英雄のいない世界で生まれた俺は   作:夕映えの戦士

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19話

「市街地にベムスターが出現したみたい」

 

俺がノワールをモフっているとグリードがモニターを見ながらそう言った。俺もモニターを覗く

 

「ベムスターぐらいならあいつらでも倒せるだろ」

 

突然グリードの持つ機械から警報がなる

 

「強力なエネルギー反応を検知」

 

「ベムスターにそんな力はないだろう?見た感じデビルスプリンターに侵されているわけでも無さそうだし」

 

「違うわ。反応があるのは…」

 

すると空にヒビがはいった

 

「ヤプールか…」

 

ヤプール。かつてウルトラマンエースと戦った異次元人。怪獣を超えた怪獣である超獣を従え、様々な宇宙で暴れた。しかも厄介なのは、たとえヤプールを倒しても知的生命体のマイナスエネルギーをエネルギー源としているため、完全に消し去ることが出来ない。怨念として存在し、復活することが出来る

 

「厄介だな…」

 

「これだけの高エネルギーとなるとヤプールの残留思念かそれに準ずるものの可能性が高いわね。その辺の野良超獣とは比べ物にならない強さだと思った方が良さそうね」

 

「そんなレベルのやつが来るのか!?」

 

「ええ。場合によっては私もでないと不味いかも」

 

「とりあえずそっちで計測を続けてくれ。俺はいつでても良いように現場に向かう」

 

「わかったわ」

 

俺は部屋を飛び出し、市街地へと向かった。そこには既にキングジョーが分離して待機している

 

「さすがに用意がいいな。かなりヒビも大きくなってるし俺も準備しておかねぇとな」

 

俺はZライザーを構え、その時を待つ。空からバリバリとガラスの割れるような音が聞こえ始める

 

「来たか」

 

空に穴があき、そこから一筋の稲妻が地面へと降り注いだ。地面が爆発し、黒い煙が立ち上る。その煙はまるで逆再生でもしたかのように小さくなって消え、そこから超獣が姿を現した

 

「お前か…。殺し屋超獣バラバ!」

 

バラバは鼻から強力な火炎を放射し、街を破壊し始める。キングジョーとウインダムは一斉射撃を開始し、キングジョーはロボットモードへ移行する

 

「俺も行くか…」

 

俺はZライザーのトリガーを押し、インナースペースへ入る

 

「ベムスターさん」

 

『bemstar』

 

「闇の力お借りします!」

 

俺はベムスターの力を纏う

 

「さあ始めようか」

 

俺は亜空間から星斬丸を取り出す

 

「喰らえ!」

 

俺は星斬丸でバラバに襲いかかる。しかし、攻撃しても全く怯むことはなく、右腕のモーニングスターで振りのけ、火炎放射で攻撃してくる。俺は左腕に装備したベムスターを模した盾で火炎を吸収し、一度距離を取る

 

「超獣が痛みと恐怖を持たないことを失念していたな…」

 

俺を振り払ったバラバはウインダムを執拗に攻撃する

 

「エース…エース!」

 

「喋った!?ウインダムをエースだと思い込んでいるのか?」

 

キングジョーは馬乗りになってウインダムに攻撃するバラバに砲撃を開始する。しかし、その攻撃は全てバラバが生み出した異次元の穴へと吸い込まれてゆき、逆に異次元の壁を破ったエネルギー波によって倒されてしまう

 

「遠距離攻撃はあれで防がれて近距離も怯まないから隙が出来ない…。厄介だな…」

 

俺は再度バラバに接近し、切りかかる。しかしモーニングスターで防がれ、鎌で切りかかられる

 

「危ねぇ!ガイスティウム光線!」

 

何とか鎌の攻撃を回避した俺は光線をバラバに叩き込む。しかし…

 

「効いてない!?」

 

バラバは至近距離からの火炎放射で俺を攻撃し

 

「痛!敵に回すとこんなに厄介なのかよ!」

 

そこにウルトラマンZデルタライズクローが登場し、ベリアロクから放った光線でバラバを吹き飛ばす。しかし、バラバはすぐに起き上がり、テリブルブレードでZの持つベリアロクを吹き飛ばした。ビルに刺さったベリアロクをZは回収するために走るが、バラバが腕からチェーンを放ち、Zを手繰り寄せる

 

「ゼットン!」

 

俺はゼットンの力に切り替え、テレポートでベリアロクの元へ移動する。ビルから抜こうと柄に触れると電流が流れた

 

「痛ってぇなぁ!」

 

「俺様を手にしてお前は何をする?」

 

「めんどくせぇ…。俺は別の宇宙で人間に絶望し、運良く手に入れた力で宇宙を放浪し本当の正義ってもんを見ることにしたんだ。目的を達成するために利用出来るものはなんでも利用し、障害を排除する。俺と同化した怪獣もお前もそのための道具に過ぎない」

 

「気に入らねぇが面白い。俺様を手にするがいい」

 

俺はベリアロクを抜き、刃にエネルギーを溜める

 

「避けろZ!」

 

俺はバラバに向けて三日月形のエネルギーを放つ。それによりZの腕に絡みついたチェーンを斬ることに成功した。Zが体勢を立て直すためこちらに後退する

 

「おい!ベリアロクを返しなさいよ」

 

Zがベリアロクを返すようこちらに迫る

 

「後で返してやる。とりあえずこいつを片付けるぞ」

 

Zは渋々頷き構える。バラバは俺たちに火炎放射をしてくる。それをベリアロクで吸収する

 

「Z。俺が吸収してる隙に背後から攻撃しろ」

 

Zはバラバの背後へと周り、ゼスティウム光線を放つ。しかし、異次元の穴に光線は飲み込まれ、スネークヘルサンダーで反撃される。バラバは火炎放射を止め、吹き飛ばされたZにデスミサイルショットで追撃し、デルタライズクローを解除させた。それと同時に俺の持っていたベリアロクも消滅する

 

「最初から俺のところに来る気はなかったのかよ…」

 

俺はテレポートしてバラバの元へと移動しゼットンファイナルビームで攻撃する。しかし、テリブルブレードによって弾かれ、振り回されたテリブルブレードによって吹き飛ばされてしまった

 

「やべぇ!」

 

そのままの勢いでテリブルブレードがZへと突き刺さる…と思われたが、何者かによって放たれたエネルギー波によってそれは防がれた

 

「弱気になるな!Z!」

 

俺は声のした方向を見る。赤い玉が銀河連邦を遥かに超えて光と共にやってくる。大きなとさかにウルトラホールを携えたシルバー族のウルトラマンがそこには佇んでいた

 

「ウルトラマン…エース…」

 

「エース兄さん!?」

 

「メダルの力が私をこの地球へと導いてくれた」

 

どうやらZの所持するメダルの波動を辿り、ここまで来たようだ

 

「エース…エース!死ねぇ!」

 

バラバがチェーンをエースに向かって放つ

 

「させるかよ!」

 

俺は火球をチェーンに浴びせ、軌道をずらす。その隙にエースは額のウルトラスターからパンチレーザーを放ち攻撃する。しかし、バラバはそれを鎌で防ぐ

 

「どんな生き物も攻撃を受ければ痛みを感じ、恐怖を覚え隙が産まれる。だが超獣はそんなものは感じ無い」

 

エースはバラバの攻撃を防ぎつつ多彩な技で応戦する

 

「すげぇ…流石はウルトラ兄弟。ここまで強いとは…」

 

「大丈夫かしら?」

 

グリードが巨大化し俺の元へとやってくる

 

「ウルトラマンエースのおかげでなんとかな…。これは俺たちの出る幕はなさそうかな」

 

「それがそうでもなさそうなのよ」

 

「エース…エース!」

 

バラバは空に異次元の穴を生成し、そこから超獣を呼び出した

 

「一角超獣バキシム…」

 

「バラバはあの2人に任せてこっちを対処しましょう」

 

「そうだな…。ゴモラ!」

 

俺はゴモラの力を纏い、超震動波でバキシムを吹き飛ばし、バラバから引き離す

 

「こっちは俺らが対処する。バラバは任せた!」

 

俺とグリードは吹き飛ばされたバキシムの元へと向かう。バキシムは起き上がると、背中の結晶体を発光させ、両腕からバキシクラッシャーを放つ。俺はバリアでそれを防ぎ、グリードはペアハンド光線を無数に放ち、バキシムを攻撃する。しかし、バキシムは怯むことなく、バキシクラッシャーを撃ち続ける

 

「不味い!」

 

俺のバリアにヒビがはいり始める

 

「はあああ!」

 

グリードは高速でバキシム接近し、飛び蹴りでバキシムを吹き飛ばす

 

「ナイスだ!レッドキング!」

 

俺はレッドキングの力を纏い、接近戦に持ち込む

 

「オラァ!」

 

俺はバキシムの腹部を殴り続け、グリードは上空からペアハンド光線を撃ち続ける。しかし、有効なダメージは与えられていないようで、俺は鋭い棘の付いた腕によって殴り飛ばされ、グリードはユニコーンボムによって撃墜される

 

「クッソ、強ぇぞこいつ…」

 

「この個体自体にはヤプールの残留思念は入っていないようだけど改造でも施されているのかしら?」

 

「なんにせよ強いことには変わらない。俺に考えがあるあいつを何とか引き付けてくれ」

 

「わかったわ」

 

グリードは空中へ浮かぶとペアハンド光線を撃ってはテレポートで少し離れた所へ移動し、ペアハンド光線を撃つというのを繰り返す

 

「やるか」

 

俺はZライザーを取り出し、メダルをスキャンする

 

『belial』

 

「これでエンドマークだ!」

 

俺はトリガーを押し、ベリアルの力を纏う

 

「くたばれ!デスシウム光線!」

 

俺は腕をクロスし、禍々しい黒い光線をバキシムに浴びせる

 

「オラァ!」

 

俺は光線を撃ち続けたままバキシムに接近し、ゼロ距離攻撃する。ついに耐えられなくなったバキシムは爆発四散した

 

「Zライザーである程度安定しているとはいえ、流石にベリアルの力を単体で使うのはきついな…」

 

俺はベリアルの力を解除する。俺たちはZたちの元に向かった。エースはバラバをストップリングで拘束する

 

「俺も手伝うか」

 

腕にエネルギーを溜め、縄状に成型し、バラバに巻き付ける

 

「今だZ!スペースZだ!」

 

「スペースQの類似技か?俺たちもエネルギーを分けるぞ」

 

俺とグリード、そしてウルトラマンエースはZのウルトラホールにエネルギーを集中させる。Zはエネルギーをボール状に固め、バラバに投げつける

 

「ヤプール死すとも…超獣死なず」

 

バラバは捨て台詞を吐くと体が真っ二つになり、左半身から崩れるように倒れ、爆発した

 

「終わったか」

 

「みたいね。バキシムのサンプルも回収したことだし帰りましょうか」

 

「そうだな」

 

俺たちは変身を解き、帰路に付いた。その夜、俺は部屋でくつろぎ、グリードがバキシムメダルの生成に勤しんでいると突然インターホンが鳴った

 

「珍しいな。お前何か頼んだのか?」

 

「いいえ。あなたじゃないの?」

 

「俺も違う。とりあえず出てみるか…」

 

俺は玄関の扉を開ける

 

「夜分遅くにすまない」

 

「あんたは!」

 

そこにいたのは北斗星司。ウルトラマンエースの人間態だった

 

「何故あんたがここに?」

 

「聞きたいのはこちらの方なんだがな。上がっても?」

 

「どうぞ」

 

俺は北斗を部屋へと案内する

 

「そちらのお嬢さんは先程のメフィラス星人かな?」

 

「あなたウルトラマンエースね?」

 

「さて本題に入ろうか。君たち2人は宇宙でも訪ね者扱いされている存在だ。我々宇宙警備隊やギャラクシーレスキューフォースの方でも注視している。そんな君たちが何故ここに?」

 

「俺は依頼でこの星に潜伏しているとある生命体を抹殺するために来た」

 

「私はペダン星人に追われて潜伏してる感じね」

 

「なるほど…。この星の住人や文明に手を出すつもりは?」

 

「ないですよ。こいつも俺も目的が達成されればこの星を出ていく」

 

「そうか。なら今回は君たちを見逃すことにするよ」

 

「そんな簡単に見逃していいのかしら?私もガイストくんも結構色々やらかしているわけだし」

 

「君たちに敵意がないのは伝わった。それに君たちが無差別に生命を殺戮した記録はない。だから今回は見逃させてもらう」

 

「そいつはありがたい」

 

「だが少々提案したいことがあってね」

 

「何かしら?」

 

「事が済んでからでいい。2人をこちら側に勧誘したい」

 

「光の勢力に付けってことですか?」

 

「ああ。最近はこちらも人手が足りていない。待遇もなるべく君たちが望むものにしよう。どうかな?」

 

「まさかウルトラ兄弟の1人からスカウトされるとはね。少し考えさせてほしいわ」

 

「俺もこの場で決断は出来ない。仮にこっちの勢力からそちらに行くのなら色々と面倒なことがあるしな」

 

「わかった。もし了承してくれるなら光の国のウルトラスペースポートに来てくれ。話を通しておく」

 

「わかった」

 

「それじゃあ他の任務が残っているからお暇させていただく。今日はありがとう」

 

そう言い残し、エースは地球を去っていった

 

「光の勢力か…」

 

俺はベットに寝そべり呟く

 

「なんにせよセレブロを片付けなきゃ始まらないからな…」

 

俺は目を閉じ、眠りについた

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