ドラゴンボール・Z ありえたかもしれないもう1つの未来 作:Humiya
「それじゃあ、行ってきます。悟飯さん」
僕は足元にある小さな花から立ち上がり後にする。ここは家の近くにある海の見える丘。あれから過去へ行く準備をしたり改めて過去で何をするべきかを母さんと話した。その中で僕はこの綺麗な丘に悟飯さんのお墓を立てることにした。
今日は過去に行く日。僕は身だしなみを整え母さんのいる作業場に向かった。
「あら、トランクス。準備は終わった?」
「はい。いつでも行けます」
そうだ、と母さんは奥に行き何かを取ってきた。
「はい、これ」
僕は母さんが渡してきた赤色の鞘に入った剣を見る。これは悟飯さんが死んでから武器を持っていた方が何かと役立つと思い特訓をしていたものだ。
「少し刃こぼれしてたから磨いといたわ。やっぱり素手だけよりも剣を持っておいた方が心強いでしょ?それに折角鍛錬したんだし!」
母さんは剣に付いていた紐を僕に結びつけてくれる。そのまま僕のことを抱きしめてくれた。
「いい…トランクス。無茶はしないこと。それと自分の正体はなるべく秘密にするのよ?」
「わかってます。でも、やっぱり過去の母さんや父さんに会うのはとても楽しみで―」
僕のその言葉を聞いて母さんは微笑む。
「そうね。多分ベジータと話したら母さんが言ってたことがわかるんじゃないかしら」
そう言いながらカプセルの入った箱を僕の胸ポケットに入れてくれる。ひとつは悟空さんの病気の特効薬だ。
僕はタイムマシーンに乗りどの時間の過去に行くか設定する。その間に母さんはタイムマシーンの燃料をセットしてくれた。いよいよ過去に行くときだ。
タイムマシーンの天井が閉まる。
「では行ってきます。母さんお元気で!」
「行ってらっしゃい。必ず無事に帰って来てね!!」
僕はタイムマシーンのエンジンを最大限に上げる。マシンは甲高い音を上げタイムスリップの体制に入る。
僕は母さんに向けて手を振り母さんも振り返してくれたことを確認し、レバーを一気に引く。
目の前が徐々に白くなって行き、母さんの姿が次第に見えなくなる。
気がつくと見たことない景色が広がっていた。しばらくすると青い空が見えてきた。
下には広大な大地が、未来では今はもう少ない自然の豊かな色が遠方に見えた。
僕はその景色を見て、無事に過去に辿り着くことが出来たのだと確信した。
辺りを見渡すと巨大な気が2つ近くにあった。母さんの言っていたフリーザ親子だろう。事前に渡されていた時計でこの時代の時間を確認する。
(悟空さんが到着するまであと3時間もある!?)
本来ならばフリーザ達は悟空さんが倒しているはず。どこかでズレが生じてしまい予定よりも早い時間にタイムスリップしてしまったらしい。
僕は気を消しながらフリーザ達に近づく。ヤツは手下に地球人を皆殺しにして来いと命じていた。その言葉を聞き、僕の身体は咄嗟に飛び出していた。
フリーザの命令を受けて飛びあがった兵士を常人では見抜けないであろう速度で抜刀し首元をはねとばす。
そいつらの死体はフリーザ達の横に落ちていった。ヤツはこちらを向いて、
「何かようか用でもあるのか、地球人?」
ヤツはそう聞いてきた。用ならたったひとつ…
「お前達を殺しにきた」
「今なんと言ったのだ?」
どうやら、僕の言葉に驚いてよく聞こえなかったらしい。それならばもう一度言うだけだ。
「お前達を殺しにきた!」
するとフリーザは何も知らないとは…と、僕の再び発せられた言葉にヤツら親子はこちらを嘲笑う。何も知らない事はいいことだ?僕の味わった苦痛も知らないくせに…。
「知っているさ。お前、フリーザだろ。別に驚くことはない、お前のことならなんでも知っている。」
「光栄だな。しかし、この僕が宇宙一ということはしらな―」
「お前がここで死ぬことも知っている」
僕がヤツの言葉を遮り殺す宣言をすると、流石のフリーザも少し表情を歪めた。いい加減ヤツも本気になったかと思えば、部下に指示を出して自分では戦わないらしい。
「お前達!無駄なことは辞めた方がいい。お前達もここで死ぬのだから…」
僕の言葉にフリーザの手下は進む足を止めこちらに向かってくる。
目元のスカウターを操作しこちらの戦闘力を測ってるようだ。
「戦闘力たったの5か。ちょっと痛いけど我慢しな!」
腕につけてるブラスターを構えエネルギー弾を放ってくる。僕は手を突き出し弾を弾き飛ばす。撃ってきたヤツは驚きの表情を出しながらも信じられないと言った様子で更に連続で弾を撃ってくる。
全てを弾きヤツが射撃を止めた瞬間、一気に接近しヤツの顎に肘をくらわせる。そいつは大きく吹き飛び、飛行船の足部分に身体を叩きつられ死んだようだ。
「この野郎!」
「生意気なぁ!」
一人が死んだことで他の部下全員がこちらに掛かってきた。剣の柄に手を伸ばし全員の首元を狙い抜刀した。切られたヤツらは自分が殺された事にも気付かぬうちに死んだだろう。
1人残っていた兵士も恐怖のあまり後ずさりして戦意喪失していた。だが、次の瞬間フリーザのヤツは使えない部下はいらないとでも言うかのようにその兵士の腹を手で貫き殺した。
許せない。そうやって簡単に命を消して自分のことしか考えない、まるで人造人間達の様なヤツは僕が消す。
「いい事を教えてあげようか。中途半端か力に付けたヤツは返って早死にするんだよ」
「お前のようにか?」
「な、なんだと!?」
どうやらまだ僕と自分の力の差がわかっていないらしい。そんな風に驕り初めから本気を出さないから、悟空さんに負けたんだ。僕や悟飯さん達は一瞬たりとも油断する時間なんてなかったって言うのに…!
「そんな姿にまでなり果てて、よくもおめおめと地球まで来られたもんだ。わざわざ殺される為に」
「パパ、やはりお仕置が必要だね」
「お前をここまで侮辱するとは…。それだけで死刑に値する」
ようやくフリーザが戦う気になった様だ。
「初めから全力でかかってくるんだな。僕は孫悟空さんのように甘くはない!」
孫悟空という単語にフリーザは反応する。実際に僕もあったわけではない。でもこんなヤツを見逃す様な人ほど僕は甘く修行されてない。
「フリーザ、お前達がさっき言ってた事は現実にはならない。誤算だったな」
「なぁに、地球のゴミ共を大掃除するぐらい僕ならあっという間に終わらせてみせるさ」
「そうじゃない…」
ならさっさと本気を出してもらおう…。
「はぁあああ!!!」
僕は気を一気に最大限まで上げる。辺りの大地は揺れ、その揺れと同様にフリーザ親子達も動揺してるようだ。
「たぁぁ!!」
そして僕の髪は逆立ち色は金色になり身体を纏うオーラも髪と同じ色に染め上げられ、僕は超サイヤ人に変身した。
「超サイヤ人は孫悟空さんひとりじゃない。ここにも居たと言うことだ」