無人島の猫百合姫 ~ハードコア孤島サバイバルが百合ハーレムになるまで~ 作:Kkmn
感想ありがとうございます。
この作品は直接的な性表現はないのでけんぜんです
「……あ、れ…?ここ、は…?」
そこはどこでもない、シェルターでもない、まして無人島のどこでもなかった。
何一つ無く、殺風景な無機質な…不思議な空間。
『あーあ、良いご身分だね?
女の子に助けられて、女の子に守られて…そして今はぐっすりご就寝にゃんだ。』
「……だれっ!?…えっ……?」
背後から不意にかけられた声に振り向くと、そこにいたのはエルゥでも、カミューちゃんでもない。
彼女たちよりもっと身近な筈なのに、ほとんどその姿を見ることはなかった存在で…。
『くすっ…♪何にゃにそのマヌケにゃ顔w
「自分」の顔がそんにゃに不思議にゃの?』
――――ぴょこっ♪ふりふり…。
蒼い髪、ぴこぴこと揺れ動く猫の耳と尻尾…それらを兼ね備えた少女。
その姿は間違いない…今の、この孤島に来てからの自分そのもので――――!!
「…あにゃたは…?いったい…」
『わたし?わたしはあにゃただよ。
ううん…ちょっと違うかにゃ?わたしは…本当のあにゃた。』
…その少女に向かって手を伸ばすと、まるで鏡を見ているかのように彼女もまったく同じ動きをする。
鏡とかも無かったから、こうやってまじまじと自分の姿を見るのは初めてで…なんだか恥ずかしい。
「ほんとの…じぶん…?」
『そ♪
変なプライドとか、くっだらにゃいゴミみたいな使命感もにゃい…本当の、女おんにゃの子のわたし…♡』
自分とは思えない妖しい笑みをたたえたその猫耳の少女は言葉を続ける。
『…わたしは、エルゥの愛にだって、ちゃんとごまかさず真っすぐ応えてあげられる♡
カミューちゃんにだってもちろん…レイシアちゃんにも、アンにもね。
…あにゃたはどうかしら?ホンモノさん♪』
「にゃに言ってるの…?自分が、エルゥたちに…?」
なんか、なに言ってるかよくわかんないな…。
それよりも自分の姿でくねくねするの、やめてくんないかな。
「愛とかにゃんとか知らにゃいけど…。にゃに?変なプライドとかゴミみたいな使命感って…。
まさかエルゥ達を守ることを言ってるの?だったら許さにゃいよ?」
そうだ、自分は男なんだから。
皆を…女の子達を守ってあげないといけないんだから。それをゴミだなんて言うのは許せない。
『クスッ…♡そう。それは…オトコ、だから?』
「…当然でしょ。自分は、おと――――――」
――――――きゅんきゅんきゅんっ♡
「……に”ゃ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁっ!!?///にゃにこれぇぇぇ……♡」
不意に自身のカラダを貫いた、甘い衝撃。
背筋に電流でも走っているかのような快感が襲ってきて、口を閉じる間もなく甘ったるい嬌声が溢れてしまう。
『ふふっ、ばぁか♪
あにゃたがオトコにゃワケにゃいでしょ。さっきまで自分がやってたコト忘れちゃったワケぇ?
情にゃさけないね…オトコの癖に、あんにゃに女おんにゃの子にへこへこ腰ふって浅ましく媚びへつらって…♪』
…地面に倒れ込み、火照り動悸を増した身体を抑えようとしている自分に、彼女は足を乗せてくる。
『ところでぇ…あなたエルゥちゃんとカミューちゃん、どっちが好きにゃの?
まさか…『どっちも』なんて、そんな最低にゃ答えじゃにゃいよね?』
「ひ…ンッ…♡ちが、…ふたりともぉ…たいせつで、だいじで…ふにゃっ♡」
『ひっどい…最低。
オトコの癖に…二人の女おんにゃの子が大好きだなんて…。あの二人が知ったらどう思うかにゃ?』
「優しい女の子達の好意を弄んで…ホンット、救いようのない最低にゃ男…ううん…女の子♪」
『ちがぅっ……だってぇ…だってぇ…!!』
「くすっ…♡
そうそう、女の子たちに一方的に守られて…愛でられるのがお似合いよ♪くすくす♡」
―――あ、れ?
いつの間にか…目の前の少女がわたしの動きを模倣していたはずなのに。
今は…わたし…ちがう、自分が、彼女の動きを、マネ、しててぇ…!?
「だってあにゃたは…ううん、わたしは……女おんにゃの子にゃんだから」
『ちがっ、ちがぅぅぅ!!わたしっ…わたしはぁぁぁっ…!!!///』
◇◇◇◇◇
「―――――はぁっ!!?ふぁーっ…はーっ…ふにゃ…。」
次の瞬間。そこにはあの少女も無機質な空間もすべてが消え去っていた。
全てが嘘だったかのように…いや、身体の火照りや疼きだけは、未だ夢の中と同じ状態だったけど。
「あ…ここ…いつのまに、かえって、きて…」
寝ていた場所は気を失った川辺ではない、ちゃんとわたしたちのシェルターだ。
上半身を起こそうとすると、額に冷たい布が置かれていたことに気づく。
…温くなってないところを見るに、取り換えて間もないモノだろうか。
まだ脱力感の抜けないカラダでふらふらと立ち上がり、外の様子をうかがう。
すると、もう空はすっかり真っ暗になってて…あれから何時間たったんだろうか…。
「…ノッ…ノウン!!?」
「ん…」
…エルゥだ。
その手には海で濡らしてきたと思わしき布が握られていて…きっとさっきの布もこの子がやってくれたんだよね…。
「モウオキテモ…ウウン!!ヤスンデナキャダメッ!!」
「えっ…あぁっ…」
わたしを見てちょっと驚いた顔してたけど…すぐにハッとした表情になってわたしを無理やりシェルターに連れ戻して…。
結局力も入らないし、されるがままで…。
「…にゃ…?」
そしてその時気づいた。
――――彼女の手が…酷く擦り切れて、真っ赤になってて酷い有様になってることに。
なんで?と思ったがその原因はすぐにわかった…自分に載せる布を、絞ってたから…。
しかもそれだけじゃない。よく見れば目も充血してて、クマまで出来てて…。
わたしの…じぶんのために…ううん、ちがう。
じぶんの――――せいで――――エルゥを、こんな――――。
「なんだ…やっと起きたのか。
…ん、ちったぁマシになったみたいだな」
そして…そこに入ってきたのは、カミューちゃんで。
でも、自分はまた愕然とすることになってしまった。
もとからボロボロだった服は更に酷い有様になり果て…。
その下の身体も、大量のキズや…今もなお出血して血が滲んでる痕が見えて…!!?
「…え…あ…それ…にゃんで…!?」
「んー、まぁ…アレだよ。
ニオイに釣られて、どこにいやがったか知らねぇケモノやモンスターがうじゃうじゃ来やがってな。」
「…にお、い……?」
「…………」
ニオイ?動物やモンスターを引き寄せるニオイって何のこと?
くんくんと、鼻を嗅いでみても、自分の身体から発せられる濃厚な甘ったるいニオイ以外感じ取れなくて…えっ――――?
「あ…うそ…まさか…」
そして脳裏に浮かぶ…あの触手の化け物。
なんで森の中にいたはずのアレが、自分のいる川辺までやってきたのか。
それは…今の…発情期、の…自分のニオイに、つられて……?
「うそ…そんにゃの…!!だったら、だったら…!!
あっ!!レイシアちゃんは!?アンは!?」
「…アイツらはここから離れた木の上で休ませてる。
眠る最後まで『ママのおせわする』つって離れなかったけどな。」
…じぶんの、せいで…。
自分のせいで、そんな…こんな…。
自分のせいで…エルゥをこんな辛い目に合わせてしまって。
その上、カミューちゃんを…いや、みんなを…命の危険にまで晒してしまって……。
「あ………あぁ……!!あぁっ……」
――――ぽろ、ぽろ…。
涙が溢れて止められない。罪悪感と絶望感で胸が張り裂けそうになる。
何をやってるんだ?自分は?
守らないといけない筈の女の子たちに、こんなにも迷惑をかけて…!!
「おい…なんで泣くんだよ、アンタのせいじゃねぇって何度も言ってるだろ。」
「ウン。ダイジョウブ、コンナノ、ヘイキダカラネ?」
そう言って…エルゥと、カミューちゃんは…優しく、じぶんを…なでて、くれてぇ…。
―――――くすっ…♡女の子たちに一方的に守られて…愛でられるのがお似合いよ♪
「ちがぅっ…ちがうのぉ…わたし、オトコだからぁ…!!みんにゃを、みんにゃをまもらにゃいと…にゃのにぃっ…!!ひぐっ…」
あぁ、なのに、わたし…ちがう、自分は…子供のように泣きじゃくるのをやめられなくて…。
おかしい、もう、いやだよ、こんな…こんなカラダ…。
――――だきっ。
――――ぎゅぅっ。
「…ふにゃ……。」
「ノウン…ソンナ、ツライコト…ズット、カンガエテタノ?」
「…アンタ、そうか。この間までオスだったもんな…。だからか…。」
あぁ…あったかい…。ぽかぽかする…。
「……ワカラセテ、アゲナイト。…カミューチャン?」
「あぁ、そうだな…。ちょっと酷かも知んねぇけど…コイツのタメだ。」
「…わから、せるぅ…?いったい、にゃにを…。」
「んなの、決まってんだろ。」
そう言って…ふたりは…わたし…ううん、自分の猫耳に、ちかづいてぇ……。
「おまえは―――――メスだ。」
「アナタハ―――――オンナノコ。」
―――――ーぞくぞくぞくっ♡
…夢の中の私と同じ言葉を、自分に告げた……。