ーーーーーー
パドックでの出走ウマ娘の紹介が終わって、これから日本ダービーを走るウマ娘達は東京レース場の芝へと向かっていた。そんな中、本命に推されているシービーはまだ控え室に居た。
シービー「3冠ウマ娘、かぁ………やっぱり皆見たいんだね。」
八幡「そうらしいな。最後に獲ったのは今から19年前のシンザンが最後、その後も挑戦は続いたみたいだが誰1人として3冠は獲れていない。2冠ウマ娘だってこの19年間でたったの6人だからな。」
シービー「でも、獲れないって意見も多いみたいだよ?その辺りは?」
八幡「言わせておけ。」
シービー「あっはは、八幡らしい♪八幡もやっぱり3冠ウマ娘は見たい?」
八幡「ん?まぁその気持ちもあるにはあるが、俺は別にそこまで見たいとは思わないな。担当が無事に走り切ってくれればそれでいい。【無事是名ウマ娘】って言葉があるだろ?俺はそっちの方が良い。」
シービー「……そっか。」
八幡「……お前は自由に走ってくればいい。」
シービー「ふふっ、いいの?トレーナーがそんな事言っちゃって?でも、それを言えるのが八幡だよね。うん、ありがとう。あたしはあたしらしく自由に走ってくるね!」
八幡「あぁ、それで良い。」
2人は控え室を出て、八幡はシービーをターフに送り出そうと思ったその時………
シービー「ん?あれ、ストラップ切れた。」
八幡「え、このタイミングで?控え室になんかあったか?ちょっと探して「あぁいいよ。」え?」
シービーは繋がっている反対側の方の引っ張って、完全に取り除いてしまった。
シービー「はいコレ、預かってて。」
八幡「………ふっ、分かった。」
シービー「じゃ、行ってくるね♪」
八幡(……アイツらしいな。)
八幡は観覧席へ、シービーはターフへ進み、ダービーへと挑むのだった。
ーーー数十分後ーーー
実況『本日の東京レース場は良バ場に恵まれ、最高の状態となっております。これから2,400mに挑む18人には何が見えているのでしょうか?1番人気ミスターシービーは6枠12番、これは皐月賞と全く同じです。』
解説『皐月賞の時のような走りを期待したいですね。しかしダービーにはジンクスがありますからね、懸念材料があるとすれば間違いなくソレですね。』
実況『このジンクスを打ち破る事が出来れば、またも常識を覆す事になりますね〜さぁ最後に大外18番のデアリングパワーが収まりました!今年のダービーは誰が勝つ!?打ち破るのは常識か!?ジンクスか!?』
ガッコン!!
実況『ゲートが開いてスタートしました!!先行争いですが、ミスターシービーはいきなり下がって1番後ろに行きましたっ!!ミスターシービー自ら最後方ですっ!!』
「えぇっ!?そんな………」
「おいおい、皐月賞の時は勝てたけど、ダービーの追い込みは流石に………」
「ダービーポジションを知らないのか?」
シービー(あたしは自由に走る、ただそれだけ……だよね、八幡?)
実況『1コーナーから2コーナーに向かって行きます!先頭に行ったのはイズミサンライズ!ティアラ路線からの参戦シャダイソフィア、内からニシノスキーこの3人が先頭集団!後ろからはミヤコオーダスとマックスファイアー!その外にカツラギエースも続いている!ミスターシービーは後方の2〜3番手であります!』
マンノウォー「縦長の展開でミスターシービーは後方2〜3番手……かなり後ろだな。」
アドミラル「八幡、彼女にはやはり得意な脚質で挑めと伝えたのか?」
八幡「……自由に走れ、と。」
アドミラル「……何?」
八幡「アイツの走りは誰にも縛られずただ自由に走る、これが1番良いんです。」
アドミラル「では今の彼女の走りは完全なるアドリブ、そういう事か?」
八幡「そうです。」
マンノウォー「あっはははは!お前の担当は中々愉快な事をする奴だな!つまり、それで皐月賞も勝ったのだろう?」
八幡「はい。」
マンノウォー「であれば、見届けようじゃないかアドミラル。ミスターシービーの走りを。」
実況『3〜4コーナー中間で先頭はマックスファイアー!リードは3バ身!後ろからはタケノヒエンとデアリングパワーも上がって来ました!ミスターシービーはいつの間にか前団6〜7番手まで上がってきています!さぁ4コーナーをカーブして最後の直線です!!』
シービー「さぁ、行くよ!!」
エース「だあああぁぁぁぁぁ!!」
実況『ミスターシービーが先頭っ!!ミスターシービー先頭っ!!しかし大分脚を使っているぞ!!後ろから来るウマ娘は居るのか!?連れて伸びてくるのはカツラギエース!ビンゴカンタとメジロモンスニーも上がって来る!!』
エース「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」
シービー(良いね、熱が伝わってくる……楽しい、やっぱりレースはこうでなきゃ!!)
実況『メジロモンスニーは2番手かっ!ミスターシービー強い!ミスターシービー強いっ!!ミスターシービー2バ身差で今、ゴールインッ!!ミスターシービー今日もまた凄いレースをやってのけました!!1コーナーを最後方でカーブして徐々に進出……そして最後は先頭で駆け抜けましたっ!!これで、3冠達成に王手をかけましたっ!!』
シービー「はぁ……はぁ……ふぅ〜!あぁ〜気持ち良い〜♪良いレースだった!」
シービーは皐月賞の時と同じように、常識を覆した展開を披露しながらダービーを先頭で駆け抜けた。それと同時に皐月賞と日本ダービー、これを制した事で2冠達成の偉業も成し遂げた。
1コーナーのジンクスって今ではもう誰も知らないんじゃないですかね?
ジンクスといえば今日のジャパンC!ドウデュースが見事に勝利して、ジンクスを破りましたね!
『ドウデュースは3戦負けてからでないと勝てない。』
今日は上がり3ハロン唯一の32秒台で優勝!!残すは有馬記念だけです!!勝って秋古馬3冠達成して欲しいですね!