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ポッケ「うんめぇ~~~っ♪やっぱここのコレ、マジで美味いよなぁ~♪」
スズカ「……あ、あのぉ~ごめんなさいエアグルーヴ。海にタックルなんか……少し、勢い余っちゃったっていうか………」
エアグルーヴ「……いや、気にするな。というか……くくっ、ははっ!あはははっ!」
スズカ「……え?」
エアグルーヴ「ふふ……いや、まさかお前に海に突き飛ばされる日が来るとはと思ってな……思い出しても笑えるっ!」
スズカ「……ふふ、そうね、私もあんな事するなんて思わなかったわ……あんなに思い切っちゃったの、久しぶりだわ……楽しかった。」
タキオン「まぁ、ポッケ君の作戦は成功と言えるのではないかな?」ボソッ
カフェ「………」
そして時間が過ぎて、夜となった。生徒達は部屋に戻ってはおらず、合宿所の前で花火を持っていた。
エアグルーヴ「振り回したり投げたりするなよ。バケツは各部屋につき1つ配布している。各自注意しながら花火を楽しむようにっ!」
『は~い!』
八幡(今年は花火もやるのか……お友達を待たせておいて正解だった。誰も居ないのに火花だけ飛び散っていたらマジで幽霊が出たって噂が出かねないからな……ホントに幽霊なんだけどさ。)
カフェ「……あの、お隣いいですか?」
スズカ「カフェ?えぇ、どうぞ。」
カフェ「……水鉄砲、嫌じゃありませんでしたか?」
スズカ「……そうね、初めは皆の様子に驚いたけど……気付けば私も夢中になっちゃって。それに………」
スズカ(赤い夕陽に白い飛沫、皆のはしゃいだ声。少しだけ肌寒い浜辺で食べた、冷たくて甘い味………)
スズカ「不思議と、あの時の事はなんだか、暫く忘れなそうなの。」
カフェ「そうですか……1つ話を、聞いてもらえますか?」
スズカ「?えぇ。」
カフェ「……昔、タキオンさんとの共同スペースのカギが壊れて、2人で閉じ込められた事があったんです……『アグネスタキオン』と言えば、学園の問題児。当然、スペースを彼女と共有するのは、嬉しいものではなく……とはいえ、私にとってグッズの保管場所は必要でしたからやむを得ず、受け入れていたような……そんな状態でした。」
スズカ「そ、そうなの……それよりも、閉じ込められた事の方が気になるのだけど……」
カフェ「……そうですね、あれは確か………」
ーーー回想ーーー
タキオン「くぅ~ダメだ!やはりドアを蹴破るしか方法は無いのだろうね!私としては、不必要な衝撃を脚に与えたくはないのだが……いや、ならば爆破という手があるじゃないかっ!」
カフェ「爆破、ですか?それは、ちょっと……!」
カフェ(爆破は最終手段に……と、色々試しては見ましたが扉は強固で……結局、彼女の言う通り爆破で外に出る事が出来ました。)
スズカ(ば、爆破………)
タキオン「けほっ、ゴホッゴホッ!!……やった、やったぞ!!外に出られる!反省文に弁償は面倒だが、致し方あるまい!」
カフェ(安堵し、窓の外の宵闇が薄暗がりになっているのを見た時……ふと、思ったんです。)
カフェ「あの、今更なのですが……そもそも、朝まで待てば誰かが開けてくれたんじゃ………」
タキオン「………」
カフェ「………え?」
タキオン「……………あ、あぁ~……参った。そうだ、そうだよ、そうじゃないか!」
カフェ(あの『アグネスタキオン』があまりに普通に頭を抱えていて、それがなんだかおかしくて。どうにも印象に残っていて……)
ーーー回想終了ーーー
カフェ「今でも何故か時折思い出すんです……濛々と煙る早朝の廊下……頭を抱えながら参ったように笑う。煤だらけの彼女の姿を……」
スズカ「……そんな事が。」
カフェ「他にも、ユキノさんが小さな雪だるまを持って廊下を歩いている姿や、ポッケさんがチームメンバーと大喧嘩をしている姿……ヴィクトリー倶楽部の皆さんが春の中庭にシートを敷く姿。ユニヴァースさんが1人、晴天に手をかざす姿……そういった記憶が、沈んだ私を引き上げる事が、極偶にですが確かに、あるんです……大きな成功体験でも、価値観を揺るがす経験も無い、ただの『ある少しだけ特別な出来事』によって、心の
スズカ「………」
カフェ「……私も集団生活は苦手です。出来る限り暗くて静かな場所で、1人で居たい……けれどああいうものは見ていなければ、ただ通り過ぎていくものだと思う、ので……お節介でしたらすみません。それでは……」
スズカ「………」
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八幡side
「あれぇ~?」
「どうかしたの?」
「あのさ、バケツ知らない?1個足りなくてさ~。」
「え?部屋毎に配られたんじゃないの?」
「そうなんだけど……気付いたら無くなってたんだよね~。」
八幡「お友達、急かしてるわけじゃないがちょっと急いでくれよ?お前がバケツ振り回すせいでどっか行っちまったんだから。」
お友達『♪~♪~』ワァ∼イ!!
八幡「くそ、楽しそうにしやがって……姿なんて見えてないのに花火が色んな方向に向いてるから分かっちまうんだよなぁ……っと、それよりもバケツ探さないと。」
八幡がお友達のお世話係?