夜明けの狩人   作:猫又提督

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前回から9日経ちましたね。
ちょっと遅くなってしまいました
実を言うとですね、私ダイラス=リーンというというところ少し勘違いしておりましててっきり安全な人間の街だと思っていたんですが割と危ない街だったんですね。知ったのがかなり後でそれっぽく書き直すのが大変なのでそのままにしました。もし、違和感とかあったらすみません


第13話

歩くことおそらく数時間。日が真上から少し傾いた頃、大きな城壁が見えた。あれが…なんと言ったか「ダイラス=リーンです。」そう、ダイラス=リーン…今この人ナチュラルに思考を読んできたな。いやもう今更だ。この人神様だし。

城門の中はまさに都市といった感じだ。中世のヨーロッパといえばこんな感じだったのだろう。案外建物はヤーナムと変わらない。せいぜいガス灯みたいなちょっと近代を感じさせるものがない。しかし、その盛況は辺境の地であるヤーナムとは全く違う。思わず圧倒されてしまうほどだ。

 

「…おお。」

「ね、すごいでしょう。この街私も好きなんですよ。人間の活気もよく感じられる。あっちの世界もこことは違う盛況があっていいですがこっちはこっちでまた別の良さがあります。そうですね…一週間は滞在しても大丈夫ですよ。」

「い、一週間?いいのですか。ここでそんなに…流石に鳴子さんの用事とか…。」

「大丈夫ですって。あ、あっちの世界のことを心配してるんですか?何、どっちみち一週間未満だとあっちでは半日過ぎないぐらいですよ。もし3日以上進んじゃってたら私がなんとかします。」

 

流石に神様が言うと信憑性が違う。その言葉に甘え1週間後この城門前で集合ということで別行動を取ることになった。去り際に鳴子からお手製だという地図をもらった。かなり現代的なデザインの地図だ。この世界の文化がどれほどかわからないが、おそらく中世あたりで、中世にこんな地図はないだろう。まあ、彼女にとってはこっちのほうが読みやすくていいのだが。

別れて早速彼女は地図を読み込む。探しているのは服屋だ。というのも、この街は中世ぐらいとはいえヤーナムよりも更に前だ。狩装束はただでさえ変わった作りなのにあっちの世界では古めかしい格好になるがこっちだと奇抜な衣装に見えるだろう。現に今も彼女は道の真ん中で注目を集めている。そばを通っていく人が皆一度は彼女に目を向ける。やっとそれらしい場所を発見し、さあ向かおうと思ったところで気づいた。

 

「…あ、お金ないわ…。」

 

そう、彼女は通貨の類いを持っていない。いや、厳密に言えば持ってないわけではないがおそらくこの世界では使えないだろう。彼女はこの世界の通貨を持っていない一文無しだった。

しかし後悔先に立たず、後の祭り。鳴子に言えばなんとかしてもらえただろうが、すっかり忘れていた。仕方がないので、服屋を探すときに見つけた図書館に向かう。

 

「…おお。」

 

大きい。ただ一言、それだけだ。その荘厳さに周りの奇っ怪な目も忘れていた。まるで、教会とも言える形をした建物はそれはもう大量の本があると体が表していた。ワクワクしながら帽子を取り中に入る。

中はやはりとても広い。吹き抜けになっているようだ。それでいて何階か上に通路があるのが見える。当たり前だが中は静かだ。しかし、ヤーナムのように当然の静寂ではない。人々が図書館をそうである場所して認識した上の静寂だ。だから完璧な静寂ではなくページをめくる音。歩く音。本を手にする音。そういう静寂だ。

この世のすべての本を集めたんじゃないだろうかと思えるほどの蔵書量。きっと面白い本がたくさんあるだろうと奥へ突き進む。

人である以上、必ず人と同じ行動をとる。この世界でも奇っ怪な姿をしている彼女を図書館内の人はやはり気にする。本から少し目を外しちらっと見てはまた本に目線を戻す。

彼女はある一つの棚で曲がり、本を物色する。ここの街は中世の見た目をしているので、てっきり英語圏だと思っていた。だから、その街にある図書館の蔵書は英語だと思っていたがロシア語や、おそらくドイツ語、フランス語、どこの文字であるのか分からない本まである。勿論日本語も。ただ、古い。今で言う文庫本やライトノベルの類は一切なく、昔の枕草子とか源氏物語とかそういうものだ。

狩人となったその時から彼女は英語を理解した。今までさっぱりだったのにまるで母国語のように解し、話すことができる。当然読むことも。昔の日本語はさっぱりだが、英語ならまだわかりそうだ。適当に物色し手に取る。本当はロシア語の本なんてのも読んでみたかったが、昔ロシア人とのハーフであった妹から簡単な単語とキリル文字の読み方だけ教えてもらったので、読めはするが理解はできないので諦めた。

そこら辺の椅子に座りページを一つめくる。更にもう一つ、またもう一つ。その繰り返し。この本は何かの物語、攫われた姫を助ける騎士の物語。すべてが大げさで、騎士は自分の正義を振りかざし魔物を殺し姫を奪還しようとする……卑屈になりすぎた。この騎士は人間の英雄だ。これでもまだ限りなく人に近い存在なのでまだ人間に同情心がある。

最後には見事魔物を討ち取り姫を取り戻した。これでこの本はおしまい。本棚に本を戻し次の本を探す。

次の本は、と手に取り中身を見ると、これは神への讃美歌か。普段はこういうものは全く見ないがせっかくだし見てみようか。

 

あれからかなりの本を読んだ。悪魔による所業や、とある王様の逸話。確かにここにはたくさんの本がある。ジャンルが一緒でもその中身はそれぞれが違うものになっている。これほどのものを一日で読み切れるはずがない。一週間で読み切れるかも怪しい。できることならばずっとここで本を読みつくしていたい。しかし、そうはいかないようで、どこからか鐘の音が鳴ったかと思うとぞろぞろと人が出てきて外に出て行った。窓を見れば日もだいぶ傾いている。通りで少し読みずらいと思ったわけだ。閉館の時間だろうか。仕方がないので彼女も外に出る。

外に出た彼女はこの図書館の名前が書かれた看板を見る。『ドリームランド図書館』すばらしい図書館だ。ぜひ、明日も来よう。

 

 

 

困った。宿がない。そうだ。彼女はこの世界の通貨を何一つ持っていない。宿を取ろうにも金がないのだ。彼女に睡眠は不要だ。しかし、野宿で夜を明かしたいとは思っていない。日もかなり暮れてきた。この世界には夜に灯りが照らされることはなくもうすでに周りは真っ暗となっていた。いよいよ、鳴子に金のことを相談しなかったことが悔やまれる。と、どこからか声が…?

 

「…て……!」

「いい…か。な?」

「おじさ……ぜ?」

 

女の声が一つと、男の声が二つ。発生源に近づくたびにその声がどんどんはっきりと聞こえ出す。

 

「な?この先に俺の家があるから、今日は泊めてやんよ。だからな…?」

「ですから、家には父と母がいるので…。」

「はは。小娘一人でこんなところまで大変だねぇ?おじさんたちが送ってあげよう。でもその前に腹が減ってるだろう?ご馳走してあげよう。」

「結構です!」

「んだと、このガキ。俺たちがせっかく親切にしてやろってのに。」

「恩を仇で返すような奴にはお仕置きしねえとなぁ?」

「ひっ、い、いや。やめてください…。」

 

おっとこれは、少し危なそうな様子。恐らくこの曲がり角の先。あまり目立たないところだ。すっと角から覗いてみる。おっさん二人に女性…いやあれは子供か、が腕を引っ張られているようだ。気づかれないように近くまで行く。ここは全くと言っていいほど灯りがないので足音や気配を完全に殺した彼女のことを気づける人など誰一人いない。その中でおっさん二人と女の子一人の攻防を互いの顔が見えるぐらいまで近づき顔をじっと見る。表情や言動を見る限り…彼女は女の子の味方に付くのがよさそうだ。

 

「あら、こんな夜中に何してるのかしら?ナンパ?」

 

急に聞こえた声に三人は驚きそして自分の横を見てさらに驚き男の一人がつかんでいた腕を離した。

 

「な、なんだてめぇ。何時からそこに居やがった。」

「ついさっき。声がするから来てみれば…気持ち悪いことしてるのね。」

「んだと、てめぇ。喧嘩売ってんのか?」

「上等だこら!」

 

男が一人勝手に彼女をなぐりつけた。帽子が飛び、彼女はうまくマスクも降ろした。

 

「…なんだ。てめぇも女じゃんかよ。いいぜ、お前も俺の家で相手してやらぁ。」

「お、そんときゃぁ俺も混ぜろよ。」

 

男が彼女の顔を見た瞬間、その顔は吐き気がするほどのにやけ顔になった。相方も同じく。こういっては何だが、彼女の姿はそれなりのものだ。大人の美しさには及ばないだろうが、少女としてはそこそこな者だろう。ゆえに、獲物が増えた男らは気が緩む。しかし、それは彼女も同じ。大したことがないなと気が緩む。彼女は男にゆっくりと近づく。上着を脱ぎ棄てながら。

そういうことだと勘違いした男らはにやにやとしながら彼女を手で迎える。抱き合い、お互いを見つめあうように立つ。

 

「へへ、なんだ。さっきの文句はどうした。その気になったか?」

「うふふ。そうね。よく見たらあなたはとってもいい男だわ。さ、あなたも私のことをよく見て。」

 

彼女の言葉道理男は彼女の目を『しっかり』と見つめた。しかし、徐々に男の顔色が蒼く、そして白くなっていく。表情にも余裕がなくなり、ガタガタと震えだした。抱きしめていた手を離し彼女から逃げようとする。しかし彼女はそれを許さんと、余計にしっかりと抱く。やがて男はあ、あ、と短く呻き倒れた。突然のことに二人組の相方はパニックになっていた。

 

「んな、て、てめ、何しやがった!」

「んふふ。私の愛に耐え切れなかったみたいね。どう?あなたは私の愛に耐え切れるかしら?」

「ひっ、う、うわあああああ!」

 

相方はもう一人を置いて逃げてしまった。薄情なものだ。さて女の子はというと。

 

「………」

 

完全におびえていた。まあ、それもそうか。急に男が顔面蒼白で震えながら倒れたら恐怖だろう。まして女の子ならさらに。できるだけ怖がらせないように目線を合わせ、優しく話しかける。

 

「…大丈夫?」

「……。」

 

 

まだ、震えているが頷いてくれた。やはり、ちょっと服装があれだろうか。しかし、これ以外に持ってきているのは…。仕方がない、人間見えない部分と暗いところが苦手だ。ぱっと制服に着替える。女の子は彼女の葉や着替えに驚くがさっきよりも顔がよく見えるのと、服が白くわずかな月光でも反射し明るく見えるのでもう少し緊張を和らげた。

 

「立てる?」

「…はい。」

 

おや。今気づいたが、この子は図書館で司書をやっている子ではないか。ちらっとしか見てないが確か入り口にいた子だ。背丈は彼女と同じくらいか。

 

「どうしたのこんな時間にこんなところで。」

「あ、えっと。仕事が長引いてしまって…。」

 

なんとこの見た目で仕事とは。恐らく年も当時の彼女ぐらいだろうに。

 

「あ、あのあなたはどうして?」

「え…あ、あー…お金がなくて…ね?」

 

 

 

 

彼女は、ある宿にいた。なぜか?町で助けてもらった子に宿に泊めてもらったからだ。その子はウルタールという町から出稼ぎやってきたらしく、約一か月の間ここに滞在するそうだ。その間はその子の親の友人の宿主がこの子を好意で泊めてやっているらしい。一週間ここにいるという話をするとなんとその間ここに泊まっていいと言ってくれた。何かお礼をしなければ…。

 

「お礼にあなたの仕事を手伝うわ。」

「え、いいですよ。そんな。」

「いいえ。流石にこれは私も何かお礼をしないと落ち着かないわ。だから、ね。お願い。」

「ま、まあ、そういうことなら。あ、ご飯食べますか?お金ないから買えないんですよね?私今から買ってきますよ」

「え、あー。大丈夫よ。私はご飯食べなくても大丈夫な体してるから。ほら今日はもう結構遅いし、さっきみたいなこともあったから私が買いにいってあげるわ。」

 

出稼ぎに来ているという時点でこの子の経済状況は想像に難くない。なぜ、出稼ぎ先が司書なのか、あまり司書が出稼ぎに向いているとは思えないが、ともかく流石にお金を使わせるのは更に気が引ける。それに、もうこんなに暗いのだから食料を扱う店が開いているとは思えない。一人で行かせるのもそうだ。

 

「む、私も人を助けたいんです。気を使ってくれるのはありがたいですが、何も食べれない人を前に私だけご飯を食べるのも落ち着きません。それに、近くにずっと開いているお店があるんです。あそこならご飯とか、日用品とか色々売ってるんですよ。」

 

なんか、正論を言われた気分だ。というか自分の言ったことをそのまま言い返された。同じことをまた言われた以上はその好意に甘えなければならない。ただやっぱりまだ心配だったので買い物には付き添った。

しかし、ずっと開いているお店か。そんなコンビニみたいな店があるんだろうか。

 

 

 

 

 

彼女は道中近づいてきた何故かいた人攫いを女の子に見つからないように狩ったり、変な獣が来たときは殺意マシマシで睨みつけて追い返しながらその女の子が言う店に行った。その店の名前は『コンビニエンスストア』なんでこの女の子は無事なんだかと思っていた彼女の頭の中は一瞬でこの言葉に置き換わった。……特定の名前ではないが…。世界観壊れる。

その看板を見た彼女は微妙な笑顔で固まってしまった。

 




人攫いは聖剣振り回し安定
楽しい(ニャル様基準)でお願いします 制服もご都合主義ってことで…
あまりダイラス=リーンについて書いているところがなかったのでほぼ100%私の妄想です。ドリームランドって現世の人が流れつくじゃないですか。だからコンビニぐらい作られてても…うん。不評だったら後で消しときます。

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