無人島の猫百合姫 ~ハードコア孤島サバイバルが百合ハーレムになるまで~ 作:Kkmn
火をおこそう。
火の恩恵は数多い、明かりや暖かさを与えてくれ、料理や乾かすのに使え、野生動物を追い払い、疫病を抑えてくれる。
でも、現代的な手段や道具がないと、火を起こすのはかなり難しい。
「とにゃるとやっぱり木を擦る方法かにゃあ」
真っ先に思い浮かんだのはまず、木と木をこすり合わせて摩擦熱で発火させる原始的な方法だった。
その次に虫眼鏡で太陽光を集め着火させる方法も思いついたが、当然そんなものはないので却下。
懐中電灯だったりアルミホイルを使う方法もあった気がするが、代用できそうなものも見当たらない。
結局、一番最初に思い浮かんだ一番原始的な方法をとることにした。
まず森の中に分け入って入り、使えそうな枝を探してみるところからだ。
「たしか、まっすぐで乾いてて、ほどほどの固さがある木が良いって...」
冴え渡った頭は、かつて友人から聞きかじったサバイバル知識を鮮明に思い出していた。
飛び出た枝、葉に隠れた尖った石、そして何より未知の生物(....モンスターとか?)。
それらに気をつけながら、ゆっくりと身を低くして歩いていく。
地面には折れた枝が大量に落ちていたが、湿っている上に朽ちていたり、歪んでいたりで中々良さそうなのはなかった。
「うーん....おっ?」
もう少し歩いてみると、枯れた樹木が若々しい木に倒れ掛かっているのを見つけた。
よく見てみると地面に転がってるモノたちとは違い、とても乾燥していて燃えやすそうだ。
「火口?だっけ?最初に燃やすものに使えるかも....!!」
幸いなことに樹木は非常に表面が脆く、素手でもなんとか切れ端を剥ぐことができた。
べりべりっと勢いよく枯れた木の表面を剥g――――――。
「よいsy...びにゃあああああああああっっっっ!!!?!?!?!」
その下にいたのは、白い幼虫だった。たぶん何かの昆虫のものだろう、至って普通の外観である。
ただ、フランクフルトよりも巨大な大きさのものだと言う一点を除けばだが。
あまりのショッキングな映像に、きゅうりを見た猫のようにビクゥッと飛び跳びはねてしまった。
無理!!!ムカデとかゴキブリは耐性あるけどこれは無理!!!キツイ!!
「あbyふぁぼvjぽじえmvs1どえqrm....あれ?」
なんか視線が......すごく高い?あんなにさっきの枯れ木が下に....えっえっ?
ちょっと待って、今自分はどこにいるんだ?
恐る恐る足元を見てみr...胸が邪魔で見えないんだけど..どかせば見えるかな。
ってあれ?今両手で何かを掴んでる?.....木の幹?あ、あそこに生ってるのバナナ!?
え?バナナ?は?なんで?
「.....ここ、木の、上....?」
額から冷や汗が一筋垂れ、遥か下の地面へと落ちていった。
自分が立っている枝はあまりにも細く、今にも折れてしまいそうだった。
たぶん軽いこの身体でなかったらスグにバキッと言っていただろう。
た、高さで言うと建物4階くらいだろうか…おちたら絶対やばい(確信)。
「にゃ、にゃんでこんなに高く跳んで…!?」
もしかしてあれか?ネコが自分の身体の数十倍の高さを跳躍できるとかいうアレ。
それがこの猫っぽい女の子のカラダに備わってるってこt…。
ーーーーーーバキッ。
「へっ………ん”に”ゃ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”AAAAAAアアアアぁぁぁ!!!??」
心地よい何かが折れる音とともに、恐ろしい浮遊感に身体が包まれる!!
それと共に急激に地面が近づいてくるのが良くなった視力ではっきりと見えてしまってーーーー!!!!
オイオイオイ死んだわ自分(笑)
「アア””ア”ア”cq907831lk!!!!……あれっ?」
しゅたっ…ぶわぁっ。
着地した風圧で周りの草木が揺れしなり、枯れ葉が舞い散る。
なんということだろうか、そこには新体操の選手もかくやという鮮やかな着地を決めた自分の姿が…!!
おぉ…すごい、あんな高さから落ちても傷一つない…!!もしかして。
「…このカラダ……すごい…!?」
なんやかんやあったけど、何とか火をつけるのに必要であろう材料はそろえる事ができた。
まず摩擦を起こして火種を作るための乾いた枯れ木の枝。それに擦るための枯れた樹皮。
そして出来た火口を育ててまともな火にする為の枯れ草の束。
そして作った火にくべるための大小さまざまな木。
「よしっ、大変だろうけど…やるぞっ」
まずは厚さのある枯れた樹皮に尖った石で切れ込みをいれて、そこに摩擦力を上げるために砂と小石を入れる。
そして少しだけ枯草を混ぜて準備は万全だ。
後はこの切れ込みに木の棒を添え、ひたすら火口ができるまで擦り続けるーーーーー。
決してどこぞのマインのクラフトのように鉄のインゴットと火打ち石だけで火が付く訳ではない。
「よしっ…、やるんだっ!!絶対に火を手に入れるんだっ!!」
固い決意を両手のひらに込め、木の枝を挟み構える。
こうして長きにわたる、自分と火との果てしない勝負が始まりを告げーーーー。
~4時間後~
「ぜぇっ…ぜぇっ…にゃぁぁ……」
無理でした!!!!
2時間くらい忍耐強く続けていたあたりで煙が出た時はそれはもう大喜びしたけど。
結局そこから一向に赤いモノがちらりとも見えることはなくて、一向に変化なし。
両手に目をやると、白く細い女の子の手が擦り傷と水膨れだらけになって酷い有様。
「はぁ…これはちょっとヤバイかも……」
あまりの疲労感と徒労感にばたんと砂浜に倒れ込む自分。
ここまでやって成果なしはさすがにちょっとこたえるものがあるよ…。
それに今日は幸運にも水分を手に入れたけど、こんなに汗をかいてたら追い付かない。
ちらりと海の水平線に目をやると、少し太陽が傾き始めているのが視界に入った。
やばい、このままだとまた凍える夜を過ごすことになってしまう、もしそうなったらまたあの苦しい目にーーーー。
「...っ、ダメだ!!くらくにゃっちゃダメだ!ちょっと休憩しにゃきゃ....!」
ごろんと砂の上で寝返りをうつと、キラキラと輝くモノが視界に飛び込んでくる。
そう、自分の命を救ってくれたあの謎のドロドロが入っている瓶、そして空っぽの瓶。
それを見ると自然にごくりとノドがなり、あの美味しくて瑞々しい味が口のなかに沸き上がってきた。
....ちょっとだけ、一口だけなら....。
甘い誘惑に負け、ビンに手を伸ばしたときだった。
「....えっ....、これ.......って....!!」
ビンを通り屈折した日光がーーーー砂を明るく照らしていたのだ!!
そこに手をかざしてみると、そこは確かに暖かく熱を持っていて。
「これっ....!!これ、いけるんじゃにゃいかっ!!?」
そこからはもう大慌てだった。
色んな角度で木にビンからの光を当てながら、屈折具合を見計らい、小学校の授業で習ったような虫眼鏡の実験の再現を試みた。
そしてついに、日ももう夕日に変わろうとしていた時、ついにーーー。
パチ....メラ....。
「い....いやっぁったああぁぁっぁああああっっ....!!!!!」
満点の星空の下、無人の砂浜で焚き火をきらきらした目で眺める自分。
昨日の心細さが嘘のように、今は満ち足りた感じと不思議な安心感でいっぱいだった。
「ふふ、よかったにゃぁ....。そうだ!自分へのご褒美に、このドロドロも一口だけ....♪」
今日は水場を見つけたりココナッツを見つけたり、火を手に入れたりと大進歩のめでたい日なのだ。
貴重で美味しいこの謎の液体を飲んだって誰も怒らないよね?
「うんしょ....よしっ!いただきまー.....♪」
両手で抱えたビンを傾け、その下で口を大きく開け待ち構えてーーー。
どろどろどろっ....ぐにょっんっ!!!
その中身は自分の口を通り越して、地面に滑り落ちていった。
「.....へ?.....え?」
それだけでも貴重なそれを台無しにしてしまう驚愕の事態だったが、まだ続きがあった。
なんと地面にどろりと垂れ落ちたそれらは、まるで生物を思わせるように身をぐねぐねとくねらせてーーーー。
どろり.....ぐにょんっ。
不定形だったそれらがひとつの球体になったかと思えば、ぴょこりとした触覚が飛び出してきてーーーーー!!!!!!
自分は、自分はまさしくこれを形容する言葉をしっている!!
そう、これはーーーーーまさしくそれはスライムだった!!!