本編へどうぞ
「解析完了したわよ」
「早いな」
「正確にはメダルの解析だけだけどね。ライザーの方の解析は私でも難航しそうだわ。全体的な技術はメフィラス星に劣っているけどこういうのを作り出すのはあそこのすごいところよね。命の固形化なんかにも成功してるし」
「怪獣メダルは作れそうか?」
「ええ。メダルの構造自体は割とシンプルだからそんなに時間はかからないわ。素材は何かあるの?」
「こいつをメダル化したい」
俺はちゃぶ台の上に血液の入ったガラス管を置く
「これは?」
「ウルトラマンジードから採取された濃度の高いベリアル因子だ」
「そんなものをどうやって?」
「セレブロっていうやべえ奴のおこぼれをいただいたんだよ」
「ああセレブロね」
「知ってんのか?」
「私も直接出くわしたわけじゃないから何とも言えないけど、いろんな宇宙の星々の文明を破壊して遊んでる悪趣味なやつでしょ?やり方が姑息だからあまり情報は知らないけど」
「なるほどな」
「とりあえず今晩にはメダルの生成装置が完成すると思うからそれまでどこかに行って来たら?」
「わかった。頼んだぞ」
「さてとどこに行くかな」
「ん?この反応は…」
「どうした?」
「面白いものが外に出てきたわよ。私は興味ないから行ってきなさいな」
「面白いもの?」
「ブルトンよブルトン。この星の防衛施設の目の前に現れたっぽいわ」
「じゃあ行ってくるわ」
俺は外に出てストレイジの施設に向かう
「あれか」
そこにはフジツボやホヤのようなぶよぶよとした巨大な物体がいた
「今回こそは俺のものにしてやる。レッドキング‼」
俺は怪人態へ変身しレッドキングの力を纏って巨大化した
「オラァ‼」
俺はブルトンへ一気に接近し、殴りつける。ブルトンは特殊能力こそ最強クラスだが、速度や戦闘能力に関しては並以下だ。攻撃と防御をほとんど完全に特殊能力に依存しているといえる。だからこそ力でのごり押しと不意打ちが効く
「一気に畳みかける」
エネルギーを使い、光の縄を生成してブルトンに巻き付け地面にたたきつける
「投げ技が苦手なんだろう?バリアが割れるらしいじゃねぇか。これでフィニッシュだ」
レッドキングの怪力を生かし、ハンマー投げの要領でブルトンを投げ飛ばす
「ガイスティウム光線‼」
そして必殺光線を放った。しかし、ブルトンは間一髪で繊毛を出し、瞬間移動で回避する
「どこに行きやがった⁉」
周囲を見渡すが見当たらない。その時、背中に強い衝撃を受けて倒れる。ブルトンが後ろから体当たりをしてきたようだ
「野郎‼」
すぐに起き上がり、飛び掛かろうとすると、ブルトンの孔から繊毛が現れ俺は光に包まれる
「しまった‼」
あまりのまぶしさに目をつぶる。そして瞼を開いた次の瞬間俺は全く別の場所にいた
「変身が解けてる⁉ここはどこだ?」
俺は周囲を見渡す。どうやら日本ではあるようだがどこだろうか。何故か懐かしい感じがする
「ブルトンは相手の深層心理を利用すると聞いたことがある。ということはここは俺の行きたかった場所?正直酒場の方が行きたいんだが」
俺はとりあえず元の場所へと帰るためにここを探索することにした
「それにしても本当にここはどこだ?」
暫く歩いていると公園のベンチにぱっとしない一人の男子高校生がぽつんと座っていた。俺は心臓が飛び上がるようなそんな感覚に陥った
「あれは俺か…?」
どうやらブルトンはこの力を手に入れる前の時間またはその時期の平行世界へと俺をひき飛ばしたようだ
「確か…」
俺は数百年前の思い出したくもない出来事を思い浮かべる
俺はクラスでは少し浮いた存在だった。誰とも話さず、いわゆるボッチというやつだ。そんな俺だったが当時好きになった女がいた。少し地味だがかわいらしく、気配りもうまいやつだった
何が原因だっただろうか、その子はいつのころからかいじめのターゲットになった。俺は怖かったのだ。彼女を何かしら気にかけたり、助けたりすることで自分に被害が及ぶのではないかと。どうやら彼女の周囲の人間も同じ考えだったようで、彼女の周りからは人がいなくなり、次第にいじめはエスカレートしていった。担任もクラスメートも見て見ぬふりをしている。俺もその一人だった
そんなある日のことだった。俺は日直の仕事で普段使われていない倉庫の掃除をすることになった。職員室で鍵を受け取り倉庫に向かう。鍵穴に鍵を入れてまわすとすでに鍵が開いている。おかしいと思いつつ扉を開ける。そこには彼女がいた。首を吊った姿で。愛らしかった顔の面影がないほど苦しむような怒るような形相をし、首は少し伸びている。手足は力が入っておらず垂れていた
俺は逃げるようにそこを後にし、全速力で家へと帰り、自室に引きこもった。頭の中を様々な感情がめぐる。怒り、悲しみ、憎しみ。めぐりめぐって最後に到達したのは後悔の念であった。自分があの時動けていれば彼女は命を絶たなかったかもしれない。俺は自分を責め立てた
しかし、人間一度寝ると案外落ち着いてしまうもので次の日には学校へ行った。教室につくといじめえお行っていたグループがこちらを見てクスクスと笑っている。座席につき、机に教科書を入れると、くしゃっと紙がつぶれるような音が聞こえた。紙を取り出すと、それはノートの切れ端であり、こそには「死体程度でビビッて帰る腰抜け」と書かれている。いじめグループの方をもう一度見ると笑いをこらえるように口に手を当てている。次のターゲットは俺のようだ
その日を境に、毎日小さな嫌がらせが起こるようになった。画鋲を靴に仕込んだり、机にゴミを入れられたりと、あからさまに周りからは見えないような嫌がらせをされた。俺はその時に悟った「この世には英雄(ヒーロー)なんてものは存在しない」と
「胸糞悪い」
俺はあの時の出来事を一通り思い出し過去の俺を物陰から観察する。すると、過去の俺の目の前に金色のゲートが開かれ、そこから謎の宇宙人が現れた
「あいつは何者だ?」
「あんたは?」
過去の俺が問う
「我が名はアブソリューティアンの戦士、アブソリュートタルタロス。この宇宙とは別の宇宙からやってきた。貴様の世界では我々の宇宙は空想上のものとされているはずだ」
「まさかウルトラマンの世界から来たとでもいうのかよ」
「ああその解釈で問題ない。貴様の未来を教えてやろう」
タルタロスは過去の俺に向かって指先から金色の波動を浴びせる。おそらく脳に何かイメージを送っているのだろう
「貴様はこの数週間後、私と同じく別宇宙から飛来した赤い願い球を手に入れ力を手に入れる。そしてこの宇宙から立ち去り、その力を行使し、殺しや違法取引を行う闇の仕事人へと落ちぶれた」
「悪かったな、落ちぶれて」
俺は物陰から飛び出し、2人のもとへと歩く
「貴様は」
「ああ、そこのガキの並行同位体。てめえが語った未来の姿だ。アリゲラ‼」
アリゲラの力を纏い、過去の自分を抱えてタルタロスから距離を取る
「何が目的だ?」
「そいつを使って我らザ・キングダムの戦力とする」
「ただの地球人のガキが戦力になるとは思わないが?」
「地球人だからこそ使えるものがあるのだ。そいつを渡してもらう」
俺は怪人態に変身する。過去の俺がその姿に驚く
「これが今の俺だ。タルタロスだかタルタルソースだか知らないがこいつは渡さねぇ‼ギャラクトロン‼」
ギャラクトロンmk2の力を纏う
「アブソリュートディストラクション」
タルタロスは腕から分散した無数の光弾を生み出しこちらに攻撃してくる。それに対し、俺も無数の魔方陣を生み出し、そこから光線を放つことで相殺する
「ゼットン‼」
纏う力をゼットンに切り替え、テレポートで背後に回る
「ゼットンファイナルビーム‼」
ゼットンファイナルビームを放ち、テレポートで空中へと移動する。そして、テレポートで放つ場所を移動しながら火球を撃ち続ける
「ふう、この程度か」
ゼットンファイナルビームと火球をすべて食らったにも拘わらず、タルタロスは無傷のようだ
「クソが‼」
俺はZライザーを構えバラバのメダルを読み込む。そしてモーニングスターで殴りつけるが片腕ではじかれる
「どうした?貴様の力はその程度か?」
タルタロスは腕に力を溜める
「バケモンが‼」
『tyrant』
アロー光線と火放射、そしてガイスティウム光線を同時に放つ。しかし、タルタロスはよけることも防御することもなく俺の攻撃をすべて受けきり、攻撃がやんだと同時に光線状のアブソリュートディストラクションで攻撃する
「クッソ吸収しきれない‼」
ベムスターの能力で光線の吸収を試みるもあまりに膨大な力ゆえにさばききれず、吹き飛ばされる
「無様だなぁ。貴様もああなりたくはないだろう?我とともにザ・キングダムへ来い。そうすれば貴様の望む力を与えてやろう」
タルタロスは過去の俺へ手を差し伸べる
「ふざけんじゃねぇ‼過去の俺に口出しすんな‼ゴモラ‼」
俺はゴモラの力を纏う
「俺の本気ってやつをみせてやるよ。オラァ」
デビルスプリンターを取り出し、ベムスターの口へと打ち込む
『strong gomorant』
「これでお前にエンドマークを打ってやるよ‼グラビトロプレッシャー‼」
「何⁉」
タルタロスに強力な重力波を浴びせ、地面に抑え込む
「ハイパーデスファイヤー‼」
そしてタイラントの時とはくらべものにならない威力の火炎を浴びせる
「こいつでとどめだぁ‼」
俺は亜空間から星斬丸を取り出しタルタロスを切りつける。しかし、すんでのところで重力波を抜け出され回避された
「なるほど、やはり危険な因子だ。今日のところはこのくらいにしておいてやる」
そういうとタルタロスは金色のゲートを開き、この宇宙から去った
「二度と来るなバーカ‼」
俺は変身を解除し過去の俺に近づく。俺にビビッているのか過去の俺は後ずさりする
「そんなに怖がるな。お前に俺からアドバイスしてやるよ。そんなに周りを恐れるな。あんなクソガキどもより今の体験の方がよっぽど恐ろしいだろう?」
「現実味なさすぎるけどな。さっきのやつが言ってた未来って本当なのか?」
「まあ殺しやバイヤーじみたことをやってるのは事実だ。だがこの世ってのは正義も悪も存在しない。それぞれが自分の正義を持てってるし、それに相反する存在を悪とみなす。でもな、俺は本物の正義ってやつを見たくなったんだよ。だからこのこの星を飛び出した。力を手に入れ、この星にある俺に関する記憶をすべて消してな」
「そんなことが…」
「別に後悔はしてねぇよ。いろんな出会いもあったし、うまい酒も飲める。お前…というか俺が歩むべき人生よりも楽しいかもしれない。だが、お前はまだ選択することができる」
「選択?」
「単刀直入に言わせてもらう。彼女は死んだ」
「え…」
「首吊り自殺だ。お前は第一発見者になり、数百年経った今でもなお若干引きずるぐらいにはトラウマになている」
「そんな…」
「さらに次のいじめのターゲットはお前だ。もはや笑えるよな。当時の俺は多分この世の不幸を一身に背負っているような顔をしていたと思うぜ。確かに今の生活は楽しい。俺になりたきゃ彼女を見殺しにするがいい」
「それは嫌だ」
「なら行動しろ。未来は変えられる。お前ならやれる。なんてったって俺なんだからな」
「行動できなかったやつが何を言うんだか」
過去の俺はクスリと笑った
「わかった。俺頑張るよ。必ず彼女を救ってみせる」
「ああその意気だ。そうだお前にプレゼントをやろう」
俺は亜空間の穴をあけ、エメラル鉱石を取り出し、その欠片を手渡す
「こいつはエメラル鉱石。特オタだった俺ならわかるだろうが高濃度のエネルギーを含有する鉱石だ。だが、この星にそれを解析したり利用するだけの科学力はない。ただのきれいな石ころってわけだ」
「どうしてこれを?」
「お守りだよ。お前が彼女を守るって決めた誓いの証みたいな?」
「フッ俺って数百年間生きてもそんな下らねぇこと言ってんのかよ」
俺たちは顔を見合わせて笑った
「大切にさせてもらうよ」
「ああ、頑張れよ。あと、赤い球なんだが…」
「それなら俺が何とかしておく。TDGの映画のやつだろ?本編のとおり球の消滅を願っておく」
「流石俺だな」
「ありがとよ」
「こっちこそ。数百年悩み続けていた霧が晴れた。じゃあな」
俺は夕日を背に手を振り公園を後にする。が、ここで思い出した
「俺ってどうやって帰ればいいんだ⁉」
後ろから俺の笑い声が聞こえる。それと同時に俺は光に包まれた
「ここは?」
目を開くとそこは公園だった
「ブルトンは⁉」
ストレイジ本部の方を見る
「埋まってる…?」
視界にはいってきたのは倒れ伏すキングジョーと地面に埋まって頭だけ出ているZ、そしてそれを転がり攻撃で踏みつけるブルトンの姿だった
「建物も浮いてるしカオスだな」
ブルトンは再度Zを踏みつける。しかし、すんでのところでテレポートによって回避したZはベータスマッシュに変身し、特殊能力を使うための繊毛をブルトンから引っこ抜いた
「マジで赤い通り魔にしか見えんな…」
そこからはZが終始圧倒し、先ほど俺がやったように光の縄でブルトンを縛り、空中に投げる。そしてアルファエッジに変身し、M78流竜巻閃光斬でフィニッシュ…って
「まずい‼」
俺が気づいたころにはもう遅く、ブルトンは爆発四散した。空間に大きなひずみを残して
「あ~あ。やっちまった。もうどうしようもねぇな…」
俺は空間の歪から聞こえる笑い声を聞き届けその場を後にした
「マジでどうしよう…」
ガイストくんの過去が明らかになりました。この展開は前々から考えていたのでかけてよかったです。ここで出てくる赤い球は「ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」に登場するものです。完全ご都合主義ですが後日談の小説版でスペアの存在が明記されているので多少はね?さらに挨拶芸でおなじみタルタルソーry…タルタロスを採用。展開的にかみ合っているもののあまりに強すぎるため、採用を見送りかけました。ウルティメイトシャイニングゼロを退けるほどの実力者ですからね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。感想、評価、お気に入り登録いただけると励みになりますのでありがたいです。ありがとうございました