エアグルーヴside
今日は特に長く感じる1日だった……だがそれだけの事を成し遂げたのだ、私は。トリプルティアラ、桜花賞、オークス、そして今日の秋華賞。全てのティアラ路線を先頭で走り抜いたのだ。
エアグルーヴ「………」
八幡「そんなに嬉しいか?トリプルティアラを獲ったのが。」
エアグルーヴ「っ!な、何故そんな事を聞く?」
八幡「いつもより少しだけ頬が緩んでるから。」
エアグルーヴ「っ!!勝手に見るな!!」
八幡「別に恥ずかしい事でもないだろ。それにあの場では堂々としてたが、今くらいは別にだら〜ってしてもいいんだぞ?バチなんて当たらねぇって。」
エアグルーヴ「貴様の前でそんな体たらくが出来るか!それ以前にこんな所で出来るか!!」
八幡「そうですかい。」
この男は……デリカシーに欠けるぞ!腕が良いのはトレーナー限定か?いやしかしだ、トレーナーのおかげでティアラ3冠を獲れたのもまた事実。労いの言葉も少しは必要だろう。
エアグルーヴ「ま、まぁ……何だ、貴様も良くやってくれたと思っている。私がここまで強くなれたのは貴様のおかげでもある。その点は感謝しているのだ。」
八幡「別に。トレーナーとして当たり前の事をしてるだけだ。それ以外に理由なんてねぇよ。」
………礼は素直に受け取らんか、たわけ。
ーーートレセン学園ーーー
八幡「………」
エアグルーヴ「………」
私達は京都から電車で東京へと戻ってきて、今し方漸く学園に戻って来たのだが………
〜エアグルーヴ 祝 トリプルティアラ達成、おめでとう!!〜
学園の門の前には、大きくそう書かれているプレートが用意されていた。
たづな「あら、比企谷トレーナーにエアグルーヴさん、お帰りなさい!!この度はトリプルティアラ達成、本当におめでとうございます!!」
八幡「あ、ありがとうございます…えっと、これってどういう事なんですか?」
たづな「ふふふっ、説明は後です。さぁ、今は学園に行きましょう!」
八幡「いや真っ先に説明して欲しいんですけど?」
エアグルーヴ「は、駿川氏っ!?」
ーーートレセン学園内・ホールーーー
たづな「さぁ、着きましたよ〜。」
八幡「何ですか、その間伸びした喋り方?こっちは理由もなく連れてこられたんですよ?」
エアグルーヴ「遺憾ですが、トレーナーの言う通りです。説明を要求します。」
たづな「では、その理由をお見せしますね。その理由は………こちらです!!」
駿川氏が扉を開けると夜目になっていたせいか、目の前の光で瞼を閉じるしかなかった。そして………
パァン!パァン!パパパパパパァン!!
『無敗のトリプルティアラ達成、おめでとうございま〜す!!!』
目の前には大勢の生徒やトレーナーに加えて、鳴らし終えたであろう手持ちのクラッカーにたくさんの料理が並べられていた。
エアグルーヴ「こ、これは一体………」
たづな「驚かれましたか?実はエアグルーヴさんの無敗のティアラ3冠を達成した時に学園長からご提案があったんです。そして学園に残っている皆さんの協力の元、大急ぎで準備に取り掛かったのです。」
エアグルーヴ「………」
八幡「よくこんなに出来ましたね………」
たづな「はい!料理は学園のシェフを中心にスーパークリークさんとヒシアケボノさんが、飾り付けはカレンチャンさんとスマートファルコンさん、そしてシンボリルドルフ会長を中心に全生徒とトレーナーが一丸となって準備してくださったのです!」
ルドルフ「そういうわけだ、エアグルーヴ。君の成し遂げた事はそれ程までに我々やこのウマ娘の歴史に大きな蹄跡を刻み付けた。なので細やかではあるが、こうしてお祝いの席を用意させて貰ったのだよ。」
エアグルーヴ「………」
ルドルフ「さぁ、今日の主役は君だ。早速乾杯しようではないか。」
エアグルーヴ「っ!?は、はい!」
それからは私は会長の後に続いて中央に位置取ると、グラスを渡された。
ルドルフ「では、失礼ながら私が音頭を取らせていただきます。この度はエアグルーヴの無敗のトリプルティアラという、とても名誉ある勝利と偉業を讃えてこの席を設けました。生徒の皆、明日の学業は今回特例として無しとなった。今宵は存分に楽しんで欲しい。そしてトレーナー諸君も、日々の業務に加えて担当ウマ娘への配慮、感謝に絶えない。君達も今夜は無礼講だと思って楽しんで欲しい。では改めて、エアグルーヴの無敗のティアラ3冠達成を祝して………乾杯っ!!」
『乾杯〜!!!!!』
………こんな事を用意してくださっていたのか、会長達は。私の為に………
ルドルフ「さぁ、エアグルーヴ。我々も楽しもうではないか。これは君の為に用意した席なんだ、楽しんでくれないと困ってしまうよ。」
エアグルーヴ「会長………はい。」
私は色々な生徒との会話を楽しみながら今という時間を楽しんでいた。普段の事やレースの事、ティアラ路線の事等色々だったが、楽しく過ごせている。
エアグルーヴ「………会長。」
ルドルフ「ん、何かな?」
エアグルーヴ「……ありがとうございます。」
ルドルフ「ふふふっ、それは一体何の礼かな?」