英雄のいない世界で生まれた俺は   作:夕映えの戦士

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24話

『…以上の理由でストレイジは解散。第一特殊空挺機甲群を新たに編成し、今後はこの部隊が対怪獣ロボット兵器運用することとします』

 

「セレブロ…」

 

何気なくテレビをつけるとストレイジの後継団体の会見放送が行われていた

 

「今はこのおじさんがセレブロなの?」

 

「ああ間違いない。この間ベリアルメダルを狙って襲われた。あれを見る感じろくな武器は持っていなさそうだがな」

 

俺は先日のことを思いだしながら語る

 

「そういえばセレブロって何なんです?」

 

リリィが人数分のコーヒーをお盆に載せて会話に混ざる

 

「ああ…。そういえば言ってなかったな。本当はあまり人にしゃべっていい内容ではないがリリィにはいいだろう。セレブロは俺達と同じく別の宇宙からやってきた寄生生命体だ」

 

「寄生生命体?」

 

「ああ。文字通り有機生命体に寄生して、行動出来る。やつはその性質を利用して、様々な星の文明を滅ぼしながら渡り歩いている」

 

「そんなことをしてるのに捕まったりしてないのは何でなの?」

 

「セレブロのやっかいなところは人間に寄生することなの。それに文明を破壊すると言っても、外部から見れば人間の手に余る兵器によって自滅しているようにしか見えないの」

 

「やつは星に恐怖を植え付け、強力な防衛兵器を次々と作らせる。そしてその兵器を奪い取ってすべてを破壊する。俺はセレブロを抹殺するためにこの地球へやってきた。もっとも、ジャグラーのせいでろくに動けてないがな」

 

俺はテレビをもう一度見やる。いつの間にかセレブロは横にはけ、気の強そうな女がウルトラマンについての解説を行っていた

 

『…彼らのデータを徹底的に解析し、ついに人造ウルトラマンとでも言うべき最強のロボット兵器の開発に成功したのです。その名も…ウルトロイドゼロ』

 

画面にはウルトラマンゼロを模したと思われるロボットが映し出される。胸部には巨大な射出口がついており、おそらくd4が装備されているのだろう

 

「趣味が悪いわね」

 

グリードがコーヒーをすすりながらそういう

 

「ああ。ロボットウルトラマンなんて基本ろくなことにならない」

 

俺はスフィアに乗っ取られ、火星で暴れた人造ウルトラマンを思い浮かべる

 

『ウルトラマンと同等のパワーを持つこのウルトロイドゼロは、d4レイを完璧にコントロールすることが出来るのです』

 

女とセレブロが入れ替わり、セレブロが再度語り始める

 

『このウルトロイドゼロが皆様の安全を守ります。地球は!我々人類の手で守らなければならないのです!ウルトロイドゼロの起動テストを今週末に行います。その日こそ、人類にとって平和への偉大なる一歩となるでしょ…』

 

俺はテレビの電源を消す

 

「今週末か…」

 

「人造ウルトラマンとd4レイ。もし起動したなら、周囲の怪獣が反応して目覚める可能性が高いわね…」

 

「むしろ怪獣どもにどうにかしてもらった方がありがたいんだがそうもいかんだろうし…。とりあえずテスト区域近くに眠っている怪獣の座標を調べてくれないか?」

 

「分かったわ」

 

グリードは端末を取り出し、手早く調べ始める

 

「さて、おやつでも作りますか」

 

「手伝うよ」

 

「いや、そんなたいしたものは作らないしノワールの相手でもしててくれ」

 

俺はキッチンへ向かいパンケーキを作り始める。すべてが焼き終わり、パンケーキを乗せた食器をもっていくとすでに作業は終わっていたようだ

 

「早いな」

 

「メフィラスボットを周囲にばらまいて超音波で確認した結果がこれよ」

 

グリードは地図を空中に映し出す。そこにはいくつか赤い印が付けられていた

 

「形状から予測しただけだからどの怪獣が出るかは正確には分からないけどおそらく鶴河湾にキングゲスラとタッコング。葛葉山にデマーガ、ゴメス、パゴス。そして芦ノ湖付近にグリーンモンス、ツインテール、チャンドラーが眠っているようだわ」

 

「やっかいそうな芦ノ湖から行った方が良さそうだな。チャンドラーは怪力と羽以外は目立った能力を持っていないから大丈夫だがグリーンモンスは強力な毒を持つし、ツインテールは水中だと無類の強さを誇る。うまく対策しないとやっかいだな…」

 

「他の地区の状況に関してはその都度報告するわ」

 

「おまえは参加しねぇのかよ…」

 

「ちょっと忙しいのよ。研究しなきゃいけないことも残っているし」

 

「はあ…分かったよ。とりあえず芦ノ湖の怪獣の正確な座標を俺の端末に送っておいてくれ」

 

俺は送られてきたデータを元に対策を講じることにする。そしてあっという間に時は過ぎ、ウルトロイドゼロの起動テストが開始された

 

 

『始まったみたいよ』

 

グリードからテレパシーで起動テストの開始が伝えられる

 

「始まっちまったか…。だが、準備は出来ている」

 

グリードからの一報があってから5分も経たないうちに地面が揺れ始めた。近くの山が2カ所崩れ、チャンドラーとグリーンモンスが出現する

 

『他の2カ所にも怪獣出現。パゴスとゴメスはまだ眠っているみたい』

 

「ツインテールは眠ったままか?」

 

『水中に巨大な生体反応があるからおそらく目覚めているはずよ』

 

「結局芦ノ湖のは全部起きやがったわけか…」

 

俺は怪人態へと変身する

 

「ガディバ」

 

「何だ?」

 

俺の腕からにゅるにゅるとガディバが現れる

 

「ムスカリに変身してチャンドラーの相手をしてやれ。俺はグリーンモンスをやる。あと、水中にツインテールがいるから引きずり込まれないように注意しろ」

 

「了解」

 

「木っ端みじんにしてやる。ディノゾール」

 

俺はディノゾールの力を纏い、巨大化する。それに習ってガディバもイカルス星人の姿になって巨大化した

 

「行くぞ」

 

俺達は、2体の怪獣の元へと走る

 

「食らえ!ハイドロプロパルサー!」

 

俺は爆発性の高い流体焼夷弾を放つ。しかしチャンドラーは空へと飛び上がって回避し、グリーンモンスはその柔らかい体を生かし、避ける

 

「チッ。ガディバはアロー光線で追撃しつつ空中で戦え」

 

「分かった」

 

ガディバは指示通り行動する

 

「うおぁ」

 

グリーンモンスから放たれた触手が俺の足に絡みつき、俺の体を引きずる

 

「はあ!」

 

スクープテイザーで触手を切り刻み、体勢を立て直すために一度距離をとる。グリーンモンスは何本も触手を出し、構えている

 

「痛ぇ…」

 

先ほど触手が絡みついた箇所から血が出ている

 

「これスフランじゃねぇか。あのグリーンモンスはスフランを取り込んだ変異種か?」

 

理由は分からないがどうやらこのグリーンモンスは吸血植物のスフランを体に有しているようだ。スフランが空中で戦っているガディバへと伸びる

 

「危ねぇ!」

 

俺は再度スクープテイザーを使い、空中に伸びたスフランをすべて切り刻む

 

「思ったよりもディノゾールは扱いが難しいな…。訓練が必要そうだ。エンマーゴ」

 

俺はエンマーゴの力を纏う

 

「オラァ!」

 

襲いかかるスフランを焼き尽くしながらグリーンモンスを殴りつける

 

「うえっきもちわりぃ」

 

グリーンモンスの体表からは大量のムチンがあふれ出し、体が柔らかいことも相まって打撃が通らない。グリーンモンスは、スフランで俺の体を拘束し、至近距離から毒ガスで攻撃してくる

 

「やべぇ…息が…」

 

血液が大量に失われ、さらに毒ガスを浴びせられたことで意識がもうろうとしてくる

 

「…てめぇなんかに負けてたまるかよ!」

 

俺はグリーンモンスの真下の地面を勢いよく隆起させ、串刺しにする

 

「食らえ」

 

頭上に黒雲を発生させ、雷を落とし、生えているスフランをすべて焼き切った

 

「ガイスティウム光線」

 

そして光線で絶命させた

 

「ふう…。危なかった」

 

俺はムチンでぬめぬめのグリーンモンスの体表を触り、同化した

 

「きめぇがこいつの能力はなかなかのものだ。いただいておこう」

 

完全に同化し終えたそのとき突然触手のようなものにつかまれ、湖に引きずり込まれる

 

「しまった!完全に忘れていた」

 

水に引き込まれた俺は地上とは比べものにならない速度で移動するツインテールに苦しめられる

 

「うわ!」

 

ツインテールの連続体当たりを受け、岩石にたたきつけられる

 

「エビのくせにこんなに強いのかよ…」

 

ツインテールが噛みつこうと鋭くこちらへと突進してくる。それを紙一重で回避した

 

「よし!うまく刺さりやがった」

 

あまりにも速いスピードで突進したツインテールは岩石へと突き刺さり、身動きがとれない

 

「おまえが変な能力を持っていなくて助かったぜ。ガイスティウム光線」

 

光線を受けたツインテールは木っ端みじんとなった。俺は湖から上がる

 

「そっちも終わったみたいだな」

 

アロー光線を受けたのであろう焼け焦げて右腕をもがれたチャンドラーが横たわり、それにガディバが座っている

 

「こいつを俺と同化させてもいいか?イカルス星人よりかは近接戦に優れているようだし」

 

「かまわんよ」

 

ガディバは体をガス状に戻し、チャンドラーの体に同化する。そして俺の体へと戻っていった

 

「お疲れさん。グリード。他の状況はどうだ?」

 

『パゴスとゴメスが目覚めてデマーガとともにウルトロイドゼロと交戦。さらに、ウルトラマンZを退いた鶴河湾の怪獣が葛葉山に到着Zも今遅れて到着したわ』

 

「分かった。ゼットン」

 

俺はゼットンの力を纏い、テレポートで葛葉山へ向かう

 

「到着っと」

 

俺は手始めにデマーガを蹴り飛ばし、状況を確認する

 

「へぇ。ベリアロクとZライザーの二刀流か。かっけぇじゃねぇか」

 

その後、デスシウムスラッシュとデスシウムファングを食らった2体は鶴河湾へと帰って行った

 

「暴走が解けたか。じゃあ後はあっちだけ」

 

俺はウルトロイドゼロの方を向く。胸部の射出口にエネルギーを溜めている

 

「まさか…」

 

ウルトロイドゼロはd4レイを発射し、3体の怪獣は跡形もなく消え去った

 

「あの威力の光線を完全にコントロールしてやがる…」

 

しかし、反動が大きいのかウルトロイドゼロは地面へと倒れた。Zが駆け寄り、中の人間を救出する

 

「これにて一件落着…とはならんよな…」

 

ウルトロイドゼロの搭乗口に誰かが飛び乗った。彼は緑色に目を光らせると魔人態へと変身する

 

「ジャグラー…」

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