英雄のいない世界で生まれた俺は   作:夕映えの戦士

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11話

「よう。時間通りだな」

 

街外れの寂れた神社で座っているとスーツ姿にサングラスをかけた男が現れた

 

「約束の品はこれだ。お前が競り落とした怪獣はこのカプセルに入っている。あとこっちは強化パッチだ」

 

「高い金を出したんだ。品質は保証できるんだろうな?」

 

「量産個体じゃない調教師が一体一体にかなりの手間をかけて育えた個体だ。まんぞくしていただけると思うよ」

 

「なるほどね。お疲れさん。また頼むよ」

 

「これからも我々をごひいきに」

 

男はテレポートでその場を去った

 

「強化パッチってのが胡散臭いが取り敢えずは手に入ったな」

 

俺はオレンジ色の小さなカプセルを日にかざし眺める

 

「また火星に行ってみるか。強化パッチってのも気になるし」

 

俺は怪人態へと姿を変え、飛び立とうとする。すると四つの飛行物体が上空を通り過ぎた

 

「あれはキングジョー?誰が持ってきたかはわからんが面白そうだ。早速こいつを使うか」

 

俺はカプセルをキングジョーの進行方向に投げる。投げられたカプセルはオレンジ色の粒子となり、怪獣の形へと形成される

 

「行け‼ゼットン‼」

 

宇宙恐竜ゼットン。かつてウルトラマンを死に追いやり、そのほかの作品でも基本強敵として描かれている怪獣だ。怪獣兵器としても人気は高く、質の良いゼットンは高値で取引される

 

「火炎でこっちに注意をひけ‼」

 

ゼットンは4つの飛翔体に向かって火球を放つ。すると、ゼットンに向かって光線で応戦してきた。ゼットンはゼットンシャッターでこの攻撃をガードする。四つの飛翔体は合体し、キングジョーの姿になった

 

「火球で攻撃しつつ距離を取れ。キングジョーにお前を遠距離からダメージを与える攻撃はないはずだ」

 

ゼットンはテレポートで距離を取りつつ、火球を放つ。しかし、ペダニウムで構成された固い装甲には火球の攻撃は効いていないようだ

 

「このままじゃじり貧だな…。こいつを使ってみるか?」

 

俺は強化パッチと説明された青紫色の結晶体をゼットンに投げ込んだ。するとゼットンの腕が鎌状に変化し、紫色の鎧のようなものを纏った姿になった

 

「ゼットンバルタン星人⁉いや腕の形状が違うな。見た感じ近接戦に強化した感じか。やれゼットン‼」

 

ゼットンは鎌状の腕から三日月状の光弾を発射し牽制しつつテレポートでキングジョーの背後をとる。そして、キングジョーを羽生いじめにし至近距離からの連続の火球攻撃でダメージを与え続ける

 

「鈍足そうではあるが、テレポートと強力な遠距離攻撃でカバーできるわけか。うまいこと考えられてるな」

 

感心してみていると、キングジョーが体を分離させ、羽生いじめから抜け出し、逃亡した

 

「追うぞゼットン」

 

ゼットンと俺は追いかけようと飛行する。森の木々にうまいこと隠れられ、暫く探していると、山の近くでキングジョーがウィンダムと戦闘をしていた

 

「チッまたストレイジか。変に見つかったら厄介だ。向こうに注意がいってるうちに一回ひくか。戻れゼットン」

 

ゼットンは光の粒子となり、俺の手のひらにカプセルと結晶体になって戻ってきた

 

「あのキングジョー何が目的だ?」

 

暫く様子を見ていると、キングジョーは一台の車を追いかけていて、それをウィンダムが護衛しているようだ

 

「何かを輸送しているのか?宇宙人があそこまで執拗に追いかけまわすってことは相当価値のあるものなんだろうがストレイジの手元にあるものなら手を出しづらいな。キングジョーも欲しくないわけではないが手持ちにも余裕はあるからこれ以上は手を出さなくてもいいか…。火星に行ってゼットンのテストをしよう」

 

俺は火星に向かった

 

「ゼットンの回復は終わってるっぽいな。行けゼットン」

 

カプセルを投げ、ゼットンを召喚する

 

「そういえば強化パッチに関する説明を見てなかったな」

 

俺は空中にパネルを出し、説明を読む

 

「ゼットン・ファルクス。ゼットン本体の装甲とパワーを底上げし、腕に強力な鎌を装備することにより、近接戦において優位に立ち回れるように強化。装甲が厚くなったことにより通常の個体に比べやや速度は落ちるが、ゼットンが得意とする遠距離攻撃とテレポートによりその点はカバーすることができる。なるほどほとんど俺の解釈であってそうだな。だが、ここまで強いと同化するか迷うな…」

 

俺と完全に独立して戦えるという点ではガディバもいるが、メダルとZライザーを用いた戦闘を行う際にはそれはできない

 

「まあいいか。変に奪われたり殺されたりする方が面倒だしな。ガディバ」

 

ガディバを召喚し、Zライザーを構える

 

「諸先輩方。闇の力お借りします‼」

 

『tyrant』

 

「さあゼットン。殺す気でかかってこい」

 

ゼットンは頷き、大量の火球をこちらに発射してくる。一部はベムスターの腹部により吸収したものの連続して襲い掛かる火球攻撃はさばききれない

 

「あっちぃ。流石はゼットンだな。反撃と行こうか」

 

吸収をあきらめ、モーニングスターで火球を防ぎながら距離を詰める。しかしテレポートによってゼットンは俺の背後へと回る

 

「そのパターンは読んでるんだよ‼」

 

キングクラブの尻尾でゼットンの体を締め上げ、近くの山に投げつける

 

「食らえ‼」

 

アロー光線でゼットンを攻撃する。しかし、ゼットンシャッターによって防がれてしまった

 

「流石に高値で買っただけのことはあるな。バリアもマックス個体と同様にちゃんとすべての方向を防げるようになってる。おまけに固いときたもんだ」

 

ゼットンシャッターはアロー光線の猛攻を受けたにも拘わらずひびすら入っていない

 

「ならば浴びせ続ければいいだけのこと」

 

俺は口から炎を吐き続け、接近する。その攻撃に対してもゼットンシャッターによって防いでいる

 

「オラァ‼」

 

モーニングスターでバリアを殴りつける。するとようやくひびが入り始めた

 

「貰ったぁ‼」

 

腕を振りかぶりもう一度殴り掛かろうとするとゼットンはゼットンシャッターを解除し火球で攻撃してきた。予想外の攻撃に思わずのけぞる。そのすきにゼットンはテレポートにより距離を取り火球の弾幕を放ってきた。俺は何とかモーニングスターでさばき、岩肌に隠れる

 

「状況による判断が的確過ぎる。技の取捨選択も完璧だ。こりゃあこのままじゃじり貧だな」

 

俺はインナースペースでZライザーを構えなおす

 

「ゴモラよ力を借りるぞ」

 

俺はゴモラの力を現出させ、スリッドに集中させる。するとゴモラメダルが生成された

 

「本当はジェロニモンを使いたかったんだがねぇ」

 

俺はデビルスプリンターを体に撃ち込み。ゴモラのメダルを読み込む

 

『gomora belial』

 

「さあこれでエンドマークだ‼」

 

『strong gomorant』

 

体表がダークグレーと赤に統一され、ベムスターの翼が生える。さらに、腕はバラバのものからゴモラの腕へと変化し、ベリアルの要素が混じっている

 

「実験は成功だな…。しかし、破壊衝動があふれてくる…。この姿で長時間の活動は難しいかもな…」

 

俺はゴモラントの感覚を確かめる

 

「一気に畳みかけるか」

 

俺は放射される火炎の弾幕に飛び込む。ベリアルの力の影響か、ベムスターの吸収能力が向上し、自身に当たりそうな火球は全て吸収される

 

「ハイパーデスファイヤー‼」

 

俺は火炎放射で攻撃をする。ゼットンは攻撃を中断し、ゼットンシャッターで防御した。タイラントの状態ではヒビすら入らなかったバリアであったが、強化された火炎によって徐々に割れ始める

 

「バラバラバテール‼」

 

畳みかけるようにモーニングスターのついた尻尾でゼットンシャッターを攻撃する。それにより、バリアが完全に割れた

 

「グラビトロプレッシャー‼」

 

頭部の三本の角から重力波を発生させ、ゼットンを地面に押しつける

 

「まだ刺激が足んねぇなぁ」

 

強化パッチを重力波を受け続けるゼットンになげつける。するとゼットンファルクスの姿へと変化し重力波を火球で無理やり押しのける

 

「もっと俺を楽しませろよ!アロー光線‼」

 

アロー光線をゼットンへと放つ。ゼットンはバリアをせずに、胸部で吸収し、そのエネルギーを使ってゼットンファイナルビームを放った

 

「面白れぇ。受けて立ってやるよ。ガイスティウム光線‼」

 

俺は口から光線を放ち波状光線と撃ちあう。威力は互角のようだ

 

「こんなもんか?とどめを刺してやる。食らえ‼」

 

俺は光線の出力を上げる。波状光線は押し返され、相殺できないと悟ったゼットンは攻撃をやめ、ゼットンシャッターを張る。しかし、最大出力の光線により、バリアは割られ、ゼットンに直撃する

 

「はぁ…はぁ…。終わったな」

 

俺はゴモラントの変身を解き、ゼットンに近づく。ゼットンをファルクスの状態から解除する

 

「お前と同化するのは少々惜しいが今後のためだ」

 

俺はゼットンに手を当て、同化を開始する。ゼットンは光の粒子となり、俺の胸部の結晶体から吸収されてゆく

 

「ありがとな。これからも頼むぞ」

 

完全にゼットンと同化した俺は地球へと帰った

 

「さてと地球についたわけだが…。何やってんだあれ…」

 

地球に到着するとZと宇宙人が戦闘していた。宇宙人は土や岩を投げつけてZに攻撃している

 

「あれバロッサ星人だよな?何本か武器を奪っとくか」

 

バロッサ星人は種族総出で海賊行為を行う迷惑な宇宙人だ。さらに一回の産卵で1万個もの卵を産み、種族間での仲間意識が強いため、一人倒すと別の個体が因縁をつけて次々と襲ってくる。俺も昔、とある星の宝を護衛する際に一人倒して因縁を受けられたことがある。あいつ単体で見れば催眠能力以外は大したことはないが、どこからっさらってきたかわからない強力な武器を用いて攻撃してくるため油断ならない

 

「まああいつぐらいならZでもやれるだろ。暫く待つか」

 

バロッサ星人は土を投げたことで生まれた隙を使ってマグマ星人のサーベルを装着し、Zに襲い掛かる。しかし、難なくよけられてしまい、サーベルが建物に突き刺さって抜けないようだ

 

「完全にお笑いじゃねぇか…。隙を見て何個かいただくか」

 

サーベルを抜こうとしている隙にZが接近する。しかし、バロッサ星人得意の催眠術によって動きを封じられる。その間にサーベルを引っこ抜き、バロッサ星人は反撃を開始。形勢逆転した

 

「Z様‼これを使ってください‼」

 

声の主の方を見ると、ヨウコがZに向かって何かを投げていた。おそらくウルトラメダルだろう

 

「ということはバロッサ星人の目的はウルトラメダルか?」

 

Zは新たなメダルの力で必殺技を放つ。Zライザーから光の剣が生え、そこから竜巻を生み出しバロッサ星人を吹き飛ばす。そして、巨大な八つ裂き光輪を放ちバロッサ星人は切り刻まれ爆発四散した

 

「さてと」

 

俺は怪人態へと変身し巨大化する。Zはこちらに気づいたようで身構える

 

「別にお前さんに用はねぇよ。あるのはこっちだ」

 

俺は星斬丸を地面から引っこ抜く

 

「どこから手に入れたのかは知らんがインペライザーを一刀両断するほどの切れ味の刀いただけるに越したことはないだろう?」

 

俺は星斬丸を亜空間に収納すると巨大化を解除した。Zは少々困惑した様子を見せたが飛び去って行った

 

「日本刀チックな武器前々から手に入れたいと思ってたんだよなぁ」

 

俺は高まる興奮を抑えきれず思わず笑いながら帰宅した

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