八幡side
八幡「……さて、何処から行ったものか。」
【日本ウマ娘トレーニングセンター学園】……通称トレセン学園。俺の妹が通学しているウマ娘専門の学園だ。憧れの存在が出来てからは追っかけファンの如く、次走の情報や動画なんかを洗いざらい見る事が習慣となっていた。学園に入学してからは親父にも俺にも欠かさずに連絡してくれるから相変わらず元気にやっているんだとは思っているのだが、親父から様子を見に行ってほしいと言われたから学園まで見に行く事になったのだ。
たづな「こんにちは、見学のご予約をされていた方ですね?」
八幡「はい、よろしくお願いします。」
たづな「こちら見学者の通行証になります。どうぞ、ごゆっくり。」
八幡「どうも。」
……此処がトレセン学園か。外観から既にお腹一杯なんだが、まだまだ広いんだろうな。だが妹が何処でどうしているかなんてサッパリ分からん。
八幡「とりあえずコース場って所にでも行けば誰かしらは居るよな、行ってみるか。」
ーーーコース場ーーー
八幡「ふむ……やっぱレース場とは違って小ザッパリしてるんだな、歌いやすそうな場所だ。」
「あ、あの!」
八幡「?はい、何か?」
「もしかして、パカチューブで登録者数300万人越えのハチさんですかっ!?」
八幡「……まぁ、そうですけど。」
「やっぱり!私、貴方の歌がとっても好きなんです!!ずっと前から見てて、LIVEもいっつも見てます!!」
八幡「はぁ……それはどうも。あぁそうだ、1つお尋ねしたいのですが……」
ーーー音楽室ーーー
八幡「此処か、とりあえず聞き耳だけ……」
『♪~♪~』
ふむ……やっぱアイツの声分かりやすいな。っていうか若干ビブラート入ってるな、この曲では必要無いだろうに。
???『あっ!!!!!』
あっ、バレた。
ガラガラッ!
キタサン「兄さん、どうして学園にっ!?」
ダイヤ「お久しぶりです、お兄さん!」
八幡「あぁ、久しぶり……理由としては、親父から様子を見に行ってほしいって言われたから見に来たってところだ。」
キタサン「そうなのっ!?あたしお父さんには何も心配要らないって、いつも言ってるのに~!」
八幡「親心を無碍にするんじゃねぇよ。それと、今は授業中だろ?話なら後で聞いてやるから「あの、よろしければお兄様もどうですか?」……はい?何故でしょうか?」
教師「パカチュ-ブで有名なシンガーのハチさんですよね?歌のプロから教わるのなら、きっとこの子達のプラスになると思うんです。」
八幡「はぁ……まぁ、彼女達が構わないのであれば自分は構いませんが。」
その後の音楽室はかなりの興奮に包まれていたが、歌うともなれば真剣に取り組んでいた。そして何故か途中から……
八幡「左列の7番目の君、抑揚をもっと付けてみようか。歌にテンションが感じない。」
八幡「中央5番目の君、ロングトーンが苦手なら少し高めの声でやってみてくれ。周りに合わせる必要は無いから。」
八幡「キタサン、お前またビブラートが出てるぞ。締めが台無しになるからそれ禁止。」
八幡「ダイヤ、声量もう少し上げようか。まだ行けるぞ。」
………こんな風に俺が講師を務める形になっていた。まぁ未来のスターになるかもしれないウマ娘の歌を教えたと思えば、気持ちも楽だろう。
教師「はい、皆も今日の授業はとっても励みになったと思います。そして最後に、ハチさんが特別に歌を歌ってくれる事になりました!」
「えっ!?あのハチさんの歌を生で!?」
「夢みたい~!いつもは画面でしか見れなかったのに!」
教師「それでは皆さん、ステージに行きましょう!」
ーーーステージーーー
教師「それではハチさん、よろしくお願いします!」
八幡「はい。では………
八幡「果てしなく続くような 高い壁を前にして この震えは 覚悟、証でしょう♪~♪~」
八幡「誇り高く狭き門を目指し 数多の夢が 敗れて散ってまた目指して 無謀だとしても構わない♪~♪~」
八幡「未踏の頂へ 挑めL’Arc de gloire 【信念】と【執念】の果てに 辿り着く この広い海越えて♪~♪~」
「わぁ……すっごい………」
「これがプロの歌なんだ………」
キタサン「………」
ダイヤ「………」
八幡「遥か彼方 願いの先信じた 挫けそうな諦めそうな 脚走らせ♪~♪~♪~」
八幡「轟いた歓声を置き去りにしていった 目の前に誰もいないゴールは 雄大なユートピア♪~♪~♪~」
八幡「栄光と勝利の輝き 嗚呼 手にしたいよ♪~♪~♪~」
八幡「この奇跡と 呼ばれる必然は 長く険しい旅路の先 届いた 栄光の門へと♪~♪~♪~」
間奏が終わっても、生徒達と先生は固まったままだった……そんなに酷かったのか、俺の歌?
八幡「あぁ~……んんっ!以上で演奏を終了する。」
その声で一気に拍手をもらった。まぁアレだ、そこそこは良かったんだろうな。
ーーー昼休み・カフェテリアーーー
ダイヤ「最後の
キタサン「あ、あたしも頑張るからね!!それでね兄さん、歌の練習なんだけど……練習に付き合ってほしいなぁって。」
ダイヤ「あっ、キタちゃんズルい!お兄さん、私にもお願いします!」
八幡「それは構わないが、俺とお前達の日程が合う日だけだからな?俺にも都合があるんだから。」
キ・ダ「はい!」
ルドルフ「失礼、少しよろしいでしょうか?」
八幡「?」
3人で昼食をしている時に、トレセン学園で生徒会長をしているというシンボリルドルフから音楽教員としてこの学園で働くつもりはないかと提案をされた。どうやらさっきの俺の歌が学園にも届いていたらしく、それでスカウトをしに来たらしい。だが俺の本業は既に見つけてるから断った。その間、キタサンとダイヤが期待の眼差しを俺に向けていたのだが、あえてそれは無視した。
あまり絡みはありませんでしたが、きっとこんな感じ?