ドラゴンボール・Z ありえたかもしれないもう1つの未来 作:Humiya
では、どうぞ
第1話 神の話
「はい。――ですが…、――わかりました」
聞き覚えのない声が頭に入ってくる。目を開けると眩しい光が俺の視界を埋める。
しばらくして視界がはっきりすると綺麗な緑が広がり空は澄み渡る青色をした世界が見えてきた。
ここはいったい…?
自分の身体を見る。ここが天国かどうかは分からないが、人造人間達と激しい戦闘をした後だというのにどこにも異常はなかった。むしろ少し調子がいい程だ。
「起きましたか」
俺が声の方に目を向けると、髪型が特徴的な地球では見た事のない顔をした人物が俺に近寄ってきた。
「身体の方は大丈夫そうですね」
「あ、あなたは…」
口ぶりから察するに俺の治療をしてくれたのはこの人?なのだろう。
「すみません、申し遅れてしまいましたね。私の名前はシン。この宇宙の界王神をさせて頂いてる者です」
界王神?一体なんなのだろうか。界王さま関係の人なのだろうか…。
「そして、この者はキビト。私の補佐をしてくれています」
「界王神さま。地球人であるこの者をこの神聖なる界王神界に招いてよろしかったのですか?」
そして界王神の少し後ろに控えていた赤い服をきた大男はシンという彼が俺をここに連れて来たことに不満のようだ。しかし、どちらも気を全く感じられない。見る感じからして人造人間ではないのとは明白だ。
「キビト。私が連れて来たいと思ったのですからいいのです。彼にはやって貰いたいことがありますしね」
シンという人は俺にやって貰いたいことがあると言った。それが何か俺には想像がつかないがまず説明をして貰おう。
「あの、すみません。いまいち状況が掴めていなくて説明をお願い出来ますか」
彼は頷き俺に様々な説明を始めた。
「まずここは界王神界。人間界とは遠くかけ離れています。私は界王神という界王そしてそれを束ねる大界王よりも上のお仕事をさせて頂いてます」
界王さまの上にさらに偉い人がいたとは…。確かに気も感じれないし、どこか纏っている雰囲気も神々しい。
場所と界王神さまの素性の説明を受けて俺は確認したいことがあった。
「俺を連れて来たのは界王神さまなんですよね。人造人間達は人間界はどうなったのでしょうか」
「人造人間達は完全に消え去りました。人間界には平和が戻りました。孫悟飯さん、あなたのお陰です。」
良かった、俺は世界を平和にすることが出来たんだな。
「あなたのお弟子であるトランクスさんも無事です。彼は歴史通りに過去に行く準備をしているようです」
トランクスも無事でとても安心した。しかし彼は今不可解なことを口にした。歴史通りというのはどういう意味なのだろうか…。
「界王神さま、歴史通りというのは一体どういうことなのですか?」
「その説明もこれからしていきましょう」
そしてこの説明を聞いて驚くべき事実を耳にすることになる。
「まず始めに私達神には色々な役割を持った神がいます。私達のように惑星を想像し生命を見守る界王神。その対になる存在の破壊神。そして今回重要になってくる時を司る時の界王神がいます」
界王神は生命を見守ること、地球がこんな目にあっていても助けられなかったのは彼が界王神としてしっかり職務を全うしている証拠だろう。
だが向けてはいけない怒りだとわかってはいても無意識に拳に力が入る。
「悟飯さん、気持ちはわかりますが地球のことを助けられなかったのには理由があります。これからそれをお話します」
界王神さまは間を開けて説明を始めた。
「まず何故我々が地球の皆さんを救うことが出来なかったのか、それは歴史改変に影響してしまうからです」
「歴史改変ですか…?」
「はい。歴史改変とは本来進むべき歴史から逸れ違う歴史を産んでしまうことにあります。原因は多くありますが悟飯さんの身近な物で言えばタイムマシーンも歴史改変を起こす要因になります」
知らなかった。自分達が歴史を変えることはしようとしていたがまさか神々から問題視されていることだったとは…。
「そしてもう1つ。それは悟飯さんが人造人間達を倒してしまったことです」
俺も歴史改変をしてしまったということだろうか…?
「じゃあ、俺は…」
「はい。本来であれば孫悟飯さんあなたは人造人間達に殺されトランクスさんが人造人間達を倒す歴史だったのです」
俺はあの場で殺されていたのか―。でも俺は今生きている。ありがとうお父さん。
「本当は神達で歴史の修正を行わなければならないのですが、時の界王神さまからの司令で悟飯さん。あなたはこの後我々に協力していただくことで見逃していただけるとの事です」
それはとてもありがたかった。だが何故ただの地球人である俺にそこまでしてくれるのだろうか。
「何故俺にそこまで…?」
「それは今時の界王神さまの仕事を手伝ってくれている人からによる願いだそうです」
「その人って誰ですか?」
「トランクスさんです」
「―!?」
トランクスがそんなことを。ということはトランクスは無事に過去に行ってその後も元気に生きているということだ。これ程嬉しいことはない。
「わかりました。俺に出来ることであればどんなことでも協力します」
「ありがとうございます。今の悟飯さんは本来の歴史より一回りも強くなっています。そんな悟飯さんが協力してくれるのであれば歴史改変関係ななくとても助かります」
「神さま達でもそんなに大変なことなのでしょうか」
気を感じれないところから神さま達はとんでもない実力の持ち主だと思うのだが、その神さま達が苦戦することを俺が役に立てるのか心配だ
「お恥ずかしながら我々は破壊神を除いてそこまで強くありません。出来ることは多いですが戦闘面では悟飯さんより少し下ぐらいでしょうか」
隣のキビトさんはとても驚いた様子で俺を見ている。キビトさんは界王神さまの実力を知らなかったのだろう。そんな俺も自分自身がそこまで強くなっていることに驚いた。超サイヤ人2は超サイヤ人とは比べ物にならない変身だったということか…。
「では、悟飯さん。まず始めにこの界王神界にある1本の剣を抜いて貰いたいのです」
「剣…ですか?」
界王神さまは頷きながら遠くの丘を指さす。
「界王神に伝わる伝説の剣。『ゼットソード』です」