無人島の猫百合姫 ~ハードコア孤島サバイバルが百合ハーレムになるまで~ 作:Kkmn
「さぁて…じゃあ、獣人のメスの味ってのを堪能させてもらうとするか…♪きひひっ♪」
はいけい、どこか遠くのおばあ様。
もしかしたらあなたにひ孫を見せる事になってしまいそうです…。
「…い、いや…やだ…」
意味が分からない、常識が通用しない。
どうして男なのに女の子の身体で、女の子に男のモノで貫かれそうになっているのか。
異世界こわいよぅ…。
でも今の自分に出来ることは、イヤイヤと首を振って涙目で抵抗するだけ。
むしろそれは狼少女にとって心地いい抵抗だったらしく、ニヤリと邪悪な笑みを深めて…。
「はぁ~お前いいよ...獣人のメスってこんなに良かったんだな...全滅なんかしちまって勿体ねぇ。もっと食いたかったよ。」
…?全滅?え?
そう言えばこの子…人?彼女がさっきから言ってることって、いったい…。
「はぁ?お前なんだ?そんなことも知らねぇのか?」
少しばかりきょとんとしていた表情を見られたのか、少女は呆れたような口ぶりで、自分の頬に手を添えた。
「そうだよ、お前の仲間はどっかの気が狂ったニンゲン共に狩りつくされてもうみんな死んじまってるよ。
ほんと勿体ねぇことしたなぁ…。」
すると、その口からさらりと語られたのは、割と…結構なショッキングな事実。
えぇ…そうなん、だ…こっちの世界のニンゲンってこわい…獣人さんかわいそう。
「そ、そっか……じぶんって、にゃかま、いにゃいんだ…。」
自分は別に獣人の知り合いとかいないけど、ちょっとクるモノがあるなぁ…。
「ウ、ウゥン……?」
ピクリ、と自分の頭上の猫耳が反応した。
この声…!エルゥ、起きたんだ!良かった……!!
それにタイミングもいい、この狼少女が自分に夢中になってる今なら、エルゥだけでも逃げれるかもしれない!!
がしっ…!!
「んあ?お前…なんのマネだ?」
「エルゥッ!!逃げてっ!早くッッッ!!」
拘束された両腕の代わりに、唯一自由に動かせる両足を使って思い切り目の前の彼女にしがみつく!
う、うぐっ…///ア、アレが…本来は自分にもあるはずのアレがお腹に凄く押し付けられて恥ずかしいけど…///
でも!そんなこと気にしてる場合じゃない!!
自分はどうなってもいいけど、エルゥだけは絶対に逃がさなきゃ!
「ノ…ノウン…!?ソレト…ダレ…?」
でも、エルゥは寝起きで、突然のことに状況を理解できていない様子で。
くそっ、一秒でも早く、ここから離れてほしいのに…!!
「おいおい、随分主人思いのペットなことで………んん?」
う…うん?狼の少女が、エルゥの方を向いて、固まった…?
なんだ?何か、考えてるような、悩んでるようなカオをしているけど…。
すると数秒した後、ひらめいたようにポンと両手を叩いて―――――。
「あぁ、そうか、お前どっかで見たことあると思ったら、あの気狂い商団のお嬢様じゃねーのか?」
「…………………ッッッッッ!!!!」
…?
気狂い、しょうだん…?何のことだろうか?
何のことかはわからないけど…でも、それを聞いたエルゥは、どうして、そんな唖然とした顔をしてるの?
「はっ、じゃあここはなんだ?獣人の繁殖場か?
さんざん狩りつくした次は家畜みてーに飼い殺す気か?ほんとヤベーなお前らニンゲンは、狂ってるよ。」
え?え?なに、言って?ついていけないんだけど?狩りつくした?家畜?
「にゃ、にゃ言ってるかわかんにゃいけど・・・エルゥ!!はやく!はやく逃げて!!自分は良いから!!」
あぁもう全然わかんない!ついていけない!
でも一つだけ絶対確かなことは、エルゥを無事に逃がしてあげなきゃいけないことだから―――――。
「あのなぁ…お前ら獣人を滅ぼした気狂いニンゲン共の親玉の娘だよ、コイツは。」
「……え?」
一瞬、さすがに必死だった自分も、その言葉には意識を持っていかれてしまって。
だから、次の瞬間に起こったことにも反応できなくて…。
ダッ……ザンッ!!
「………ッッッ!!!」
「うぉっっと。はは!随分おてんばなお嬢様だなぁオイ!!」
自分が固まっている間の、一瞬だった。
拘束されたエルゥが持っていたナイフでそれを解いて…。
それだけじゃない、自分にのしかかっていた狼の少女に飛び掛かって、もみ合いになって。
そして、それが彼女によって簡単に払いのけられ、自分の足元に突き刺さるまで。
「そんなにこの獣人が大事なのか?まぁそうか、お前らにとっては貴重な商品だもんなぁ。
コイツはさぞ高値で売れるんだろ?骨とか皮とか毛皮とかバラしてな。」
「ノウン!!!ニゲテッ!!!」
…獣人。商品。売る。
気狂い商団の、お嬢様――――――。
あぁ、そうか…そういう事だったのか……。
どうしてエルゥが、最初であったときに泣きながら謝罪してきたのか。
どうしてエルゥが、どうしようもないほど悲しい眼で自分を見る時があるのか。
どうしてエルゥが、自分にここまで優しくしてくれるのか―――――。
その全部が、自分の頭の中で線で繋がった。
「……ワタシ、コノシマデ…ノウンニ、アエテ、ヨカッタ。」
組み伏せられ、首筋に鋭い獣の爪をたてられた彼女の声は、悲しみに満ちていて。
それはまるで、最期を悟った人間の、遺言のようで…。
「アリガトウ………ウウン、ダマシテ...ゴメンナサイ……ノウン。」
どこまでも澄んだ、宝石のようなエメラルド色の瞳から溢れた涙が、砂浜に吸い込まれて。
「…へー…カワイイ顔できんじゃん。気が変わったよ。先にオマエから味見してやろうか。」
それを組み伏せる狼少女がその涙の痕に突き出した舌を這わすと、その白い首筋に建てられた爪から…
つー、と赤い血が一筋、垂れ堕ちた。
「グ”ゥ”ゥ”uuuu”る”に”ゃ”あ”あ”あ”あああああああああAAAAAAーーーーッッッッッ!!!!!!!!」
それは、自分の心の衝動の枷をぶち壊すには十分過ぎた。
もう理性とか、考える必要なんてない。
自分がやる必要があって、やりたいことはただ一つだけ。
ブチブチ…ぶっつんっ…!!
何重にも硬く巻かれいてたツルを、自身の獣の牙で力任せに食いちぎる。
そしてそのまま地面に突き刺さっていた、自らの槍を掴み―――――――なんで掴む必要なんかあるんだろう?
そうだ、なんで手なんかで持っていたんだろう、邪魔なだけ!!咥えればいいんだ!
それに、なんで、どうしてこんな邪魔くさい姿勢をしてたの?
手足…ううん、『前足と後ろ足』で走れば、こんな奴に後れを取ることはないのに!!!
「ケ”シ”ャ”ア”ア”ア””ア”アア”ァァァアアアア――――――ッッッ!!!」
『四つ足』での跳躍で、全脚力と体重を思い切り乗せて…目の前の少女の頭に、切っ先を叩き込む。
「いっ――――!?」
面食らった狼少女はとっさに飛びのき…。
そして一秒前まで彼女がいた地点に躊躇なく叩きつけられた槍は、とてつもない衝撃を生んで―――!
ド ザ ァ ァ ァ ァ… … !!
それはまさしく、『砂の噴火』というような表現が相応しい。地形を変える程の衝撃。
ただでさえ柔らかい砂浜は大きくえぐり取られ、そこには巨大なクレーターが生まれた。
『…… <blip> Initiating defense protocols...寄生形態、実装します。』
「あぁ…?また同じ手かぁ?」
砂煙の向こうから聞こえてきた、無機質で機械的な声に答える狼少女。
『…寄生対象を、武器ユニットから変更。』
「…アン、にゃんでも、いいから……」
そうだ、何でもいいのだ。どうなったっていいのだ。
この世界で唯一、自分を思ってくれて、守ろうとしてくれてる友達を、守れるなら。
『寄生対象、マスター。プロトコル実行。』
「にゃんでもいいからッッッ!!!エルゥを守らせてッッッ!!」
エルゥのことを、守れるならッ!!自分は、どうなったっていい!
『……強化被膜外装、ロードします。』
晴れた砂埃の先、そこにいたのは、涙を零し自らの大事な友人を見つめる金髪の少女と。
それを抱え、身体にくっきりと密着する…幻想的な輝きを放つスーツを纏った、暗闇に映える蒼い瞳の猫獣人。
「この子に…手を出すにゃ……ッ!!」
満月を背に、狼の少女に対し、静かに雄たけびを上げた。