八幡side
「成る程……じゃあトレーニングの時にはコーナリングを重点的にやるのが肝って事なんだな。」
八幡「そうです、後はコーナーでなるべく外に膨らまないようにするトレーニングも必要です。なので先輩のメニューに組み込むとしたら、併走とかコーナリングに入れると良いと思いますよ。」
「あぁ、分かった。次のトレーニングから取り入れてみる。そうだ、聞いておきたかったんだが……比企谷は天皇賞に向けて何をしてるんだ?」
八幡「今は……ってもしかして情報を引き出そうとしてます?」
「そんなんじゃねぇよ。っていうかするわけ無いだろ、そんなズルみたいな事。」
八幡「……ならいいですけど。」
「まぁでも、なんとなく分かった。この前の毎日王冠みたいに走らせるつもりだってのは。」
八幡「シービーもかなり気合い乗ってますからね。次の天皇賞・秋はこの前のような結果にはさせませんよ。寧ろそれ以上の結果にしますよ。」
「おっ、自信あるね〜。じゃあ来週は俺も期待しておくぜ。」
その後、先輩の担当ウマ娘のレースが始まった。最後の打ち合わせの時にコーナーの事を教えたみたいで、結果は2着だった。元々は8番人気だったから大健闘したと言って良いだろう。
そんで次はいよいよ、ルドルフのレースなのだが………なんかもう、人の流れがすげぇ変わった。次は菊花賞のパドックなのだが、マジでとんでもない………
八幡「はぁ……疲れた。」
シービー「こっちはすっからかんだね、皆パドックに行ってるから閑古鳥が鳴いちゃってるよ。勿体無いよねぇ〜こんなに良いターフが見えるのに。」
八幡「そう思うのはお前くらいだろ……ん?いいや、お前の他にもう1人居るみたいだ。」
シービー「うん、彼女も小さいパドックよりもコースを眺めている方が好きだと思うしね。」
ラモーヌ『………』
八幡「まっ、今日は歴史的瞬間に立ち会えるかもしれない日だからな。皆がルドルフに注目するのも無理無いけどな。シービーもそうだったけどな。」
シービー「あたしの時はここまで凄くなかったよ〜。それにあたしは自由に走るだけ、3冠とか興味無いし。八幡も自由に走らせてくれるからさっ♪」
八幡「変な走りをしない限りはそうさせるつもりだ。今のところは追込以外の作戦を許してないしな。」
シービー「あはは、確かに。」
ラモーヌ「少し、よろしくて?」
八幡「?」
シービー「やっほ〜ラモーヌ。君も来たんだ?ルドルフのレースは退屈って言っていたのに。」
ラモーヌ「えぇ、貴女の言う通りルドルフのレースは退屈……けれど、周りの熱は好きよ……」
八幡「……独特の感性を持ってるんだな。」
シービー「あたしもそうじゃん。あたしは自由に走るのが好きで、ラモーヌはレース全てが好きって感じかな。走るのも観客の歓声も。」
な、成る程……そういう感じか。何となく理解した。
ラモーヌ「ところで貴方。」
八幡「?何だ?」
ラモーヌ「貴方のお話を聞かせてくださる?貴方が最も好きなレースのお話を。」
八幡「……そうだな。大分前の、それこそお前達や俺が産まれる前のレースになるが、それでもいいか?」
ラモーヌ「ふぅん……聞かせてくださる?」
八幡「まぁ聞こえ方によってはつまらないかもしれないが、そのレースは………」
それから俺は自分の好きなレースを2人に話した。シービーは途中から理解していた様子だったが、口を挟むような事はしなかった。
ラモーヌ「ふふ……良いお話を聞かせてもらったわ。それに、貴方の熱も伝わったわ。」
八幡「?」
ラモーヌ「貴方がそのウマ娘の話をする時の瞳、とても輝いていたわ。普段誰にも見せない輝きだったわ。」
八幡「……そうか。」
まっ、そうなってたのなら嬉しいな。
シービー「あっ、ちょうど入場してきたね。さて、どんなレースになるかな〜。」
八幡「あぁ、楽しみだな。」
ラモーヌ「………」
その後はあっという間だった……今か今かと待っていた筈なのに、いざ走り終わったらもう終わりなのかと思ってしまう。結果はルドルフが勝利を収めて、日本のレース史上初の【無敗の3冠】を達成した。そして観客の前に立ったと思ったら、右腕を掲げて3本指を立てた。めっちゃ良いパフォーマンスするじゃん。
ーーー車内ーーー
シービー「いやぁ〜良いレースだったね。あんなに盛り上がったレースを見たのは久しぶりかもっ!レースが終わってからも暫くは盛り上がってたし。」
八幡「どうだった?【3冠ウマ娘】の後輩を持った気分は?」
シービー「ふふっ、早く一緒に走りたいよ。どっちが強いのか、ハッキリさせたいよね。」
八幡「ふっ……そうだな。どっちの【3冠ウマ娘】が強いのかはハッキリさせたいな。」
シービー「あっ、八幡もそう思う?」
八幡「まぁな。ルドルフのトレーナーとも話したんだが、向こうも俺達と走るのが楽しみだってよ。」
シービー「良いねぇ〜……けど、あたしはその前に天皇賞・秋だね。」
八幡「あぁ、しっかり勝たないとな。」
シービー「それでさ八幡、もしあたしが天皇賞勝ったらさ〜、あたしの家にお泊まりしてよ!」
八幡「普通に無理だ。」
ライス編でも本人編でも書いてるので、今回はカットしましたww