英雄のいない世界で生まれた俺は   作:夕映えの戦士

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20話

「世界初の人工生命「M1号」を産んだ若き日本人生物学者稲葉瑠璃氏ねぇ」

 

俺はスマホでネット記事を眺める

 

「どこの地球も人工生命を作り出すとオランウータンみたいな姿になるものなのか?」

 

M1号はウルトラQに初登場した人工生命であり、当初はゼリー状の物質だったが記者がカメラのフラッシュをたいたことにより自己進化したといわれている。後に同一個体とおぼしきM1号がウルトラマンXに出現した。しかし、この地球の個体は文章を読んだ感じこの姿で生み出されたようだ

 

「そんなのある程度の科学力のある星ならどこにでもあるわ。それよりこっちを見て」

 

グリードはモニターをこちらに見せてくる

 

「これは…、太平風土記か?この前のホロボロスのものとは違うようだが?」

 

「この記載を見る感じ、おそらくエンマーゴだと思うの。現世に現れし閻魔亞呉、地上に災厄をもたらさん」

 

「エンマーゴか…。正直俺が倒せるか微妙なんだが…」

 

エンマーゴはウルトラマンタロウに登場した閻魔大王をモチーフにした怪獣で、ストリウム光線をも無効化するほどの強固な盾と、岩をも切り裂く刀を所持する恐ろしい怪獣だ。タロウの首を切断するなどかなりインパクトが強い。地蔵の神通力により動きを封じ、復活したタロウによって倒されたと記憶している

 

「たぶんなんとかなるわ。あなたも私も相手を拘束する技くらいはあるし、あなた確かルグスの花粉を持っていたでしょう?動きを封じさえすれば倒せるはずよ」

 

「何でわざわざこいつをたたき起こして倒す必要があるんだ?」

 

俺はグリードに疑問をぶつける

 

「諸事情でエンマーゴの刀が必要になったのよ。本体はあなたにあげるわ」

 

劇中では使われなかったがエンマーゴは天候を操ったり、地震を引き起こしたり、催眠術をかける能力を持っている。こいつと同化することが出来れば相当な戦力アップになるだろう

 

「よし。その話乗った」

 

「じゃあ今からいきましょう」

 

俺たちは奥多摩町へ向かった

 

「奥多摩は来たことなかったけどいいところだな。ゆっくり観光したい」

 

「そんなのは後よ、日が昇っているうちに片を付けるわよ」

 

「しゃあないな」

 

俺達は山道を進んで行く、しばらく進むと開けた場所に出た

 

「何だこれ?」

 

そこには地蔵がところ狭しと並べられている

 

「あそこに階段があるわ。行ってみましょう」

 

階段の両脇にも無数の地蔵が並べられ、何だか不気味だ

 

「夜に来なくてよかったわ。不気味過ぎる」

 

階段を上り終えると、視界の奥に倒壊寸前の小屋が見えた。壁はつる性の植物がびっしりと巻き付き、そこら中にコケが生えている

 

「ここっぽいわね」

 

「そういえばどうやってエンマーゴをよみがえらせるんだ?別の地球ではエンマーゴを封印した地蔵の怒りをかってしまって地蔵が人間を懲らしめるために封印を解いたらしいがここにある地蔵をすべてぶち壊す訳にもいかないだろう?」

 

「封印されている正確な座標さえ分かればそこにエネルギーを注ぎ込んで復活させられるはずだわ。たいていの封印は一定以上の付加がかかると壊れるか一時的に消えるはず。エンマーゴが自力で脱出できないほど弱っていれば考え直さないといけないけれど記載を見る感じ普通に封印してるだけっぽいから封印さえどうにかすればいいはずよ」

 

「なるほど…。じゃあこの寂れた小屋で文書でも探すか?」

 

「あなたはそうしてちょうだい。私は超音波とかを使ってここ一帯を調べてみるわ」

 

俺は小屋に入り、それらしいものを探す

 

「カビくせえな…。本当にあるのか?うわっ!?」

 

突然床が抜け、地下室に落ちてしまう

 

「痛ってぇ…。ここは地下室か?」

 

地下室は非常に狭く、おいてあるものも金庫のようなものだけであった

 

「とりあえず開けてみるか…」

 

俺は鍵を壊し、無理矢理金庫をこじ開けた

 

「これっぽいな」

 

そこには閻魔のようなものが描かれた紙と、それを封印したと思われる山の場所が記されていた

 

「見た感じ向かいの山の頂上っぽいな。あいつに伝えるか」

 

俺は小屋を出てグリードの元に戻る

 

「収穫はあったかしら?この山にはそれらしい空間とかは見つからなかったわ」

 

「それらしいものを見つけた。向こうの山の頂上に封印されているらしい」

 

「通りで見つからなかった訳ね。じゃあ行きましょう」

 

俺達はそこに向かう

 

「じゃあ早速始めるか…」

 

俺は地面に手を当て、エネルギーを送り込む

 

「地中にある結界らしきものが消滅しかけているわ。もう少しよ」

 

俺はエネルギーを送り続ける。すると突然地面が揺れ出し、黒雲が山の上空に立ちこめ、落雷が鳴り響く

 

「地中から膨大なエネルギー反応を感知。出るわよ」

 

俺達はその場からジャンプで飛び退く。すると一際大きな稲妻が俺達のいた場所へと降り注ぎ、山が崩れ、エンマーゴが姿を現した

 

「こいつがえんま怪獣エンマーゴ…」

 

エンマーゴは低く唸ると、周囲を見渡す。そして、俺達を見つけると、黒い煙で攻撃してきた。俺達はテレポートで空中へと逃げる。煙の当たった場所を見ると、草木が枯れ、見るも無惨な姿になっている

 

「あれがエンマーゴのブラックスモーク…。グリード変なことされる前にとっとと始末するぞ」

 

「ええ」

 

俺達は巨大化し、エンマーゴに対峙する。エンマーゴは驚くそぶりも見せず、刀を構え、こちらに突撃してきた。エンマーゴは俺をめがけて刀を振り下ろす

 

「ゼットン」

 

俺はすんでのところでゼットンの力を纏いゼットンシャッターで攻撃を防ぐ。しかし、ダイヤモンドすら切ることの出来る刀だけあり一撃でヒビがはいってしまった。エンマーゴは何度もゼットンシャッターを切りつけ、そのたびに亀裂が大きくなってゆく

 

「おい!早く拘束技を使えよ!」

 

俺はグリードに怒鳴る

 

「もう少し攻撃のデータが欲しいのよね」

 

「クソが!」

 

俺はエンマーゴが刀を振りかぶった瞬間にゼットンシャッターを消し、テレポートで背後に回る

 

「ゼットンファイナルビーム!」

 

俺は両腕から波状光線を放つ。しかし、その攻撃は盾で防がれてしまう。そしてエンマーゴは剣を天に向けて掲げる。すると黒雲から俺めがけて落雷が落ちてくる

 

「危ねえ!」

 

俺は雷を回避するがたたみかけるように落雷が俺に襲いかかる。さらに、エンマーゴは俺の周囲に地震を引き起こし、バランスを崩したところに落雷で攻撃してきた

 

「あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

 

俺はもろに落雷をくらってしまう。走ってくるエンマーゴから逃れようと起き上がろうとするが、強力な電気を浴びたせいか体がうまく動かない

 

「マジかよ…」

 

エンマーゴが目の前に来て刀を振り上げる。しかし、刀は俺に当たることなく吹き飛び、近くの山に突き刺さった。グリードがエンマーゴの右手に攻撃したようだ

 

「加勢するのが遅くありませんかねぇ…」

 

俺はグリードの近くにテレポートする

 

「データはとれたしあなたは助かった。おまけにあいつの近接武器をなくしたんだからいいじゃない。後は私がやるわ。サポートお願い」

 

「はいはい分かりましたよ。ギャラクトロン」

 

俺はギャラクトロンmk2に力を切り替える。怒り狂ったエンマーゴは周囲に雷を発生させる。そして右腕から炎を出しながらグリードに迫る

 

「動きが単調なのよ」

 

グリードは炎を難なく回避すると近距離から三発のペアハンド光線を脇腹に放ち、いったん距離をとる。エンマーゴは右腕を天に掲げ、振り下ろすモーションをとると、無数の雷がグリードへと放たれた

 

 

「こいつは任せろ」

 

俺は魔方陣バリアを複数展開し、雷をすべて防ぐ。そのすきにグリードは空中に飛び上がり、スワローキックをエンマーゴに食らわせる。エンマーゴは盾でキックを防ぐが、大きくのけぞってしまう

 

「今よ」

 

「ああ」

 

「「ガイスティウム光線(グリップビーム)」」

 

左右から放たれた光線に対し、エンマーゴは周囲の地面を隆起させ、なんとか防ごうとするが、最大出力で放たれた光線により、隆起した地面は砕かれ、直撃した。エンマーゴの体には大きな風穴が二つ空き、力なく倒れた

 

「ようやく痺れがとれてきた…」

 

俺はエンマーゴの死体へ歩く。そしてエンマーゴの背中に手を当てた時だった。死んだと思っていたエンマーゴが俺の足首をつかむ

 

「うお!」

 

だが、グリードがペアハンド光線を腕に放ち、首を山に刺さっていた剣ではねたことにより完全に絶命した

 

「油断しちゃダメよ」

 

「マジで危なかったぁ…」

 

俺は安堵し、もう一度背中に手を当てる。すると、エンマーゴの体は光の粒子となり、俺の体内へと入っていった

 

「刀も手に入れたし、これで終わりね」

 

「疲れた…。体中痛たいし、観光しようと思っていたが土産だけ買って帰るか」

 

俺達は下山し、土産ものをたくさん買い込んで帰路についた




M1号との絡みが思いつかなかったため完全オリジナル回です
ワンチャン次回の投稿遅れます
申し訳ありません
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