スズカside
急いで朝食を食べ終えた私は、部屋に戻ってトレーニングの準備を始めていたのだけど、部屋に戻ってきたエアグルーヴから声をかけられた。
スズカ「私が、レクリエーション係に?それは、えぇと……上手く出来るかしら?」
エアグルーヴ「確かに、これ以上縛られるのは気も乗らないのかもしれない。ただ……スズカ。夏合宿には、此処でしか見られない特別な景色があるんだ。だからこそ、この生活の真ん中へ行ってみてほしい。1度心を離す事無く、しっかり向き合ってみてほしいんだ。」
スズカ「向き合う……?」
エアグルーヴ「その中で見えてくるものが必ずある。お前にとってプラスのなるものだ……私はそう信じている。」
スズカ「………」
ーーーその日の夕食ーーー
結局、やる事になっちゃった……自由な時間を取れなくて、憂鬱で……その事はエアグルーヴだって、もうきっと分かってくれている筈……それでも進めてくるのは、その先に何かがあるから……なのよね、きっと。
そうしてその日から、皆との合宿を意識するようにしたのだけど……
ーーー委員会会議ーーー
「さて、知っての通り合宿最後の夜はBBQ大会がある。そこで余興を用意するのが、レクリエーション委員会の仕事なんだ。肝試しとかビンゴとか、定番のものなら準備もすぐ出来るけど、何か他の提案がある子は居る?」
スズカ「………」
「えぇっと~……」
「うぅ~ん……」
「……特に無ければ、今年もビンゴ大会かな。前にやった時は割と盛り上がったし。じゃあ、それで決定って事で!」
『は~いっ!』
良かった……レクリエーション係がそんなに時間の取られるものじゃなくて……って、また1人の時間を確保する事を考えちゃった……集団生活に向き合ってみてって言われてるのに。
ーーーとある時間・廊下ーーー
早朝からなる前まで、いつもより大人数が過ごす大部屋での生活は、毎日がどうしても窮屈に感じられてしまう……
タキオン「トレーニングでもないのに雑巾がけなんて、時代錯誤ではないかな?」
カフェ「何日同じ事を言っているんですか……いい加減慣れてください。文句を言ってもやる事は変わらないんですから。」
タキオン「しかしだねカフェ、これを毎日同じだけやるというのはどうかと思うのだよ。」
カフェ「そんな事を言っているから、貴女の研究室は散らかったままなんですよ……」
ーーー自習時間ーーー
スズカ「………」
エアグルーヴ「………」
ポッケ「あぁ?こんなんに使える公式なんかあったかぁ?つ~か夏合宿でも勉強って……ダリぃ~。」
エアグルーヴ「ポッケ、静かに解け。」
ポッケ「へいへ~い……」
ーーー入浴時間ーーー
けれど………
カフェ「スズカさん?珍しいですね……いつも、すぐに出て行ってしまうのに……」
スズカ「えっと……そうね。その、もう少し……皆と一緒に喋ってみようかなって……」
カフェ「そうですか……それなら、少し一緒に浸かりますか?」
ーーー翌日・浜辺ーーー
ポッケ「ビーチフラッグ、ルールは知ってんだろ?あの旗を先に取った方が勝ちな!審判頼んだぜ、スズカ!」
タキオン「忘れないでおくれよ、ポッケ君。私が勝ったら、加圧トレーニングのテスター協力!」
スズカ「えぇっと、それじゃ……位置について、よーい……どんっ!」
ーーー就寝時間・207号室ーーー
『………』
ポッケ「……なぁ、寝た?」
タキオン「寝たよ。」
ポッケ「なんか今日、暑くねぇ?これじゃ眠れねぇよ!ふっ、皆でしりとりでもしようぜ。しりとり、はいカフェ!」
カフェ「………リンボ。」
※日本語で【辺獄】。カトリック教会で「原罪(アダムとイヴの)のうちに死亡したが、永遠の地獄に定められていない人間が、死後に行き着く場所。」と考えられてきた場所。カフェ、何でそんな事知ってるの?もしかしてカトリック教徒?
タキオン「ボーア磁子。」
※君、寝たのでは?
エアグルーヴ「……こら、寝ろ。」
※はい。
スズカsideout
エアグルーヴside
ーーー翌日・朝ーーー
エアグルーヴ「調子はどうだ、スズカ?多少慣れてきたように見えるが。」
スズカ「そうね。夏合宿って……窮屈なだけじゃない。それは少し分かった気がするわ。皆は優しいし、面白い。慣れれば集団行動もそんなに窮屈じゃないし、景色も綺麗ね。」
エアグルーヴ「そうか。」
スズカ「でもやっぱり……1人の時間が恋しいと思ってしまうの……ごめんなさい。きっと私、わがままなのよね。それじゃあ私、そろそろ配膳当番の時間だから行ってくるわ。ごめんね、エアグルーヴ。」
エアグルーヴ「……そう、上手くはいかんか。」
だが明日は八幡が言っていたトレーニングが行える。それまでは、私の出来る事をやろう。
タキオン「ふぅん……随分、スズカ君に目をかけているんだねぇ。」
エアグルーヴ「なっ……いつから聞いていた?」
タキオン「君達が話し始めた辺りからかな。ささやかな問題が起こっている事はずっと前から気付いているさ……なぁ、2人共。」
すると木の陰からカフェとポッケが出てきた。