スズカside
夏合宿が嫌だった……窮屈で、煩わしくって……でも、いつからかしら?その気持ちは和らいでいて……今日の夕方は、本当に楽しくて。
エアグルーヴ「カフェはやらんのか?手持ちが嫌なら他の花火もあるぞ。ほら、打ち上げ花火にロケット花火、ねずみ花火、爆竹と色々だ。」
カフェ「爆竹は……しまっておきませんか?何をするか分からないのが2人も居ますし……」
エアグルーヴ「……そうだな、今はしない方が得策だな。」
タキオン「なぁポッケ君、線香花火の大元は細い藁に火薬を付けた物らしい。300年前の人を魅了した美しさ、見てみたくはないか?」
ポッケ「おい、火玉落とすぞ。勝負に集中しろよ!」
『ある少しだけ特別な出来事』。それが……今なのかしら?この景色は……いつか思い出す大切なもの、なのかしら?いつか、私の背中を押してくれるもの、なのかしら?
花火が終わって、私達は合宿所に戻った。私は部屋には戻らず、レクリエーション委員会の打ち合わせがあったからそれに参加する予定。以前の私だったらきっと、やり過ごしていたかもしれない。けれど、今は………
「それじゃ、そろそろビンゴ大会の準備を始めようか。当日の司会と、景品の買い出しについてなんだけど……」
スズカ「あ、あの……もう少し、特別なものの方が、良いのかなって思うんですけど……」
「えぇ~っと、特別なものっていうと?」
スズカ「もっと、こう……皆の記憶に、心の底に残るような、そんなレクリエーションの方が、良いような気がするんです。せっかくの夏合宿なんですし。」
私は今の気持ちを委員会で話してみた。
ーーー207号室ーーー
タキオン「ほうほうほう!ほぉ~うほうほうほう!」
スズカ「えっと……タキオン?」
タキオン「あのスズカ君が!レクリエーションの再考を願い出て!改めて企画の練り直しをしていると!いやぁ~実に面白いっ!」パチパチッ!
スズカ「そ、その方が皆にとって良いように思えたの。でも……一体何をすれば良いのか分からなくって。」
エアグルーヴ「成る程……それで、我々にアンケートを取ろうとしているわけか。」
スズカ「えぇ。皆は、どんな企画であれば嬉しいのかしら?」
ポッケ「そりゃもう、パーッと遊べるのが良いんじゃねぇか?皆トレーニング尽くしだったわけだし、ガス抜きって事でよ。」
タキオン「ふぅん?私はそんな君達の観察に徹したいねぇ……ゆっくり、じっくりねぇ。」
ポッケ「………」ジトォ∼…
エアグルーヴ「遊びといえば、スイカ割りやビーチバレーか……どちらにせよ、監督しやすいと助かる。カフェはどうだ?」
カフェ「えぇっと……のんびりする方が好きですね。コーヒーを淹れたり、景色を眺めたり……」
スズカ「ありがとう。どれも悪くないけれど、バラバラね……全員が楽しめるものなんて………あっ!」
そうだわ、あの時のっ!
スズカ「あの、前に栗東寮でパーティーをした事があったの。各々ゲームをしたり、お喋りをしたり、食事をしたり、それぞれ自由に過ごせるパーティーで……あの時みたいに、食事……BBQをしながら、皆がそれぞれ自由に好きな遊びが出来れば、良いんじゃないかしら?」
タキオン「ほうほう、成る程!BBQとレクリエーションは別物と考えていたが、そこを合体させてしまうというわけかっ!」
ポッケ「ならさ、いっそ会場をビーチに移しちまえば?コーヒー飲むのもビーチバレーやるのもスイカ割りやるのも、海だったら大体出来んだろ!好きに食って、好きに飲んで、好きに遊ぶ!つまり………『ビーチパーティー』だっ!!』
スズカ「ビーチパーティー……うん、凄く良さそう!ありがとう、もう少し練って、次の委員会で提案してみるわ!」
忘れない内にメモしておかないと。ふふっ、なんだか楽しみっ!
タキオン「………クク、随分な変わりようだな。大成功じゃないか、エアグルーヴ君。」
エアグルーヴ「あぁ、私も驚いているよ……お前達には礼を言わねばな。」
そうして、次の日。簡単な企画書を作って委員会に提出すると………
スズカ「BBQ実行委員会と合同で、皆でビーチパーティーに決定したわ。皆、意見をたくさんくれてありがとう!」
タキオン「こちらこそだスズカ君。BBQ実行委員長として私も尽力しよう!目指すはべくは、至上最高のビーチパーティーだっ!」
こうして、今日からビーチパーティーに向けて準備が始まった。
ーーー浜辺ーーー
沖野「それじゃあ今日は前にも伝えていた通り、チーム・ポラリスと合同トレーニングをするぞ。今日はチーム・ポラリスのメニューで明日はウチのメニューでトレーニングしていくからな。」
ゴルシ「うっしゃあ!そんでハチ、何すんだ?貝探しか?草籠作りか?それとも海の家作んのか?」
八幡「どれも違う。今日やるのは………リレーだ。」
スぺ「リレー……ですか?」
八幡「そうだ、1人2,000mで高低差ありのな。まず最初はコース紹介と説明するからアップがてら走ってくぞ。あっ、沖野さんも着いてきてくださいね?」
沖野「おいおい……俺、着いて行くのもやっとなんだが?」
八幡「そこは頑張りましょう、スピカのトレーナーなんですから。」
沖野「なぁ誰かぁ~俺がバテたら連れてってくれ~。」
トレーナーさんがそう懇願していたけれど、帰ってきたのは冷たい拒否だったわ……
スズカさん、良い変化の兆しですね。