無人島の猫百合姫 ~ハードコア孤島サバイバルが百合ハーレムになるまで~ 作:Kkmn
「あわわわわ、ポチ!揺れてる!すっごい揺れてるよ!!」
「わーってる!しゃべんじゃねぇ舌噛むぞ!」
それは今まで経験したことのないほどの凄まじい、天地が崩壊するかのようなとんでもない揺れだった。
アタシはガキに覆い被さるるみてーに抱き締めて、収まるのをじっと待つけど一向にそんな気配はねぇ。
「ヤベーぞ、こんな揺れ、バカ見てえな津波が来るだろ・・・!」
ガキを小脇に抱えたまま拠点から駆け出す。
向かうは中心!海から少しでも離れねぇと!!
「あぁくそ!アイツら何やってんだよ!この島どれくらいの大きさなんだ!?どこが中央なんだよ!あぁくそっ!」
「!!?待って!ポチ、あれ!」
その時急に叫んだガキが指差す方向を見てみる。アイツらが戻ってきたのか!?
と思ったが、違う。そこにいたのは小さな小動物、数匹の子ウサギが落ちてきた木の下敷きになっていた姿だった。
隣にはそいつらの母親らしき成ウサギが狼狽えるように辺りを駆けている。
「メシの心配なんかしてる場合かよ!!いいからほらいくぞ!」
「ダメ!!あのママとウサギがかわいそうなの!おいかけるから、ポチだけさきにいってて!」
「あっおいっ!!・・・だぁっクソッ!!」
そう言って腕からするりと抜け出したソイツはその木をどかそうとし初めて。
でもノウンやお嬢様でも無理そうな丸太は当たり前だけどビクともしてねぇ。
「だいじょうぶ、だいじょうぶだからね・・・ちゃんとママといっしょに・・・!わぁっ!?」
ーーーぐいっ!
「・・・ほらっ!!さっさと助けろッ!」
「ポチ!ありがと!ほら、もうだいじょうぶだからね!」
そしてガキはその怪我をした子ウサギたちを抱えるとそのまま駆け出す。
ついでにアタシはその光景をぽかんと見てた母ウサギの耳をつかんでその後を追った。
「あーもう!!そのまま走れよ!こけんじゃねぇぞ!」
そういって小さな背中に叫ぶ間にも、未だ揺れは収まってない。
あぁくそ、アイツら・・・大丈夫かよ、もし死んじまってたらぜってぇ許さねぇ!
◇◇◇◇
「ひぃっ・・・ひぃぃぃぃっ!!な、なんなのじゃ!なんなのじゃあの化け猫はぁぁぁ!!?」
ぐぎぎ、この我が!こんな汚いガレキの山に埋められるとは!
しかしなんなのじゃあれは!?我が唱えたのは大地を隆起させる程度の魔術だったはず。
それがなぜ、あやつが奪って使ってみせれば、このような天変地異のごとき有り様に!!?
「けほっ。じゃ、じゃがバカめ!たとえ山一個潰して見せようが、それに自らも巻き込まれてしまえばただのアホじゃ!魔力は神に匹敵しても、おつむは所詮ちくしょーーーーー「いた」ーーーんななな!!!?」
ーーーーずるるるぅぅっ!!
ひいいい!?瓦礫に埋もれていた我を!?不敬にも我の尻尾をつかんでひきずり出しおった!
そんなことをされたのは、今までたった一度だけじゃ!
「・・・オイ、エルゥの顔で、そんにゃバカみてぇな顔晒すにゃ。クソ蛇。」
『にゃははは!蛇の神様ってえらい可愛らしいぽんぽんやにゃぁ♪ウチのペットににゃらへんか?』
ああああ!!間違いない!背筋が凍りつくほどの笑みを浮かべたその猫畜生は!
かつて我を封印し辱しめた、あの転生してきたとかいう猫の獣人そのままではないか!!
「へ、へへ・・・いいのかえ?このカラダはお主の愛する者のモノじゃーーーむぐぅっ!?」
そ、そういうと・・・ヤツは我に口づけをっ・・・!?
ち、ちがう!何かをこの小娘のカラダの中に流し込んでおる!!ま、マズイ!
「ぐっ、ぐおぉおぉぉ・・・!小賢しい真似をぉぉぉおお!!?」
「・・・ペッ。不思議だね。エルゥの身体なのに酷い味する。」
ぐうううう!?わ、我の中で、何かが蠢き・・・小癪にも書き換ええようとしておる。
まずい、このままだとこの小娘の体を支配することができなくなるやもしれぬ!!
・・・ええい!こうなれば!こうなればぁぁぁ!!
「《転じよ、我が命》!!・・・へぐぅぅぅぅっ!?」
「まーた変にゃことして。ん?アン、これにゃぁに?」
また不敬にも奴は神たる我を薄汚い足で蹴りおってぇぇぇ!!
しかーし!しかし、間に合った!間に合ったぞ!
「ふ。ふひゃひゃひゃひゃ!!残念じゃったな猫畜生!我は確かにこの小娘からもうすぐ消される・・・!じゃが我の命は不滅じゃ!貴様などに殺されるものか!」
「・・・は?にゃに言ってるの?」
「ふひひ、この小娘の孕の中に我の転生先の器を仕込んでやったわ!!しかもお主とその忌々しい下級スライムの遺伝子も混ぜてな!くくく、これで次のカラダは貴様らの力をも取り込んだ最高のモノとなるじゃろう!!」
くははははは!!邪神たる我がこんな野良猫の一部と混ざるなど不愉快で仕方あるまいが、この猫の力さえも取り込めばあの忌々しき蒼猫の女王にも復讐できる!!
我は不滅じゃ!いつかこの猫にもきっちりとこの屈辱を倍返ししてやろうぞ!
「ふぅん。そっかぁ・・・。」
「ひゃはは!!どうじゃ、悔しかろう?悲しかろう!?貴様が愛するこの小娘の孕のなかは、貴様が殺したいほど憎い我が子となり眠るのじゃ!!しかも貴様の血肉を奪ってなぁ!!ふひゃひゃひゃ!!」
あー愉快じゃ滑稽じゃ!神たる我がこんな猫畜生から逃げ、不完全な蛇の小娘の子となるなど忌々しいが。
どうじゃ!!この悲劇は!所詮人など神の掌で踊る哀れな人形と知れ!!
「つまりそれって・・・じb、わたしとエルゥの子供ってことでいいよね?」
「・・・はぁ?」
「そっかそっか。苦しめて生きたまま薫製にして魚のエサにしようと思ってたけどそれならいいや。即死で許してあげる。・・・アン。トドメさすよ。」
『了解。』『対象へ直接刺し穿ち、体内へ直接的投与を開始してください。』
ーーーずさぁっ。 グ ギ ュ ル ル ッ ! ! !
とか何とか訳のわからぬことをほざいた猫畜生は、 後ろ足をしならせ大仰に槍を投げ構えおったではないか!
しかもその足元には忌々しく紫色に輝く、我のモノと良く似た巨大な魔方陣がーーー我のを学習しおったのか!?さっきの一瞬でまさか!!
し、しかもまるでその槍は無双の一振りグングニルもかくやという程光輝いておる!!ヤバイのじゃ!
「に・・・にげ・・・ひぃぃっ!?な、なんじゃお前ら!?なぜ主たる我に牙向くか!?」
ーーーーしゅるしゅる!!
そして一刻も早くそれから逃げんとした我の体を!頭上の無数の蛇が遮ったではないか!
し、しかもなぜじゃ!そいつらの眼はエメラルドの如く緑色に輝いておる!!
『・・・ノウンヲ、キズツケタコト・・・ゼッタイニ、ユルサナイ・・・!!』
『イイカゲン、ワタシト、ノウンノ、アイヲ、ケガサナイデ!!』
「ぎゃああああ!?!?!バカな!!我神ぞ!?それが何故小娘一匹完全に支配できぬのじゃ!あああああ離せぇぇぇぇえええ!!」
「・・・うっさ。きっしょ。そして消えろ。」
『術式への充填率、120%を越えました』『術式:神殺し、発動できます。』
ーーーーーぐおぉぉんっ!!
あああああ!!猫が!猫畜生が放った忌々しく輝く槍が!光の早さで我をーーーーーつらぬいてぇぇぇぇぇっ!!?
消えるぅうぅぅぅ!!我が、殺されてしまうぅぅぅぅっ!!?!
「あぁぁぁぁぁああ!!けっして!けっして許さぬ!!次に生まれ変われば!きっときっと貴様らをぉぉぉぉぉっぉがあああああぁぁぁ・・・・」
そして・・・薄れ行く意識のなか。我の・・・もとに・・・歩み寄る足音。
「大丈夫・・・ちゃんとわたしたちの子供としてしっかり育ててあげるからね・・・ふふっ♪」
「・・・ひぃ・・・・」
そ、そんなおぞましく恐ろしいことを、極北もかくやという笑みで告げられては・・・。
・・・転生先、間違えたのじゃ・・・。