八幡side
2人のトレーニングを終えて、俺は○○先輩とサブトレーナー、そしてバブルの元へと向かっている。場所は昨日教えてもらっていたから、迷わずに済んでいる。にしても、バブルがなぁ………走り、見せてもらおうじゃねぇの。
八幡「先輩。」
メインT「ん?おぉ比企谷!久しぶりだなこうして会うのは。」
八幡「はい。同じ中央トレセン学園のトレーナーなのに変な話ですね。どうですか?」
メインT「お前に比べたら好調でもないが、ボチボチだな。聞いたぞ、2人目はフジキセキなんだってな?また良いウマ娘を選んだもんだな。」
八幡「受けてくれて良かったですよ。こっちからゴリ押しするわけにも行きませんからね。」
メインT「そうだな。まずは俺達が良いトレーナーだって分かってもらわなけりゃならないからな。その点お前はよくやったと思う。やり過ぎたってくらいだがな。」
八幡「俺もあの時は青かったんですよ、1年経った今もですけど。」
メインT「ふっ、それを言うなら俺も同じだ。あぁそうだ、お前のお目当ての後輩とバブルならあそこに居るぞ。」
八幡「……ほう。」
先輩の指差した方向に目を向けると、真剣な表情で走るバブルと、その様子をバインダーに挟めてる紙を持って、タイムを測っている後輩が居た。走りの様子から見て、好調というのは嘘ではなさそうだ。
八幡「成る程、良い走りですね。」
メインT「あぁ、だろ?骨折で入院していた時も出来るトレーニングを2人で試行錯誤していたみたいでな。当然食事や習慣にも気を配っていた。だからこその回復の速さだろうな。」
八幡「余程、バブルの執念が強かったと思います。でなかったら、あんな風に熱が移ったりしませんよ。」
メインT「そうだな。だがそれをバブルだけじゃなく、他のウマ娘にも向けて欲しいものだがな。まぁそこはまだ新人だ、俺がきっちり教えて行く。」
八幡「頼みましたよ、先輩?」
メインT「お前も後輩を持ったらそうするんだよ。」
八幡「いいんですか?俺にサブつけたら、ソイツの自信、粉々になりますよ?」
メインT「お前は新人に何するつもりだよ………」
いや、俺から何かをするつもりはありませんよ?おっ、バブルがこっち気付いた。やっぱ元気良いなぁアイツ。後輩君も俺にお辞儀、うん、苦しゅうない。
メインT「あっちに行っても良いんだぞ?」
八幡「今はトレーニング中ですからね、流石に邪魔したくはないので遠慮しときますよ。終わってからでも話せますからね。」
メインT「んじゃ、終わるまでは見学って事か?」
八幡「そういう事になりますね。」
「あ〜っ!比企谷トレーナーじゃん!!」
「え、ホント!?あっ、ホントに居た〜!!」
「私のフォーム、見てくださいっ!!」
「ちょっとズルい!!私の方がレース近いんだから、私のを見てよー!」
メインT「……お前等なぁ。担当トレーナーが目の前に居るのに、他のトレーナーにそれ聞くか?」
八幡「残念ながら俺は見学者でな、口出しは出来ねぇよ。つ~わけだから、担当のトレーナーに聞けよ。」
すると先輩の担当ウマ娘達は渋々といった感じだったが、嫌そうにしているウマ娘は1人も居なかった。信頼関係は良い感じみたいだな。
そしてトレーニング終了後………
バブル「トレーナーさん、久しぶり〜!!私、骨折治ったよ!!」
八幡「おう、みたいだな。聞いた時は驚いたもんだ。次の出走予定にもな。」
バブル「だって今の私が3,000mなんて絶対に無理だもん!そりゃクラシックを全部走って夏合宿も行ってきた娘なら大丈夫だろうけどさ、骨折して出来るトレーニングだけをしてた私がいきなり1,000mも距離延長なんて無謀にも程があるもん!」
八幡「お前、実はトレーナーよりもレースの事よく考えてんじゃね?」
後輩「先輩、ご無沙汰です。」
八幡「おう、お前もな。バブルの走りは遠目で見てたが、順調みたいだな。」
後輩「はい、このままこの調子で行きたいです!」
八幡「その意気だ。まぁ1つ言えるとすれば、相手はシニア級のウマ娘だ、これまでの相手とは経験もキャリアも格上になってくる。それを相手にどこまで上手く立ち回ってレースを出来るかがポイントだ。」
バブル「うん。」
八幡「まぁ後は、雰囲気に飲まれるな。その場の雰囲気にやられてその場の空気に飲まれたら、一気に視界が狭くなる。ちゃんと周りをよく見て走る事だ。」
バブル「トレーナーさんは、エアグルーヴにそれを教えてるの?」
八幡「いや、教えてない。エアグルーヴには必要無さそうだしな。それに、お前も分かるだろ?エアグルーヴって飲まれる側じゃなくて、する側だし。」
バブル「あぁ〜……分かる。」
メインT「お前、自分の担当になんて言い草だよ。」
八幡「でも分かるでしょ?」
メインT「………まぁ、そうだな。」
思ってたんじゃねぇか。
後輩「俺も、バブルの力を最大限に出せるように力を出します!」
八幡「ふぅ………力を出すのは良い事だ。けどな、その力が余計な時だってある。抜く時は抜け。俺を見てみろ、こんな気怠そうで頼りなさそうなトレーナー、他に居ないだろ?」
後輩「……はい、最初から先輩ってそんな感じでしたけど、殆どのウマ娘達から慕われてたので、相当に凄い人なんだなって思ってました。実際そうでしたし。」
八幡「………見抜かれてたのか。」
メインT「だから言ったろ、お前は最初からやり過ぎたんだって。」
八幡「………ですね。」