八幡side
エアグルーヴ「今のように、私は後輩達に教えている。まぁ毎回見る事は出来ないが、それでも可能な限りは見るようにしている。」
シーザリオ「成る程、勉強になります。」
エアグルーヴ「しかし関心だな、まだ中等部2年だというのにもう後輩の育成の事を考えているとはな。」
シーザリオ「私の母親が教育熱心でしたので、私も将来は母と同じように後進の育成に力を注ぎたいと思っているんです。」
エアグルーヴ「ほう、そうだったのか。私の母もクラブ活動をしているから、その話は理解出来る。実際に指導を受けた私やドゥラもあの人無くしてこの走りは身に付けられていない。母の指導の賜物と言っても良いだろう。」
シーザリオ「確か先輩のお母様は……ダイナカールさん、でしたね。現役時代に樫の舞台、オークスを勝利したウマ娘。」
エアグルーヴ「うむ、私も母のようなウマ娘に近付かんが為に努力している最中だ。」
………現在トレーナー室。俺は今、トレーニングメニューを作成しているのだが、ソファーにはウチのチームリーダーのエアグルーヴとチーム・アスケラの一員のシーザリオが勉強会を開いていた。勉強内容は聞いていて分かったが、後進育成の事だった。エアグルーヴは俺がトレセン学園に来る前から後進育成に力を入れていたから、誰かに指導をするという点においては学園の中でも上位レベルだろう。
そんなエアグルーヴの指導をシーザリオが直に受けて感銘を受けたらしく、こうして育成の勉強をしているという流れだ。
シーザリオ「先輩のこのトレーニング方法は学園に入る前から勉強されたからこその完成度なのでしょうか?とても洗練されたメニューです。」
エアグルーヴ「いいや、私1人ではこのような緻密なトレーニングは組めない。八幡のおかげでトレーニングの作成やメニューの幅が広がったと言える。」
シーザリオ「比企谷トレーナーが?」
エアグルーヴ「あぁ。お前も知っているとは思うが、八幡の指導力は通常のそれとは大きく異なる。およそ普通のトレーニングとは根本から全く違うものだ。私がトリプルティアラや秋のシニア3冠を達成出来たのも、その八幡の指導があったからだ。」
シーザリオ「私もテレビで見ていましたが、とても圧倒的な走りでした。成る程、あの走りは比企谷トレーナーのトレーニングによるものだと。」
エアグルーヴ「その通りだ。」
当時はトレーニングにだけ注力して他には口を挟むなって言われてたっけなぁ〜……あの頃、懐かしいな。
エアグルーヴ「シニア1年目の有マ記念ではドーベルと同着になったのも良い思い出だ。よくトレーニングを見ていたからな。そんな後輩がいつしか私と並ぶまでに強くなったのだからな、感慨深いものだ。」
シーザリオ「そうだったのですね………っ!そういえば、先輩が天皇賞・秋を優勝した時に比企谷トレーナーに抱き着いた時があったと思いますが、あれはどういう意図があったのか聞いてもいいですか?」
エアグルーヴ「………」チラッ
おい、こっち見んな。
八幡「話したかったら話してもいいぞ。別に秘密にしている事でも無いんだろ?」
エアグルーヴ「うむ……そうだな。まぁ、簡単に言うとだ……八幡から初めて『おめでとう。』と面と向かって言われたからだな。」
シーザリオ「………それだけ、ですか?」
エアグルーヴ「当時の私は今のように柔らかい性格では無くてな、八幡にも迷惑をかけていた。シニアになってからはとある事がきっかけで互いにすれ違いがあってな、天皇賞で会長や友人達の手助けもあって八幡があの場に来て言葉をかけてくれたのだ。あの時の感情は今でも鮮明に覚えている………トリプルティアラを達成した時の高揚感を遥かに越えていた。八幡と過ごした3年間の中で1番嬉しかった瞬間だ。」
けどまさか泣くとは思わなかった……けど確かあの日から始まったんだよな、俺への名前呼び。
シーザリオ「そんな事が………」
エアグルーヴ「それから私は八幡にこれまでの事を謝罪して、私を支える杖としてでは無く、共に歩むパートナーとして新しくスタートしたのだ。」
シーザリオ「……凄い。すれ違いがあっても、こうしてまた一緒に歩めてるんですね。」
エアグルーヴ「単に私が不器用なだけだったのだがな、だがそれのおかげで今の私がある。」
シーザリオ「……良いなぁ、そういうの。」
………なんかさっきと声の色変わってね?
シーザリオ「あの、先輩。例えばどんなところが変わりましたか?比企谷トレーナーもどういうところが変わったのか、教えていただけると嬉しいです。」
エアグルーヴ「………」
八幡「………」
………え、誰?さっきの真面目な感じのキャラどこ行った?目の前に居るこの子、誰?
エアグルーヴ「そ、そうだな……天皇賞を勝つまで、私は八幡にとある契約をしていたのだ。簡単に言えば、トレーニング以外で私の行動に口を出すなというものだ。これまでのトレーナーが生徒会や後進育成の事に茶々を入れる者達ばかりだったからな、八幡にも同じように契約をした。」
シーザリオ「ふむ………」
エアグルーヴ「八幡は口を出す事はしなかったから、少しは信頼出来るトレーナーだと思っていたが、天皇賞を勝ってからはそれが全て変わった。まぁ、そうだな………私のトレーナーは八幡以外に考えられない、と思うようになったな。」
シーザリオ「………」
エアグルーヴ「天皇賞後の翌日には契約を変更してな、気になる事があれば何でも言ってくれて構わない。信頼しているからこそ、口に出た言葉だと思っている。」
シーザリオ「な、成る程……先輩と比企谷トレーナーって私が思っていた以上に深いご関係だったのですね、誤解していました///」
エアグルーヴ「っ!?………ま、まぁ……あながち間違ってはいない///」
気まずいからやめてくれ……後進育成の勉強会がどうしてこんな暴露大会になったんだ?それとシーザリオ、深い関係って何だ?それどういう意味だ?
今回はシーザリオさんの初登場です!
何と言っても日米オークス制覇ですよね。日本馬によるアメリカGⅠ勝利をもたらしたのはこの馬からなんですね。あのシンボリルドルフでさえもアメリカでは着外でしたからね……それを考えればとても凄いです!
お母さんになってからも超優秀で、エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアといったGⅠ馬を輩出しています!そしてデアリングタクト、エフフォーリア、ダノンデサイル、ブローザホーン、ステレンボッシュ、テーオーロイヤルといったG Iホースの祖母としても名を残しています!