無人島の猫百合姫 ~ハードコア孤島サバイバルが百合ハーレムになるまで~   作:Kkmn

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55.不明なユニットが接続されました

「ひゃはははは!!滑稽じゃ!愉快じゃのう!!どうじゃ?おぬしの愛する娘がこんなおぞましき異形に変じてしまった気分は!!それがおぬしの首を跳ねんとする気分は!!?ふははははは!!」

 

 

アンの宿った骨槍の切っ先が、激しい紫光の火花を散らして蛇のツメと鍔迫り合う。

不気味な狂笑を浮かべたエルゥ―――――いや、その身体に乗っ取った何者かが狂ったように耳障りな声を叫ぶのをやめない。

 

 

「…ようやくじゃ、貴様のような猫畜生の小娘に狩られた屈辱!!一瞬たりとも忘れたことは無かったぞ!!その細首を切り裂き、皮を剥いで恨み晴らしてくれるわ!!」

 

「あにゃたみたいに下品な喋り方の人、知らにゃいけど」

 

顔が近い。アンの光がなければ叫んだ飛沫で顔が汚れてただろう。

 

「~~ッッ!!ほざけ下等な雌がぁぁあ“あ"あ"ッッ!!我を殺しただけでは飽き足らず、あまつさえ侮辱するとは!!貴様も同じ、いやそれ以上の屈辱を味合わせてやろうぞ!!」

 

「笑ったり怒ったり、忙しい奴だにゃ…ん」

 

ぶわぁっ、と彼女の髪が怒りで逆立ったと思えば、次の瞬間にはそれらが無数の蛇と化した。

何十――いや、何百もの蛇達の真っ赤な眼がこちらを睨み飛び掛かってくる。

これだけの量の牙に噛まれたら、仮に毒がなくても大量出血で死ねるだろう。

 

 

『メルトオプショ――――』

「いらにゃい」

 

 

動こうとしたアンを短い言葉で制す。

まるでいつか見た触手のように、襲い掛かる幾百の金色の蛇達。

だけど自分が脚力にモノを言わし数mも跳び退けば、簡単にそれらから逃れることが出来た。

 

 

「逃げられると思うてか!!この中の一匹にでも噛みつかれれば手足が痺れ、這うこともままならなくなろう!!ほうれ、にゃ―にゃ―駆け回れ!!」

 

「エルゥの声で、そんにゃ言葉遣いやめてくれにゃいかにゃ。」

 

なるほど、本来の髪の長さよりも伸びるのか。数m距離を離した自分になお肉薄してくる蛇達は、まったく勢いが衰えていない。

そして『ケシャ“ァ”ァ“!!』と威嚇するそれらの牙から毒が滴る様子に、デジャブを感じるものがあった。

 

「あぁわかった。あにゃたもしかして、あのおっきにゃ蛇?死んだと思ってた。」

 

襲いくる蛇のうちの二十匹くらいを槍でいなし、残りは身体をしならせ避けて振り払う。

 

「そうじゃ!!貴様如きに…ッ!幾千の時を生きたこの蛇神である我がッ!!殺され!!喰われ!!あまつさえこんな小娘の身体を使うコトになろうとはァッッ!!」

 

へえ、蛇神。神様?どおりで美味しかったワケだ。

仰々しく両手を地面に振り下ろしたと思うと、とても異世界チックな一魔法陣?

それがソイツの足元と、周りの洞窟の壁にびっしりと浮き上がる。

 

「あぁ忌々しい忌々しい!!そうじゃ!貴様はよう似ておるのじゃ!!『ちょうど〇〇の刃の蛇柱みたいにゃペット欲しかったんや!!』とか訳の分からぬ理由で遥か昔に我を封印し!!

 こんな小島に潜む羽目に遭わせた、あの蒼い猫の女王にぃいいいいいいい!!!」

 

「あぁ…にゃるほど。美人だったでしょその人?変にゃ人だから代わりに謝っとくよ。」

 

『あれ、やばい』『なんか、はえてくる』

「だよね。」

 

想像通り、石壁に広がった魔法陣からは鋭利な岩の杭が勢いよく飛び出してくる。

でも流石に蛇をかわしながらソレまで完全に避けきるのは無理。

 

何本かは頬やむき出しの腕、足の表面を切り裂き血が噴き出す。

少し伸びてきていた所だった蒼髪が斬られ、はらりと宙を舞った。、

 

 

『あるじ、すぐに』『わたし、のんで』

「へいき、集中して。」

 

 

怪我はしたが、おかげで蛇のほとんどは突き出た岩の巻き添えで胴を引き裂かれた。

これなら後はもう避けるのは楽になりそうだ。

 

「…など、思っとるのかえ?けひゃひゃひゃ!!定命の者でもあるまいし、その程度で蛇神たる我の分身が消滅するとでも思うたか!!?ふひゃひゃひゃ♪!!」

 

その不快な笑い声に応えるように、事切れていた蛇達は首をもたげ再び眼に光を灯す。

 

 

「さっきの言葉は訂正するのじゃ。この小娘、たいそうな魔力を持っておる!!よくもまぁ人の身でこれだけ我の力を使えるモノじゃ!!ふはははは!!」

 

「エルゥだから当然だよ。だからさっさと出て行ってくれにゃい?」

 

 

飛び掛かってくる蛇達を薙ぎ払い、そのままの勢いでソイツの首元に槍の柄を叩きつける。

もちろん加減はした、跡は残るかもしれないが骨は折らない程度に。

 

「……くす、なんじゃあそれは?痒いのう、くすぐったいのう」

 

そしてソイツはその柄を握り、そのまま紙細工のように片手で骨の柄を砕いた。

あれだけ、どれだけ削ろうとしても、傷一つつかなかった巨大生物の骨をだ。

 

 

「グスッ…ノウン、ワタシノコト、イジメナイデ…!どうじゃ、似ておるじゃ―――おっと!」

 

 

そのヘッタクソで全然似てない不快でゴミみたいなクソカス大根5流演技に思わず、石のナイフを突き立てていた。

だがそれは鋼のような何かによって阻まれ、それが手の甲の鱗だとすぐに気づく。

 

 

「キャアッ、ヤメテ、ノウン…!!ふふ、なんじゃ?まだ嫁いでもいない生娘の顔を傷物にする気かえ?」

 

「心配しにゃいで、どれだけ傷ついても自分が幸せにするから。」

 

「ふひゃっ、ふひゃひゃひゃひゃひゃ!!あ―聞いてる我の顔から火が出そうじゃ!!小娘も我の中で泣いて喜んでおるぞ!」

 

 

もう一度、今度はもっと柔らかそうな、手の鱗に覆われていない部分に狙いを定める。

血は出るだろうけどごめん、ちゃんと後で治してあげるから。アンが。

 

 

「…ふふ、愛いのう愛いのう。ひ弱な定命の者のあがきを見るのは実に愉快で滑稽じゃ!!」

 

 

その声と同時、思いきり振りかぶった石ナイフの刃を軽々と捕まれ砕かれた。

それと同じ瞬間に、背後から再び無数の蛇が迫ってくるのを感じ取る。

 

「アン」

『…メルトオプション、ロ―ドします。』

 

アンの返事を待つ前に蛇の神様を蹴りつけ、その反動で後方に跳ね宙返りする。

短くなった槍の先端にアンが宿り、淡い紫の光の軌跡が洞窟の暗闇に映えた。

 

 

「…あぁ、それか。数千年生きた我が知らぬ魔術など…あの忌々しい蒼猫の女王を思い出す!!あぁ――あ“あ”!!不愉快じゃ不愉快じゃ!!」

 

「アンタの方が不愉快にゃんだけど。お願いだから………さっさと消え失せろ。」

 

 

そのまま槍を振り払い、地面という地面に蔓延る蛇達を一掃する。

まるで飴細工を火炎放射器で薙ぎ払っているかのように、無数の蛇達は触れた所から紫煙となって溶けていった。

 

 

「あああああ!!行け!!仕留めろ!!我にソレを近づけさせるなァァァァッッッ!!」

 

 

トラウマにでもなってるのだろうか。その声を受け取った蛇達はソイツとの間に立ちはだかる壁のようにうじゃうじゃと。

あぁもう気持ち悪いしイライラするし。

 

「アン。わた、自分の身体いじくれるのは一部を口から飲んだからだよね?」

『そろそろ、けが、やばい』『そうだけど』

 

「じゃあエルゥの身体の中に入れば、同じ事できるよね?」

『……!!』『くちから、のませられる?できる?』

 

 

珍しい、あのアンが動揺してるのなんて、初めて見た。

 

 

「やる、自分が死んだらエルゥをよろしくね。」

『えっ』『まっ―――――』

 

 

アンが宿った槍を咥え、ケモノのように四つ足で無数の蛇の中に一切の躊躇いなく突っ込む。

でも流石に数万まで達しそうな蛇の塊相手では無傷と言う訳にはいかず―――恐らく身体の数十か所を牙で噛まれる。

 

 

「ふひゃひゃ!!噛んだ!噛んだぞ!あっけな―――――なぁぁあああああァァァアアアアぁぁっ!!!??」

 

「…はふい(かゆい)」

 

 

なんかチクリと刺された、蚊が刺したような痛みが走った気がするがどうでもいい。

目の前のこのトカゲもどきをぶちのめすまでは、何をされようが知ったことじゃない。

 

 

「何故動ける!?何故這いつくばらぬ!?古の無双の英雄ですら、我の毒牙の前には一秒も立っていられなかったと言うのに!!?」

 

 

蛇の目を見開いて呆然とアホみたいに口を開いてるけど、エルゥの可愛い顔でそんなバカ面しないでくれるかな。

 

 

「…ぺっ。震えてるよ?大丈夫?」

 

「ひぃっ!?ば、馬鹿なっ…我は蛇神じゃぞ!!かつては魔王とも肩を並べ!あの蒼猫の女王が現れるまでは世界の半分を掌握していたのじゃ!!

 それが、それが貴様のような小娘に臆するなどォォォオオオオッッッ!!

 

 

さっきの余裕ぶりが嘘のように消えたソイツは、再び両手を地面に降ろす。

するとやはり、また趣味の悪い気持ち悪い魔法陣が無数に浮かび上がって。

 

 

「《地よ、喚け》ェェェッ――――――へぐぅぅぅぅッッッ!!??」

 

 

――――げすぅぅぅッッ!!

 

 

思い切りその腹にネコキックをかましてやると、面白いくらいに綺麗な放物線を描いて神様が吹っ飛んだ。

で、その神様が居た跡には今だ輝き、禍々しい光を放つ魔法陣が残ってて。

 

 

「………コレ。使えるよね」

 

 

――――ずぶぅっ。

 

 

その中に躊躇いなく両の手を突っ込んでみた。

 

 

『!!?!!?!!?譁?ュ!1!怜喧f23-08f@縺滓枚蟄怜wf9vあるじ[〇?縺ッ縲√♀縺ι翫?、完せる可能?√♀縺翫?蜑イ遞句コヲ縺!!?!』

『<blip!!><bleep!!>FoR rIFt ENergY uNnecEsSAry iT iS!!!!???』

 

 

瞬間、アンから夥しい狂気的な叫び声と悲鳴が聞こえてきた。

きっと普段なら頭を抱え正気を失うほどの猟奇的で意味不明な叫び声。だけど。

 

 

「アン。やれるよね?」

『警告、?縺ュ6不明なユニットが接続されました、直ちにr蠕ゥ蜈?使用を中止してください』

 

 

「……アン。」

『 <bleeeeeep>警告、不明なユニットが接続励◆縲されました、直ちに使用を中止してください?』

 

 

 

アタマの中で悲鳴をあげて苦しむ相棒に、もう一度息を吸って声をかける。

 

 

 

「…このクソ蛇を駆除するの。

 

 

   や  れ  る  よ  ね  ?」

 

 

 

『ソタ??チヂ????????ヵヶヷヸヹヺ医′縺阪……術式:天地崩壊、起動します。』

 

 

 

その声が頭の中に響いた瞬間、手を突っ込んだ魔法陣の光がアンと同じ淡い紫色に輝き。

 

そして、僅かに地面が揺らいだかと思えば。

 

 

自分の視界に写るモノ全てが――――――――そう、全てが崩壊した。

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