八幡side
皆さんこんにちは、チーム・カペラのトレーナーをやっています比企谷八幡です。さて、俺は……じゃなくて俺達は今、日本ではなく遠い遠い異国の地、アイルランドに赴いている。何故かと事情を説明すると、時は数週間前に遡る………
ーーー回想・数週間前ーーー
八幡「急なお電話ですけど、どうしたんですか?それも皆さん揃って。」
ファブル『うん、比企谷トレーナー……これは我々の切実なお願いなんだ。もう1度、こっちに来てはもらえないかな?』
八幡「……何かあったんですか?」
アップル『君も知っていると思うけど、こちらに居るクローネ達がライスシャワーさんに会いたいと毎日のように言っていてね……我々でも話し合っていたんだが、流石にもう限界が近くてね。』
オライエン『そこで、また比企谷トレーナーに日程を調整してまたこっちに来てもらいたいってわけなんだ。ミスターファブルとミスターアップルのところに比べたらクラウはマシなんだが、もう2人は叫び出すくらいらしくてね……』
八幡「それは……重症ですね。」
ファブル『急なお願いで申しわけ無いんだけど、引き受けてはもらえないだろうか?』
八幡「……確約は出来ませんが、チームと話してみますね。」
ーーー回想終了ーーー
というやり取りがあって、チーム全員と話し合った結果……全員OKが出た。しかもファインの粋な計らいで飛行機を用意してくれた。流石に王族専用機と言われた時は即断って普通の飛行機にしてもらった。そんで今はアイルランドの空の玄関口に到着したばかりだ。
ルドルフ「ほう、此処が西の愛国という場所か……日本とは随分と違うな。」
シービー「だね~。ホントに外国って感じ!」
ライス「ねぇお兄様、これからどうするの?」
八幡「迎えが来る事になってる。誰が来るとは聞いてないんだが、多分ミスターオライエンが来ると思う、地元だし。」
シービー「ふぅ~ん……ん?ねぇ八幡、なんか騒がしくない?」
アルダン「えぇ、不自然なくらいに……何かあったのでしょうか?」
ラモーヌ「それはきっと目の前に居る方達のせいでしょうね。」
目の前?誰が居るって………あぁ~アイルランド国王と王妃様ね、はいはい………んんっ!!?!!?国王と王妃ぃ!!?
国王「よく来てくれた、比企谷トレーナー。ようこそアイルランドへ……心から歓迎しよう。」
王妃「娘がいつもお世話になっております……やんちゃで好奇心旺盛な子ですからお困りだと思いますけれど、これからもよろしくお願いしますね。」
八幡「……っ!?まさか国王様がお出迎えしてくださるとは思いませんでした、すみません。まだ頭の整理が追いついていなくて……」
国王「構わないとも、それと楽にしてくれて構わない。それに、全世界に新たな風を生み出したトレーナーとウマ娘に一目会いたいと思ったからだよ。」
ルドルフ「……失礼、新たな風、と申しますと?」
王妃「ふふふ、誤魔化しているのかしら?数年前の天皇賞・春………あの出来事は全世界の常識を変えてしまう程の影響があったの。このアイルランドもその国の1つよ。」
国王「ミスター比企谷八幡、ミスライスシャワー。君達の勇気ある走りと行動に最大の敬意を。」
すると国王はその場で片膝を、王妃は両膝を着いて頭を下げた。いやいやいや!!ダメだろこんなのっ!!?落ち着いて状況説明してる場合じゃねぇ!!
八幡「あ、頭をお上げください!俺みたいな奴なんかに頭を下げる必要はありません!それに王族が庶民なんかに……」
国王「形式上とはいえ、君達にはお礼をしたいと思っていたんだ。アイルランドでも人気の無いウマ娘が勝つと微妙な空気になる事は否めなかった。だが君のあの行動と言葉によって大きく変えられた……私もすぐに行動に移した。トレーナーのオライエンから聞いていると思う。」
八幡「……はい、聞いています。」
国王「そのくらいの影響力という事だ、君のあの言葉はね。」
王妃「だから貴方達がまたこっちに来る事があれば、挨拶に伺おうと決めていたの。我が国屈指のトレーナーが認める程のトレーナーとウマ娘なんですから。」
八幡「は、はぁ………」
いやもうそれどころじゃない……早く此処から移動しません?俺、国王に頭を下げさせた奴として、この国の人達から後ろ指刺されそうな気がするんです。
国王「では、移動しようか。ついて来るといい。」
ーーー車内ーーー
国王「事情はオライエンから聞いている、彼女の友人に会う為にこの国に来たんだとね。」
八幡「はい、何でも限界を迎えていると……」
国王「イギリスとフランスのトレーナーとウマ娘も既に現地入りしていると聞いている。それも、君達の事は知らせずにだそうだ。」
八幡「……それ、自分の担当のライスがもみくちゃになる未来しか見えないんですけど。」
国王「はははははっ!彼女には頑張ってもらわないといけないな。」
ライス「で、でも……また3人と会えるのは、とっても嬉しいです。」
王妃「そう、それなら良かったわ。」
シービー「あのさ、全く会話に入れないんだけど?どうしよう?」
ルドルフ「まぁ、我々はおまけみたいなものだからね。兄さんについて行けば安全だろう。それにこの国は英語でも会話が可能だ。」
アルダン「まさか王族の方達がお出迎えしてくださるとは思いもしませんでしたね。」
ラモーヌ「そうね……けれど、手配した人物の事を考えればそんなに不思議じゃなくなってくるわね。」
チーム・カペラ、アイルランドへっ!!
目的はライスの戦友のメンタルケア!