球詠 珠姫の元・チームメイトはスイッチヒッター   作:エーモンドが好きな未来人

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お久しぶりです!

葵の守備位置についてですが、前回の話では外野用グローブとファーストミットと書いていましたが、内野用グローブに修正しました。

このため、葵の守備位置は外/三とさせていただきます!


先輩と勝負

「ただいまー」

 

私はあの後お昼を食べて家に帰ってきた。再び野球をするにあたって日々続けていたトレーニングをしないと思い、帰ってきてすぐにジャージに着替える。今から行うのはダッシュだ。中学時代は毎日塁間の距離をダッシュしていた。

 

「少し体動かしてくる」

 

「夕飯までに帰ってきてなさいやー」

 

「はーい」

 

おばあちゃんに声をかけてからダッシュに行く。近くの公園までジョギングで向かい、公園に着いてから、ストレッチをして体をほぐす。塁に出た時の姿勢をとり、

 

「よし、よーいGo!」

 

自分の合図で走り出す。イメージするのは盗塁で、ピッチャーが投球するのを想像して走る。そして二十本くらい走って休息を入れる。

 

「はぁ……はぁ……ふぅ」

 

汗をタオルで拭い、自販機で買ったスポーツドリンクで喉を潤し一息つく。バットは染み付いた習慣で春休みの間振っていた。守備は壁当てをしていた。野球部が無いならないで良いかなぁと思っていたけど、野球をすると言うなら、また体を鍛えないといけない。

 

「にしても……なんで私だけ小さいのかなぁ」

 

私は自分の胸を見て少し落胆した。『無駄な抵抗が無くていいね!』とか『最速の機能美じゃない?』とか言われた中学時代は思い出したくない。ある意味忌まわしき記憶を思い出してはもう一つ大きなため息をつく。

 

「よ、よし、帰ったら素振りしよ」

 

おばあちゃんの家に帰り、木製バットを取り出し、まずは左打ちの素振りをする。そのあとは、休憩を挟んで右打ちの素振りをする。

 

「497……498……499……500!」

 

素振りを終えたら家に入る。汗を洗い流すために先にお風呂に入ってから夕ご飯を食べる。そして伝えないと

 

「おばあちゃん、おじいちゃん。私……高校でも野球する事にしたんだ」

 

「おお!そうかそうか!これは応援に行かんとな、婆さん」

 

「そうですね。洗濯物も気合いを入れてやらないとね。頑張ってね葵ちゃん」

 

二人は特に何を言うでもなくて、私がまた野球する事を喜んでくれた。新しい仲間との野球に期待と不安があるけど、明日からが心無しか楽しみに思えた。

 

次の日の放課後から新生野球部が活動開始しようとしていた。

 

私含めた五人(内一人はマネージャー)はグラウンドに向かっていた。

 

「三人とも練習着姿いいねえ!」

 

「ヨミのは中学の時のやつ?」

 

「そだよ〜〜」

 

「ああ!やっぱり葵ちゃんはグローブ二つだ!外野手用と内野手用!」

 

「そこまで知ってたの?」

 

私達は話しながらグラウンドに向かっていると、グラウンドに人が二人居た。

 

「こんにちはー先輩ですか?」

 

ヨミが手を振りながら確認する。先輩であるなら挨拶はきっちりしないといけない。しかし返答は

 

「こんにちは1年生よ」

 

「ちわ〜っす」

 

気さくに返事をしてくれた。私達と一緒の一年生だった。私達とは違うタイミングで入部届けを出したんだ。

 

「先輩かと思った……どこの中学?」

 

「私たちは二人とも南相模よ」

 

「へぇ、隣の学区じゃない、私たちは光陽台桜よ」

 

「おっ近いな」

 

ヨミの質問にツインテールの子がが答えた。息吹は中学を聞いて自分の中学の話をして、ボーイッシュな子も近いという事が分かったみたいで盛り上がろうかとしていた。

 

「ポジションは?それと名前!」

 

「お…おう!?」

 

二人の肩を掴み食い気味に芳乃が名前とポジションを聞く。うん、野球大好きだからなんだけど、あの勢いで迫られたら驚くよね。二人とも驚いているし。けど、直ぐに笑顔で答えてくれた。

 

「藤田菫、二塁手(セカンド)よ」

 

「川崎稜、遊撃手(ショート)だ」

 

ツインテールの女子の後に

ボーイッシュな女子が自己紹介をする

 

「二遊間かあ」

 

「それは頼もしいわね」

 

「うんうん!下半身すごくいいよ!」

 

「こら!芳乃!」

 

芳乃は芳乃で二人の脚を触ってテンションが上がっていた。触って鍛えられているというのが直ぐに分かるあたりすごいと思う。そして息吹に怒られるまでがワンセット……。

 

「芳乃はマネージャーだから、選手は六人かあ」

 

「廃部にならないように籍を置いていてくれた先輩が二人いるし、慌てるような時間じゃないよ。もっと一年生増えるかもだしね!」

 

各人は現在柔軟体操をしていた。後ろから押して貰ったり、押してあげたりと。私も軽くアップをして体をほぐしていた。準備運動を疎かにすると怪我に繋がるからと言うのが1番大きい。

 

「おーい、誰かノック打ってくれよー!」

 

気づいたら稜がグラウンドに入り守備位置に着いていた。

 

「コラッ、稜!勝手に入ったら怒られるわよ」

 

菫が怒るけど……気にも止めていない様子だった。

 

「あーあ……折角グラウンド綺麗にしてくれてるのに」

 

「まぁ、今更じゃない?昨日私達も入ってたし」

 

「「「「あ……」」」」

 

私が言ってしまった一言で詠深、珠姫、息吹、芳乃の四人が固まってしまった。

 

「一連の不祥事には暴力沙汰も含まれてたらしいし、おしりバットくらいは覚悟しないと」

 

「停部まで食らっているんだし流石に改善されてるだろうけど……。その代わり腕立て伏せやスクワット100回とかはあるかもね」

 

「ひ〜〜〜」

 

珠姫の予測に小さい悲鳴をあげる息吹。まぁ、厳しい人なら有り得るだろうなーとか私は考える。そんな会話をしている間も稜はノックをするように催促する。それに折れたように菫が

 

「ったく、しょうがないわね」

 

グローブをはめて歩き出す。向かう先は自身の守備位置、二塁だ。

 

「菫ちゃんも結局行くんだ?」

 

「こういう時はどうせ連帯責任でしょ?」

 

「じゃあ私が打ってあげるよ」

 

芳乃がバットを持ちやる気満々に言う。打てるのかな?

 

「芳乃ちゃんノック打てるんだ」

 

「私達は遊びでやってたし多少はね」

 

「へぇ」

 

詠深は息吹の言葉を聞いて感心した。いざノックが始まった。うん、しっかりと稜がいるショートに打球を飛ばせている。ただ飛ばすのではなく、しっかりと内野ゴロを連想できる打球だ。

 

「普通にノック上手じゃん」

 

私の感心して見ていた。壁当てだけだと不安だった守備練習が楽しみに思えたね。ノックをしている間、稜と菫は互いに互いのプレイにケチを付け合いながらノックを受けていた。仲良いのか悪いのか分かんないね。

 

因みに私は素振りをしています。右で素振りをしています。

 

「先輩が来たっぽいよ」

 

詠深が外の方を見て言う。私、珠姫は釣られて視線を詠深が見ている方に移す。

 

そこには先輩らしき人物が二人いた。その二人がグランドに入ってくるのを見て他のチームメンバーを集まってきた。皆見ているんだね

 

『こんにちは』

 

「こんにちは、二年生の藤原理沙です」

 

「岡田怜…です」

 

詠深が笑顔で手を出しながら

 

「お待ちしてました先輩!早速一緒に…」

 

しかし、怜先輩は、詠深の手を弾いた。それは、拒絶にも見えた。弾かれた詠深は驚いた表情をするが、怜先輩は

 

「私たちは別だから」

 

「えっ」

 

「あなたたちのお遊びに付き合うつもりはないから」

 

「なに〜〜?」

 

キレる二遊間の二人、それを止める珠姫。私は怜先輩の様子を見ている。どこか、無理しているような感じがしたから。まぁ、確信なんて何もないんですけどね。話は続き、この新越谷は一度全国にも行ったことがあるほどの強豪だったが、ここ数年結果が出ず、練習やしごき、果てには上下関係が厳しくなり、先輩方が入る頃には最悪になっており、度を超した事があり、対外試合禁止・活動自粛にまでなったと。

 

と、理沙先輩は話してくれた。

 

「そのあと、みんな辞めたり転校したりして二人だけになっちゃった」

 

理沙先輩の話が終わる頃には場は重い空気が支配していた。そんな中、菫が口を開いた。

 

「先輩たちはなんで残ったんですか?」

 

「新入生が入ってくるまで廃部にならないように、籍だけは残しておいたんだ。最後に役立って良かったよ」

 

「最後にって…じゃあ先輩方は…」

 

「停部中、私たちはクラブチームの練習に参加させてもらってたんだ。大学とかでやり直すためにも、これからもそうするつもり。今後は新入生で新しい野球部を作ればいいよ」

 

そう言うと、怜先輩達はグラウンドの外へとネットを潜ろうとするが、詠深がそれを引き止める。

 

「先輩!私の球打ってみませんか?部存続のお礼の意味も込めて…あっでも、真剣勝負ですよ!ねっ、タマちゃん」

 

「う、うん!」

 

「…わかった。そういうことなら」

 

あれよあれよとトントン拍子に話が進み、怜先輩と詠深の真剣勝負する事になった。いいなぁ……私も打席に立ちたいし、詠深と勝負がしたい。そんな、うずうずした気持ちを抑えて、外野に入る。外野は四人居て、私はとりあえず、右中間に入る。息吹ちゃんのカバーが出来るように入ってます。

 

「葵ちゃんー!飛んできたらお願いするからー!」

 

「息吹ちゃんも頑張ってみてー」

 

まぁ、取りに行きますけど。ぶっちゃけ目立って無いですし私……。少しでもやるんだぞってとこは見せておきたい。

 

「外野に強い当たりが出たら私の勝ち。それ以外はそっちの勝ちでいいよ」

 

「サービスいいですね」

 

そして始まる勝負。一球目は外角いっぱいに直球。怜先輩は反応せず見逃す。

 

二球目はあの球。右打者からは顔目掛けて来るように見えて急に落ちつつ逃げる魔球。外野から見ても打ちづらそうな球は空振りを取る。

 

三球目は直球の外角低め……は、際どそうだったけどボールの判定。二球目のあの魔球がチラついていたと見える。実際にあんな球を見せられたら意識せざるを得ないよね。

 

そしてカウントは1ー2で追い込んでいる。そして追い込んでから詠深は

 

「この勝負…負けた方が何でも言うことを聞くってどうですか?」

 

「まああの子、完全有利になってから賭けを持ち込むなんて…」

 

「せこい…」

 

「あはは…」

 

うん、完全有利状況からの賭けは面白いこと言うなぁと思ってしまった。うん、せこい。けど、面白そうだからいいかな。

 

「いいよ…でも、そう簡単にいかないよ」

 

「やった!」

 

そして、運命の四球目はあの球を詠深は投げる。打球はセンターに飛び、息吹が必死に追いかける

 

「えぇ!?何で私の所飛んでくるの!?」

 

そして躓き転びそうになった。形的にダイビングキャッチになるが、それでも届かない。だから、

 

息吹と接触しない角度からスライディングしながら息吹の目の前を横切る形的でボールを取る

 

「すっ……ごい」

 

転けながら私をみてそう呟く息吹。

 

「ナイスファイト、息吹。お願い通り取ったよ。立てる?」

 

サッと私は立ち上がり、息吹に手を出す。伊吹は

 

「えっ、えぇ、何とかね……。葵もナイスキャッチ」

 

「息吹!ナイスファイト!葵!ナイスキャッチ!」

 

「見直したぜ!」

 

菫と稜が来て息吹のガッツを褒めて支える。うん、ナイスファイトだよ。

 

勝負は私が取ったし、見た感じセンターフライで詠深の勝ちだと思う。守備に着いていた皆がベンチ前に集まる。

 

「いい球だった……悪かったよ、さっきは……お遊びなんて言って」

 

「そんな…」

 

怜先輩は謝罪をした。その謝罪に二遊間コンビも納得したみたいだった。

 

「それより怜先輩。私たちの勝ちなので、お願いがあるんですが」

 

「えっ……言ってみて」

 

「一緒に野球をやりましょう!出来たら主将もして欲しいな」

 

笑顔で詠深がお願いした。怜先輩の表情は笑顔になり、

 

「いいよ。結構厳しく行くからね」

 

快く了承してくれた。

 

「理沙のそれでいい?」

 

「もちろん」

 

理沙先輩も加わって八人になった野球部。試合するのにあと一人、控えも含めると、あと二人は欲しいなぁと考えていたら……

 

「ところでタマちゃん…打たれちゃったね……。アオちゃんがファインプレーで取ってなかったらヒットだよね……実は私の球大したことないのでは」

 

打たれたショックからか凹んでいる詠深。珠姫は慌てた様子で周りを見て

 

「そんなことないよ!誰か打ちたい人!」

 

「はいはーい」

 

打ちたい人を募った。

 

稜は三振、菫も三振、理沙先輩は内野ゴロで打ち取る。

 

「ね…怜さんが凄いんだよ。でも、最後の一人は覚悟した方がいいよ詠深ちゃん」

 

「え?」

 

珠姫が詠深に注意する。マウンドで私の方を見ながら……。最後の勝負は私、久世葵と武田詠深の勝負なのだから。

 

「最後は、アオちゃん。去年、チームを全国ベスト8に導いたチームトップの打率と打点は伊達じゃないはずだから」

 

「全国レベル……!貴重な体験ってことだね!よーし打ちとるぞぉ!」

 

ほほう、言ってくれるね。私は、バッティンググローブを着けて、バッターボックスを慣らし構える。

 

今ここに私と詠深の対決が幕を開ける。

 

 

 

 

 




久世 葵のステータス(パワプロ風)

投打:右投/両打(オープンスタンス)
ポジション:外/三
背番号:7(中学時代)
ステータス
弾道3 ミートB パワーA 走力A 肩力S
守備力A 捕球B

野手能力
金特
ストライク送球 高速レーザー 昇り龍
エースキラー 逆襲 芸術的流し打ち
青特
パワーヒッター 一発逆転 内角打法
アベレージヒッター 守備職人



以上となります。
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