八幡side
シービー「ふっ……ふっ……ふっ……っ!」
八幡「………」
ピッ!
シービー「ふぅ~……八幡、記録どう?」
八幡「……ん、良いタイムだ。記録更新。」
シービー「やったぁ~目標まで後どのくらい?」
八幡「後0.4秒だからもうちょいってところだ。けど5月入る前にこのタイムだったら、まだまだ行けそうだな。」
シービー「任せてよ、じゃあもっかい行ってくるね~!」ダッ!
驚いたもんだ、ゴールして少しは息を切らすかと思ってたのにケロッとしてたな。しかも余裕の表情。
「なぁ、ミスターシービーのスタミナってどうなってんだ?」
「東京の1,000mを想定したトレーニングをこの坂路でもう2本やってるのに、息すら上がってない。」
「これはもうダービ-大本命はシービーに決まりか?」
見学を許可した取材班達は見ての通り、シービーの走りに度肝抜かれてる。まぁ確かにシービーちょっとヤバい事してるしな。
シービー「八幡~準備OKだよ~!!」
八幡「おぉ~じゃあ行くぞ~!」
俺は上げた旗を振り下ろしてスタートの合図を出した。それからシービーはコーナーを曲がりながらスピードを上げて来ていた。
ピッ!
シービー「はぁ~……ふぅ~……どう、タイム?」
八幡「さっきよりも0.07縮んだ。」
シービー「更新……だけど今日はこれが限界かなぁ~……」
八幡「どうやらそのようだな、じゃあ残りは2,400m流しで終わり。」
シービー「オッケー。」
「あ、あの……トレーナーさん。」
八幡「はい、何ですか?」
「今日はこれで終わりですか?」
八幡「はい、これで終了です。」
「何と言いますか、他の陣営と比べるとトレーニングの時間が短いと思うのですが……」
八幡「えぇ、短くしてますから。」
「えっ!?それはどうしてでしょうか!?約1ヵ月後には日本ダービーを控えられているのに!」
八幡「だからだと言っておきましょう。シービーには最後の1週前までは短期集中型のトレーニングをさせていきます。この前のレースは雨でしかもシービーはぬかるんだ地面の中で直線に入りましたので、脚には他のウマ娘よりも疲労が溜まっています。なので回復をさせつつもトレーニングを行っている、というわけです。」
「な、成る程……」
まぁ、あの走りを見る限り全く問題は見当たらないけどな。疲労はある程度あるが、それもその内無くなるくらいだと想定している。
次々と撤収作業に入っている取材班の人達の中には物足りなさそうな表情をしている人達も居た。本当だったら後何十分か続くと思っていたトレーニングがこんなに早く終わったんだから無理もない。
シービー「あれ、もう帰るんだ?」
八幡「残る意味が無いと踏んだんだろう。まぁそれならそれで構わないけどな。」
シービー「じゃあさ八幡、ストレッチ付き合ってくれない?」
八幡「またか……まぁいい。」
ーーー部室ーーー
シービー「ねぇ八幡、この前菊花賞までのルート教えてくれたでしょ?もしあたしが安田記念か宝塚記念に出たいって言ったら八幡どうしてた?」
八幡「ん~そうだなぁ……安田記念は連闘になるが勝てないレースじゃないし、宝塚記念も先にシニアクラスのウマ娘と走れるっていう点ではプラスだ。まぁでも、1番はお前の調子を見て判断する。」
シービー「やっぱそうだよねぇ~。八幡ならそうするよね~。」
八幡「何でそんな事聞くんだ?」
シービー「ん?まぁ何となく?」
理由無いのかよ……
シービー「あっ、そうそう。ルドルフのデビュー戦決まったって。7月の新潟でやるみたい。」
八幡「ほぉ~新潟かぁ……どんなレースになるんだろうな?」
シービー「ルドルフだからねぇ~やっぱ凄いレースにはなると思うよ?もしくは危なげなく勝つ普通のレースとか。」
八幡「どっちもあり得そうだな。」
シービー「観に行く?ルドルフのデビュー戦。」
八幡「興味はあるが行きはしないな。それに中継でも見れるし。」
コンコンコンッ
八幡「ん、どうぞ。」
たづな「失礼します、比企谷トレーナー。お電話です。」
八幡「電話?相手は?」
たづな「その……外国の方なのですが、【アドミラル】と……」
八幡「っ!分かりました、電話を貸してください。【ピッ!】Hallo, Long time no see. How have you been?(こんにちは、お久しぶりです。お元気でしたか?)」
………成る程、そういう事か。
八幡「……I understand. But I can't guide you to the school dormitory, right?……Yes, that's it, please……Okay, then I'll cut it.(分かりました。ですが学園の寮にはご案内出来ませんからね?……はい、それでお願いします……はい、それじゃあ切りますね。)ありがとうございました。」
たづな「い、いえ……それよりも比企谷トレーナーは英語が話せるのですね。」
八幡「まぁ、それなりには。」
シービー「いやいや、それなりってレベルじゃないでしょ今の。普通に会話してたじゃん。っていうか相手の人誰?」
八幡「俺の大師匠の娘さん。プロフェッサーと一緒にお前のダービ-観戦しに来るって。」
シービー「あのさ、そのプロフェッサーと娘さんの名前ってなんていうの?」
………まぁ先生じゃないからいいか。
八幡「プロフェッサーの名前がマンノウォーで娘さんの名前がウォーアドミラル。マンノウォーさんは言わずもがなだと思うが、ウォーアドミラルさんは4代目アメリカ3冠ウマ娘だ。」
た・シ「えっ!?(はぁっ!?)」
まぁ、そういう反応になるよな……
大師匠、御息女と一緒にダービー観戦!