コロナ予防接種に撃沈したり、、、
リアルに忙しくて轟沈したり、、、
ネタが頓挫しまくって轟沈したり、、、
とにかく、秋の轟沈祭で、時間がかかりました。
今回は1番長ーくなってしまいました(汗)
2話にしようかとも思いましたが、一気にしてしまいました。流れをきると嫌だなと(何となくね・・)
今回は、操舵長妖精さんというキャラが出てきます。
本来は艦長のポジションにしたかったのですが、艦娘=艦長と言う位置付けにしたかったので、こういう架空のポジションを作りました。悪しからずご了承下さいね。
それではどうぞー。
「ようせいさーんはっやーい!!すっごーい!!イイ感じたねー!!コレなら相手の砲撃なんて当たらないねっ」
「まだまだ修正いけます!!舵取りはまかせてください!!」
「こら、操舵長!!あんまりムリな操舵はしてはいかん。プロペラに負荷がかかりすぎる。」
「しれー殿!深海のヤローから攻撃されて、いざという時、艦長をみちびけずして何がじゅくれん妖精ですか。舵さばき1つで生き死にきまるのですよ?!」
「司令妖精さん、あんまり怒らないでね?皆生き抜く為に必死なんだ。これ以上、前線のみんなが苦しんでいるのは見てられないよ?!絶対はっやーく、たっくさーんの物資を届けてあげる為には訓練あるのみだよー!」
「「はい、艦長!!われわれ、乗組員ようせいがカンペキに艦長をみちびきます」」
アタシは艦娘イチの高速艦。だけどあまりに早過ぎて皆と陣形を組み難い・戦い難いと陰で言われているんだ。
面倒な事情でお船だった頃に姉妹艦をつくってもらえなかったんだー。だから、ひとりで教練が多かったんだけど、たまには今回みたいに大勢の娘達と作戦を組むって事もあったけどね。
それでも、妖精さん達は一生懸命にアタシと教練をして阿吽の呼吸で動けるように訓練しているんだ。
特に、アタシをサポートする妖精さんたちをまとめる、司令妖精さんと操舵長の妖精さんはモーレツな訓練できびしーく、ビシバシ水兵妖精さんを鍛えている。
特に操舵長の妖精さんは、皆からコワイ妖精とか妖怪コワイなんて仇名が付いている。
この前も、対空戦や水雷戦の教練じゃあ、怒られていない妖精さん探す方がムリだったかな?!
普段は上司という立場上、一緒になって檄を飛ばす司令妖精さんが、宥めるくらいだから余程だよね?
「コラーッ!おまえたち!そんな機銃のだんまくじゃブヨ一匹落とせんぞ!もっとしつこくおいまわせ!おとせんくてもいい!遠ざけて、味方とたいくうほうげきで叩きおとせー!!」
「ばかもーん!!そんなんじゃヤツらの雷跡なんぞ見つけれんぞ!!艦長を沈ませる気かー!!もっとよーく目をひらかんかーっ!かっぽじれーっ!!」
「転舵もあまーい!!そんなかわし方じゃ、はずれた魚雷もあたりにくるわー、やり直しなんかきかんのだぞー!」
「たわけがー!どいつもこいつもビビリばかりだな!魚雷を打つには、あいてにうたれるかくごで一気によせて打つべし!!それと、ほうげき班・きじゅう班!!お前たちはらいげき班をふぉろーしなきゃいかん!らいげきするまで相手には、ぜったい打ち返させんつもりでえんごしろ!」
「どいつも、こいつも遅い、おそい、おっそーい!判断がおそすぎーーーーる!深海のヤツらはいっしゅんでも待ってくれんぞ。おまえらは艦長をミナソコに沈める気かー!」
「コワイよ〜」
「おまえ何回どつかれた?」
「オレ数えらんないやー?」
「オイラ階段あるくのおそいってけられたよ」
「れきゅーのほうがまだカワイイ(ポッ)」
「はあ!?・・・あるいみまちがいないかも?」
「おうちかえりたいー」
「ヒエ〜〜」
作戦前にして、クタクタの妖精さんたち。このままじゃ、ちょっとやっばーいかな??
しばらくして、気分転換に教練用の港湾区画の桟橋へブラブラと歩いてきた。今は、教練時間も終わり静かな内海と化している。誰の気配もないはずだが・・・。
あれっ?あの妖精さんは・・・。
そう言えば、艤装からあの子の気配がなくなっている。
「どーしたのー?操舵長さん??」
「あ、かんちょー、おつかれ様でっす!・・・いやぁ、わたしのしどうはやりすぎでしょうか?みんな、グッタリして隊舎へ戻りましたから。」
「みんな、ガックガクだったよ?ちょーっと、頑張りすぎちゃったかなー。」
「ハハハ・・・。そう、・・・ですよねぇ。しれー妖精どのも、きょうれん中は立場上わたしがわに付いて、みなにゲキを飛ばしてました。・・・しかし。」
「どうしたの?」
「きょうれんほーこくをまとめてると、しれー殿から、
ーーーおまえのねついは理解する。だが、すいへい達の心が折れるほどのシゴキはやりすぎだぞ?ここは、戦艦ようせいや潜水艦ようせいの、教練してるわけではないぞ?もうすこし、きょうれんの意味や意義を教えながら育てるのだーーー
・・・と、お話をいただきましてー。」
「うんうん。・・・大変だったね。いっぱい怒られちゃったね。」
アタシは桟橋に座り、側についてきてた連装砲ちゃんが気を利かせて浮輪を座布団代わりに出してくれた。操舵長妖精をひざの上に載せ、撫でてあげながら潮風に吹かれた。
時折、強い風が桟橋を渡り、あたしのブロンドの髪をさらさらキラキラと流していく。遠くカモメや海鳥の鳴き声が聞こえた。
・・・そう言えば、鳥の鳴き声なんて聞いてなかったなー。心によゆーが無かったかな?
しばらく、ぼーっとしていたら、不意に妖精さんが語りだした。
「わたしは、かんちょうを日の下イチすばらしい艦だとおもっています。かそくりょく・せいのうの良い電探・魚雷のちから。われわれ駆逐艦にひつよーなチカラがしっかりそなわっています。」
「そうかなー?たしかに装備は良いけど姉妹艦は一人もいないし。アタシが優秀な娘なら、いっぱーいベースになるお姉ちゃんや、優秀な妹が居るはずだよ?それだけ、お船だった頃に扱いにくかったんじゃないの?」
「それは、せんそうのやり方が変わってしまったり、おくにがびんぼーになったからと、きおくしています。」
「アタシも、あなたの言う通り記憶してるよ。建造計画した時には最高の計画だったのだろうけど、アタシが完成する頃には無駄な計画になったみたい。戦争も始まってアレコレやってるお金も無く、負けてばかりで。だからあたし一人しか作られなかったし、正式な型名も付かなかったみたいだし・・・。
正直、睦月ちゃんや陽炎ちゃんとこは賑やかで個性的な娘達がいーっぱいで、うらやましいなー。・・・ちょっと寂しいなって。」
アタシの所属する南洋後方の泊地。ここには、最前線に送るための荷物と守る駆逐艦主体の護衛部隊が揃いつつあるんだ。あと数日で大規模作戦決行となり慌ただしくも賑やかなんだ。
・・・だけど、あたしは色んな隊にあちこち加わるせいか、仲良くなれるお友達がいない。大体は姉妹が居るかそれとも所属部隊がずっと一緒で姉妹艦の様な仲だったりと。こういう時に、うらやましいと思ってしまう。
その時、妖精さんがあたしへと向き直し、しっかりと目を見て話し始めた。いつもの可愛らしいくりくり目玉じゃ無い。いつに増して真剣そうだ。
「かんちょう!だからこそ、わたしががんばります!」
「妖精さん??」
「かんちょう、あなた一人でも基本のうりょくは、かなり強いです。でも一人でせんそうはできません。戦場をはあくするだけでもムズカシイです。」
「そうだね。敵と味方の識別から始まって、砲撃・雷撃・回避。どれも一人で対処するには限度があるよね。」
「そこからさきの補佐が、わたしたちです。わたしたちは艦長が艦だった時に、のりくみいんだった者。艦長にはいつまでもかつやくして、かがやいてほしいです!じぶんがのる艦をしんじ、愛さずしてなにが艦乗りでしょうか!」
「今度のゆそうさくせんは、艦長がさいごにたたかったばしょです。あの時は、みなボロボロになり。わたしたちも・・艦長もか・・・かんちょうもぉ・・・かんちょ・・・・。」
とうとう涙が溢れ出した妖精さん。顔は涙と鼻でぐしゃぐしゃだけど、それでも想いの熱は冷めない。
「・・あの時は、長波どのとともにゆうもうかかんに敵機と、たたかいました。しかし、無念でありました。今回のさくせんは、なんようの海がくちくかんたいのぼひょうになど、われわれがぜったいにさせません!」
「深海のヤローどもからうみを守らないと。これいじょうはヤツらを放ってはおけません。」
深海棲艦は、あちこちの海に突如として現れた怪物?怨念?悪霊?みたいな存在なんだ。
昔の世界で戦争が激しかったり重要だった場所に現れてはテリトリーを作り、徒党を組んで海や海岸線や港町を襲い蔓延ってる迷惑な奴らなんだ。それを祓い浄化してやっつけるのがアタシたち艦娘なんだ。
・・・まあ私達艦娘にしても、とっても摩訶不思議な存在だけどね。
それで、今回は南洋の海に巣食った奴をやっつけに行った仲間が前線泊地で孤立しちゃって、そこまでの戦線の回復と強化の為の補給作戦という事。
「われわれは違うかんむすさん達とはいえ、ピンチを放っておくような、はくじょーな妖精は一人もいませんよ!」
「そして艦長には、このさくせんをいきのびて、みらいへ想いをつなげていただきたいのです。わたしも、艦長といつまでも共にありつづけたいのです!艦長と最後まで共をさせて頂きたく。ただ、私は・・・。」
私は、妖精さんから真摯な気持ちをうけとりました。本当に嬉しかった。こんなにも妖精さん達が、健気に真剣に気持ちを打ち明けてくれるなんて。
仲間なのは勿論だけど、こんな身近に寄り添って考えてくれていたと思っていなかったよ。ありがとう・ごめんね。あたし、全然独りぼっちじゃなかったね。
でも、何だろう、すごく思い詰めてるような?
「そうだちょう・・・。」
「お・・・。おまえ達なんだ?オレのことがイヤになって、てんぞくねがいか?ふつうなら、じゅりなんてされそうも無いが、オレからヒドイあつかいをうけたって言ったら、オレが(首を)飛ばされて、まっとうなヤツがあとに入るだろ?」
おずおずと、水兵妖精さん達がやって来る。ちょっとバツの悪そうな、申し訳無さそうな顔をしている子達ばかりだ。なんとも気まずい雰囲気がしている。
しかも、操舵長妖精さんは、今アタシから降りるって?!
取り敢えず様子を見守ろうかな・・・。
「おれたち、きもちもかんがえずわるくいってすいませんでした。」
「かりにも、このふねに乗るいじょう歯をくいしばって、せいのうをさいこうにひきだすのが、オイラたちのやくわりなのに。」
「みんなできもちをひとつにして、どんなヤツにもたちむかえる技量をみにつけて、いっちょまえの水兵さんならなきゃいかんのに、ワガママだけいっちょまえでした。」
「ほんと、降りるの操舵長じゃねぇっす。たたきだされるのはオレらっす。」
部下たちの声を聞き慌てて制する操舵長。
「いやいや、オマエらはわるくない。オマエらはもっとウデを上げて艦長をおまもりしてくれ、ろうへいはさるだけだ。」
アタシと最後まで共をしたいと言いながら、去るって何?意味分かんないよ??
そこへ、真っ白の士官服の妖精が、やって来る。司令妖精さんだ。なんだか、こちらはスッキリした顔をしているけど、どうしたのかな?
「おいおい、オマエが老兵ならばオレはどうする?妖怪か何かか?」
「司令妖精どの?!」
「水兵たちのはなしもきいたぞ。まあ、まえまえから、はなしは少しずつきいてたんだが。・・おまえは、アタマに血がすぐのぼるからな。艦長の行き足がはっやーいのはオマエがスグにカッカするから、艦本式ボイラがすぐ沸くのはそのせいか?」
「いや、からかわんでください、司令。私はコイツラにちゃんと指導もしてやれないダメ妖精ですよ。よしんば、てぇ出したって、ちゃんと道理をおしえることしてなくてアタマごなしじゃ、付いてく気も失せますよ。」
「そこは、水兵たちもああやって言ってるんだ。たがいに謝ってアタマもさげた。それで一つ手打ちにしておこうオレもオマエのような艦長の性能を引き出し、かつ現場をしきるヤツがいないとオレが疲れて敵わん。もっとこき使ってやりたいからな(笑)」
「司令・・・わかりました。これからもふんとう努力します。オマエたち、こんな上官でうっとうしいだろうが、これからもよろしくたのむ。」
「「「はい!」」」
あたしは、妖精さん達が自力で解決してくれたのには、チョットびっくりしちゃった。
他の艦の妖精さん達も結構やんちゃな子が多く、山城さんや扶桑さん、妙高型のお姉さん達の妖精さんは海賊かと思うような子もいるそうだ。
もとは、船だった頃の乗組員たちの意志を継いだ妖精さんだ。多少の荒くれはやむなしなのかな?
空母の皆さんの艦載機乗りなんかは凄まじいらしいし、熟練さんとなるとウデはピカイチだから、鳳翔さんや龍驤さんあたりの子は鬼すら避けるって言うし・・・。
「それと、だな・・。」
「まだ、あるのですか?司令??」
んー?何だろう司令さん?まだ、気になる事あるのかな??アタシも気になる事が1つある・・・
「さっきから艦長とはなしてるのをきいてたが。なぜ、艦長とさいごまで共にありたいと言いながら、コイツらのまえで退艦すると言った、なぜだ?ニ心有りや無しや?!」
「それは、じぶんが艦長のぎそうをあずかる者として職務まっとうするのはとうぜんです。しかし、ごめいわくを掛けたなら降りてせきをゆずるべきかと。それが艦長の為にも、コイツラの為にも・・・。」
「そんな事は無いよ。あたし、ちっとも迷惑なんて思って無いよ操舵長さん!!」
「艦長・・。」
「あなたは責任者として、アタシの命を大事に考えて舵取りしてくれている。攻めは大胆に、索敵は慎重に、避ける時は脱兎の如く。おかげで、アタシは今までひどい目に遭わず戦い抜いて来れたよ?」
「でも、それってアタシ一人で出来たかな?水兵妖精さんがいれば何とかなったかなあ?ここ最近の大規模作戦は、司令妖精さんだけいればアナタ居なくても何とかなったかな?」
「艦長それは、・・いや。」
「アタシは、アナタが居たからここまでまやってこれた。北方行ったり、あちこち護衛に行ったり、テストしたり・・・。いつも、いつでもアナタが舵を握っていてくれたから安心できた。穏やかに・冷静に考えられた。アナタがこれからも一緒に居てくれれば何も怖くない!だから、アタシから降りる何て言わないで!!」
アタシは、アタシの気持ちを真っ直ぐ伝えた。いつも自分にも周りにもひたすら厳しく。でもこの子が舵を握ると、敵弾をことごとく躱し最適なコースへ導いてくれる。アタシが生き残る未来へ繋げてくれる。そして、部下の水兵さんに自分の技術を伝え、熟練妖精さんを育ててくれる。この子はこの艦の要だよ。私にとっても安心の拠り所だよ。
「おい!操舵長!!女を泣かせるなんて妖精の風上にも置けないぞ?どうするんだ??」
「艦長・・、私が、オレが舵を取るいじょう、なにがあってもアナタをしずめさせません!ぜったいに母校へ返してみせます。これからもずっと!だから一緒にいさせて下さい!」
「ありがとう!うん!!ずっと一緒に戦っていこうね。ずっと一緒だよっ。」
アタシは嬉し涙が止まらず操舵長妖精さんを抱きしめて、その頬にチュッと・・・。
・・・ちょっと恥ずかしい。
司令妖精さんや、水兵妖精さんが(なま)温かいめで見守ってくれた。
「よし、今日は休もうね。そしてあと数日教練で作戦開始だよ!!」
翌日から、再び時間の許す限り教練を積んで作戦に挑む事になった・・・
そして、大規模輸送作戦が始まった。アタシは第4輸送団の団長だ。
「おう!ウサギっ娘、宜しくな!!」
「長波ちゃん、宜しくねっ。知ってる娘が一緒で嬉しいよ!!」
アタシの僚艦の一人で長波ちゃんだ。勇猛果敢で鳴らした腕っぷしのある娘だよ。サポートにはこれ以上無いくらいの娘だ。
早速、アタシ達は先発していった部隊と連携しつつ、資材満載の船団を率いていく。アタシが周囲警戒、長波ちゃん以下僚艦がしっかり護衛として輸送船に張り付くやや変則的な輪形陣だよ。
ここまで先発隊の娘達には被害は出てしまったものの、輸送出来た資材や物資の量で言えば順調に進捗していた。
しかし、いつまでも深海棲艦としても戦線を盛り返される訳もいかず、反抗作戦を取ってきた。あと少しで泊地のある湾へ差し掛かるときだった・・・。
「ん、、!!。長波ちゃん、皆!敵機襲来だよ!!」
「おう、いくらでも撃ち落としてやるよ!!あと潜水艦の奴等にも気をつけなよ!!」
「待って、やっばいよ・・・。敵戦闘機、、多数、いや数え切れない。・・・たぶん100やそこらじゃないよ。ざっくりで300は居るよ。」
「へっ、上等だよ・・。タコヤキでもカラスでも何でも来てみろ!片っ端から相手にしてやんよ・・!」
一身之れ胆を行く長波ちゃんでも冷や汗が止まらない。
他の僚艦の娘も青ざめはじめている。
資材満載の輸送船を庇いながらなんて早晩、結論が見えている・・・全艦轟沈。運良く辛うじて一人二人が意識不明の大破で生き延びられるか。
アタシは、直ぐに緊急伝を泊地と鎮守府に飛ばす。何とかなるかはわからないが、生存率を上げよう・・・。
アタシの各種艤装に詰めている、妖精さん達も司令妖精と操舵長妖精が指示と檄を飛ばす。
「艦隊戦は無い!魚雷は勿体無いが全部捨てろ!誘爆避けて、身軽にするんだ!」
「ぎょらい班は、きじゅう班・ダメコン班の加勢だ!でんたん班、みはり班お前たちの目がカギだ。小さなコトも見逃すな!!」
「どっからでもこい!」 「やるぜ!」
「かえりうちだ!」
次々と威勢の良い声が聞こえてくる。
この子達を何としてもと思う。艦娘としては自分の妖精さんと一蓮托生の部分が有る。自分を補佐する妖精さんが潰えた時は自分も・・・。
あっと言う間に深海棲艦の泊地や空母からであろう敵航空隊で空が黒く昏くなり、海は赤く淀みうねる。輸送船は最低限の護衛を付けて泊地へ一足先へ向かわせた。あわよくば逃げ切れたら・・・。
しかし、無情だった。アッという間に輸送船本体は食い付かれ全てが水底へと・・・護衛に付いた娘達の傷ついていく悲鳴が!!
もう、これ以上ボッチは嫌だ!!みんなと生き抜くんだー!
アタシの機関が一気に臨界点に。全速で傷付き今にも沈みそうな娘達向かう!
「あ、バカ!!間に合わねぇ。無理すんなっ。・・・・うわっ!・・とっ、ウザイ奴らだ、落ちろや!」
長波ちゃんがアタシを止めようとするが、速力の差がありすぎた。長波ちゃん自身、駆逐艦の中でもハイスペックモデルと言われているけど、それでもだ。
しかも、長波ちゃんにも敵機が纏わり付き出した。
「大丈夫、みんな!!・・・っ」
急ぎ駆け付けたものの駄目だった。すでに・・妖精さん達が潰え、彼女達の機関が・・・命が冷えていく。
「このやろーっ」
アタシはなおも頭上をうるさく飛び回る戦闘機群を、睨み機銃、連装砲ちゃんがバタバタ撃ち落とす。
アタシの妖精さんたちも彼女らの最期を見届けた後、弔い合戦では無いが防空戦へと意識を集中する。
次から次へ敵の艦爆隊や艦攻隊からの攻撃を受けるあたし、それを操舵長妖精が巧みにアシストしてくれる。機関と連携しつつ、次々躱す。
「おらおら!オマエらにはしょうじゅんが付いてんのか?艦長はそんなに、おっそーいんじゃカスリもしねぇぞ!」
「操舵長みごとだな。だか、いつまでも艦爆や艦攻だけじゃすまなくなってきたな。」
「・・・そうですね、さっきから戦闘機のハエ共が様子見に来てますね。」
「削りに来始めるぞ、覚悟だな・・・。」
「まだ、諦めちゃ駄目だよ!泊地から少しだけど戦闘機の直掩出たみたい、頑張ろうね。水兵さん達も諦めたらだめだからねー。」
「うらぁ!」 「タコヤキども、よるんじゃない!」
機銃班、連装砲ちゃんに陣取る砲撃班も、砲身がどうにかなるのでは?と言う程に打ち続け、敵機を薙ぎ払う!!
しかし、、
ドーンッッ!!!!
ひときわ大きな爆発音と水煙、あの方角は長波・・・ちゃん?!
敵の猛攻を掻い潜り辿り着いたそこには、真っ二つに破損した艤装だけが残されていた。爆発もしないという事は全弾打ちつくして、燃料も?それでも戦闘海域に?
「くぅっ・・・・ひっく、っく・・」
戦場の真っ只中で泣きたくなる衝動を血が滲むほど歯を食いしばって耐える。妖精さん達も下を向きあるいは目深に帽子を被り最敬礼する。来世があればお友達でいて欲しいなと願い・・・。
とうとうアタシだけになり、また爆弾や魚雷では効果が無いと判断し、戦闘機が大挙して襲い掛かる!!
次々と機銃掃射で艤装を狙われる。
パンっ! チュンっ! バババリッ!!
痛みと、共に妖精さんが討たれていく感覚が伝わる。
みるみるうちに機銃や連装砲ちゃん、電探等にダメージが入り始める。
「っ!」 「かっ!」 「ちくしょ・・・」
「・・だちょう、お幸せに」
バタバタと倒れる妖精さん。私にもどんどん痛みが蓄積し始める。でもまだ、倒れる訳には。
「艦長はオレたちが導くぞ・・いいな。なんとしてもだ!たすかる奴はきゅうご・ダメコン班たのむ!」
「「オウッ!」」
まだ、士気が高い。力が、また戻ってくる。
けれど、何時までも持つとは・・・。
体制を整えた敵群が襲い掛かる。雷撃・爆撃でアタシの行動範囲を狭めてくる、当たらずも邪魔できればと言う事か。
「当たるかぁぁ」
「好きにはさせんぞ!」
司令と操舵長が必死に計算しアタシの最適航路を弾き出す。
やっと直掩がフォローに来てくれた。
しかし、多勢に無勢で多少の悪あがきである。アッという間に、敵戦闘機に叩かれる。
そして、次々と機銃掃射で撃ち抜かれる。連装砲ちゃん達は煙を上げ、もはや付いてくるだけの状態で妖精さん達は駄目だろう。
機銃・単装砲もほとんど使い物にならず、妖精さんの生気を感じられない。ゴメンねみんな・・・。
「まだ、まだだ!ヤラレはせんよ。・・・操舵長ちょっと後を宜しく頼む。」
「!!、司令どちらへ?」
「ちょっとめんどうを見てくる・・。・・くれぐれも、よろしく、頼むぞ!」
「ちょっと、司令!お待ち下さい、司令ぇ!」
「司令さん、駄目だよー!持ち場へ!!」
アタシと、操舵長が制止するも、銃弾激しい機銃配置箇所へ向かう。
「おまえたち!こんな、ッ、たこ焼き落とせないとはまだまだだなちょっと貸してみろ!」
「えっ?司令?!」 「しれいどの!」
流石にこの状況に来て、指揮官先頭をするとは思わず呆気にとられる水兵さん達。
「ぼさっとするな!箱でも土のうでもしっかり積め!お前は、弾を切らすな、掻き集めろ!!」
猛攻を受ける中、檄を飛ばし自らはトリガーを全力で引き、タコヤキを蹴散らしていく。
「艦長には、何としても生きて貰う!オマエら、何としても、追返すぞ!」
「っはい!」
唸りを上げる敵の機銃掃射に傷つき1人ひとりと倒れながらも防戦する機銃班。アタシも行き足を落としながらも回避運動を行いつつ機銃に有利な体制を整える。
しかし、機関能力が低下し回避運動が鈍くなった時・・
とうとう、完全に狙われてしまった!!
敵戦闘機があざ笑い、機銃を横一文字に掃射した!
後続も次々と同じ射線でアタシを撃ち抜いた!!
「っきゃあっっ!い、痛っいっ、ぅぅ……。」
気を失いかける程の痛みが襲い掛かり、艤装も強度の限界を超え損傷が酷いっ!
そして、あるはずの機銃指揮書は大破し、完全に沈黙。
妖精さん達の気配が・・・
一人も無いと?ウソっ!嘘だよね?
・・砲撃班?・・・機銃班?・・・・見張り員?
司令、よう、せ、い、さん?
返事は?ねぇ、返事をしようよ?はーやーく!
返事おっそーいのは、だめ・・、なんだ・・・よ。
ねぇ・・・司令さん?そう、でしょ?
あなたが、約束破りしたら・・示しが付かないよ?
「ダメコン班からです。外部要員は全滅・機関も能力が
半分まで低下、行き脚の鈍り方が止まりません!!」
操舵妖精さんに伝えられた。そして司令妖精だった赤く染まった軍服の端布を見せられた。嫌でも現実を突き付けられた。そっと手を合わせる。そして、皆に伝える。
「・・・さあ、ここまでみたいね・・操舵長。アタシ沈むのかな?」
「艦長!!何を言うのですか?!私はアナタを絶対に沈ませません!何があろうとも、絶対に!!」
「アタシだって嫌だよ?怖いよ!・・・でもアナタが沈むのはもっと嫌だ!アタシは、いつか何処かの提督さんが建造してくれたら良いけど、アナタ達の此処で蓄えた技術は海に沈んで消えちゃうのよ?アタシの想いもあなたの想いも。だからね、艦長命令として退艦命令を発令するわね」
「艦長?へ?体が・・・強制的に?!何するんですか?そんな事したら・・・✕✕✕✕✕✕○○○○○!!」
何とか着いてきた、浮き輪付連装砲ちゃんに、生き残った機関部妖精と操舵長妖精さんを強制的に送込む。そして、一番近い岸辺へ全速力で送り出す・・。
これで、あの子もアタシの想いもきっと・・・。
次々と四方八方から撃ち抜かれる痛さと熱さと沈む怖さを、あの子達の無事と新しい“アタシ”に巡り会える事をひたすら祈り、命が尽きる恐怖を打消しながら、やがて意識を亡くし沈んだ。最期にアナタの声を聞きながら。
・・・オレは、貴方と共に居たい!オレがアナタの舵を取れる水先案内人。唯一“絶対”無二の妖精なんだーーー!!!!
カーン、カーン、カーン。教練終了の鐘の音。
ここは、江田島の艦娘教練学校。
アタシは今、教員としてこの地に居るよ。
あの大規模作戦で沈んだはずのアタシは奇跡的に助かっていた。妖精さんも居なく、女神さんも修理妖精も居ない中大破轟沈したはずだった。
助かったものの、艤装やあたしの体自体が無理ができない体となってしまい、戦闘要員からは外れて駆逐艦の娘や軽巡のお姉さん達、新任艦の教練指導員として勤務しているんだ。
「さあ、教練はここまでだよー。よーく復習するんだよ?鹿島さん達のテストはすっごーく厳しいからね。」
「きょーかんに敬礼!、ありがとうございましたー。」
元気な声のする中、反対側の水練区画では大発艇を使った模擬戦闘訓練をしている。教官は・・アタシの操舵長と機関長妖精さんだ。
妖精さんたちの世界も訓練が大事だ。彼らの資質が艦娘の能力や生存率を左右する。
「ばっかやろー!そんなんでオマエたちの大切な艦長を守れるのかー!命賭けて護れんのか!」
「いいか、やつらのなまくらなばくげきや、らいげきは、こうやって舵を返すんだ?いいか?一瞬の判断だ!」
「ん?・・!!・・・まあ、す。好きな人を護りたいと思えば、ど、どうって事ぁないぞっ」
アタシが遠くからニコニコ観てたのを気付いたらしい。手を振ってあげよ〜〜
・・・あ、新兵妖精から生暖かい目で見られてる。もじもじしちゃって、かーわいー(笑)
あの時・・・。アタシが沈んだ時、彼は自分の無力を泣き叫び吠えて、それでも私の沈むのを食い止めたい一心で、皆の全力の静止を振り切り救命カッターちゃんを飛び出し、海の底へと飛込んだ。アタシを助ける為に。それは不思議な力だったと言う。妖精さんの世界ですらも奇跡とただ驚くばかりだったみたい。
アタシを奇跡的に引き揚げてきた彼は、私の身体と艤装を機関妖精たちと自分の全力で機関に火を灯し復活させたとの事だ。このせいでアタシ同様、海戦時に艦娘と力をリンクさせる力を無くしてしまい、指導員妖精として勤務しているんだ。
お昼休み、食後の桟橋でのんびりするあたし達。
アタシは彼をあの時のように膝に載せ抱きしめる。これからも一緒に居ようねと。愛おしく気持ちを込めて。
優しく穏やかな風が、あたしの髪を優しく梳いて行った。
最後までお読み頂きありがとうございました!
妖精さんの『平仮名』対『漢字』の比率ですが、下っ端水兵さんは少なめ、司令や操舵長は多めで書き分けてます。
司令妖精さんは、実際に司令官が乗船してました。
最期は、壮絶なモノだった様です。
操舵長=艦長は実際にメチャクチャ怖い人でしたが、操舵技術は凄腕で鳴らした人だった様です。
物語同様に生き残り、戦後は教師として第2の人生を歩み、そこでも鬼教師として、生徒を震え上がらせた様です。
また、次も懲りずに書いていこうかと考えています。
次話も、お付き合い頂ければ幸いです。