ドラゴンボール・Z ありえたかもしれないもう1つの未来   作:Humiya

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前回より少しだけ間が空きましたが、久しぶりのバイトで疲れてしまってあまりに進まず、ちょっとだけ遅くなってしまいましたw

ではどうぞ


第3話 命を賭す

トランクスに超サイヤ人の兆しが見えてから数日経った。今日はブルマさんに頼まれタイムマシーンの材料を探しに隣の都を目指して空を飛んでいる。

タイムマシーン作りの進捗はあまりいいとは言えないだろう。俺には専門的な知識はないが、世界のあちらこちらが破壊されてしまった今、物資不足や調達は困難だと思う。

 

「そろそろですね。悟飯さん」

「そうだな」

 

隣街と言ってもそこそこの距離がある。舞空術を使わなかったら中々時間が掛かるはずだ。ブルマさん1人で探しに行くより俺達が行った方が危険はうんと少ない。ただ俺達はブルマさんが探しているものを完璧には把握出来ていない面ではもし間違えたときに二度手間になる可能性はあるだろう。

しばらくするとその街を象徴する観覧車の姿が見えてくる。

 

ここらで一旦休憩しておこう。材料探しはどのぐらい時間がかかるか分からない。休める時に休んでおくことが得策だ。

 

「トランクス、ここで少しきゅ――」

 

俺がトランクスに声を掛けたその時、目の前に広がっていた街から炎があがる。すぐ後に建物が崩壊し、街が壊されていくのを目のあたりにした。俺はトランクスに目配せをして、2人揃って街の中に急行する。

 

 

街の中に着地し、轟音の発生元である観覧車を目指す。速く行かなければヤツらの被害に遭う人々が増えてしまう。そうはさせるか、必ず俺が破壊してやる。

 

「トランクス!急ぐぞ!」

「はい!」

 

遊園地の入口を通り観覧車の元にたどり着く。そこで俺の目に映った光景がヤツらの気弾が人々に襲いかかる寸前だった。

 

「ダァ!!」

 

俺は人造人間が放った気弾を蹴りで上空に打ち上げる。どうにか間に合ったようだ。トランクスも俺の少し後ろに立つ。人造人間は俺達のことを見て呆れたようにため息を吐く。

 

「孫悟飯、またお前達か…。」

 

男の人造人間・人造人間17号はやれやれといった様子でこちらを向く。俺は幾度となく人造人間達に挑んで来たがヤツらを追い詰めるどころか逆にこちらが瀕死まで追い込まれることも少なくない。

ヤツらにとって街を破壊することは単なる暇つぶしでしかない。それを邪魔する形になっている俺達にはうんざりしているのだろう。

 

(けど、そんなことのために沢山の人を…!)

 

ここで必ず仕留める。もうこの絶望を終わらせるんだ――。

 

「人造人間!お前達を今度こそ破壊してやる。ハァァァァ!!」

 

自身の気を高め、俺は超サイヤ人となる。ヤツらはジリジリと距離を縮めて来ている。いつ動いてくるか分からない。

 

(ならば、こちらから行くだけだ!)

 

俺は構えた状態から攻撃までの予備動作をヤツらに感ずかせないように、一気に加速し電光石火の一撃を17号にお見舞する。

俺の一撃は17号の顔の右側面に直撃する。17号はヤツの後ろの飲食店の中を貫通し後ろまで吹き飛んだ。手応えは十分にあった。以前の俺よりも強くなっているのが感じられた。

 

「ハァ!」

 

俺はすかさず追撃に向い、17号の顎を下から突き上げるように蹴りを放つ。そしてヤツの後ろに高速移動し、背中に手を置き特大の気弾をゼロ距離からくらわせる。ヤツは再び吹き飛び、開けた場所まで吹き飛んだ後、俺の気弾が爆発する。

 

(くっ!!)

 

しかし俺の攻撃が終わった瞬間を狙ってきた18号の気弾に一瞬反応が遅れてしまった。防御の姿勢に入ろうかと腕を交差に組んだとき、18号の更に奥から飛んで来た気弾によって18号の気弾は軌道がそらされ、俺の真横を通過していく。

 

「トランクス!!」

「悟飯さん、18号は俺に任せてください!!」

 

まだ超サイヤ人になれていなトランクスに任せるには少々不安だが、逆にトランクスの実力を低く見ている18号はきっと初めから本気ではこないであろう。

ならばその隙を突いて先に17号を破壊すればいいだけだ。

 

「任せたぞ、トランクス!」

 

俺は17号の方に向き直る。ヤツは瓦礫の中から出てきて服に付いた埃をはたきながらこちらを見詰めてくる。

 

「少しはやるようになったみたいだな。だが、分かっていると思うが――」

 

17号の言葉を遮るように俺はヤツの顔へ向けて右拳を放つ。ヤツはそれをギリギリでかわしてくる。そうだ。人造人間は無尽蔵のエネルギーと強靭な肉体を持っている。長期戦になればなるほどこちらが不利になってくる。

 

「全く…。人の話は最後まで聞くんだ、なぁ!」

「くっ!!――はぁぁあ!」

 

ヤツらの拳を避けながらこちらも仕掛けていく。ヤツの攻撃が俺の身体へ着々とダメージを与えてくる。しかし17号の身体も確実にダメージを負っており体力もそう多くはないはずだ。

 

「ぐあぁぁっ……!!」

 

17号との激しい攻防戦の最中にトランクスの声が聞こえた。17号の攻撃をかわしながら先程までトランクスと18号が戦っていたであろう場所を見る。

 

「トランクス!!!」

 

俺は18号に吹き飛ばされたトランクスの元へ高速移動する。空中でしっかりとトランクスの身体を掴み安否を確認する。

大丈夫、まだ息はある。ここは一度引くのがいいだろう。

俺が撤退することを考えていると観覧車の上にいた18号が気弾を放ってくる。1撃目はトランクスを庇い背中でガードをする。この程度は修行した俺には効かなかった。

しかし、2撃目の17号18号2人による気弾をもろに受けて俺は地面に叩きつけられる。

 

(くそっ、思ったよりも身体にダメージが…)

 

すぐに3、4とヤツらの気弾が襲いかかってくる。その爆発の煙を利用し、俺はどうにか岩陰に隠れることが出来た。隙間からヤツらの様子を伺う。ヤツらは気を探ることが出来ない。気配を消せば逃げ切ることが可能なはずだ。

 

だが、俺の考えは甘かった。ヤツらは自らのエネルギーなど考慮しない。18号は手を上にあげ凄まじい量の気弾を放つ。そしてヤツらはどこかへ飛んで行ってしまった。

 

(街ごと吹き飛ばすつもりか!)

 

俺はトランクスを抱えどうにか逃げようとする。しかし、目の前が光で包まれたかと思うと強烈な衝撃と俺は共に意識を失った。

 

 

どのぐらい経ったのだろうか。重い瞼を必死に持ち上げて何とか意識を覚醒させる。全身が悲鳴をあげ、動かすこともままならない。左目が怪我で開かない中、右目だけでトランクスの姿を探す。

 

(トランクス……!待ってろ、今行くからな)

 

横たわるトランクスを見つけ、這いずってでもトランクスの元に向かおうと両手を動かす。右腕を前に出し身体を引きずる。そして今度は左腕を前に出そうとした時あることに気が付いた。

俺の左腕はヤツらの気弾によって消し飛ばされていた。

 

(くっ…そぉ…)

 

左腕がないことを認識した途端、頭が思い出したかのように、左肩の部分が痛みだす。早く治療しなければ俺の命は持たないだろう。だがそんなことは後でいい。

 

「トランクス…。きみが…、君が最後の希望なんだ…」

 

俺は右腕だけなんとかトランクスの元にたどり着く。道着の中から最後の仙豆を取り出し、トランクスに食わせてやる。これでトランクスは助かるだろう。

 

トランクス、君のことは死なせやしない。俺が命を賭けて守ると誓ったのだから…。

再び意識が遠のいていく中、トランクスの俺を呼ぶ声が聞こえた気がした……

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