八幡side
11月に入って寒さが際立つ様になってきた。特に出走するレースの予定の無いエアグルーヴとフジキセキはトレーニングに励んでいる。オフシーズンというわけではないが、今は力を蓄える時だと思っている。にしてもホント、この時期はGⅠが盛り沢山だから飽きないよなぁ………URAの人達も苦労してんだろうなぁ。トレーナー業もそれなりだが、URAの人達はもっとヤバいんだろうな。うん、絶対に転職先には選ばない。
まぁそれはさておき、最近では見学者……もといカメラマンの姿を頻繁に見かける。何で……と聞かずとも分かる。狙いはトレセン学園もそうだが、俺だろう。後輩とメインT、バブルが天皇賞のインタビューで盛大に俺の噂の事を全面否定してくれたおかげで、学園には時間になったら取材陣のような奴等が入って来る。噂の事なんて別にどうでもいいんだけどな。
エアグルーヴ「……ふっ……ふっ……ふぅ〜……トレーナー、終わったぞ。」
フジ「今回のはかなり短かったけど、意味はあるのかい?」
八幡「あるからやってるんだ。ほら、水分摂っておけ。でないと飲ませるぞ。」
フジ「へぇ?それはどうやって?」
八幡「ニヤけてるくらい余裕なら今すぐスタートでも大丈夫そうだなぁ?んん?」
フジ「こ、ごめんごめん!からかい過ぎたよ。」
エアグルーヴ「おい、さっさと行くぞ。」
フジ「分かったから急かさないでよ。まだ水分摂ってないんだから。」
まぁ今見てくれた通り、俺達は今かなり順調だ。前のように口ケンカは起きないようになってる。ケンカっぽいケンカなんてした事無いけどな。
そんなある日、俺達はとある依頼を理事長から持ちかけられた。
八幡「トレーナー希望者の職場見学?」
秋川「肯定っ!!ウマ娘のトレーナーという狭き門を潜ろうとしている若人達に学園内や施設を見てもらおうと思い、こうして相談をしている次第だっ!!」
八幡「……それで、俺が呼ばれた理由というのは?」
秋川「君にはトレーニングを任せたいと思っている!!今1番勢いのあるトレーナーを直に見れば、学べる物は多いだろうと考えたのだっ!!」
八幡「……とりあえずはいつも通りのトレーニングを見せれば問題無いんですよね?」
秋川「肯定っ!!君の技術を若者達に見せてあげて欲しいっ!!」
八幡「……とりあえず理解はしました。ですが担当の2人とも話したいので、すぐには返事は出来ません。2人に相談した後に報告してもいいですか?」
秋川「うむっ、話し合いは重要だ!!良い返事を期待しているっ!!」
ーーー部室ーーー
八幡「という事があってな、お前達にも一応相談する。どう思う?」
エアグルーヴ「私は一向に構わん。それにその日は授業も無ければ観戦予定のレースも無い。トレーニングに打ち込む予定だから問題無い。」
フジ「私も問題無いよ。その日に予定は入ってないから、私達の動きを見せてあげようか!」
八幡「そうか?お前達がそう言ってくれると俺も決めやすいが、見られるのが嫌とかそういうのはないのか?あっ、トレーニング中の話な。」
エアグルーヴ「そういうものは無い。ドーベルだったら即断っていただろうが、私は平気だ。」
フジ「マジックショーでもしてあげようか?」
おぉ……何とも頼もしい。
八幡「了解。じゃあ理事長にはOKって返事しておくから、その日は空けておけよ。忘れてた、なんてやめてくれよ?」
エアグルーヴ「そんな事するわけが無いだろう。」
フジ「ちゃんと此処に来るから安心してよ、トレーナーさん。」
八幡「まぁ大丈夫だとは思うけどよ……」
さて、じゃあ理事長室に行くか………
八幡sideout
エアグルーヴside
………行ったか。
エアグルーヴ「フジ、私の言いたい事は分かるか?」
フジ「勿論さ、エアグルーヴ。まぁ間違えてる事なんて無いとは思うけど、敢えて聞こうじゃないか。」
エアグルーヴ「あぁ………今回のこれはチャンスだ。トレーナーの評価を少しでも回復させる良い機会だ。」
フジ「けれどどうするんだい?私達のトレーニングを見てもらうだけじゃ、トレーナーさんの評価は大して上がらないと思うよ?」
エアグルーヴ「あぁ、お前の言う通りだ。そこでだ、見学当日にはそれなりの格好にして貰う。奴の姿勢についてはその時だけでも伸ばしてもらうようにしてもらうしかあるまい。そして最大の特徴が………」
フジ「トレーナーさんの目、かい?」
エアグルーヴ「あぁ、正直打開策が思いつかん。容姿というのは人を評価する上でかなり重要になってくる。奴の容姿が悪いとは言わんが、あの目で殆ど台無しになっていると言っても過言ではない。」
フジ「中々棘のある言い方だね………」
しかしどうしたものか……
ガチャッ
シービー「おっじゃまっしま~す……ってあれ、八幡居ないの?2人だけ?」
フジ「シービー先輩、ようこそ。どうかしたんですか?もしかしてトレーナーさんですか?」
シービー「そっ♪暇だから遊びに来たんだ。けど八幡居ないのかぁ……出直そうかなぁ。」
エアグルーヴ「っ!シービー先輩、少しいいですか?」
シービー「ん?何かな?」
エアグルーヴ「トレーナーの事ですが、今のトレーナーの容姿を最大限に変えるとしたら、どのような方法があるか思い付きませんか?」
シービー「……何をしようとしてるの?」
……仕方ない、これは1から説明するしかあるまい。
ーーー事情説明中ーーー
シービー「ふぅ~ん、成る程ねぇ~……まぁ見てもらう人にもよるけど、印象って大事だもんね。あたしは今の八幡好きだけどなぁ~。やさぐれてるけどその中に優しい感じがあってさ。」
フジ「ですが今回はそれではダメみたいで……」
シービー「そうだなぁ………」
………やはり、無いのだろうか?
シービー「あっ!良い事思いついた♪」
シービーの良い事とは?