比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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他人の為、自分の為

 

 

スズカside

 

 

「ねぇねぇ、あっちでビーチフラッグやるって!あたし達も参加しようよっ!」

 

「良いねぇ~やろやろっ!あっ、どうせなら3本勝負しない?」

 

「負けないけどね~!」

 

 

「パラソルの下でお話しません?あそこなら静かだし、海も綺麗に見えるし。」

 

「だったら飲み物も一緒に持って行きましょう。その方が景色も味も楽しみながら会話が出来ますし。」

 

「そうですね、では一緒に飲み物を選びに行きましょう。」

 

スズカ「ふふ、皆楽しそう……あら、エアグルーヴにフジさん……トレーナーさんも。」

 

 

……エアグルーヴとトレーナーさんにはお世話になったから、声をかけに行こうかしら。

 

 

スズカ「こんにちは、エアグルーヴ。それに2人も。」

 

フジ「やぁスズカ。」

 

八幡「おう。」

 

エアグルーヴ「楽しんでいるか?」

 

スズカ「えぇ、そっちも楽しめているみたいね。」

 

フジ「そうだ、このにんじんがとっても美味しいんだよ。君は今日のパーティーの立役者だからね、1つどうだい?」

 

スズカ「ありがとうございます。でも今はやめておきます、もう少しこの景色を見ていたいので。」

 

エアグルーヴ「そういえば、ポッケがビーチバレーをすると張り切っていた。私も誘われたのだが……お前もどうだ?無論、無理にとは言わんが……」

 

スズカ「そうね、参加してみようかしら。」

 

エアグルーヴ「……ふっ、そうか。夏合宿に来たばかりの頃のお前からは考えられんな。」

 

スズカ「え、そう?」

 

エアグルーヴ「あぁ。覚えているか?寮生活にもまた、慣れるまで時間がかかっていた事も。」

 

フジ「あぁ~あの時の事だね。久々に寮で見たと思ったよ~。」

 

八幡「何だ、最初の頃も色々あったのか?」

 

エアグルーヴ「あぁ、あの頃は………」

 

 

ーーー回想・数年前 栗東寮ーーー

 

 

エアグルーヴ「サイレンススズカ!何度言えば分かるっ!?夜は門限を守れ、朝のランニングは早めに戻れ、後は食事を抜くなっ!!」

 

スズカ「その……走ると周りが見えなくなってしまって……ごめんなさい。」

 

エアグルーヴ「あぁ、次は気を付けろ。それに……偶にでいい、寮生と話すようにしてくれ。お前は自由奔放な上に無口だろう。不良だと勘違いする奴が増えてきてな、怖がられているぞ?」

 

スズカ「え………う、嘘でしょ………」ガ∼ン…

 

エアグルーヴ「本当の事だ。そうでなくても閉じた寮生活において交友関係は良好であるに越した事は無い。もう少し、意識してみろ。」

 

スズカ「………はい。」

 

 

エアグルーヴ(あの時も私は提案しただけで。努力したのはお前だったな。時折忘れながらも、時間に気を付け、食事を摂り……寮生から話帰られれば、たどたどしくも応じるようになり……やがて誤解は解け、お前自身もの表情も柔らかくなった。寮の催しに参加しているのを見た時は、驚いたよ。)

 

 

ーーーとある夜ーーー

 

 

スズカ「ねぇ、エアグルーヴ。変な話、してもいいかしら?」

 

エアグルーヴ「珍しいな……どうした?」

 

スズカ「夜に帰ってくると、ああして寮の窓が光っているでしょう。分かっているのよ、ただ電気が点いているだけだって。でも、それでも……あれを見ると『おかえりなさい。』と言われている気がするの。『おかえりなさい。』『お疲れ様。』それから『明日もまた、いってらっしゃい。』って。それが……くすぐったくて、何だか嬉しいの。ふふ、私ったら変よね。」

 

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

八幡「………なんというか、安易に想像が出来るな。」

 

エアグルーヴ「そうだろう?だが私は、スズカが寮の生活に馴染み、思い出を重ね、やがて帰るべき場所を思えるようになった事が……凄く嬉しかった。」

 

スズカ「そう、だったのね……エアグルーヴって、いつも陰で気にかけてくれているわよね。ありがとう、私の為にそんなに……」

 

エアグルーヴ「……いや、今回は違う。今思えば、半分は自分の為だった。」

 

フジ「君自身の?」

 

エアグルーヴ「………私の思い出の中に、お前の姿も残したかった。お前と共に過ごした夏の日々が欲しかったんだ。いつの日か、きちんと思い出せるように。だから、お前をそそのかしたのかもしれん………いや、変な事を言ったな、気にするな。」

 

スズカ「……ふふ。ううん、ありがとう。私何だか、今の言葉を、ずっと忘れられない気がするわ。」

 

フジ「……けど私は初めて聞いた気がするよ。エアグルーヴがこんな風にロマンチックな事を言うところを。」

 

八幡「あぁ、俺も。」

 

エアグルーヴ「なっ!?ひ、人前で言う機会などあるわけが無いだろうっ!!それよりも八幡、お前だっ!」

 

八幡「は?何で急に俺?」

 

エアグルーヴ「いい加減その暑苦しい恰好をやめんか!いつまで着ているのだっ!」

 

フジ「それについてはエアグルーヴに同意だね。八幡さん、そのパーカー……脱いでくれるよね?」ニコッ

 

八幡「何でだよ……いいだろ別に、泳ぐわけでもないんだから。」

 

エアグルーヴ「他の男性トレーナーを見習えっ!」

 

八幡「はぁ………分かったよ、脱げばいいんだろ?」

 

 

そしてトレーナーさんは呆れた顔をしながら着ているパーカーを脱いだのだけど………

 

 

スズカ「え?」

 

エアグルーヴ「………」

 

フジ「おぉ………」

 

八幡「……何だよ、鳩が豆鉄砲を喰らったみたいな顔しやがって。」

 

スズカ「え、えぇ~と……トレーナーさんって鍛えてるんですね?」

 

八幡「ん?あぁ、まぁな。」

 

エアグルーヴ「……ま、まぁ鍛えているだけあって均整の取れた身体だな。」

 

フジ「う、うん……良い筋肉だね。」

 

八幡「………別にどうでもいいんだけどよ、何でそっぽ向いてんの?」

 

エアグルーヴ「いや、別に理由など無い。」

 

フジ「エアグルーヴと同じ……」

 

八幡「……そうかい。」

 

 

トレーナーさん、きっと見ていられないんだと思います……だってトレーナーさんの腹筋、割れてるから。

 

 

 




エアグルーヴさん、八幡のパーカーを脱がせたのも自分の為でしょうか?
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