比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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お盆の再会

 

 

八幡side

 

 

八幡「ズズ∼……はぁ~………まさかこうして、また此処に来られるなんてなぁ~。」

 

クリフジ「ゆっくりしていきなさい、慌てる事なんて無いんだから。」

 

八幡「あぁ、そうさせてもらう。」

 

スピード「八幡君、君は親族だからそのように落ち着く事が出来るのだろうが、少しは私の事も汲み取ってほしいのだが……」

 

八幡「あ、あぁ~すみません。懐かしさと安心感が重なってしまったせいか、ついリラックスしてしまうんですよね……」

 

クリフジ「まぁまぁ、肩肘張る必要も無いんだから。スピードさんも力を抜いて良いんだよ。」

 

スピード「あ、ありがとうございます……しかし、目の前に憧憬の存在が居るともなると、落ち着く事もままならず。」

 

クリフジ「ありがとうねぇ~こんなお婆ちゃんを憧れてくれるなんて。さぁさ、お茶菓子もあるからね。」

 

八幡「あぁ、ありがとう婆ちゃん。」

 

 

ルドルフが無敗のままトゥインクルシリーズを引退して、ドリームトロフィーリーグに移籍してから8ヶ月。俺はトレーナーとしてルドルフの後に続くウマ娘達の育成をしている。俺から見てもかなりの才能があるから今後が楽しみである。そして今……というよりもこの時期はお盆。より正確には遅盆と呼ばれているらしいが、俺が昨日の夜に舞を踊ったのが原因だと思う。だからこうして婆ちゃんの家に招かれたのかなとは思うが……何でスピードさんも?

 

 

八幡「なぁ婆ちゃん?親父とかおふくろは?此処に来た事無いのか?」

 

クリフジ「此処に来れたのが八幡が最初だったからねぇ~……その後も八幡とスピードさんしか見た記憶が無いねぇ~。家をチラッと覗きに行った事はあるけれど。」

 

八幡「そうか……けど何でスピードさんは来られるんだろうな?やっぱ婆ちゃんへの想いが強いからか?」

 

クリフジ「お婆ちゃんにもそれは分からないけど、もしそうだとしたら嬉しいねぇ~。」

 

スピード「私の心に根強く刻まれている存在ですから、そうであると嬉しいです。ところで、八幡君は幼少期の頃はずっと此処に?」

 

八幡「そうですね……確かに此処に来る頻度は多かったかもしれません。自分の実家も千葉ですけど、自分が住んでいたのは住宅街でしたから、自然の空気が吸いたい時とかは両親と一緒に祖母の家に来ていましたね。」

 

クリフジ「一時期なんて、八幡が『この家に住む!』なんて言い出してたんだよ?」

 

 

マジ?俺そんな事言ってたの?全く覚えてねぇや……でも今ならその気持ちめっちゃ分かる、だって居心地すげぇ良いもん。

 

 

クリフジ「八幡は昔から手間のかからない子でねぇ~。よく私のお手伝いなんかをしてくれてたんだよ。何も言わないのに進んでやってくれてたから、とても助かっていたんだよ。」

 

スピード「確か、クリフジさんがご存命だった頃の八幡君は未就学児だったと聞いています。それを自ら進んで……その頃から君は秀逸だったみたいだな。」

 

八幡「よしてくださいよ、微塵も記憶に無いんですから。」

 

クリフジ「けど、その頃からだったかもしれないねぇ……八幡が人の行動や表情に敏感になり始めたのは。」

 

スピード「?と、いいますと?」

 

クリフジ「私も孫が来ると聞いたら嬉しいんだけどね、もういい歳のお婆ちゃんだから体調が良くない日も多かったからねぇ~。それに1番に気付いたのが八幡だったんだよね。玄関を開けてすぐに『お婆ちゃん、具合悪いの?座ってていいよ。』ってね……気のせいって思ったのだけど、その後も見透かされているかのように当ててくるから、その時はビックリしたもの。よくお水を持って来てくれたり、背中をさすってくれたり、立ち上がるのを手伝ってくれたり、色々助けてくれたんだよ。」

 

八幡「……何でだろうな、そこまでしてやってたのに記憶が無いって。当たり前だと思ってたからか?」

 

スピード「当たり前……そう考えると不思議ではないな。人やウマ娘の脳は非常に酷似していて、より衝撃的な事は記憶に残りやすいと文献にもあった。君がその事を記憶していないのは、クリフジさんのお手伝いをする事が当たり前になっていたからではないだろうか?」

 

 

成る程……たしかにそれならあり得るな。

 

 

スピード「しかし、クリフジさんは細かく記憶されているのですね。」

 

クリフジ「私の初めての孫だったからねぇ~可愛かったというのもあるけど、私の知っている子供とは随分とかけ離れていたからかもねぇ。小学校に入る前の子供といえば、無邪気で無鉄砲で無垢で向こう見ずというのが私のイメージだったから。」

 

スピード「確かに……そのような印象が強いでしょうね。しかし八幡君にはそれが無かったと。」

 

クリフジ「遊ぶ……というよりも、家に来たら私と此処でお話する事が多かったからねぇ。遊べる物もいくつかあったんだけど、あんまり興味は示さなかったねぇ~。」

 

 

子供の頃の俺ってそんな感じだったんだ……まぁでも婆ちゃんが居るならそうしてたかもな。

 

 

ーーー数時間後ーーー

 

 

八幡「あっ………」

 

クリフジ「おや……時間みたいだねぇ~。」

 

八幡「お別れかぁ……婆ちゃん、今度いつになるかは分かんねぇけど、また来る。」

 

スピード「私もお邪魔でなければ、またお伺いさせていただきます。」

 

クリフジ「うん、待ってるからねぇ~。」

 

 

そして俺達は現世に戻ってきた。その日のトレーニング前に青鹿毛の担当から………

 

 

青鹿毛「あの……何があったんですかトレーナーさん?とても強い霊気が憑いています。」

 

 

っと言われた。まぁアレだ、婆ちゃんが守護霊になって憑いてくれているんだ。そういう事だろ絶対。

 

 

 

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