無人島の猫百合姫 ~ハードコア孤島サバイバルが百合ハーレムになるまで~   作:Kkmn

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狂愛のラミア嬢
52. お嬢さまの、消失。


無人島で生き延びる為に一番必要な道具はなんだろうか。

 

まぁ一番は絶対ナイフで異論はないだろうけど、じゃあ二番目は?

その答えを無人島生活歴一か月くらいのわたしは、無駄に大きくてたゆんたゆんな胸を張って答えられるだろう。

 

それは、絶対に…………罠!!!

 

 

「…っていう訳で、魚のカゴに入れるエサを取りに来たわけなんだけど。ありがとう、わざわざ付き添ってくれて!!」

 

「ウウン、イイノ!ノウンノタメナラ、ドコデモイクカラ!」

 

「にゃぁ…///もう、またそんにゃこと…///」

 

 

で、現在新居の川沿いの森のシェルターを離れ、いつもの海岸までやってきたのだ。

 

実は昨日、縄の作り方を教えたエルゥが、ヤシの葉などを使って魚を捕獲する仕掛け網?カゴ?…なんていうんだろう。

まぁ良くある網目状のハコを水中に沈めておいて、後で引き上げると魚がたくさん…みたいなアレだよ。

そう、アレを作ってたのだ!!ほんと最高!!エルゥてんさいだよ!!

 

 

「ワタシノ、ショウダン。サカナトカ、『フツウノ、ケモノ』モ、ウッテルカラ♪」

 

「おぉ~それはにゃんともこころづよい限りで…!!」

 

 

かなりしっかりした作りで、漏斗状の入り口は一度入った魚はきっと出られないだろう。

これがあれば、魚が食べ放題!!毎日頑張って食料を探す必要もなくなるの!!ばんざーい!!

 

…と、大喜びしたものの、エルゥ曰くこの中に魚のエサを入れなきゃダメだということ。

 

 

「そんなもん虫でも入れとけば良いんじゃねーの?」

 

「えぇっ!?!?とんでもない!!そんにゃもったいにゃいコトするにゃらわたしが食べるよ!?」

 

「……ママ…わたし、たまにママのおっぱい、のみたくなくなっちゃうの……。」

 

 

カミューがそんなことを言うもんだから、結局じゃあアンタが何か考えろって言われちゃってぇ…。

それにニオイが強いのが良いらしいんだよね。中々難しいなぁ。

 

ニオイが強いモノで、サカナのエサにしても構わないモノ…。

 

それを考えた時、わたしは猫耳をピンとたてて閃くモノがあったのだ!!

 

 

「……あの巨大ヘビの死体、腐ってて凄いニオイしてるじゃん!!いっぱいあるし!!」

 

「!!ソッカ!!アレナラ、バッチリカモ!!」

 

 

そうだ、わたしとエルゥが初めて出会った翌日くらいだっただろうか。

 

まだ自分のコトを「自分」って呼んでた頃…初めて異世界らしい恐怖に相対したあの出来事。

あの遥かに人間の数十倍の巨体を誇る、ボアサーペントと呼ばれる巨大なヘビを殺したこと…!!

 

あぁもはや懐かしい…あのヘビの肉は最高に美味しかった……。

 

今はもう流石に腐ってハエとかウジがたかってるけど…魚のエサにする分にはピッタリだったのだ。

 

 

 

「……でも、こんなに歩いて大丈夫だった?今日、ちょっと朝も調子悪そうに見えたけど…」

 

「!……ヤッパリ、バレテタ?チョット、ヘンナユメ、ミチャッテ……。」

 

 

そう言って翠色の美しい眠け眼をこするエルゥ。

 

確かに今朝は口数も少なくてなんだか元気がなさげだったけど…変な夢か…。

きっと寝心地が悪かったりしてるせいかもしれない、これが終わったらなんとかしてあげなきゃ。

 

 

「ウン、デモ、ゼンゼンヘイキ!ハヤク、トッテ、カエロ!!」

 

「んっそうだねっ。…でもこれはちょっと汚れそうだから、わたしが持つよ。」

 

「ダイジョウブ!コノフク、ナラ、ヨゴレテモ、ヘーキ♪」

 

 

――――くるんっ♪

 

 

そう言って彼女はその場で一回転してみせると…そうだ、蛇の皮をなめして作った簡単な衣服がはためいた。

 

そうだった!今日は確か革の服が出来上がったから着てみようってコトで、いつものドレスみたいな服とは違うんだ。

 

金色に輝く蛇のウロコの光沢がすごくキレイで…それをバスタオルみたいに身体に巻き付けてる。

…谷間とか、太ももとかいっぱい肌色が露出してるけど…エルゥ、割と裸族気味な所あるからなぁ…。

 

あぁでもやっぱり何着ててもエルゥは美少女で可愛いなぁ…キレイ…///

 

 

「はっ!!見とれてる場合じゃにゃい!おっけー!だったらちょっとニオイキツいけど…運べるだけ運んじゃおうか!!」

 

 

さっそく石のナイフを使って手ごろな大きさに腐った肉を切り分けていく。

さすがにこんなコトに鉄製のナイフ使うのは勿体ないしね…。

 

…そしてものの数分の作業で5,6個の手ごろな肉塊が出来上がった!道具って偉大…。

 

 

「よし!!それじゃあ早く持ち帰って罠(わにゃ)を………あれ?」

 

 

そのうちの4個を両手に抱えた時、わたしはそれに気づいた。

 

 

―――――――後ろにいた筈の、エルゥがいない?

 

 

一瞬ひやりと冷たい汗が背筋を伝ったが、辺りを見渡すと…すぐにその姿を見つけることができ大きな胸を撫でおろした。

 

…ただ、うん?エルゥ…一体何をしているんだろ?

ヘビの死体に触れて…ぼんやりと、立ち尽くしている…?

 

 

「…エルゥ?どうしたの?にゃにかあったの?」

 

「………………」

 

 

へんじがない。ただのエルゥのようだ。

 

…いや、ちがう、おかしい。なんだあの顔と、あの目は。

あんな無表情のエルゥの顔、見た事がないぞ…?それにあの目、まるで光がないような…。

いつも爛々と明るく輝いている宝石のような眼は、今はどこか濁っていて生気がない。

 

そう、まるで()()()()()()()()()()()な――――――。

 

 

 

「…ねぇ!!エルゥ!!えーーーるーーーぅーーー!!!」

 

 

「…………アッ……。ゴ、ゴメン!!ボーット、シチャッテ…ツイ。」

 

 

二度目の大声の呼びかけには何とか意識を取り戻し、返事をしてくれた…良かったぁ。

 

 

「もう…やっぱりちょっと寝不足じゃにゃいかにゃ?一人で歩けそう?」

 

「ウ、ウウン!!ゼンゼン、ヘイキ!!ダイジョウブ!!ダイジョウブダカラ!!」

 

「??そう…?辛くなったら絶対に言ってね?おんぶしてあげるから。」

 

 

慌てた様子で駆け寄ってくるエルゥだけど…やっぱりどこか様子が変で…。

うぅん、大丈夫かなぁ。今までエルゥが調子悪くなったことなんて…正体を明かして以来はなかったけど。

 

今日は帰ったらゆっくり休んでもらおう…うん、これはわたしが男だからとかじゃなくて、友達としての心配だから。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「…で。お嬢様に休んでもらう為にフロまでこしらえたのかよ…ほんと一生ここで暮らせんじゃねぇのか?」

 

「わぁーい!!あったかーい♪おっふろ、おっふろ~☆」

 

『…あつい』『とけちゃう』(ぷるぷる)

 

 

「にゃ~…♪おふろぉ…おふろだぁ…♡」

 

 

で、あれからすっかり日も落ちてしまった夜…なんとわたしは一日かけてお風呂を作っちゃいました!!

 

もちろん風呂桶とかもないから…すっごい単純なお風呂の真似事みたいなモノなんだけどね。

 

小さな川の支流が近くにあったから。穴を掘って石で流れをせき止めて水たまりを作ったの。

で、その隣で焚火をして熱々の石を大量に焼きだして…その中に投入!するとどうでしょう!

 

 

あっという間に素敵な露天風呂の出来上がり☆ …わたし凄くない!?

 

 

「きっとお風呂に入ったらみんにゃぐっすり寝れると思うんだぁ…♡はぁ…ごくらくぅ…♪」(のびーっ

 

「はぁ~…魔獣に入浴の習慣はねぇんだけど…なかなか悪くねぇなぁ…♡」

 

「でしょでしょ~?これなら汚れも疲れもしっかり取れて…はぁ、キモチイイ…♡」

 

 

あぁ…この世界初の入浴…サイコーだよぉ…。

男だった時はシャワーで済ますこと多かったけど…こんなに気持ちいいなんて。

 

……あと、アレだよね、いつも重たくて仕方なかったおっぱいが湯舟に浮いて…肩が、楽…///

あっ…///カミューがニヤニヤしてみてるよぉ…///

 

恥ずかしくなって、とっさにおっぱいを手で庇うけど…これって、とっても女の子な仕草で…も、もっとはずかしぃ…///

 

 

「ママ!わたし、えるぅおねえちゃん呼んでくるね!!」

 

「えっ///う…うん!お願いしてもいいかにゃ?…でもまだ辛そうだったら、寝てても大丈夫って言っててね。」

 

「はーい!!よし、いこっアン♪」

 

『わたし、これ』『にがてかも』(ぴょんぴょん

 

 

そう言って二人はいつもみたいに頭上にアンを乗せて仲良く駆け出して行った…ハダカで。

 

止めるべきだっただろうか…まぁ、仲良しで微笑ましいからいいか…。

 

…それにこの極楽から動きたくない!(本音)お風呂さいこー…。

 

 

 

――――ちゃぷ。

 

 

「……あのガキの為にも、あんたのバアさんに生きて会いに行かなきゃな。」

 

「ん…そうだね。きっとおばあちゃんも、レイシアちゃんにも会いたいはずだろうし…。」

 

 

二人きりになったお風呂で語り合うのは、そんな感じのちょっとしっとりしたお話。

 

…ふふ、でもカミューの口から「レイシアちゃんのため」なんて言葉が聞けるなんて、ちょっと嬉しい。

最初は殺そうとさえしてたのに…仲良くなってくれて、本当に良かった…。

 

 

「わたしにとってはおばあちゃんだけど、レイシアちゃんにとってもママだから…」

 

「…んん?だったらあのガキはお前の…なんだ、母ちゃんか叔母になるんじゃねぇのか?」

 

「えぇぇっ!?そ、それはにゃんか変にゃ感じするにゃぁ…」

 

 

まぁ、しっとりした話とは言っても、そんな他愛もない無駄話も交えつつ。

そんなお風呂でのリラックスしたゆったりとした時間を…無人島の夜で過ごし―――――

 

 

 

「ママ!!たいへん!!!おねえちゃんどこにもいないの!!!」

 

 

「……えっ!?」

 

 

 

その時間は、レイシアちゃんの泣きそうな悲痛な声で終わりを告げられた。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

…それから、数時間後。

 

 

「……はぁっ!!はぁーっ!!ぜぇ、ぜぇっ…え、エルゥ!!どこ!?どこなの!?」

 

 

あれからわたしは…カミューにレイシアちゃんを任せ、アンと共に森の闇の中を駆け回っていた。

息を切らし、枝や石の擦り傷が痛む素肌も、大げさに揺れる巨大な胸も気にせず、ただ一心不乱に。

 

…レイシアちゃんが見にいった時、既にエルゥが寝ていたはずのハンモックはもぬけの空だったらしい。

 

なんで?どうして?エルゥが自分で何処かへ行ったのか。

それとも…あの巨大な蛇のように人をエサとするモンスターに連れ去られたのか…!?

 

 

「…エルゥ!!エルゥッッ!!!聞こえてたら、返事してぇぇぇッッ!!!」

 

『あるじ、あぶない』『モンスター、くる』

 

 

…アンの言う通りだ。

獣や得体のしれないモノが潜んでいるかもしれない森の中で叫ぶなど、どれだけ危険なことかわからない。

それでも、私は姿の見えない親友を求めて叫ばずには居られなかった。

 

 

「……はぁっ!!はあっ!!……どこ…?ホントに……」

 

 

―――――すん、すん…。!!!!

 

 

最大限に研ぎ澄ませていた耳…そして鼻が、僅かだけどエルゥのニオイを捉えた!!

 

 

「アンッ!!しっかり捕まっててッッ!!!」

 

『だいじょうぶ』『いそいで』 

 

 

もうなりふり構っている場合じゃない!!いつかそうしたように、槍を口で咥えて四つ足で走り出した。

わたしの、大切でかけがえのない友達を――――絶対に失いたくない!!

 

その一心で無我夢中に動かした猫の身体は、とてつもない疾さで森の中を翔けてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして。ついにエルゥのニオイが発せられていた、そこにたどり着いた時だった。

 

 

「…エルゥ!!!だいじょ―――――――――――――…………え?」

 

 

そこは、少しばかり木々が開けた所だった。

その場所の中心に――――――――『()()』はあった。

 

 

「…………エ、る、ゥ…?」

 

 

そう、『()()』。

エルゥのニオイを発していたのは、間違いなくそれだと鼻が伝えてくるのに。

 

なのに脳や目は、それをまったく理解してくれなくて。

 

 

「…………にゃんにゃの?コレ…」

 

 

 

()()』は――――――。

 

 

 

 

()()()()姿()()()()()()()()()()()()()()()()』は。

 

 

 

 

余りにも自分の常識の、そして思考の範疇を遥かに逸脱していて。

 

 

 

 

「………え、るぅ……?」

 

 

 

わたしはその抜け殻を前に、呆然と膝を付くしかできなかった。

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