八幡side
神戸新聞杯の敗北から1週間。俺はシービーに菊花賞に向けてのトレーニングと調整を行っているところだ。あまりこういう事は言いたくはないのだが、マスコミ連中はこういうのが大好きだからエースが勝った事とシービーが負けた事をデカデカと記事にしていた。俺もシービーもあまりそういうのは気にしないのだが、見ていて良い気がしないのは確かだ。
しかし意外なのが、こういう記事に対してエースとエースTが真っ向から否定しにかかった事だ。特にエースがそのマスコミ連中を前に……
エース『確かにシービーが負けたのは事実だけどよ、あたしはこの前のレースはちっとも納得してねぇぜ。シービーのトレーナーからも聞いたと思うけどよ、あの日のシービーは万全の状態じゃなかった。あたしはよ、万全の状態のアイツと走りてぇんだよ。アンタ達には関係の無い事だけどよ、事実だとしてもこんな記事を書くのはどうかと思うぜ。勝ったあたしからしても気分悪かったぜ。』
って感じで真正面からマスコミにぶつかってた。エースTも同じ気持ちだったらしく、新聞を見た瞬間に嫌な気持ちになったと言っていた。あの人ってエースと同じでこういう事にはかなり熱くなるらしい。
そのお礼ってわけではないのだが、俺達は今はこうなっている。
エース「美味ぇ!!!トレーナーさん、このカツめっちゃ美味ぇ!!!しかもチーズまで入ってんじゃねぇか!!超美味ぇ!!!」
エースT「話には聞いてたけどこんなに美味いんだな、お前の作る料理ってのは。このソースに付けてもまた美味いんだよな。」
八幡「それは何よりです。シービーはどうだ?」
シービー「
八幡「うん、俺が悪かったから口の中に物が無くなってから話そうな。」
エース「夏合宿以来だったけどよ、トレーナーさんの作る料理ってマジで美味いよな!シービーが羨ましいぜ〜。あたしもそれなりに料理は出来るけどよ、トレーナーさん程じゃねぇぜ?」
八幡「俺も最初は料理なんてやるつもりは無かったんだけどな。」
シービー「いやぁ〜週に2〜3回作ってもらってるんだけどね?全く飽きが来ないんだよね〜。八幡、あたしの嫁に来ない?」
八幡「何で俺が嫁なんだよ、それとならねぇよ。」
今日はチーズトンカツにしたのだが、この前の会見のお礼という事で2人にも振る舞っているというわけだ。
エースT「なぁ比企谷、食費払うから1週間晩飯だけ俺に飯作ってくれないか?エースが美味い美味い言う理由がよく分かるっていうか、こんなに美味いのを食わされたらなぁ〜……」
八幡「先輩まで何言ってるんですか……俺はトレーナーであって料理人じゃないんですけど?」
エース「しかもそれだけじゃねぇんだぜ。シービーのトレーナーさんはお菓子も作れるから料理人の枠に収まるレベルじゃねぇぜ?」
エースT「マジでか?お前、前職何してたんだ?」
八幡「これが初就職ですよ。」
エースT「……ホントに作ってくれね?」
八幡「作りませんて。」
それにこれは先生から必要になるからって教わっただけで、それ以外の事にはならない活用するつもりは無い。まぁ、トレーナーを辞めたらこのスキルを生かすのも考えるかもしれないけど。
シービー「じゃあさ八幡、あたしの家まで来て夕食を「それも却下だ。」えぇ〜良いと思うんだけどなぁ〜。ほら、もし疲れたらあたしの家に泊まっても良いからさっ♪」
エース「一体何言ってんだよシービー!?そんなのダメに決まってんだろ!」
シービー「だってあたしは一人暮らしだから、やろうと思えば出来るよ?ねねっ、泊まりに来ない?」
八幡「行きません。ほら、それよりも冷めない内に早く食っちまえ。サクサク感無くなるのと午後の授業に遅刻するぞ。」
シービー「おっと、それは勘弁。」
エース「だな、早く食って次の授業の準備しねぇとな。少し勿体ねぇけど急ぐか!」
2人は食べるスピードを上げてチーズトンカツを完食した。因みに俺とエースTは特に急ぐ理由も無かったからそのままゆっくり食事を取ってからトレーナー室に戻った。
ーーートレーナー室ーーー
八幡「………」カキカキ
……とりあえずこんなところか。よし、後は今日のトレーニングまで時間を潰すか。けど何しよう?これといってやりたい事は無いし、するべき事も無い。また筋トレでもしに行くか?あっ、そういやこの前運動着を寮に持って帰ったんだった……
八幡「……少し仮眠でも取るか。」
少し寝るくらいなら別に構わないよな?長い睡眠はアレだけど、短時間の睡眠って仕事をする上で効率良くなるっていうし。
八幡sideout
たづなside
たづな「比企谷トレーナー、いらっしゃいますか?」
……返事がありませんね、外出中でしょうか?
たづな「失礼します。あら……」
八幡「すぅ……すぅ……」
たづな「お休み中でしたか……それにしても、比企谷トレーナーの寝顔は初めて見ましたね。最近は取材やトレーニングでお忙しかったみたいですから疲れが溜まっていたんでしょうね。」
仕方ありません、今は出直しましょう。
こういうネタ、大好きですからね彼等は。
初めてであろうたづなさん視点。