八幡side
皆さん、どうもこんにちは。トレーナーの比企谷八幡です。俺は今、理事長室に呼び出されている。呼び出された理由については俺にも分からない。駿川さんが俺を理事長室に連れて来てくれたのだが、理由は何も聞かされていないみたいだ。当の理事長本人はまさかの不在で、絶賛待ちぼうけを食らっているところだ。
たづな「比企谷トレーナー、本当に申しわけございません……まさかこの短時間でこの部屋から出て行かれるなんて……」
八幡「いや、なんかもう怒る気にもなれませんよ……というよりも理事長はどうして俺を呼んだんでしょうか?」
たづな「さぁ……私も何も聞かされていないので。」
八幡「早く要件を聞きたいところですが、その本人が居ないのではどうしようもありませんね……」
ガチャッ!
秋川「おぉ、たづなに比企谷トレーナー!謝罪っ!!どうやら待たせてしまったみたいだ、申しわけ無いっ!!」
たづな「理事長、一体どちらに行かれていたのですか?私はともかく、呼び出した比企谷トレーナーを待たせる事になったんですよ!」
秋川「うむ、では早速本題に入ろうっ!比企谷トレーナー、最近学園の生徒やトレーナーの噂になっているのだが、君は料理以外に飲み物も作る事が出来ると聞いた!」
八幡「はぁ………まぁ、一応はですけど。」
秋川「この場で1つ、作ってはもらえないだろうか?」
理事長が入って来た時に一緒に押してきたワゴンの上に置いてあったクーラーボックスを開けると、中にはジュースが数十本入っていた。しかもシェイカーやかき混ぜ棒まで……
八幡「……この中のジュースを使ってモクテルを作れって事ですか?」
秋川「その通りっ!!」
八幡「………さて、ライスの昼飯を作りにいかないとな。では、失礼します。」
秋川「ちょちょちょちょっと待ってほしい!!!懇願っ!!お願いだ比企谷トレーナー!!」
八幡「いやいや、どうしてそんな事をさせるんですか?もしかしなくても自分が飲みたいだけとか言わないでくださいよ?」
秋川「確かに味も気になる……しかしっ!君の作ったモクテルをカフェテリアのメニューに取り入れたいと考えているのだ!そこで、私とたづなが先行体験として試飲をしようというわけだっ!!」
そういう事なら駿川さんにも話を通しておいてもよかったのでは?どうして俺を呼ぶ理由を話さなかったんですか?
八幡「そういう事なら調べてレシピを調理スタッフに教えるなりすればいいでしょう、どうしてわざわざ俺を呼んで試飲を?」
秋川「君の方が手際も良いだろうし、作り方も色々と慣れているだろうと思ったからだ!」
八幡「……1杯だけ作ります。何を作りますか?」
秋川「比企谷トレーナーに任せる!」
八幡「(そこも丸投げかよ……)分かりました。」
とりあえずジュースだけで作れるモクテルでいっか。
ーーー2分後ーーー
八幡「出来ました、どうぞ。」
たづな「炭酸、ですね……比企谷トレーナー、これは?」
八幡「アップルジンジャーです。本当ならシロップも入れた方が美味しくなるんですけど、今回はジュースだけだったので材料はりんごジュースとジンジャーエールだけです。」
秋川「ほほう、アップルジンジャー!では、いただこうっ!!」
たづな「いただきます。」
秋川「っ!美味いっ!このような味になるのか!」
たづな「ですが、これでもまだ未完成なのですよね?シロップを入れるともっと美味しくなるんですか?」
八幡「そうですね。今のままでも美味しいんですけど、炭酸が強いので甘味を出す為にシロップを使うんです。」
秋川「比企谷トレーナー、このアップルジンジャーはどのようにして作るのだろうか?」
八幡「まずはグラスに氷を入れてからジンジャーエールを入れてからりんごジュースを入れます。それから2つが混ざるようにかき混ぜるだけです。」
秋川「ほう、意外と簡単なのだな!」
八幡「はい、後は比率を間違えなければ大丈夫です。炭酸が好きな場合はジンジャーエールを多めに、甘さを楽しみたい場合はりんごジュースを多めにする事で味わいが大きく変わります。」
たづな「そうですか……好みによって変えられるのは面白いですね。微炭酸、炭酸、強炭酸、この3つは楽しめるという事になりますね。」
秋川「アップルジンジャー………採用っ!!」
簡単に採用されたな……まぁ作り方も教えたし、後は2人で色々してくれるだろう。
八幡「それじゃあ俺はこれで失礼します。」
秋川「比企谷トレーナー、この中にあるジュースで作れるモクテルを教えてほしい!」
八幡「申しわけありませんが、これだけじゃ精々5種類が限界です。そもそも果実そのものとかシロップが無いと作れない種類が多いですから。」
たづな「これだけジュースがあるのに、それでも5種類だけなのですね……」
噂の出所はきっとシービーとマルゼン、東条さん辺りだと思うが、あんまり新しい事はするもんじゃないな。すぐこんな風に目を付けられる。
八幡「もう少し静かに過ごすとするか、手遅れかもしれないが。」
理事長、遂に動き出したか……