八幡side
ビーチパーティーから数日。今日は合宿の帰還する日で合宿に参加したメンバーは既にバスに乗り込む段階だ。
八幡「エアグルーヴ、人数は?」
エアグルーヴ「……うむ、全員乗車済みだ。乗り遅れも居ない。」
八幡「よし、じゃあ出発だな。お願いします。」
「はい、分かりました。」
本当なら俺はチーム・ポラリスの面倒を見なくちゃならないんだが、ウチのチームには生徒会副会長に栗東寮寮長、学級委員長とリーダーとなりうる人材が多く居る。他のバスにまとめ役として配分している。勿論、教員やトレーナー達も付き添いとして同乗している。
んで俺はこの高等部1~2年の栗東寮所属の担当をしている。
カ・タ・ポ「すぅ……すぅ……」
スズカ「さっきまでの元気が嘘みたい……ビーチパーティーの疲れがまだ残っていたのかしら?」
エアグルーヴ「どちらかというと、緊張の糸が切れたのではないか?不慣れな場所での生活だ、楽しくもストレスは溜まる……」
スズカ「それもあると思うけど、きっとお昼の料理を食べ過ぎたからじゃないかしら。だってチーム・ポラリスのトレーナーさんがとっても忙しそうに調理していたもの。私も食べてみたけれど、本当に凄く美味しかったわ。」
エアグルーヴ「あぁ。それをこの合宿期間に作ってくれるだけでも感謝せねばなるまい。加えてメニュー作りも並行して作成していたのだ、八幡こそ1番疲れているだろうに……」
スズカ「おかげでバスの中は皆グッスリね……スぺちゃんも泣きながら食べていたもの。」
エアグルーヴ「毎回の事だが、夏合宿では八幡に頼み込む姿が見られた。だが今年は例外だろうな……八幡へ頼み込む姿が無かった。その代わり、群がってはいたがな。」
スズカ「そこはいつもと同じだったわね。」
あぁ、マックイーンがスイーツを貰えた時みたいな泣き方だったわ。まぁ、マックイーンにはスイーツを求められたが、生憎そこまでする気は無かったから沖野さんに丸投げしたけど。
エアグルーヴ「学園へ帰ると思うと……気も緩んで……ふぁ……私も、着く前には………」
スズカ「すぅ……すぅ……」
エアグルーヴ「すぅ……すぅ……」
スズカ(この前の、ビーチパーティーの景色がまだ、脳裏に焼き付いている……太陽に包まれた、青くて騒がしい、あの景色は………きっと、きっと、忘れずにいられるわ。)
八幡「……皆寝ちまったか。」
にしても、今年は色々と騒がしかったな……トレーニングはいつも通りだったが、ビーチパーティーがあったから全く違った。それに最後には夏祭りも参加したからな……何でだろうな、ここまで来たら全部に参加しちまえって思ったのかねぇ?俺を見つけたシービーなんて一目散に飛びついて来たし。
八幡「……意外と、楽しかったな。」
来年はもう少し、時間を取るようにしても良いかもしれないな。
ーーー数時間後ーーー
「……っ!……きろ。八幡、起きろ!」
八幡「……ん?」
エアグルーヴ「起きたか……もうすぐ学園に到着するぞ。」
八幡「……あぁそうか、悪いな。」
エアグルーヴ「本当だったら寝かせてやりたいところだが、流石にそうもいかないからな。」
八幡「いや、大丈夫だ。」
……とりあえず、俺も降りる準備するか。
ーーートレセン学園ーーー
八幡「ありがとうございました。」
エアグルーヴ「……八幡、大丈夫か?」
八幡「ん?あぁ、ちょっと寝足りないだけだから気にするな。」
エアグルーヴ「……八幡、この後何か予定はあるか?少し時間が欲しいのだが……」
八幡「ん?時に何も無いが、相談事か?」
エアグルーヴ「いや、そうでは無いのだが……とにかく付き合ってほしい。」
八幡「……分かった、じゃあトレーナー室に行くか。そこなら誰かに聞かれる事は無いだろうしな。」
エアグルーヴ「あぁ。」
ーーートレーナー室ーーー
八幡「待ってろ、今「いいや、私が淹れる。アイスココアで構わないか?」え?あ、あぁ………」
え、どうした?もしかして相談に乗ってもらうからか?
エアグルーヴ「待たせたな。」
八幡「いや、大丈夫だ……うん、美味い。」
エアグルーヴ「そうか、それは良かった。」
八幡「んで、どうしたんだ?」
エアグルーヴ「………八幡、寝ろ。」
………え?
八幡「ね、寝ろ?」
エアグルーヴ「あぁ、ここにな。」
八幡「……なぁ、お前がトントンしてる場所、膝なんだけど。」
エアグルーヴ「その通りだ。お前、今日は朝から働き詰めだった上に連日動きっぱなしだっただろう。碌に身体を休めていない……違うか?」
八幡「……見破られてるな、流石は1番長い付き合いなだけはあるな。」
エアグルーヴ「そういう事だ、お前に今必要なものは休息だ。この後お前が取る行動は席から立ち上がってこちらのソファーに寝転び、私の膝を枕にする事……それだけだ。」
八幡「………因みに拒否権は?」
エアグルーヴ「今回ばかりは無い。」
仕方ない、ここは従うしか無さそうだ。それに今此処には俺とエアグルーヴだけだしな。
俺はエアグルーヴの座っているソファーに移動して、そのままエアグルーヴの膝に頭を預けるように横になった。
八幡「……門限が過ぎそうだったら、俺の事放置して帰っていいからな。」
エアグルーヴ「安心しろ、念の為その事も含めて寮母には報告してある。もし過ぎた時にはお前の家で厄介になる。」
八幡「………まぁ、そうなったら俺のせいだしな。」
エアグルーヴ「いいからお前は身体を休めろ。」
八幡「あぁ、そうさせてもらう。」
こんな提案をするとは夢にも思わなかったが、高校生相手に見破られるようじゃ俺もまだまだだな。
っというわけで、【夏の陽は、青く凪く】はこれにて終了となります。
全部で20話となりました!自分でも割と早く終わったなって思いました。
お次の内容は既に決めてあります!楽しめるように頑張りますっ!