スズカside
夏合宿が始まって、まだまだ3日目……
エアグルーヴ「アグネスタキオン、サイレンススズカ、ジャングルポケット、マンハッタンカフェ。以上、207号室は全員揃っています。」
ポッケ「いやぁ~昨日もトランプで盛り上がったせいか、寝付くのが遅くなっちまったぜ~。」
エアグルーヴ「私語は慎め、ポッケ。」
スズカ「………」
皆で朝の体操。普段なら、今頃は学園の周りを走っている時間で………
ーーー夕食の時間ーーー
タキオン「メニューが基本的に一律で決まっているのは良いねぇ。皆のデータが取りやすくて助かる。」
ダスカ「タキオンさん、それって一体何のデータなんですか?」
タキオン「おやおや、教えるのも吝かじゃないが、まだ途中でねぇ。」
スズカ「………」
普段なら、朝のランニングから帰ってきて、シャワーを浴びている頃で………
ーーー浜辺ーーー
ポッケ「なぁ、皆でトレーニングしねぇ?せっかく同室なんだし、わざわざ相手を探す手間も省けるしさっ!」
スズカ「………」
寮生活なら………もっと走れていた。思い切り、走りたい。全然、足りていない。
ーーー夜・207号室ーーー
スズカ「………」ソロォ∼…
エアグルーヴ「待てスズカ、何処へ行こうとしている?」
スズカ「っ!そ、その……今から走りに行こうかな……って。」
エアグルーヴ「成る程な。しかしじき消灯時間だ。今から行っても、たいして走れないだろう。」
スズカ「そう、よね………」
エアグルーヴ「全く……合宿の場でも変わらずだな、お前のその性格は………早朝ならば走る時間も取れるだろう。ただ、配膳当番には遅れないように気を付けろよ。」
スズカ「っ!ありがとう、エアグルーヴ!」
エアグルーヴ「気にするな、お前のそれは今に始まった事では無いからな。」
ポッケ「なぁ~、隣の部屋の連中がトランプしないかだってさ。お前達もどうだ?」
スズカ「あ、ごめんなさい。明日は早く起きたいから、私は遠慮するわ。」
エアグルーヴ「……そうか、私は参加しよう。トランプなぞ久しぶりだな。」
ポッケ「何だよ、チームとかでやらないのか?フジさんならやりそうなのによ~。」
エアグルーヴ「アイツの場合、遊びではなくマジックに使いそうだがな。」
スズカsideout
エアグルーヴside
「あぁ~楽しかったぁ~!皆でやるポーカーってあんなに面白いんですね~!」
「スズカさんも来れば良かったのに……もしかして、あんまり皆と一緒に居たくないのかなぁ………」
エアグルーヴ「いや、そういうわけでは無い。アイツは1人が好きで……要はマイペースなんだ。」
カフェ「とはいえ、ここは合宿……集団生活の場……変にストレスを溜めないといいのですが……」
タキオン「そうかい?私は楽しみだがねぇ……あの彼女にも変化があるのかどうか。」
普段とはまるで違う毎日だ。好きに走る事の出来ない、律された日々。取り巻く環境の違い……スズカの気持ちは理解出来る。ただ………
エアグルーヴ「………いや、これは私のエゴか。」
誰かの為にと思って行動しても、空回る事だってある……今はまだ様子を見るべきか。
エアグルーヴsideout
スズカside
ーーー早朝ーーー
スズカ「すぅ~……はぁ~……うん、良い空気。よしっ!」ダッ!
あぁ~………やっぱり心地良いっ!走れば走る程、景色がキラキラ輝いて……脚が勝手に前へ前へ進んでいくみたい!どこまででも、どこまででも行けてしまいそう。ふふっ!
スズカ「はぁ……はぁ……はぁ……ふぅ~。」
……ふふっ、この感じ……スッキリして、でも満たされてもいて……
スズカ「はぁ……気持ち良かった。」
エアグルーヴ「………」
スズカ「あら、エアグルーヴ?」
エアグルーヴ「スズカ……やっと戻ったか。お前、何か忘れてやしないか?」ジッ
忘れる?何かあったかしら………
スズカ「………あっ、配膳当番っ!」
エアグルーヴ「その様子だと、完全に忘れていたみたいだな。」
スズカ「ごめんなさい、私ったらすっかり……」
エアグルーヴ「……決まった時間に戻らないと、皆も心配する。何にせよ、次は気を付けてくれ。分かったら食事に行ってこい。早くしないと食堂が閉まるぞ。」
スズカ「エアグルーヴ……その、ありがとう。それと……ごめんなさい。」
エアグルーヴ「………」
エアグルーヴ(……早々にこうなってしまったか。大きな問題にはならなかったものの、これが続くようでは後々に響く。何とかせねばなるまいな……)
「あっ居た居た!エアグルーヴ!レクリエーション委員会絡みで少し頼みがあってさ。実は、今年集まりが悪いんだ。大した仕事量じゃないんだけど……せめてもう1人くらい補充出来れば嬉しいなって状態で……募集をかけてくれない?」
エアグルーヴ「そうだったか。分かった、明日の朝礼で……いや、頼みたい相手が居る。声をかけてみよう。」
……これがどんな方向に向くのかは、正直私にも分からん。だが、スズカの為にも尽くせる手は尽くそう。ライバルがあの調子では目も当てられんからな。
スズカ、当番を忘れちゃう程、走りに夢中に……