌とケモノの手足と耳を持った、一人の少女が満月を背に佇んでいた―――――。

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