今回からは、艦種があの方たちのシリーズです。
軍艦の名前を小さい時から知ってるのは、某アニメのお陰か、大抵の方が大和を上げるのが普通と思います。
僕の場合は、小学校時代の友人に名字が同じ名前の者がいまして、昔戦争の時には俺と同じ名前の艦が活躍したんだ〜と教えられ自慢してた為、軍艦といえば大和よりこちらの艦でした。
それでは、お話をどうぞ〜
皆、明けましておめでとう。
今年も、我が鎮守府の航空戦隊はより強く〜・・・
新年を迎え、私の所属鎮守府では年賀交歓挨拶が始まっている。
提督と所属する全艦娘の新年の挨拶、各旗の掲揚、総旗艦・大和さんによる新年の宣誓など粛々と公式予定は済みます。
普段の作戦や交戦で高い戦果(要は良い結果を出せたかどうか)として頂いた晴れ着や取って置きの服を持っている艦娘はここぞとばかりにめかし込みます。
ちなみに私も・・・(照)(//∇//)
提督に褒めて頂くと・・「気分が高揚します♪」
「それ、私の台詞です・・。しかも、私は語尾に♪など付けませんから」
一航戦の頼れる僚艦、加賀さんがジト目で返してきます。
鮮やかな緋色に染上げた絹の生地に、色取り取りの花模様を絵付した振り袖に、可愛らしい花簪。
牡丹のような鮮やかさに惹かれて選びました。
加賀さんも群青の生地に艶やかな花柄に萌黄の帯、大きな牡丹の簪が加賀さんの端正な顔に映えるーー
少々艶やかすぎかと思いましたが、加賀さんからも、
「上々ね・・・(照)」
「加賀さん、それ私の台詞♪」
「くっ!」
鎮守府の公式行事を終え、各自解散となった。
ここからは自由時間となって、大抵の艦娘は姉妹艦で過ごす。
金剛型4姉妹はさっそく初詣に行くと比叡・霧島ペアが気合を入れ、金剛と榛名は微笑ましく受止める光景が。
軽巡姉妹・駆逐艦姉妹は初詣を早々と終えてきており、羽子板や凧揚げで元気の良い姉妹達ばかりだ。
部屋でおこたに蜜柑と言うまったり組もちらほらと。
ただし、
千歳・千代田の水母艦姉妹
泣く子はさらに泣く妙高型4姉妹
普段からきらびやかな、隼鷹型軽空母姉妹
所謂“呑兵衛型”姉妹艦たちは、既に餅やおせちを肴に酒宴という一大海戦へ抜錨していった。
あの方たち全員、鏡開きあたりに総排水量を測って皆、青い顔して轟沈だろうなと思いました。
私は加賀さんと別れて、お節を仕込み終え、ホッとした空気が漂う食堂へ。
お座敷広間をお借りして、私の飛行隊を操る妖精さん達に新年の挨拶会をする為です。
私の操る飛行隊は、共に幾度となく死線をくぐり抜け鍛え上げられた、熟練飛行隊が揃っていますーー
板谷零戦隊・淵田九七艦攻隊・村田九七艦攻隊
古の伝説的パイロットの魂と腕を持つ子達です。
どの部隊もヤンチャな子が多くて手を焼きますが、何よりも空が大好きな努力家です。いつも素晴らしい操縦術で苦しい局面を何度も助けてもらいました。そして、素晴らしい戦果を上げてきてくれました。
そして、この子達は甘いモノに目がありません(笑)
今日は普段の活躍を労い、新年の活力・鋭気を養う為に
航空隊妖精をはじめ、私の艤装妖精全員に広間に参集してもらったのです。
妖精さんの前には、伊良湖最中、間宮羊羹を筆頭に色とりどりの和菓子に洋菓子が所狭しと並べられた。
さらに冷凍・冷蔵ケースがしつらえてあり、アイスに氷菓子、果物、パフェ、、、妖精さん曰く
これもう!あまみのてっきちょくじょ〜や〜(悶絶)
かんちょ〜、がまんできないです〜。
はやく、イタダキマスのごうれいかけろー
索敵に直掩・迎撃に雷撃と航空隊の中でも屈指の任務成功率と撃墜率を誇る部隊。
手が空けば、ぶつくさ言いながらも二航戦以下の鍛錬に付き合い、練度向上に一役買っている。
日頃の頑張りに感謝したいと思い、戦功報酬や給金を投げ売って、間宮さんたちに用意してもらったのです。
イタダキマス!!の号令のもと、デザートに飛び付く子たち。この時ばかりは、ニコニコ・キラ花丸モードです!
私も加わり、甘味を隊員一同で仲良く味わい幸せな時を過ごしました。
無事?!皆で残らず完食すると間宮さん、伊良湖ちゃんへ感謝をして、解散となります。
妖精達も、この後は思い思いの時をすごします。
のんびり派、整備や鍛錬に勤しむ派、出かける派とさまざまです。私は存分に甘味を食べた分を消化する為、初詣に出ることにしました。
一通りの年賀行事を終えられた提督、そして自分の艦の予定を終えた加賀さんと出向く事になりました。
「どうだ、航空隊の連中は大はしゃぎだっただろう?
執務室まで大歓声が聞こえたぞ?」
「私の新年会やってた講堂にも響いてました」
「加賀さんまで・・・恥ずかしいわ」
「今年は一航戦の皆にはより高みへと上り詰めてほしい。両名共に研鑽を積み慢心なく戦いに挑んで欲しい」
「「はい!一航戦の名にかけて必ず!!」」
二人して、提督の檄に対してしっかりと返答をした。これだけの期待をかけて頂いている。敵、深海棲艦も日に日に強く兵装も強力になる中、慢心はできません。
鎮守府からほど近い鬱蒼とした森に囲まれた神社へと着いた。古くからこのあたりを治める格式高いお社で、近住の神事など請負い、私の鎮守府も様々な神事や祈祷など依頼をしています。
冬を除く各季節の例大祭は規模も大きく、軽巡や駆逐艦の子達は大騒ぎで屋台に凸っています(笑)
早速、社務所を訪れ新年の挨拶と共に御神酒など供物を奉納した後参拝となります。長く厳しい修練を積まれた方から感じる厳かな威厳と、優しさを感じる宮司さんです。この御方の前では、どんな邪悪な物も一切払われてしまうしょう。
参拝を終えた後、宮司さんより新年の初習いと言う事で、弓の鍛錬を提案されました。
提督と加賀さんと、初詣を終えたばかりで何故と思いましたが折角の申し出ですし、厳かな雰囲気の中で良い経験になると思い快諾しました。
提督と別れ二人で宮司さんと本殿奥へと続く森を進む。
時々鳥居やら、注連縄で囲いをしたところを入っていく。どのくらい歩いただろうか?気付くと宮司さんと、加賀さんまでもが居なくなっていた。
「索敵妖精!警戒を厳にしてください!!」
私の索敵妖精さんに聞いても二人の気配が掴めないという。なぜ?
やがて大きな川の畔に弓の道具一式を揃えた射場が現れた。中に入るとそこには普段格納庫にしまう私の大弓と航空隊の矢が揃っています。
不思議なこともあると思い弓を手に取ると、途端に今までの景色が変わり、淀んだ空、冥い海原の真ん中にそして・・・
ーー大音声で響く対空警戒のラッパ!!
何?何で?!敵機は何処にっ!そもそもここは何処?
気配を探ると遠方より雷撃隊と思われる大群が来る!
早速私は、鉄壁の航空戦を誇る零戦部隊を空へと撃ち放つ!!
荒鷲の如く一気に空高く上がり相手の上空を、マウントポジションを確保して肉迫!!獲物目掛け機銃を一斉射し始める。
敵雷撃隊を打ち崩し始めたところ、フォローに回っていた零戦隊が崩され始めた!!
相手の直掩部隊が空中戦に加わり混戦となり始めたのだった。
敵雷撃機を追い回す後ろからの急襲に劣勢になり始める。しかも敵直掩の機銃斉射が厳しく、また、こちらの反撃した機銃は当たりはすれど致命傷が与えられない!!
私は、格闘戦に換装した艦攻隊を上げて零戦部隊の数的優位を確保しようとする。
そして制空戦闘の中、敵の雷撃隊が制空戦闘圏をすり抜け、私の攻撃可能範囲へと近づいてくる!
機銃・単装砲隊が敵機を近付けまいと反攻する!!
相手の揺さぶりにも負けず、徐々に敵機への被弾・撃墜を増やす。
しかし、遂に雷撃が私へ向かい襲い始めた!!
一本、二本と暗く濁った海中に死へと誘う矢が襲いかかる!
私も当たるものかと右に左にと旋回し射線より身をずらし、半身になり返す刀で次々と航空隊を放つ!
更に敵の雷撃隊は攻撃する侵入方向を確保して襲いかかってくる!!
それだけ制空権が崩され、相手に良いように持っていかれているという事・・・。
まさしく、逃げも隠れも出来ない十字砲火を浴びる様に雷撃が次々と足元を襲う!!
今までの鍛錬の積み重ね努力に拠るものは伊達ではない!こちらも雷撃の射線や航跡を見て必要以上の回頭や旋回をしない様に計算して立ち回り、雷撃を次々と回避する。
「まだ、ここで。こんな所で沈めません!」
しかし、ますます激しくなる敵機の襲来に淵田隊・源田隊の装備を変更し制空戦闘向け装備へと命じる。
「早く、急いで!零戦隊が保たない!!装備換装を急いでっ!!!!」
「機銃・砲撃班、もっと弾幕貼って!!もっと早く!!もっと厚く!!何やってるのですかっ」
冷静沈着でなければならない、艦長たる私が焦りを見せてしまう。叫びとも怒鳴りとも取れる声で妖精さんに当り散らすように指示を出してしまう。
ほころびの出た指揮系統に、現場で浮足立つ妖精さん。
先程まで和気藹々と甘味を食べ幸せに包まれていた一つのチームが、相手の猛攻による焦りと怒り、萎縮とネガティブな空気に呑まれ蝕まれる。
私自身が冷静さを失い、航空隊も機銃隊も状況判断が出来なくなってきた。迷走が始まった戦闘部隊の向かう先は1つ・・・。
ーーー崩壊ーーー
雷撃も激しくなる中、私へ直接機銃掃射が襲う
機銃隊員たちに激しい攻撃が襲いかかる!
ぎゃあっ!
いたいよー!
ぐわぁぁッッ
かはっ・・・
ここまでかーッ!
し、死ぬのか?!
うぐっーッ!!
あちこちから聴こえる隊員達の断末魔・・・。
遠く近くと、撃ち落とされ砕け、あるいは燃え尽き爆発する。・・・次々と力尽き果てる荒鷲達。
私自身も、次々と機銃痕が生まれ幾筋もの血が海へとたなびく。
やがて私は隊員達の悔しさ辛さの声に耳を塞ぎ。
次々と堕ちていく航空隊に目を閉じ逸らす。
いつしか硝煙の匂いも苦しくなり鼻と口を覆い。
訳も分からず迷走をしだしてしまう。
必死に操舵士、航海長の隊員が私に訴えかける。
・・・・!!
・・・・!
ーーーー!!!!!!
もう、何も聞こえない聞きたくない、見たくない!!
完全に現実からすべてを背けた私を隊員が無理矢理に上空を見上げさせた。・・・そこには!!
ほぼ直上に私を捉えた敵機が、
ーー最期を報せに来た使者が爆弾を抱え飛来していた。
もう舵を切る意思さえ無くした私は、行き足を止めた。
目を見開き、怯えすくむ隊員達・・・
そこへ、いくつもの爆弾を投下された私は次々と被弾。
艤装や甲板、航空隊の矢筒が次々と爆発炎上する。
私を保護する艤装服もあっと言う間に類焼、身体中が業火に包まれ焼け爛れていく。
・・・私は、痛みも熱さを感じる間もなく意識が亡くなっていく。
私が最期水底に墜ちる前に見た景色は、“赤と黒”に彩られ崩れ墜ちていく、加賀さんと後輩の蒼龍であろう二人の影、辛うじて立ち上がる飛龍の姿だった・・・。
ーーーーーーーーーーーそして。
「・・・大丈夫ですか?私の声が聞こえるなら返事を頂けますか?」
落ち着いた声と共に、そっと優しく体を揺らされて起こされる。
「ここは、私は・・・。!!私は敵機に補足されてしまい・・・。そうだ、加賀さん、蒼龍がっ!提督!!」
起きがけに錯乱している私を、宮司さんが宥めてくださった。提督は冷や汗をかきながらも成り行きを見守る。
「まあ、落ち着きなさい。まず、ここは社務所の控室です。貴方は、私の神通力と結界の力で一種の催眠状態でした。」
「え、嘘??そうなると、私が居た海域は・・・??」
「私の力で仮想の空間を作り出し、貴方の心の弱い部分や恐怖といった負の部分を増幅して仮想敵を創り出したのです。そして、その幻影と戦っていたのです。」
「それでは?加賀さんや蒼龍達は??」
「勿論無事ですし、そもそも御同伴なのは加賀様だけですよね?なので蒼龍様は私の空想ですよ。それに、加賀様は・・・こちらで休んでおられます。」
宮司さんの目線の先には、穏やかに寝ている加賀さんの姿がある。今は提督がしっかりと様子を見守っていた。
ホッとした私でしたが、それと同時に言いようの無い恐怖心が現れた体は震え歯がカチカチと合わなくなる。
それを見て提督が私の手を握り、そして抱きしめ
「大丈夫、君はここに確かに居る。加賀も皆無事だ。皆んな生きている。そして私も誰も失われていない。」
強く、凛としっかりした口調で私に語り掛けて下さった。何度も何度も・・・。私の心が落ち着くまで。
やがて提督は私にお話をしてくださいました。
「いいかい?君は空母、とりわけ一航戦として皆を率いる立場として、それに見合うべく日々研鑽し鍛錬して、己を磨き、他の空母隊の範として間違いなく邁進している。今はうちの鎮守府には居ないが、鳳翔からも君の姿勢は一航戦の先達としても誇らしいと聞いている。」
とても、有り難いお言葉だった。今までの努力を認めていただけた。それだけでも嬉しかった。
「だからこそだ。今一度自分の心に問うて欲しい。油断してないか、隙は無いか?線を引いてないか?君には、君達にはより大きな可能性があると信じる。君は厳しくも鍛錬を行っているが、頑張っているもの達へ手厚く労い指揮官として目配り、心配りをしている。」
「自分を見つめ直し、周りを思いやり君と周りの者達と今以上に連携をして力を付けてほしい。慢心はだめ絶対だぞ(笑)」
私は提督のお話をしっかりと胸にしまい、明日から今一度皆と手を携え鍛錬し、皆と共に深海棲艦より大切なものを守ると誓った。
その決意を見て宮司さんより
「あなたには、この破魔矢を授けましょう。少々大変かもしれませんが、今なら放てるやもしれないので」
宮司さんより受け取ると不思議な力が体に流れ込み、また破魔矢へと巡る、力が循環してる感覚がある。
また、矢羽根には『正射必中』の護符が飾られる。
今度は社務所裏の弓道場に来た。(ん?射場がさっきとソックリ?あれは仮初のはず何故でしょう?)
私は今一度作法に則り精神一到し、最大限に力を蓄え、皆と己を全てを信じて、弓を引き切りそして「えいっ!!」と力を開放し破魔矢を放つ!!
眩く白銀に光った残光を残し、破魔矢は的を正中し光と共に砕け消えた。光の粉が道場内に舞い散る。
「お見事!良くぞ正中させました。」
宮司さんには珍しくやや上気した感じで私に話し掛けた。よほど私がすごかったのかしら??
「この破魔矢は、正しく強く鍛錬した空母たちに、その力を昇華させるための鍵なのです。・・・さあ、今の貴方の姿をご覧なさい」
そう言われて、私は姿見で艤装を見てみる。
そこには、今までと色調の変わった艤装を纏った私が映る。
「これは戊型と言う艤装で、この艤装を纏うと夜間の航空作戦が可能となります。より厳しい条件下での戦いが続くと提督から伺っております。今までの力を高めつつ戊型艤装を使いこなし、どうか邪悪な深海棲艦を打ち払い頂きたく思います。」
「謹んで、この力頂戴致します。皆と手を携え力を蓄え、深海棲艦から日の下を守り抜いてみせます!」
私は提督と宮司さん、そしていつの間にか意識を戻していた加賀さんの前でしっかりと誓いました。
改めて鎮守府の皆にこの不思議な初詣の体験を話し、改めて一致団結し、この鎮守府を日の下を守ると宣言しました。
一航戦として恥じない戦い、慢心せず参ります!
みなさん、お読み頂きありがとうございました。
今までの7割増し(当社比)の文章量になってしまいました。
ただでさえ、リアルが忙しい時に、長々と書いていたせいで、アップが遅くなりました(汗)
私は轟沈しません!!・・・多分。
次回も読んで頂けることを信じて、それでは〜!