ドラゴンボール・Z ありえたかもしれないもう1つの未来 作:Humiya
では、どうぞ!!
ある平野の地下…
中は暗く、明かりがほとんどない中不気味に光る紫色をした物体が脈打っていた。
「ようやくエネルギーを貯めることが出来たよ。全く人造人間とか言う奴らには困っちゃうなぁ〜。ね?ダーブラ」
「そうですな。私がバビディ様にもっと早くから協力出来ていれば人造人間などこの手で破壊したのですが…」
「まぁしょうがないよ。結果的に集まったからいいのさ〜」
魔道士バビディ。ヤツはビビディが作り出した最悪の生命体『魔人ブウ』を復活させるべくエネルギーを地球の人間から集め、今復活に必要なエネルギーが全て集まったのだ。
「よぉ〜し、いでよ魔人ブウ!!」
紫色の物体から更なる光が溢れ出し、物体が2つに割れ中からとてつもない気を持ったものが出てきた。
「ブウー!!!!」
こうして魔人ブウは復活を遂げてしまったのだった…
*
「トランクス〜?」
母さんの呼び声と共に目を覚ます。俺は悟飯さんのお墓の横に育った大きな木の下で心地よい風を感じながら横になっていた。
「はい」
「それじゃあ行きましょうか」
今日はある街の復旧作業の手伝いをする日だ。人造人間による破壊工作がなくなり街は随分と元の風景に戻りつつあった。
そんな中で大きなビルを建設すると、そこで母さんの力を借りたいとのことで危ないから俺も一緒について行くことにした。
「トランクス、わざわざついて来てくれなくても良かったのよ?」
「いえ、俺が行きたいだけですから。それに何かあったら母さんだけじゃなく他の人の手助けも出来ますから。」
偉いわねぇ〜と母さんは俺の背中を叩く。偉くなんかはない。悟飯さんが守ってくれたこの世界を今守ることが出来るのは俺しかいない。だから、こうして些細な危険な事からもみんなを守らなくちゃ。
しばらくして建設を予定している街に着いた。あちこちから工事音が聞こえ、車が右から左へと沢山走っていた。何度か街の復興に協力した事があるが、街が復旧していき人々の活気が溢れてくる光景はいつ見ても嬉しい。
母さんは作業員の人と工事の話をしているようだ。やっぱり母さんは作業している姿がとても似合う。俺は当たりを見渡し作業の邪魔にならない位置に移動する。俺はそこで母さんの仕事の見守ることにした。
ゾクッ……
突如何か気持ち悪いものが背中をなぞった。勿論物理的に背後に何かあった訳ではない。俺は急いで辺りの気を探ると遠方に今まで感じたことのないものを感じる。
とりあえず母さんの元へ飛んでいく。仕事の方は半分以上終わってるようだ。
「母さん、少し出掛けて来ますね」
「そう。もう少しで終わるから大丈夫よ」
俺は頷き、気を感じた方に全速力で飛んでいく。
再び地球に危機が迫っているのなら、俺が今度こそ誰の犠牲もなく地球を守らなければ…。
*
辺りには何もない荒野へと降り立つ。ただ1つ白色の奇妙な形をした建物だけが建っていた。
ゾクゾクとその建物からさっき感じた気が流れ出てきている。
「もぉ〜言うことを聞け、魔人ブウ〜!!」
誰かの声が聞こえる。もう1人の人物に何かを話してるようだ。つまり敵は2人…、だが大きな気を感じるのは片方だけだ。
「ブウゥーー!!」
「な、なんだ誰かいるのか!?」
突然何かが飛び出して来た。体はピンク色で丸みを帯びており、あまり素早く動くのが得意そうではないように見える。が、俺の体は既に臨戦体勢に入っていた。
それもそのはず、不気味な気の正体はヤツでありビリビリと肌で危機を感じ取っている。
「誰だ、お前達!」
俺がヤツらに声を掛けた事により後ろの小さいヤツがこちらに気づいた。
「う〜ん、誰だおまえ〜見たことないやつだな」
「俺の名前はトランクス。この世界を守るものだ」
俺たちが話をしている間にもピンク色のヤツは表情を変えずにこちらを見てくる。
「お前つよいのか?」
ピンク色のヤツが俺に聞いてくる。ニコニコと笑っており不気味な雰囲気を放っている。
「戦ってみればわかるさ。かかってこい!」
俺は超サイヤ人に変身し、構える。
「バビディ…様、あいつと戦ってもいいか?」
「うん?勝てるのか魔人ブウ?ちゃんと戦わないとまたあの中に閉じ込めちゃうぞ〜!」
魔人ブウと呼ばれたヤツは数回頷き、自信があるように両手をあげてブゥーと声を出す。しょうがないなぁ〜ともう1人の人物が戦うことに許可を出したようだ。
魔人ブウがこちらに再び振り向いた時周りの空気が一変した。まずはこちらから仕掛けて見るか。
俺はその場から駆け出し一直線に攻撃を仕掛けるように見せかける。
高速移動し魔人ブウの真上から拳を繰り出す。
攻撃は当たった…。当たったが感触はとても柔らかくヤツの顔は凹み俺が距離を取って着地したがヤツの顔を見てみると形が元に戻っている。
「おおぉー」
魔人ブウは俺に向けて拍手をしてくる。あまり力を入れた攻撃ではなかったものの全く効いてないなんて…。
俺はその悔しさを感じながらも次々に攻撃を仕掛けていく。ヤツの顔や腹に連続して拳や蹴りを放っていく。
「へへーん。そんな攻撃じゃ魔人ブウはびくともしないよぉ〜ん」
バビディというヤツは魔人ブウの後ろで立っているだけだ。さっきの会話から魔人ブウを従えているのはこいつなのだろう。
バビディの方気の感じから見た目通りの強さであると考えられる。
「お前の攻撃もう終わりか?じゃあオレから行くぞ」
言葉通り今度は魔人ブウの方から仕掛けて来た。右、左と拳を放ってくるが見切れないスピードではない。俺に当たるかギリギリのところで躱せているが反撃の隙がない。
「ぐあっ!!」
反撃の機会を伺って回避に集中出来なくなった隙に攻撃を貰ってしまう。吹き飛ばされたが俺は地面に手を付け体勢を立て直す。
またもやヤツは拍手をする。油断している今なら!
「魔閃光!!!」
急襲の魔閃光を撃ち放つ。俺の放った魔閃光は魔人ブウに直撃し大きな爆発を起こす。
舞い上がった土煙が晴れた後には魔人ブウの上半身が消し飛んだ下半身だけが残っていた。
「魔人ブウー!!!」
先程は余裕だったバビディも焦った様子を見せていた。俺も少しは手応えを感じたが、ヤツの気は少ししか減ってない。
少しすると周りからピンク色の小さな塊が魔人ブウの下半身に集まりなんと魔人ブウの上半身を形成した。
「ブウゥーー!!!」
「何!?」
魔人ブウは見事に復活し、ニッコリと笑顔を作った。バビディもホッとした様子を見せていた。
「お前、中々やるな。ちょっと楽しくなってきたぞ…」
ヤツの不気味な笑顔に嫌な予感を抱く。
俺は更に気を解放し、ヤツとの戦いに命を掛ける覚悟をした―――