ドラゴンボール・Z ありえたかもしれないもう1つの未来 作:Humiya
では、どうぞ!
そうして僕はフリーザ親子と対峙し、2人とも倒すことが出来た。しかし、タイムマシーンの異常で父さん達と出会ってしまった。
孫悟空さんとは無事に会うことが出来、自分の秘密も他言無用とし悟空さんに伝え、病の特効薬を渡すことが出来た。
そこで知ったのだが、フリーザ親子は悟空さんが倒すつもりだったらしい。
この異常が何事もなければいいんだけど…。
とにかく悟空さんに薬を渡し、ちょっとした手合わせも出来た。きっと悟空さんなら人造人間を倒し未来を平和にしてくれるだろう。
僕は平和になった未来を期待しタイムマシーンで未来へと帰還した。
そうして未来へ帰ってきた僕は自宅の作業場から外に向けて駆け出した。でも僕の視界に広がっていたのは前と変わらない景色だった。更に周りの気を探っても悟飯さんの気を感じられない。
やはり未来は変わらなかった…。
「あら?トランクス」
「母さん、ただいま」
母さんが笑顔で迎えてくれる。きっと母さんもわかってたんだろう、過去を変えても未来が変わらないことを…。僕のことを優しく抱きしめてくれたから僕の胸が暖かさでいっぱいになった。
「どう?ちゃんと孫君に渡せた?」
「はい、悟空さんにしっかりと渡しました。でもタイムマシーンの異常で昔の母さん達やフリーザ親子は僕が倒してしまいました」
母さんはちょっとだけ驚いた顔をしてたけど、やっぱりね…とタイムマシーンを見つめながら呟いていた。
「母さんは過去を変えても未来が変わらないことを知ってたんですか?」
「そうね。知ってたと言うより、察してたって感じかな。トランクス、未来も過去もひとつじゃないのよ」
そこから母さんは未来や過去のことについて前よりも深く教えてくれた。教えてくれている母さんは少し楽しそうで、こんな母さんを久しぶりに見れて少し嬉しくなった。
けど、
「やられっぱなしじゃ悔しいじゃない?だったらあの人造人間達をやっつけてうんと平和な未来があってもいいじゃない」
そう言う母さんの顔はやっぱり悲しそうで…。母さんの表情を見て僕は悟空さん達の手伝いに向かうと決めた。
*
そうして再び往復分のエネルギーを貯め、過去に向かった。けれども再び向かった過去は前とはだいぶ違っていた。
まずその時代には人造人間が三体も増えていた。その内2体は父さんや悟飯さん達のお陰で倒していたが、17号と18号は俺が知っている2体とは強さが違っていた。
そして何よりも違っていたのはセルと呼ばれる人造人間だった。そいつは未来から母さんのタイムマシーンを使ってこの時代に来ていたのだ。
けど、そのタイミングで悟空さんが心臓病から快復し俺たちを『精神と時の部屋』に連れていってくれた。
人数や時間の関係上俺は父さんと入ることになり、精神と時の部屋の1年間を父さんと過ごせたのはとても嬉しかった。でも…父さんは修行を終え超サイヤ人を超える力を得たことでセルに完全体になるのを許してしまった。
「父さんは間違ってる!アイツを完全体にさせてはいけないんだ!」
「情けないやつめ。どう強くなるか見たいとは思わんのか」
父さんはそんなことを言った。父さんが誇り高きサイヤ人の王子であることは母さんから沢山聞いていた。だから戦闘民族の血がセルの完全体を望んでいるのだろう…。
だからと言って母さんとの過去を平和にする約束を破っていいわけがなかった。
そうして俺は完全体になろうとしているセルと父さんを全力で止めた。しかし、父さんの実力とクリリンさんが18号の自爆装置を破壊していたことによりセルは遂に完全体となってしまった。
ヤツは『セルゲーム』と言う名の武道大会を開きそこに集まった戦士に地球の未来を委ねさせた。
そうして開催されたセルゲーム。悟飯さんの覚醒、悟空さんの犠牲によりセルは完全に倒したと思っていた。だが、爆音と共に土煙から一筋の閃光が迸ったかと思えば俺はそこで意識を失ってしまった。
気がつくと全ては終わっており、話を聞くに俺はセルの攻撃によって1度死んでしまったらしい。
でもその時父さんは俺がやられたのを見て一心不乱にセルを攻撃したと聞いた。俺はその事がとても嬉しかった。
*
セルゲームの翌日俺は未来に帰ることにした。早く母さんにこのことを伝えたかったから、そして安心して欲しかった。
「じゃあ、元気でね」
「はい!」
過去の母さんと握手を交わしタイムマシーンに向かった。
そうして見送りに来てくれた人達を見渡すと父さんがいた。父さんは言葉こそなかったけど、ジェスチャーで俺のことを見送ってくれた。
「さようなら〜!!」
浮上し続けるタイムマシーンの中で最後にもう一度だけ手を振り、別れの言葉を口にした…。
しばらくすると視界が現実世界でいっぱいになった。俺はすぐさまタイムマシーンから降り母さんの元に向かった。
「ただいま、母さん!」
「おかえり…」
母さんは俺が随分変わってることに驚いたんだろう。少し間を開けてからこちらに向かってくる。
「あらあら、随分と身長が伸びたんじゃない?あと髪の毛も」
「はい。昔悟飯さんと入った『精神と時の部屋』が向こうの世界にもあって、そこで修行を沢山したんです」
「で、どうだった?その顔を見るといいことがあったみたいだけど」
「はい!」
俺は母さんが入れてくれたコーヒーを頂きながら、向こうであったことを沢山話した。
「それで俺がセルに殺された時父さんは真剣に怒ってくれたそうです」
「で、でしょ!?だからそう言ったじゃない…」
どこか母さんの様子が変だったけど、これで全てが終わった。
いやまだだ1番肝心なヤツが残っていた。
俺はそいつに向け更なる特訓をしようと決意した。
*
そして月日が経ったある日。世界は人造人間の脅威から解放されしばらく経ち、徐々に建物の復旧なども進んで来ていた。
リビングでそんなニュースを見ながらゆっくりしていた俺は、ピクリと自分の身体が何かに反応したのに気がついた。ヤツが、セルがどうやら第一形態ほどになり町にやってきたのだろう。
「母さん、ちょっと出掛けてきます!」
「あんまり、遅くならないでね〜!!」
俺は玄関から出ていき作業場の近くに向かった。セルの気は俺の近くにあり身を潜められてると本人は思っているんだろう。
「そこにいるのはわかってるぞ、セル!」
「なにぃ!?」
ヤツは建物の影からゆっくりと出てきた。俺がヤツの事情や居場所を知っていると分かり警戒しているのだろう。
「俺を殺し過去に行って、完全体になろうとしているんだろ?だが残念ながらその計画は失敗に終わる」
「なんだと!?貴様如きに俺様が負けるか!貴様の実力はスパイロボットでわかっているぞ」
ヤツは俺が以前とは比べ物にならないパワーアップを遂げていることに気が付いていないようだ。
「ここではマズイ、折角再建が進んできたところだ。場所を変えさせて貰うぞ!」
俺は気の衝撃波でヤツを郊外の草原まで吹き飛ばした。俺はそれを追いかけヤツの近くに着地した。
「青二才が…。俺様を倒そうとはとんだお笑いものだな」
「どうかな…」
超サイヤ人となり戦闘態勢に入る。絶対にヤツを過去には行かせない!
俺は気を全開に出し勝負を一瞬の内に決めることにした。
ヤツの攻撃を悉くいなし、身体に攻撃を与えヤツの尻尾を掴み豪快に空へと投げ飛ばした。
「か―め―は―め―波ぁぁぁ!!」
「完全に消え去ってしまえ!セルーー!!!」
「なにぃ!?」
ヤツの放った渾身のかめはめ波を全て呑み込む程のドーム状の気功波を放ちセルとともに上空で爆裂した。
「ちくしょおぉぉぉぉぉ!!!!」
セルの断末魔が聞こえなくなった頃にはヤツは跡形もなく消え去った。これで本当に全てが終わった。ありがとう、みんな。ありがとう悟飯さん…。
だがこの時の俺は知る由もなかった。更なる脅威が地球に迫っていることに…