比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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不幸を呼ぶウマ娘といえば………どのウマ娘でしょうか?


不幸を呼ぶウマ娘

八幡side

 

 

何故かエアグルーヴに怒られたが、あの後は特に何もなかった。中距離が終わって次は漸く最後の長距離部門だ。このレースにはハヤヒデ、クリーク、ブライアン、ルドルフの4人が出る。だが見た所、他にも粒揃いのウマ娘がチラホラと居る。特にあの芦毛の2人だ。

 

紫がかった芦毛の方は均整の取れた良い身体をしている。それに何処となく気品を感じさせる、ひょっとしてお嬢様か?もう一方の芦毛は………一体何やってるんだ?囲碁?将棋?なんか打ってるんだが………レース前にあんな事して意味あるのか?普通なら戦略練る時じゃね?

 

 

オグリ「トレーナー、長距離ならクリークが良いぞ。クリークは私と違ってかなり長い距離を走れるんだ。」

 

エアグルーヴ「おい待て、それを言うなら会長も同じだ。いや、会長なら全ての距離を卒なくこなせるが、本領は長距離だ。おい比企谷、会長の動きをよく見ておけよ。」

 

八幡「いや、そういう情報を教えてくれるのはありがたいから良いんだけどよ………なんでお前等まだ此処に居るわけ?行くとこないの?」

 

エアグルーヴ「私は貴様と約束があるからな、だが会長を差し置いて自分だけ先に結果を知るのは忍びない。会長のレースが終わるまで、此処で待っていようと思っただけだ。」

 

オグリ「私は特に理由は無いが……トレーナーと居ると故郷の事を思い出して居心地が良いんだ。」

 

 

何でだよ!?それなら別に此処でなくても良いだろ!?別の場所に行けよ!此処でなくとも見える場所幾らでもあるだろ!

 

お前は飴やっただけで懐き過ぎだ!!俺お前の故郷知らんし!!もう無いんだからなっ!頭働かせる為に持ってきた糖分だったのに!!

 

 

八幡「はぁ………」

 

オグリ「むっ、どうかしたのかトレーナー?いきなり溜息なんて。溜息をつくと幸せが逃げるんだぞ?」

 

八幡「そしたら俺は何日分幸せを無駄にしてるんだろうな?今に始まった事じゃないから別にいいけどよ。」

 

エアグルーヴ「次のレースが始まる前だというのに、そんな辛気臭い顔をするな。これから走る者の妨げになるだろ。」

 

八幡「はいはい、悪かったよ。」

 

 

ちょっと自販機にでも行ってくるか、集中を切らしたら元も子もないからな。

 

 

八幡「……飲み物を買ってくる。欲しいのはあるか?」

 

エアグルーヴ「……いいのか?」

 

八幡「1本ならな。」

 

エアグルーヴ「………ではお言葉に甘えさせてもらう。私はスポーツドリンクを頼む。」

 

オグリ「1番量が多いのを頼めるだろうか?」

 

八幡「お前ならそう言うと思ってたよ、じゃあ待ってろ。」

 

 

ーーー自販機前ーーー

 

 

八幡「トレセン学園の自販機って初めて見たが、2リットルのもあるのかよ……スゲェな。まぁオグリは2リットルのコーラとして、エアグルーヴはスポドリだったな。トレセン学園にマッ缶なんてあるわけねぇし、俺は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「よ、避けて下さぁ〜い!!」

 

八幡「え?」

 

 

スコォーンッ!!

 

 

八幡「イッテェ!!!」

 

 

俺が声のする方を向くと、その方向からシューズが飛んで来て、額辺りにクリーンヒットした。しかも運の悪い事に蹄鉄が付いてる靴裏の部分が当たってしまった。

 

 

???「ご、ごごご、ごめんなさい!!履き心地が悪かったからちょっとだけ脚を振ってたら前に飛んじゃって………」

 

八幡「つぅ〜……い、いや、大丈夫だ。お前も模擬レースに出るのか?」

 

???「ううん、ライスは出ないんだ。ライスが走ったら、皆に迷惑が掛かっちゃうから………」

 

 

ん?どういう事だ?

 

 

???「あ、ごめんなさい!えと、えっと………ラ、ライスはライスシャワーっていいます。」

 

八幡「お、おう……俺は比企谷八幡だ。一応新人のトレーナーだ。あまり詮索しない方がいいんだろうが、迷惑が掛かるってどういう事なんだ?」

 

ライス「………ライスが誰かの近くに居るとね、その人が必ず不幸になっちゃうの。だから………ライスは走らないの。その人まで不幸にさせたくないから。」

 

八幡「……その不幸ってのは、今のもそうだって事か?シューズが飛んで来たのも?」

 

ライス「………うん、そうだよ。だから「それは違うだろ。」………ふぇ?」

 

八幡「流石にさっきのがお前のせいだってのは言い過ぎだろ、偶然に決まってる。過去に何回もあったってんなら話は別だけどよ、あんま気にすんなよ。」ナデナデ

 

ライス「………えへへ〜、そう言ってもらえたの初めて。あの、ありがとうございます。嬉しかったです。」

 

 

………そう言ってライスシャワー、もといライスはぎこちないながらも俺に笑顔を見せてくれた。何だろう、違う意味でこの娘を育てたくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「悪い、待たせた。ほれ、ご依頼の品だ。」

 

エアグルーヴ「随分と遅かったな?漸く来た………おい、何故ライスシャワーを連れて来ている?」

 

八幡「偶然会ったから。」

 

ライス「あ、あの……トレーナーさん、ライスはいいからレースを「それは言うなって言っただろ?」あうぅ……」

 

八幡「どうして担当も決まってないのに模擬レースに出ないのかは気になるが、そこはお前の事情もあるんだろう?しつこくは聞かない。だがさっきのはこれでお前も了承したろ?」

 

ライス「そ、それはそうだけど………でも、本当にこれだけでいいの?」

 

八幡「あぁ、これだけでいい。」

 

オグリ「むぅ、話が見えないな。何があったんだ?」

 

 

俺は事の経緯とライスを連れて来たわけを説明した。まぁ要するに、俺のただの自己満足だ。連れて来た理由は、ライスがさっきのシューズの件で罪滅ぼしをしたいって言うから、頭撫でさせるで了承させたのだ。

 

 

エアグルーヴ「………少し頭が痛くなって来た。貴様はバカなのか?」

 

八幡「バカで結構だ。けどコイツの髪撫でやすいんだよ。癖強そうなのに意外とサラサラな所もあるんだよなぁ〜。」ナデナデ

 

ライス「あうぅ〜……」ピョコピョコ

 

 

うん。耳も嬉しそうに動いてるし、尻尾もフサフサと動いてる。顔は恥ずかしそうにしているが、決して嫌ではないんだろうな。

 

 

オグリ「ふむ、トレーナーは頭を撫でるのが上手いのだな。」

 

八幡「妹にやってたからな、それで慣れているのかもな。」

 

オグリ「なら今度は私にもして欲しい。」

 

八幡「飴舐めてろ。」

 

オグリ「それはさっき聞いたぞ?」

 

 

………コイツに会ってからつくづく思うが、天然って恐ろしい。

 

 

八幡「エアグルーヴは………したら怒鳴られそうだな。」

 

エアグルーヴ「当然だ。勝手にしていい事ではない。」

 

八幡「する気はないけどな。」

 

 

絶対『たわけ』か『バカ者』って言われるのが目に見える。

 

 

ライス「え、えっと……トレーナーさん。ライスはどうしてたらいいのかな?」

 

八幡「そうだなぁ………じゃあタイム測ってくれたりするか?」

 

ライス「う、うん!任せて!ライス頑張るね!」

 

八幡「良い子だ、この子絶対良い子だ………」

 

エアグルーヴ「貴様はやはりバカだったようだな。」

 

 

 

 

 

 

 




はい、今回はライスシャワーが出てきましたね!!!!!はぁ〜〜ようやく出せたぁ!!!前々からこの展開を考えてたんですけど、ホント可愛い………(ちなみに作者はライス一推しです。)

ライスシャワーといえば菊花賞と天皇賞・春の偉業阻止とレコード更新が有名です。ホント、良い馬(ウマ娘)ですよ………本当なら熱く語りたい所なのですが、本文よりも長くなりそうなので、ここは抑えます。

次回はいよいよ模擬レース最後の長距離編です!

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