とある艦娘の後日譚?!    作:糸田ひろし

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どうも!

こちらにお越し頂きありがとうございます!

特型姉妹シリーズですね。
次の娘はおとなしい性格の気配り娘ですが、なにせ艦の魂を宿した娘ですからしっかりと強い心は持ってるでしょうね。

さあ、どんな話になるでしょうか?


便覧番号12

・・・はい、こちら●○鎮守府・会計課です。

 

・・・はい、マカオ発の重油の搬入ですね?

   ・・・ええ、ア号埠頭へ接岸願います。

 

・・・4艦隊、遠征組帰投の補給と休憩?

   ・・・船渠妖精さん?1号ドック空き?

 ・・・え?、加賀さんが使用中?!なら2号でお願いします。

 

・・・3艦隊、訓練戦闘で〇〇泊地に出港?

   ・・・定刻ヒトマル・サンマル出港で願います。

 ・・・はい。ではご武運を。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

午前の管理業務報告を秘書艦・大淀さんに提出すれば、あっという間に時間は12:00です。

 

今日は、半日で特別に勤務を終わりました。

私は、お昼ごはんの時間は伊良湖さんのべーかりーかふぇに。

 

コレとコレとコレ・・・、やっぱり3つは勿体無いかな?お給金節約しなくちゃ、ですね。

 

オーシャンビューとは言うものの、軍港を見渡せるだけのテラス席でパンを摘む。飲み物は自室から持ってきたお茶で済ます。お気に入りの特製ミルクセーキは金曜日のご褒美にしている。

 

 

「はぁぁ〜・・・。あっ!」

 

 

気にする娘など居るはずも無いのに、つい大きな溜め息に周りを見渡し恥ずかしくなる。

 

私は、駆逐艦では遠征要因として資源回収中心に任務をこなしてきました。とある時、会計課長の娘が遠征要員として急遽組まれる事となり、事務処理(ナビゲーター)要因に穴が空いてしまった。

 

私は、遠征要因で隊長をずっとやって来た為、数値把握や調整など苦にはしなかったので、この娘の代理として名乗り出た。

 

その当時、駆逐艦や軽巡の皆さんからは、

 

 

「遠征とは言え前線から逃げるなんて。」

 

    「臆病風に吹かれたのかしら?」

 

 「あの娘、遠征失敗ばかりだそうね。」

 

 

そういった噂がずっと付きまといました。またある時は、

 

「皆んな沈むの怖いのにさ、後ろでのほほ〜んと物資数えてドックの交通整理して。みんなに“護られて”お仕事出来て良い御身分ね。提督になった気かしら?」

 

 

私は空しかったです。でも爆弾一発・機銃弾の一弾すら飛んで来ない場所での仕事。もっとも、ここにそんな物が飛んできた時には“詰み上がった”状態でしょうけど・・・

 

私は混み合うの避けて、店を出ました。

 

 

心地良い風が吹く鎮守府の丘、いくつかの“銘盤”が建ち並ぶ。そこの一つへと進む。私は備付の碗に新しいお茶を注ぎ、持ってきた間宮さんの和菓子をお供えし、そっと手を合わせました。

 

 

「今頃は天国で『あ“〜暇過ぎるよ〜』とか言ってないですか?神様にご迷惑掛けたら駄目ですよ?」

 

 

と、故人を偲ぶと思えない事を念じ祈りました。

 

 

ーー吹雪型4番艦・深雪、私の妹艦。

 

艦隊訓練中に不慮の事故で大怪我で意識不明に

僚艦の皆様にも手伝って頂き必死に救助・救命活動しましたが・・・目の前で命が消えるのは、こうもあっさりと忍び寄るものなのかと。

 

悲しいはずなのに、あまりにサラっと来て何事も無かった様に時が過ぎ、式典で弔銃の号砲の最後の音を聞いて、一気に悲しみがフラッシュバックの様に襲い、狂った様に泣いてしまいました。

 

その後も悪天候訓練で3番艦の妹・初雪ちゃんが大怪我を負ってしまい、艤装のオーバーホールおよび、初雪ちゃん自身のリハビリと災難が続きました。

 

 

私は初雪ちゃんが、復帰に向けてリハビリで頑張る姿を見に来ました。艦娘には不思議な力があり修復が早いとは言えしばらく戦列を離脱していた分、感覚や力の低下と言うか鈍さが出るそうです。今はその鈍さを解消するためトレーニング中です。

 

 

「初雪ちゃん、だいぶバランス感覚戻ったね。あと一息かな?」

 

「・・・姉さん、何で来るの?・・・何で海を捨てた艦娘が、こんな所に顔が出せるの?」

 

「私はね・・・。」

 

「聞きたくない。・・・もう嫌、どっか行ってよ。」

 

「・・・うん。邪魔してごめんね。頑張って。」

 

 

私は苦笑いでリハビリ室を退出しました。周りの視線が背中に刺さる。

 

 

「・・・(お姉ちゃん、ごめんなさい。)」

 

 

姉に投げた言葉と裏腹悲しげな顔をして見送る初雪。

 

 

私はトボトボと駆逐艦寮へと帰る。

 

 

「やっぱり艦娘は海に出てこそ存在価値が意味があるのかな?吹雪姉さん・・・叢雲・・・」

 

 

つい、ため息を吐いて、部屋から遙か南の海を見渡す。

南方の鎮守府で、あわや轟沈の怪我を負いながらも、僚艦の皆様や司令官さんの献身的な御対応もあり、無事に戦列に復帰。

 

なんと提督と深く絆を結び“ケッコン”まで辿り着いてしまいました!身内どころか駆逐艦勢としては全鎮守府・泊地初のケッコン艦娘と言う誉れどころの話じゃない大騒ぎでした。

 

また他の鎮守府では水雷戦隊として叢雲が獅子奮迅と呼べる活躍を見せ、巡洋艦の方々からも一目置かれていまる。

 

ふと時間を見ると14:00を過ぎたところです。

部屋でクサクサしてる訳には行きません!私は鎮守府の中でも大きな教室へと向かいます。

 

ここは『多目的教育室』です。

戦闘中に負傷して戦えなくなってしまった艦娘を再起してもらえるように、手に職を付けられるようにする職業訓練学校なるものです。・・・と言っても構想段階ですが。

 

 

負傷した艦娘はドックで治療・修復すれば傷は治り復帰できます。しかし、中には酷い傷を負ってしまい艦娘や妖精さんの不思議な力を持ってしても完治しない場合もあります。

 

そうなると、常に小破や中破に相当するダメージが残る状態で戦わざるを得なくなります。残念ながら本人の気力・根性で何とかなるわけでもありません。

 

そういった艦娘の中には、無気力で廃人になってしまう方、自ら命を・・・という方もいらっしゃいます。

特に何度も最前線や死線を潜り抜けた方に、見受けられます。

 

もちろん、初雪ちゃんみたいに戦列復帰出来るようにリハビリを頑張り、復帰出来る方々が大半なのですが。

 

これ以上、失意のまま“沈んで”しまう娘を増やしてはいけないと思います。私は主計科で経理知識の他に料理と裁縫を勉強しました。あと、明石さんや夕張さんの工廠技術を学んだり、青葉さんの撮影技術、秋雲ちゃんのデッサン。大淀さんの秘書能力・・・。

 

まずは自分のできる事を広めて行く事かな?

 

こういった技術を覚えるが出来れば、たとえ海に出られなくてもその技能で、鎮守府や司令官さんの補佐や力に出来れば生きる意欲が湧くと思います。

 

差し当たり私のできることは、

経理と簿記・・・会計課の仕事に役立ちますし、秘書艦娘には必須の力です。

 

裁縫・・・戦闘に直結しませんが、嗜みとして。司令官さんの軍服を手直しなんて・・・コホン

意外にも航空機の翼の補修にも応用が効くと明石さんや夕張さんが話してました。

 

料理・・・鎮守府では間宮さん・伊良湖さん・鳳翔さんと“3鉄娘”が居ますが、各お店のお手伝いさんや皆んなの糧食製造や開発者。極めれば鎮守府では第4の喫食施設の主人になれるかも?

 

こういった事ならある程度の技術までは教えられそうです。解体・退役申請をし艤装を放棄したとしても市井で路頭に迷うことなく生きる事も或いは叶うかもと。

 

 

「君ィ、今更ヤサグレたウチを連れてきてどうすんねん?何考えてんのか知らんけど、ウチを晒しモンにして楽しもうちゅー魂胆か?」

 

 

司令官さんから、私の鎮守府内でも歴戦の空母艦娘の龍驤さんが、予期せぬ奇襲に逢い大怪我を負い、機関は治ったものの推進力が全く出ず海へ出られなくなってしまったと話を聞きました。

 

ご本人は大発に乗れば良いとか艦娘版の“飛行場姫”にでもなったるわ!と言ってます。それは浮き砲台として嬲られて沈むのも厭わないと、暗に言っているのです・・・。

 

先程も言いましたが、そんなヤサグレた、言い換えれば曇った心持ちで沈んだならば、間違いなく怨念に憑かれ深海化してしまいます。特に負傷し無念だったりやり場のない昏い怒りは格好の呼び水です。

おそらく龍驤さんの様な激しく強い心をもつ方は、EliteやFlagshipクラスの空母として私達の前で牙を剥きかねませんし、そんな悲劇は起こしたくない。

 

私は失礼にならない様にできる限り、言葉を選び、かと言って慇懃な物言いにならないかと、慎重に説得をしましたが・・・

 

 

「そないな事、ウチかて良ぉーく分かってるさかい。君と違って海千山千の深海棲艦といっぱい戦うてきたわ。悔しさ・あと一歩で差し違えて無念さ抱いて沈んだ僚艦が、怨念に憑かれあっという間に敵さんなって喰らいつかれた事もある。」

 

 

やはり、最前線で放火を交える方々にはそれ相応の出来事はあるという事を思い知らされました。私ですら過去には、遠征や護衛艦隊で到底太刀打ちできない場面が何度もあり、少なからず犠牲者も居ました。

 

しかし辛うじて助かる娘も居ました。だけど、二度と海へ戻れない、立つ資格がない=戦えないという現実に心砕かれた娘が跡を絶たず、揉めに揉めて姉妹艦の絆すらボロボロになる娘達も居ました。

 

 

「ホントに君は、何もかんも失のうたウチに生きる術があると思うんか?次の道歩め言うたかて、中途半端な事やって余計痛々しい事なるなら、潔よう沈んで鉄クズ戻るか、恨んで化けて君等と戦って跡形なく撃ち抜かれて爆ぜて沈んだほうが清々するわ!」

 

 

龍驤さんの言うことは最もかもしれません。次の生き方模索するにしても、過去の栄光が返って足枷になるならアチラ側に生まれ変わり、禍々しく散るのも生き様でもあると言います。

 

だからこそ、新たな道を模索して真剣に足掻いて生きてもらいたい。何も銃後と言うのは、弱い立場や守られる立場だけでは無い事を知って欲しいと思っています。

 

ましてや龍驤さんの様な歴戦の強者の知識と経験、また挫折の苦悩を知る人は貴重な戦術書・教練書です。

主計の知識や大淀さんの秘書知識を学び、立ち居振る舞いを覚えたら専属秘書艦。さらに司令官だって務まるのではと考えます。

 

戦うことに嫌気を指してしまっているなら、お酒好きな方だから鳳翔さんと店を切盛りしたり、大酒飲みの多い大型艦の方々に酒専門の酒保も良いかもしれません。ああ見えて国内酒だけでなくワイン通でもある様です。海外艦の方々とコミュニケーションだって1つの才能です

 

私は必死に説得を続けました。何より龍驤さんが普段は気さくで人懐っこい言動は楽しいし、お酒が入り陽気な明るいムードメーカー、戦いはとんでもなく苛烈なのに

ちょっとビビりなところ、楽しく、明るく、頼もしい方。この方を失ってしまうのは避けたいです。

 

 

「それじゃ、聞けば君は動けるのにも関わらず、陸に上がったままやないか。それかてウワサでぎょうさん流れとるけど何も思わんのかい?ウチの居た北の海じゃ薄雲が一生懸命頑張って補給線を守ってるし、磯波は復帰してあちこちの船団護衛しとるのやろ?」

 

「はい。今は初雪ちゃんも、あと少しで復帰訓練が終われて不自由なく復帰できます。あの娘の努力が実ったとおもいます。自分のことの様に嬉しいです。」

 

「ほんなら姉やんの吹雪なんか、奇跡も奇跡!逆転満塁サヨナラ弾ちゅう奴や。そんな誉れ高い特型駆逐艦や。君も鼻高々なんやろ?」

 

「吹雪姉さんは、本当に心から凄い人だと思います。正に二人三脚で信じあって努力した故の奇跡です。」

 

「そやろ?君かて陸に上がりっぱなしなるまでは船団護衛や遠征の隊長やったり、水雷戦隊の副隊長をやったんやろ?実力はそこ等のヒヨッ娘とは違うやん。」

 

「確かに、実績はありますが。私には海は・・・」

 

「何があるんや?別に悪評なんか軽く捻るくらいの実力はあるやろ。踏ん張ればすぐ挽回できるんちゃうの?」

 

「龍驤さん。私は幸いにして海に出てた間に、大きく被弾やケガはありませんでした。だけど、深雪や初雪ちゃんの事故を目の前で見ました・・・深雪ちゃんは私の腕の中で看取る事になりました。初雪ちゃんの事故も一歩間違えればどうなったか分かりません。他にも、深雪ちゃんの時は電ちゃんも意識不明に。今は復帰出来ましたが・・・。」

 

「艦娘なんて商売は因果なものとは思うで。ウチはもう“擦り切れ過ぎた”から、ええんよ。けど、あんたはまだ・・・「もうっ、駄目なんです…」。」

 

「い、いきなり何やん?」

 

「自分は僚艦の皆さんに気を配りながら、隊長をこなして来たつもりでした。だけど、私の前で何人も被害に遭い傷付き手当の甲斐なく亡くなっていきました。駆逐・軽巡級は姉妹艦も多い分横の繋がりが強いです。」

 

「・・・・」

 

「そういう娘たちを、面倒見ながら救えない事に少しずつ心が窶れていきました。亡くなった娘は直前まで私の側でドラム缶を引いたり、爆雷を得意げに投げ入れたり元気よくやっていました。けど、沈んで・・・姉妹の方々からは射抜かれるような目で見られました。お前は艦娘なのに“鬼”だなと。」

 

「君ぃ・・・無責任では居られへん。けど、それは深入りし過ぎたらいかん奴だ。あんまり考えたらいかん奴だ。心が堪えられず圧潰してまうで。」

 

「だからか、深雪ちゃんが死んでしまった時は最後の最後まで涙が出なくて、段々とおかしくなったんです。」

 

「まさか、あかんで君ィ?!それ以上心を壊したら。」

 

「もう、駄目なんです。海に出ると嫌でも集めてしまうのです。壊れヒビ割れたスキマから恨み辛みの怨念が・・・。」

 

「・・・もう、修復出来無い不可逆の領域に達してしもうたんだな。」

 

「だからこそ、私の様な心のコワレモノを増やしたら駄目なんです。・・・私が身に付けた技術を教えて、少しでも生きる糧を伝えて・・・」

 

「あっあーあー、そんな話まで聞いて、はいそなサイナラなんて、仲良うオカシクなってる場合じゃなくなってきたなぁ。ウチが、ドカンと成功例を示さなイカンな(笑)」

 

「龍驤さん・・・ありがとうございます!

そうと決まったら善は急げです。何を習いますか?」

 

「せやな?ウチとしては少しでも戦いに近く関わりたいんやが?艦載機開発や練習の先生になれたら良いなと思うわ!」

 

「ならば明石さんや夕張さんが先生になる様に頼んでみますね。準備が出来るまでは裁縫勉強したり、開発資材の事を勉強しましょうか?」

 

「ふぅん。ホンマに学校を作りたいんやなあ君は?是が非でも、ウチが物になるのを証明したるでな!」

 

 

それから、龍驤さんは裁縫や資材管理の基礎から学習して明石さんや夕張さんの技術をイチから必死に覚えていった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから暫らく経ったある日、私は勉強中でしばらく顔を会わせられなかった、龍驤さんに会いました。

 

 

 

「よう、会計っ娘!」

 

「龍驤さんすっかり、つなぎが似合うようになりましたね!」

 

「まだまだや。艦載機の手直しだけで手一杯や。とても明石の回収能力まで辿り着けん。」

 

「でも、着実にウチの鎮守府は艦載機の修理能力上がってますよ?修理に使うボーキサイトが少しですが節約出来てますよ。それに故障機の修復期間が明らかに短くなったし。故障明けのトラブルも減ったと熟練妖精さん踊ってましたよ??」 

 

「そっか・・・誰かに褒められるんは、ちょっち嬉しいなぁ!」

 

 

 

と、そこへ・・・

 

 

「龍驤ちゃん・・・」

 

「なんやー、鳳翔か。」

 

「なんや〜じゃありません。やっと貴方の笑顔が見られて良かった・・・。浮き砲台になって沈むなんて言ってた貴方が・・・・・」

 

「あー、そない泣かんでも。アレはウチも言い過ぎたわ堪忍な。」

 

「堪忍しません!・・フフッ、たまには私の店に呑みに来てね?貴方のお酒はちゃんと残してあるわ。・・・ツケ代もね」

 

「な、なんやて〜?!」

 

「いま、会計課で艦娘一人ひとりの決済システムを妖精さんと考えてるそうですよ?」

 

「はい、龍驤さん。皆さんの月々のお給金から、賞与等の実入りになる部分と、各福利厚生での必要経費や酒保や食事のお代金を自動で清算して、貯金台帳で残金管理できる方法を考えてます。あとちょっとで運用できます!」

 

「だから、すぐ使い過ぎる龍驤さんは、貯金台帳が借金台帳に早変わりしますよ~?!」

 

「うげぇッ!本気も本気やん!!軍艦が借金取りに追われるんかいッ!」

 

 

そこへ、チンピラ風に着崩した妖精さんと○龍さんや○田さんや叢雲みたいに、武器持ち艦娘のコスプレした妖精さんが群がる

 

   「じごくのさたもかねしだい」

 

       「ふふふ、こわいか・・・」

 

   「ほねのずいまで、しゃぶっちゃるきに」

 

「かねをかえさない、おろかもの!しずみなさい」

 

   「おさわりは、きんしされてますぅ」

 

 

「な、なんやコイツラ・・・(汗)」

 

「私が組織した、借金取り妖精さんです(ニコ)」

 

「ち、ちゃんと返すに決まっとるやんけ・・・」

 

あれからは、龍驤さんの努力を見た“傷痍艦娘”達は少しずつ集まり始めました。伴って、案を出していた料理や会計、専属秘書艦、工廠技術など興味のある分野を集中的に学習して、手に職をつける訓練学校が軌道に乗り始めた。

 

司令官さんも、嬉しそうに毎日覗きに来ています。

 

 

「やあ、君にはこんな素質があったとは!凄いよ!!」

 

「器用な物だ、素晴らしいデザインだね。街で売ってみるかい?」

 

「甘味は、私も、みんなも大好きだしな、受けるだろう!」

 

「ズイ・・パラ・・・?何だい??面白そうだね・・・はは・・・。」

 

 

一時期は、ヤケを起こし目の前で沈んでしまったり、深海化して処分雷撃せざるを得ない事が起き、だいぶ憔悴された事もありました。

 

 

 

 

 

・・・そして、今日もお昼休みを早めに済ませ、あの丘の上へやって来る。

 

 

「今日はね間宮さんの上練羊羹だよ。ふんぱつしちゃった。あ、でも毎日は無理だからね。流石にお高めだし数量限定のレア品だから(笑)」

 

「深雪ちゃん達も時代が違えばもっと楽しめたかな?もっと一緒に居られたかな。それとも私が、そっちに合流してたかもしれないよね?」

 

「でも、まだしばらく行けそうにも無くなったみたい、ごめんね。」

 

 

あれから艦娘の治療技術が向上して、被弾直後という条件は付くが完全に元状態へと後遺障害なく復帰出来るようになりました。

明石・夕張に続く第三の技術開発保有艦娘として独り立ちし3人で技術向上に努めた成果です。

 

そして、精神的不調が元で海を諦めた艦娘にも心理的な治療ノウハウが出来つつあり、私の精神的不調も回復傾向にあります。

 

「・・・お姉ちゃん。」

 

「あ、初雪ちゃん?どうしたの。」

 

「うんとね。・・・今まで、ごめんなさい。みんなと一緒にひどい態度して・・・。・・・お姉ちゃんずっと寂しかったんだよね?痛かったんだよね?」

 

「良いのよ、大丈夫よ。今、こうやって初雪ちゃんとお話できて幸せよ。深雪ちゃんも、うわぁ、初雪がいっぱい喋ってるって、びっくりしてるわよ?!」

 

「うぅ〜、恥ずかしいよー。もう〜ヤダ〜。」

 

「・・・本当に、私幸せだなって思える様になったから、ありがとう。貴方のおかげよ。」

 

「・・・お姉ちゃん、褒めすぎだよ。でも・・・、」

 

「ん、何?」

 

「また、お姉ちゃんと海を疾走りたいから・・・あたしも頑張るから。・・・宜しくね、お姉ちゃん。」

 

「分かったわ。会計課も世代交代できそうだし、身体の感覚しっかり戻して、すぐ復帰してみせるから!」

 

「うん、待ってるから・・。」

 

今日も、鎮守府の丘には元気な風が吹いていた。

 




最後までお読み頂きありがとうございました。

今回はPTSDと言うか、トラウマと言うか・・・そういった精神的な病で挫けた彼女が復活していく話に仕立ててみました。あんまり知識を深掘して書いてないので、その点は平にご容赦頂きたく(汗)

あと、龍驤の関西テイスト喋りは、ホントに味付け程度に思ってください。お願いします(滝汗)


この娘の主計科話を軸にしたのはゲーム内のボイスネタですが、歴代艦長や座乗した高官、主要軍人さんで会計・主計科に係る人がいたのですかね?

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