とある艦娘の後日譚?!    作:糸田ひろし

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どうも、糸田です。

今回はショートです。

今回は退役後の設定です。
彼女の構えるカメラはちょっと不思議なカメラみたいですね。


何が見えるのでしょうか。



便覧番号16

パシャッ!

 

 

      カシャッ!

 

 

            パシャリ!

 

 

小気味良く、シャッター切る音が響く。

 

 

カメラ小僧ならぬ、カメラ・・・・老婆。いやいや、失礼な物言いになってしまった。

 

カメラ御婦人が一番最善な呼称だろうか。

 

 

 

 

ーーーーーここは、神奈川・横須賀の三笠公園

 

 

今日も、お空がキレイね。雲一つなく青空。

 

 

 

さすが戦艦・三笠です。今日も威風堂々としてますね。

 

 

施設の方々にキレイに化粧し直して頂き大事にされてるのが解りますよ。

 

 

この艦達が稼働していた頃、この国は伸るか反るかの大博打だったのでしょうね。

 

 

今は皆さん、思い思いにのんびり散策されてますが・・

 

 

ファインダーを覗く彼女、そのレンズ越しに写るもの。

 

 

水兵が激しく動き周り、

 

弾薬を運ぶ者や指揮を執る者

 

砲撃に晒されのたうち回る者

 

既にこと切れた者

 

何故か見える景色が・・・。

 

 

満足するまで撮りきると、散策しながら港湾施設を出入りする軍艦が見える場所へ

 

 

いやあ、壮観ですね。

 

パシャパシャとシャッターを切りながらも、笑みが出てしまいます。

 

水面が陽射しに煌めく中、様々な航跡を残し進んで行く娘達。今日も護衛艦・ミサイル艇の娘たちが教練に海上警備に勤しんでます。みんな、凛々しくキビキビしています。

 

 

・・・遠く目を凝らすと、沖ではいずもちゃんかな?かがさんかな?ヘリの教練をしてますね。素早く安全な離発着艦は空母型護衛艦の永遠の課題ですからね。

 

 

鹿島さんや天龍さんが教官としてビシバシ今も鍛えてますからね。弱音すら吐いてる間もありませんし。

 

 

私達の様に訓練も学も無く、追い立てられるように出撃して行った娘達も多かった。

 

ファインダーを覗くと、またセピアな景色が拡がっていく・・・。

 

軍艦マーチや行進曲が掛かる中、次々と抜錨していく艦娘たち。

 

凛々しい顔の娘・・・

 

やってやるぜ!と勇ましく駆け出す娘・・・

 

悲壮感を漂わせる娘・・・

 

かと思えばワクワクと期待を膨らませる娘・・・

 

決意の涙ながらに出て行く娘・・・

 

ファインダー越しに色々な表情が見受けられる。

 

 

 

・・・おやっ?!あの娘は。

 

おやまぁ・・・。

 

・・・あの娘は小動物みたいに、こじんまりとしちゃって・・・ふふっ。

 

あれでは、魑魅魍魎の深海棲艦には立ち向かえませんねぇ。ちょっとだけ、応援しましょうーー

 

 

 

 

「頑張れーっ!必ず、生きて戻るのよ。貴女ならやり遂げるわよ」

 

 

 

あらっ、声が大き過ぎたかしら?

 

あの娘ったら、急に周りをキョロキョロしだして(笑)

挙動不自然過ぎて、周りの駆逐艦の娘達が敵襲かと驚きますよ?

 

 

ほらほら、もっと背筋をしゃきっと伸ばして、胸を張って堂々と行ってらっしゃい。 

 

 

 

 

ーー必ず、生きて帰るのですよ。どんなに辛く険しくとも・・・。

 

 

 

ファインダーから目を離すと、そこには穏やかな横須賀の海が広がる。

 

今度は、アメリカ艦娘かしら?賑やかな子達ね。昔からあちらの娘達は戦艦クラスでも、お転婆な娘が多かったわね。

 

でも、流石に装備は世界最高峰クラス。これを難なく扱うから凄いわねぇ。

 

 

最寄りの駅から電車で5駅、浦賀に戻って来ました。

え?私の実家があった場所ですからね。

私は横須賀じゃなくて浦賀生まれの浦賀育ちですよ。

 

現役最後が呉だったので、そのまま呉に住んでいますよ。だから今日も呉から来ましたよ。

 

私達が、公共交通機関を使うのは実感沸かないって?

私もそう思いますが、艤装も全てお返しした訳で帰れば家にレプリカならありますが・・・。

 

 

まあ、コスプレになります(笑)

 

と言うかですね。除隊して年取った私になんて言う事を言わせるのですか?流石の私も怒りますよ(笑)

 

浦賀も随分変わりましたね。駅周りも賑やかですし。

 

散策しながら写真撮影の再開です。

浦賀ドックから観音崎へ周り風景を撮る。

 

 

・・・灯台越しに、穏やかな海の広がる青と空の澄んだ青が遠く水平線の彼方で滲み混ざり合う。

 

 

 

 

 

混ざり合う果てから、セピアな景色が迫って来る。

 

 

 

 

観音崎の灯台が見えなくなると凄く寂しく思えた。賑やかな街や鎮守府から離れ、自分達の主機が稼働する音、観測機や水偵が飛ぶ音ぐらいしかない。

 

敵へ向かい黙々と進み続けるだけ。

 

飢えた仲間へと必死に補給物資を届ける為、ただひたすら真っすぐ泊地へ向かうだけ。

 

 

 

 

希望の為、栄光の為の一歩か。

はたまた、苦難の為、死出の為の一歩か

 

 

 

 

結論は誰にもわからないまま、分かる訳もないままに進む。本当に1秒1秒が恐ろしかったです。

 

1秒過ぎれば、1秒生きられた。そんな事すらにホッとして嬉しく思わないと、どうにかなってしまいそうな時もありました。

 

 

 

 

今は、こうしてファインダー越しに景色を切り取る遊びも出来るなんて、幸せの極みですよね。

 

 

 

♬〜

 

 

 

あ、メールですね。

 

『済んだら、次はアタシの相手してよ(#・∀・)』

 

 

 

あら、随分待たせたでしょうか?

 

あの娘も久々にこっちに来たからワクワクしてるのでしょう、きっと。

 

 

『ふん・・・そんな、はしゃいでないもん、アタシいつまでも子供じゃないもん』

 

 

なんて昔からツンツンしてましたね。でもチョット素直になれない感じがかわいいし“子供”なんですが。

 

 

じゃあ、私も切り上げるとしますか。

あの娘は横須賀でブラブラしてるはずだから・・・

 

 

『三崎口行きの電車に乗って下さい。待ってもらったお礼に、美味しいマグロでもごちそうしましょうか?要らないなら良いですが。』

 

 

♬〜

 

返信早いね(笑)

 

『すぐ行く。貴女も乗り遅れ厳禁(☞ ಠ_ಠ)☞』

 

 

さあ、カメラをしまってと・・・

 

浦賀駅に戻る直前に、浦賀ドックへもう一度立ち寄る。

 

 

 

 

また、来れたらゆっくりしたいわね。

 

私の母はここですし。

 

 

行ってきます!・・・必ず戻るからね。

 

 

 

 




お読み頂きありがとうございました。

ファインダー越しの思い出補正、と言うところです。

みなさんも、ふと写真をみると想い起されることありませんか?

彼女たちも、ずっと長い時を生きてきたので、言葉の外にも滲んでいる思いはきっとあるはずですよね。


あ、彼女を急かした無粋な猫娘(笑)もその内に・・・

それでは、またー。
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