比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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覚悟

 

 

八幡side

 

 

チケゾー「どうしたのトレーナーさん?急にこんな所に連れて来て……」

 

八幡「あぁ、その事で聞きたい事がある……ユキノ。」

 

ユキノ「は、はい?」

 

八幡「お前、あの時どんな提案をしようとしたんだ?」

 

ユキノ「え?それは、新しい和菓子を作って、お客さんを呼ぼうと……ばれんたいんらしい和菓子が作れたらと思って。」

 

八幡「成る程な……」

 

フライト「あの、トレーナーさん?」

 

八幡「……ユキノ、その提案がどれだけ大変なものか理解した上で言うつもりだったのか?」

 

ユキノ「え?」

 

八幡「俺は和菓子については全く知らない。だが一人前の和菓子職人になるには最低でも10年の修行が必要になるというのは聞いた事がある。加えて、あの人が店主みたいだが、他の従業員の姿が見えなかった。つまり作れる人が限られるって事になる。それに客を呼ぶともなれば新しい和菓子だけ宣伝しても意味は無い。その場限りの延命にしかならない。」

 

ユキノ「じゃあ……トレーナーさんは反対なンですか?」

 

八幡「いや、そんな事は思ってない。だがさっきの提案じゃ助ける事にはなるだろうが、それもこのバレンタイン限定の話だ。もし成功したとしてもバレンタインが終われば、また元の閑古鳥が鳴く店に逆戻りだ。」

 

ユキノ「………」

 

八幡「この店を助けたいのなら、この店の特色を活かしたやり方でやらないと意味が無い。それこそ、年中店頭に置いておいてもすぐに売り切れになるくらいの和菓子は絶対に必要になる。」

 

 

厳しい事を言うようだが、店の経営っていうのはそういうもんだと思う。どれだけ美味い和菓子を作ろうと、それを食べてくれる人が居なければ価値が分からないまま終わってしまう……俺はこの店の和菓子を食べた事無いから何も言えないが、少なくとも学生が『辞めてほしくない。』という理由だけで続けさせる理由にだってならない。

 

 

カフェ「……確かに、八幡さんの言う通り……ですね。バレンタインだけ盛り上げても、時期が限定されてしまいます……」

 

フライト「そうですね。トレーナーさんの言っていた、年中店頭に置いても売り切れになるくらいの商品は必要になりますね。」

 

八幡「それにだ。いくらやると決めたところでアイディアが決まってなければ試作もままならない。準備期間はたったの2週間、14日までに新商品の完成と宣伝ともなると、普通に寝て起きて作業するだけじゃ圧倒的に時間が足りない。それに材料だって無限にあるわけじゃない、試作段階で支払うコストも考えないとミリ単位もしくはコンマ単位で細かい作業になる。」

 

ユキノ「………」

 

八幡「ユキノ、お前がこの店を助けたいのはさっきの大声で既に理解してる。俺も厳しい言い方をしてる自覚だってある。それを聞いた上でも、この店を助けたいか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユキノ「助けてぇです!!」

 

八幡「………」

 

チケゾー「あたしも協力するっ!!あのおばあちゃんの力になってあげたい!!」

 

バクシンオー「勿論、私も協力させていただきます!この学級委員長も協力し、必ずやこの店を復活させてみせますともっ!そして、末永く美味しい桜餅をっ!!」

 

フライト「私はお話の最中に、店内をみさせてもらいましたが、隅々まで掃除された店内。整然と陳列された商品……何より、如月の……春の気配を思わせる、色鮮やかな和菓子……まさに一流の職人の魂のこもったお仕事!この『輝き』が誰にも知られず、ひっそり消えていくなんて受け入れられません。私も、力にならせてください。」

 

ユキノ「……どうでしょう、トレーナーさん!」

 

八幡「……じゃあ、今の気持ちを店主さんにぶつけてこい。」

 

ユキノ「え?ト、トレーナーさんは?」

 

八幡「学園に戻る。ついでに和菓子も買って。今のお前達の気持ちを伝えれば、店主さんも再起してくれると思うぞ。それとカフェ。」

 

カフェ「はい?」

 

八幡「オルフェとジャーニーに伝えておいてくれ、暫く食後は和菓子になるって。」

 

 

俺は1人座敷から出て、店頭に向かった。

 

 

八幡「すみません、ありがとうございました。それと、おすすめの和菓子を幾つかください。」

 

「あぁはい、どうも……それで、あの子達は?」

 

八幡「その内出てきます。店主さんなりにアイツ等の気持ちを聞いてやってください。」

 

「はぁ……分かりました。」

 

 

ーーートレセン学園ーーー

 

 

同期2「随分遅かったじゃねぇか比企谷~混んでたのか?」

 

八幡「いや、別に。ちょっと寄り道してただけだ……はい、お土産。」

 

後輩「これって……和菓子、ですか?」

 

八幡「あぁ。」

 

同期2「なぁ比企谷、俺チョコを頼んだ筈なんだけど?」

 

八幡「ちゃんとあるって……ほら。」

 

同期2「おっ、サンキュー!」

 

後輩「先輩、いただきますね。」

 

八幡「あぁ。じゃあ俺も……いただきます。」

 

 

………

 

 

同期2「おぉ、この和菓子意外と美味いなっ!」

 

後輩「はい、思っていたのと違って食べやすいです。」

 

八幡「……そうだな。」

 

 

確かにこの味……誰にも知られずに消えていくのは勿体無いな。

 

 

 

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